マーケターなら必ず抑えておくべきセグメンテーションの基本事項

2015年08月03日

セグメンテーションは、事業を行う上で年々重要な概念になっています。とくに最近では、モノやサービスや情報が市場にあふれ、市場のニーズがより多様化しています。こうした市場のニーズにマッチした商品やサービスをより効率的に展開するため、マーケティングの現場では、セグメンテーションをすることがごく当たり前になってきました。

セグメンテーションは英語の「Segmentation」であり、区分けや区分という分割することをさしており、文字通り市場をより細かく分類することをさしています。しかしながらセグメンテーションは、単に市場を分類するのではなく、いくつかの特徴と注意点があります。

1.セグメンテーションとは

セグメンテーションとは、不特定多数のリードを、似通ったニーズや特徴を持つグループに分類することを指します。

セグメンテーションはマーケティングの現場では2つの役割があります。

1-1.広告・宣伝に活用するセグメンテーション

セグメンテーションは、広告や宣伝、ブランディングなどを目的としてマーケティングの現場で活用します。

セグメンテーションにより市場を細分化すれば、より効果の高いマーケティングの実現の可能性があることは言うまでもありません。マス的に全方位の広告・宣伝をすれば、莫大な費用がかかるだけでなく、その効果も半減します。

ライフスタイルや購買行動における振る舞い、製品やサービスに抱くイメージなど、特定のセグメンテーションの感情に働きかける広告・宣伝やブランディングなどで、顧客を似通った特徴や特性によって分類します。

セグメンテーションの取り方次第で、特定セグメンテーションの感情に上手に働きかけることが可能です。

1-2.商品開発や販売で利用するセグメンテーション

一方で、セグメンテーションは商品開発においても活用できます。ただし、このセグメンテーションの分け方は、先ほど説明した広告・宣伝に活用するセグメンテーションとはアプローチが異なります。

広告や宣伝で活用するセグメンテーションは、顧客の属性や特性に応じて分類します。例えばBtoCなら地域や性別、年齢、BtoBなら地域、役職、業種などによるセグメンテーションは広告や宣伝で活用できます。製品の特性とセグメンテーションの取り方で、広告のターゲットの感情にうまく働きかけることができるからです。

広告が感情にうまく働きかければ、あなたの製品の認知や購買のきっかけになります。

しかし製品には、利用者の利用の状況、ロイヤリティ、購買頻度や履歴、購買決定のプロセスや方法などの要素を含むため、商品開発や商品販売では広告・宣伝とは違うセグメンテーションを用意する必要があります。

2.セグメンテーションの作り方の基本

セグメンテーションで市場を細分化した後、ターゲットセグメントを定め(ターゲティング)、そして自社のユニークな立ち位置を設定(ポジショニング)します。

マーケティングの現場でよく使うセグメンテーションの方法(変数)を説明します。

2-1.地理的変数(ジオグラフィック)

まずは地理的に分割する方法があります。国や地域、都市/市町村などでセグメンテーションをおこないます。セグメンテーションではこれらは「変数」と呼びます。キャンペーンなどで自社の活動する中心領域を国内や都心部に限定する場合などでは、セグメンテーションに地理的変数を用います。

BtoC(消費者)マーケティングでよく利用します。しかし、最近のインターネットの普及で地理的変数を使わない場合もあります。

2-2.人口統計分布(デモグラフィック)

人口統計分布に基づいてのセグメンテーションも代表的です。

人口統計分布とは、年齢や性別、家族構成や職表、社会的な階層がその変数になります。ファッション業界では、年齢や性別などを変数として活用しています。また、住宅販売などでは、家族構成(一人用、家族用、子持ち世帯向け)などの変数を用います。この人口統計分布に基づいたセグメンテーションの変数は、デモグラフィック変数と呼ばれています。

2-3.心理的変数(サイコグラフィック)

また、心理学的変数によるセグメンテーションがあります。

心理学的変数とは、価値観やライフスタイル、性格や好みをさします。セグメンテーションに倫理的変数を用いた例には、最近では健康食ブームがあります。この例では、健康志向という価値観やライフスタイルの心理学的変数によって細分化されます。

心理学的変数によるセグメンテーションは、アンケートの結果を集計して変数を導きだし、そしてセグメンテーションの変数として設定することが一般的なアプローチです。

2-4.行動変数

ITがビジネスに活用されるようになってから、行動による変数がセグメンテーションでは注目を集めています。顧客の購買履歴や動向がITによって記録・集約され、比較的短時間で集計が可能になってきました。

例えば、曜日や時間帯での売上げからそれに合わせたプロモーション(広告宣伝)を仕掛けることは、マーケティング手法として当たり前になってきました。ある商品を買った場合この商品も買う傾向にあるなど、顧客の行動を分析し、その行動をパターン化してセグメンテーションを行うことも少なくありません。

特に商品開発のためのセグメンテーションでは、この「行動変数」によるセグメンテーションが重要になります。

3.セグメンテーションの注意点

セグメンテーションを行う際にはいくつかの注意点があります。

3-1.特徴のあるニーズでセグメンテーションをまとめる

セグメンテーションでは市場全体をニーズによって細かく分類しますが、ある程度まとまりが必要です。

マーケティングの現場では、セグメンテーションで市場をいくつかに分けて、次に分けたセグメンテーションの中で自社が最も優先するものを選択します。そして、最も優先する市場において、自社の特徴(強みなど)を明確にします。

セグメンテーションにおける顧客ニーズや特性がしっかりと絞り込めていない場合、自社の強みをうまく表現できません。自社の強みは市場の機会と掛けあわせて考えなくてはならないためです。

自社の強みの導き方のコツ
自社の強みは市場の機会があって初めて明らかになります。自社の強みを導き出す方法にSWOT分析があります。SWOT分析で自社の強みと市場における自社の機会をうまく組み合わせて、本当の「強み」を探し出しましょう。くわしくは、「【決定版】SWOT分析のやり方|事業の成功要因と方策を導き出すための手順」をごらんください。

このようにセグメンテーションを設定すれば、あなたの製品のバリュープロポジションはあきらかです。

バリュープロポジションとは
バリュープロポジションとは、あなたの会社の製品やサービスを通じて提供する価値の確約(コミットメント)です。バリュープロポジションこそが、お客さまがあなたの会社の製品やサービスを買う理由です。参考「良いバリュープロポジションを作る5つのコツ

3-2.メッセージをそのセグメンテーションに届けることができる

セグメンテーションで市場を細分化すればするほど、そのセグメンテーションの特性がきめ細かくなります。そして、そのメッセージに届けるべきあなたのバリュープロポジションもシンプルかつ力強く表現でします。

しかし、どんなにあなたのバリュープロポジションが優れていても、そのメッセージをターゲットに届けることができなければ台無しです。

例えば左利きというセグメンテーション変数を設定し、市場をセグメンテーションしたとしましょう。

広告宣伝として左利きの方にメッセージを届けたいのですが、左利きの人が集まる場所がなかなかみつかりません。左利きの人が読む雑誌もみたことがありません。

こうしたセグメンテーションは市場の細分化としては有効ですが、マーケティング活動としてみた場合、有効なセグメンテーションとは言えません。

セグメンテーションを行う場合に、その細分化し市場へどのように到達するかを同時に検討しておく必要があります。

3-3.そのセグメンテーションが自社の商品と関連する/自社の優位性がある

セグメンテーションした市場から、事業のターゲットとなるセグメントを選択します。セグメントは、自社や自社の商品の強みや特徴によってターゲットを選択できなくてはなりません。

セグメンテーションは、市場を細分化し、自社の優位な競争環境を導きだすことが目的です。よって、セグメンテーションする場合、自社の商品の特徴や優位性を明確にし、その優位性を十分に演出できるようセグメンテーションを行う準備をしなくてはなりません。

3-4.広告宣伝用のセグメンテーションと商品開発用のセグメンテーションを分ける

商品開発のための顧客セグメンテーションは、その利用方法や購買頻度などから分類します。したがって、商品開発のセグメンテーションを作る際には、過去の購買履歴や商品へのロイヤリティ、購買行動など、実際の「行動変数」で分類すべきです。

一方で広告宣伝のためのセグメンテーションは、広告が訴えるメッセージによる効果を大事にするため、デモグラフィックスなどの顧客特性で分類する方法をよく利用します。

セグメンテーションは、マーケティング活動の全てに同じセグメンテーションが利用できるとは限りません。最も効果のあるマーケティング活動を狙うならば、用途に応じてセグメンテーションを考えてみましょう。

4.さいごに〜マーケターなら知っておきたいセグメンテーションの基本

セグメンテーションはマーケティング担当者なら必ず覚えておきたいマーケティング手法です。しかし、セグメンテーションを間違って使うと、マーケティング活動で効果を得ることができないどころか逆効果になりかねません。

セグメンテーションの作り方も時代とともに変化しています。以前なら年齢や性別などのデモグラフィックスをよく利用していましたが、現代のマーケティングでは、マーケティング戦略のより処としては力不足です。

価値観や嗜好、選好などの方が購買行動への影響が大きいため、セグメンテーションとしてよく利用するようになりました。

マーケターはこのように市場の変化に敏感であり、そして、マーケティング活動の用途と目的に応じてセグメンテーションを作り、使い分けるようにしましょう。うまいセグメンテーションは、マーケティング活動の効果をグッと後押しします。

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