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勝てるマーケティング戦略|小さな組織が注意すべきポイントとは?

マーケティング戦略は、人材、業務プロセスと並ぶ企業経営の中核です。マーケティング営業に関わるみなさんも、一度はマーケティング戦略を作ったり、読んだりしたことがあるでしょう。

マーケティング戦略に役立つフレームワークもあります。ただしこれらのフレームワークは戦略を導き出すための分析の土台です。フレームワークを有効活用するためには、マーケティング戦略のコツやポイントをしっかりと理解しておく必要があります。

今回はとくに、経営資源が十分でない小さな組織のための、マーケティング戦略のポイントをまとめてみました。みなさまの業務のお役に立てますと幸いです。

小さな組織の強みと弱み

国内には約420万の企業があり、その99%がいわゆる中小企業であると言われています。

中小企業のような小さな会社や組織では、大企業に比べて「ヒト、モノ、カネ、情報、ブランド」などの経営資源が不足する傾向にあります。その反面、社内の意思決定プロセスが単純で、戦略策定から実行までスムーズに進みます。

つまり、小さな組織には経営資源が少ないものの、意思決定を通じた実行までのスピードにおいて強みがあることが一般的です。

これからマーケティング戦略を策定しようとしているあなたの組織が、ここに該当するような小さな組織であるなら、本日紹介する小さな組織のためのマーケティング手法が十分に活用できるでしょう。大企業でも新設の新規事業部やスタートアップ、ベンチャー企業にも有効です。

小さな組織のマーケティング戦略を立案で知っておきたいこと

小さな組織のマーケティング戦略は、大企業と異なるアプローチをしなくてはなりません。大企業と同じやり方では、経営資源の差から、実行面で大きな差が出てしまいます。

戦闘における勝敗の仕組みをモデル化した、ランチェスターの法則があります。ランチェスターの法則には2つの法則があり、経営資源に制約が多い小さな組織では、ランチェスターの第一法則に従うべきです。

ランチェスターの法則についての詳細
ランチェスターの法則については、本ブログの「ランチェスター戦略を覚えて確実に勝てる戦略を描こう」にまとめました。合わせてごらんくださいませ。

ランチェスターの法則を小さな組織のためのマーケティング戦略策定に適応すると、どうしてもランチェスターの第一法則、つまり接近戦をする方が、マーケティング戦略の実行がうまくいくことがわかっています。

ランチェスターの第一法則とは、兵士どうしが古典的な武器を使って1対1で戦う戦闘がベースです。つまり接近戦を示しています。

一方でランチェスターの第二法則では、航空機などを使った近代的な戦闘がモデルとなっています。広域戦がベースであり、戦闘の勝敗には確率戦の意味合いが強くなります。

多くの資源を投下できる大企業なら、業界の2番手よりも多くの顧客を獲得できることがマーケティング戦略のゴールです。自社の経営資源をフル活用して確立的に業界の2番手以上の成果が出れば良いのです。だからこそ、大企業は、大きな広告費用を投下して、その中から一定以上の顧客獲得を目指します。確率に依存したマーケティング戦略にも聞こえます。

小さな組織のマーケティング戦略は、接近戦を前提にして考えましょう。

小さな組織のマーケティング戦略の3つの要諦

小さな組織のマーケティング戦略では、これから紹介する3つのポイントに注意しましょう。

1.自社の強みで大手企業に勝てるまで、ターゲット市場を絞り込む

小さな組織のマーケティング戦略では、とにかくセグメンテーションを絞り込み、大手企業が目もくれないニッチ市場をねらいます。

セグメンテーションについて
マーケティングにおけるセグメンテーションの基本事項は「セグメンテーションの基本事項とその手順〜マーケターが覚えておくべきセグメンテーションの手法」にまとめました。合わせてごらんくださいませ。

マーケティング戦略を実行する際に、セグメンテーションを絞り込まないで市場競争をした場合、ランチェスターの法則からも明らかな通り、経営資源に余裕のある大手企業の方が有利です。セグメンテーションを絞り込まないと市場競争は広域戦になります。広域戦では経営資源が大きい大手企業の方が有利です。

小さな組織やスタートアップなど、経営資源に制約がある企業では、ランチェスターの法則における接近戦に持ち込むべきマーケティング戦略を打ち立てるべきです。

接近戦、つまり局地戦になるためには、自社の強みを生かせるニッチなセグメンテーションをねらいます。商圏とターゲットを絞り込み、そこに自社の経営資源を投入すれば、大手企業よりも有利に戦える可能性が強くなります。

例えば、大手企業があまり目を向けない◯◯市の製造業をターゲットとして、広告宣伝や営業担当者を自社の可能な限り送り込めば、明らかな局地戦になるため、その市場で有利になる確率が上がります。

これが小さな組織のためのマーケティング戦略を立案するための1つ目のポイントです。

2.経営資源を投下する前に、パイプラインの漏れを修正する

事業拡大を目的としたマーケティング・販売促進、営業活動には集客が欠かせません。集客した顧客は、販売促進、営業活動を通じて、離脱や失注が進んで、最終的には成約にいたります。

販売促進と営業活動における離脱や失注は、お客さまの購買行動に合わせた施策を実施すれば、離脱や失注を大幅に改善することができます。

最近では、法人のお客さまでも、インターネットを使って情報収集をします。導入に向けて提案を依頼する製品探し、購入する製品の比較表の作成時、稟議書作成時など、購買行動のあらゆる場面で、購入を検討している製品や企業のWebページを訪問します。

お客さまの購買行動のこの特徴をうまく検知できれば、販売促進や営業活動での離脱や失注を防ぐことができます。

そのためには「誰がどのWebページを、いつ見たか」がわかる必要があります。これはまさに「マーケティングオートメーション」の得意分野です。

マーケティングオートメーションについてもっと知りたいなら
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マーケティングオートメーションのスコアリングや通知機能をうまく活用して、お客さまの購買行動を検知します。通知後に素早くお客さまに連絡を取れば、営業活動での失注が少なくなります。

もっと具体的なやり方を知りたいなら
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3.まずは社内にある名刺を集めることから始める

小さな組織のマーケティング戦略では、当然のことながら社内の経営資源をしっかりと活用すべきです。社内の経営資源には、社内に眠るお客さまの名刺情報も含まれます。

広告費用を投下したり、展示会に出展して名刺情報を獲得したりするなどの施策も、マーケティング戦略として有効です。

社内に眠る名刺情報は、過去に接触したお客さまです。広告や展示会から得られる名刺情報よりも、社内に眠る名刺情報の方が、あなたの話を聞いてくれる可能性が高いでしょう。マーケティグ戦略を実行するときは、社内に眠る名刺を集めてそこに接触することから始めましょう。

社内に眠る名刺の獲得コストは限りなくゼロに近いです。まずは小さなコストで初めて、マーケティング戦略の効果を実証し、うまくマーケティング戦略が効果を出すことがわかった上で、広告などの費用を投下するアプローチの方が、小さなリスクでマーケティング戦略を実行できます。

仮に100枚の名刺を社内で集めることができれば、あなたが立てたマーケティング戦略の効果を多少なりとも検証できるでしょう。

実行可能かつ着実な効果を見込めるマーケティング戦略こそが、小さな組織では大切です。

さいごに

小さな組織のマーケティング戦略を計画するみなさまにお役に立てそうな情報をご共有させていただきました。今すぐ取り組めるものがありましたら、ぜひ試してみてください。

(この記事は2017年5月7日に書かれたものを再編集しました)