中小企業のためのマーケティング戦略立案のレシピ

2017年05月07日

中小企業のマーケティングには、数多くのチャレンジがあります。一番大きなチャレンジは、少ないリソースで最大の効果を出さなくてはならないことでしょう。

中小企業ではマーケティング部を設置している企業はまだまだ少ないと言えます。多くは営業推進部と称して営業部の中にマーケティング機能があったり、総務部が兼任していたりします。何か急な仕事が入れば、あなたのマーケティング活動の手を止めなくてはならないこともあります。

このような状況の中小企業のマーケティングでも、最適なアプローチをすれば、作業の効率化と結果の点で大きな差を生み出すことができます。

さっそく、他社に差を付けるための、中小企業のマーケティングで特に気をつけるべきポイントについてご紹介していきたいと思います。

1.マーケティングの観点から見る中小企業の特徴

中小企業のマーケティングについて触れる前に、まずは中小企業の特徴を整理しておきましょう。

中小企業は大企業に比べて、経営資源という名のリソースが不足しています。経営資源とは、いわゆる「ヒト、モノ、カネ、情報、ブランド」などをさします。

しかし、中小企業ではヒトが少ないため、社内の意思決定のプロセスがシンプルで実行までスムーズにできます。メルマガのコンテンツでも担当者がメルマガを書いても社内稟議や承認のプロセスがなく、担当者の権限で実行できます。

中小企業のこのような特徴があなたの部門でも該当するなら、本日紹介する中小企業のマーケティング手法が十分に活用できるでしょう。大企業でも新設の新規事業部やスタートアップ、ベンチャー企業にも有効です。

2.中小企業だから「明確な」マーケティング目標を設定しよう

中小企業のマーケティグでは、大企業のマーケティング目標と比べて、より明確かつ計測と実行可能な目標を設定すべきです。

中小企業ではリソースに制約がありますが、意思決定プロセスが素早く進みます。社員の誰もがすぐさま実行に移せるレベルの目標が重要です。中小企業の強みを発揮できるようになります。

すぐさま実行に移せるレベルの目標とは、特にPDCAのプロセスの中でも、CA(チェックと改善)がスムーズにできるレベルの明確かつ計測可能な目標を設定するよう心がけましょう。

Web経由のリード獲得でも構わないし、既存顧客リストから営業案件を作り出す、ということでも構わないでしょう。

「認知度を上げる」「ブランド力をつける」などのあいまいかつ結果の計測が難しいマーケティング目標は、中小企業マーケティングには不向きと言えます。

3.中小企業のマーケティング戦略のポイント
中小企業のマーケティングで自社の戦略を策定するプロセスを見ていきましょう。

2-1.自社のターゲット顧客を設定する

中小企業のマーケティングには、少ないリソースで考えられる最大の結果を出したいはずです。そのために中小企業のマーケティングでは、選択と集中は必要不可欠になります。

中小企業のマーケティングでは最初に、あなたが情報を届ける相手を絞り込む。つまりターゲット顧客を設定するところから着手すべきです。

ターゲット顧客を設定する方法は2つあります。

1つは、市場をセグメンテーションすることから始めます。市場を俯瞰的にみて、お客さまが感じる価値軸を2つほど選んで市場を細分化します。この方法は、市場のセグメンテーションを確実にできると同時に、自社の製品やサービスがお客さまに届ける価値軸が明確になっていることが条件です。

セグメンテーションについて
マーケティングにおけるセグメンテーションの基本事項は「マーケターなら必ず抑えておくべきセグメンテーションの基本事項|カイロスのマーケティングブログ」にまとめました。合わせてご覧くださいませ。

中小企業ではなかなかこのセグメンテーション作成の方法が難しいことがあります。

その場合には、自社製品の理想の顧客像を考えることから始めてみることをお勧めします。ペルソナの利用が便利です。

ペルソナについて
ペルソナは、あなたのターゲット層の具体的な姿です。ペルソナではそのターゲットの人物像を勤務先、年収、仕事、興味やモットーなどなどのレベルまで明確にします。詳しくは「誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順」で紹介しております。合わせてごらんください。

中小企業のマーケティングにおけるターゲット層のペルソナはひとつでなくても大丈夫です。むしろ最初は複数のペルソナがあることを推奨します。当社カイロスマーケティングには、3つのペルソナを設定しています。

ペルソナがしっかり決まっていれば、Webやメールのコンテンツの企画や作成に困ることはありません。ペルソナに応じてコンテンツの内容とその優先順位もすぐに決まります。その分、あなたのリソースを節約でき、質の高いコンテンツの提供が可能になります。

ペルソナ像がしっかりと定まれば、中小企業マーケティングのセグメンテーションがしっかりていることになります。

2-2.中小企業の強みを生かしたマーケティング

中小企業マーケティングのセグメンテーションの方法についてご紹介しました。実際の中小企業マーケティングの現場では、セグメンテーションを作成して後からもう一度セグメンテーションをし直すこともあります。

中小企業だけでなくマーケティングでは一般的に、STPと4Pをします。どちらもマーケティングの重要なフレームワークとしても有名です。

STPでは、市場における自社のポジショニングをします。自社にとってできるだけ有利に展開できるセグメンテーションとポジショニングを取ることがポイントです。

STP分析について
STP分析とは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字を取り、市場のニーズを満たす価値軸に対して自社の優位な位置づけを演出する自社商品やサービスの立ち位置(ポジショニング)を決めるためのプロセスです。くわしくは「誰にも教えたくないSTP分析の使い方のコツ|カイロスのマーケティングブログ」を参考にしてください。

STP分析で自社のターゲットとする市場と、その市場におけるポジショニングを決めたら、次に製品に関する製品仕様、価格、流通、プロモーションについて決めていきます。この4つのタスクは全て英語のPからなる文字から始まっているため、4P(マーケティングミックス)と呼ばれます。

マーケティングミックス(4P)の概要
マーケティングミックス(4P)はマーケティングや営業の担当者であれば、しっかりと使いこなせるようにしておきましょう。マーケティングミックスをうまく使いこなすためのコツを「マーケティングミックス(4P)かしこく使う7つの秘訣|カイロスのマーケティングブログ」でまとめてあります。

中小企業のマーケティング戦略では、自社が競合他社に比べて優位に戦える戦術を描くことです。大きなセグメンテーションを狙うと、大手企業対してなかなか優位なポジションを導き出せません。その場合は迷わずもっと小さなセグメンテーションを狙うようにしましょう。自社が優位に戦えるようになるくらいまで、どんどんセグメンテーションを小さくすべきです。

まずは小さな市場(セグメンテーション)で大手企業より優位に戦いほぼ独占状態にすること。そのために、小さな市場を狙うだけでなく、そこにピッタリあったマーケティングミックス(製品仕様、価格、流通、プロモーション)をする戦略を描くことが、中小企業マーケティングの重要なポイントです。

最初から大きな市場をねらって、半数以上のお客さまがあなたの製品を好んでくれた、というだけでは不十分です。小さな市場であなたの製品の熱狂的なファンを作ることが大切です。熱狂的なファンをどんどん増やすことは、だいたい満足してくれるお客さまを増やすよりも簡単です。熱狂的なファンは、口コミによって知り合いに広めてくれる可能性を秘めているからです。

2-3.現状の中小企業マーケティング手法から拡張する

中小企業だけでなくマーケティング一般で取りうる手法は、ほぼ無限に存在します。無限に存在するマーケティング手法の中で、リソースに限りのある中小企業ではやはり選択と集中が欠かせません。

中小企業では、今手掛けているマーケティング手法や活動から初めてみることをオススメします。これまでと全く同じやり方ではなく、これまでから少しだけ変更を加えます。

中小企業マーケティングにおいて新規顧客の獲得が目的の場合では、新しい手法でアプローチするか、今の顧客とは異なる顧客セグメントへとアプローチすることが思い浮かぶでしょう。

これまでと全く新しい中小企業のマーケティング手法、つまり新しい手法でこれまでと異なる顧客セグメントにアプローチする方が、リスクが大きいことは言うまでもありません。

例えば、これまでダイレクトメール(DM)を中心とした中小企業マーケティング活動をしてきたとしましょう。この企業がいきなり今流行りのソーシャルメディアを活用したマーケティングを手がけるとどうなるでしょう?

DM中心に行ってきたマーケターにとって、ソーシャルメディアを活用したマーケティングは相当な手探りとなる上に、効果測定できるあらゆる指標が無いためねらったマーケティング効果が出にくいことが推測できます。

2-4.お客さま視点のバリュープロポジションを

中小企業のマーケティングで忘れてはならないのは、バリュープロポジションです。あなたの会社や製品のお客さま価値を、読んで3秒でわかるインパクトのある言葉で表現したものがバリュープロポジションなのです。

バリュープロポジションの作り方
バリュープロポジションの作り方は、「良いバリュープロポジションを作る5つのコツ|カイロスのマーケティングブログ」にまとめました。合わせてごらんくださいませ。

バリュープロポジションは、中小企業マーケティングのメッセージやキャッチフレーズなど、あらゆる場面で活用できます。技術のある中小企業では、どうしても製品機能に着目したメッセージになりがちです。バリュープロポジションの作り方を読んで、お客さま視点のメッセージを作るように心がけましょう。

3.中小企業のマーケティング戦略の実行

ここからは具体的な中小企業マーケティング戦略の実行に関する注意点について見ていきましょう。

3-1.自社で気軽に更新できるWebサイトを立ち上げる

中小企業のマーケティングは営業リソースにも限りがあるため、自社製品を紹介するWebサイトは必須とも言えます。今のお客さまのほとんどが、企業情報でも製品についても、まずはインターネットでまず調べることがほとんどでしょう。

中小企業の特徴である「意思決定の早さ」を活かすためには、Webサイトでも自社である程度なら回収できるようにしておくべきでしょう。新製品やお客さまとの面談でよくあるご質問や伝えるべきノウハウなどは、どんどん自社のWebを使って公開します。意思決定やWeb制作に時間がかかりやすい大手に比べて、Webの更新頻度は中小企業の強みです。

中小企業のマーケティングにとって、Webはそれだけの役割にとどまりません。

中小企業マーケティングでも法人顧客は、購買に至るまでのプロセスが比較的長いです。購買直前の訪問者だけでなく、情報収集を目的とした訪問者も数多くあなたのWebサイトを訪ずれます。こうした訪問者に対しても、リードナーチャリングなどで、購買意欲を高めるためのマーケティングをすべきです。

メルマガなどではメールの本文に関連するWebページのリンクを挿入します。FacebookやTwitterでもURLの掲載で、関心の高い見込み顧客をあなたのWebサイトへと呼びよせます。

メルマガ本文内のリンクには、毎回同じコンテンツを利用するわけにもいきません。ある程度のバラエティを用意する必要はあるでしょう。そのためにも、Webサイトは中小企業マーケティングで重要な役割を担っています。

3-2.マーケティングオートメーションで問い合わせフォームを作る

中小企業マーケティングでは、マーケティング活動だけでなく営業のリソースについても考えなくてはなりません。

あなたのWebサイトから数多くの問い合わせがあるようになりました。営業が早速お客さま先に訪問してもなかなか成約につながりません。

営業担当者にヒヤリングしたところ、お客さまのニーズがわからないため訪問しても自社の紹介に留まるだけで提案まで至らないことがわかりました。

営業担当者が多くない中小企業のマーケティングにとってこれは致命的な問題です。マーケティング活動が営業リソースを消耗しています。このような問題を解決するのがマーケティングオートメーションです。

マーケティングオートメーションの最大の特徴は、Web訪問者の行動履歴を記録することでお客さまのニーズが読み取れる点です。従来のWeb解析では特定できなかった「個」を特定することができます。つまり、誰がいつどのWebページを閲覧したかわかるようになります。

マーケティングオートメーションについて
マーケティングオートメーションの機能や概要は「たった5分で理解するマーケティングオートメーション|カイロスのマーケティングブログ」にまとめました。くわしく知りたい方はこちらの記事を参照ください。

中小企業のマーケティングでは、マーケティングオートメーションのフォーム機能を使って、あなたのWebサイトの問い合わせページを作成することをお勧めします。問い合わせした見込み客の情報を獲得できるだけでなく、行動履歴からその見込み客のニーズが推測できるようになります。

問い合わせ情報とWebアクセス履歴から推測できるニーズを組み合わせると、問い合わせがあった見込み客をスムーズに営業クロージングできるようになります。

3-3.自社のメルマガ配信リストを作成する

フォームからの営業問い合わせを増やすためには、自社に蓄積したお客さまの名刺情報が活用できます。お客さまにメルマガなどのメールを送ることで、自社のWebサイトに誘導して役に立つ情報を届けるようにしましょう。

中小企業マーケティングでメルマガは必ず採用するようにしましょう。コンテンツを作成することがWebやその他のツールに比べると簡単であるだけでなく、費用も抑えることができるため、リソースに限りのある中小企業マーケティングには最適なツールであると言えます。

中小企業マーケティングで柔軟に変更可能なWebサイトとメルマガを組み合わせると、定期的に自社のWebサイトに興味関心のある見込み客を呼び込めるようになります。

最終的に、マーケティングオートメーションで作成した問い合わせフォームに引き込めれば、マーケティング活動だけでなく営業活動まで効率が良くなります。

3-4.事実に基づいたテストは中小企業マーケティングで欠かせない

中小企業のマーケティングでは、ある目標や仮設を設定して、そのテストを繰り返すことが最も大事かもしれません。

中小企業マーケティングでは、意思決定の早さを生かし、必ずデータやテスト結果を忘れないようにしましょう。

かといって、やみくもにあらゆる手法を試すほどのリソースが中小企業にはありません。また、圧倒的に知見やノウハウが溜まっているわけでもないでしょう。したがって、ある程度あたりをつけてマーケティング施策を試してみる必要がでてきます。施策は次の一手のために評価すべきです。

この一連の流れはまさにPDCAです。PDCAでは特にPD(計画と実行)もさることながら、CA(
チェックと改善)に重点を行きましょう。

中小企業マーケティングでは、全く新しい手法を試さないように心がけましょう。今の施策に類似する方法から徐々に仮説検証のためのテストを繰り返すのが最適です。

3-5.中小企業のマーケティングだからこそタスクをルーチン化しよう

最適なマーケティング手法が見えてきたら、その作業やフローはできるだけ、マニュアル化やルーチン化、可能であれば自動化してしまいましょう。マーケティングオートメーションのシナリオ機能などで、可能な限り自動化します。リソースが少ない中小企業マーケティングでは、この作業は大切です。

ただ毎回同じことをしていては、改善するチャンスが少なくなってしまうことも心に留めておきましょう。中小企業マーケティングの場合、目安として、全体のうち2割はこれまでと違うことや新しいことを試してみましょう。その2割を評価し、あなたのゴールに対してより大きな成果が見込めるなら、新しい方法を採用すべきです。

4.さいごに

中小企業のマーケティングでお役に立てそうな情報をご共有させていただきました。今日から取り組めるものがありましたら、ぜひ試してみてください。

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