マーケティングオートメーションのかしこい使い方

2015年07月09日

最近はマーケティングオートメーションを導入する企業が徐々に増えてきました。マーケティングオートメーションの運用も徐々に本格化しはじめ、少しずつマーケティングオートメーションのノウハウがユーザ側にもたまってきていると感じています。

一方で、これからマーケティングオートメーションの運用を検討する方もいらっしゃるでしょう。そんなみなさまにとって、マーケティングオートメーションの導入にお役に立てればと思い、マーケティングオートメーションの運用現場の状況をマーケティングオートメーションの利用例をあげながら紹介します。

では、さっそくどうぞ。

マーケティングオートメーション運用の実際

マーケティングオートメーションは、マーケティング業務のワークフローを自動化します。

例えば、設置したセミナー申し込みのフォームに登録した見込み客に、特定のメールを送る、などのワークフローをマーケティングオートメーションで自動化します。

マーケティングオートメーションのおもな特徴

  • ワークフローを自動化するため業務の効率があがる
  • メールやウェブなど、クロスチャネルでの見込み客の行動がトラッキングできるため、機械損失が少なくなる
  • マーケティングの目的とゴールが明確になり、営業との連携が良くなる
  • このようなマーケティングオートメーションの特徴がBtoBマーケティングでも認められて、企業での導入が進んでいます。

    マーケティングオートメーションについて
    マーケティングオートメーションの基本については、「たった5分で理解するマーケティングオートメーション」が参考になります。是非ご覧ください。

    マーケティングオートメーションを導入して、定期メルマガやニュースレターの配信を頻繁に行うと、逆に見込み客を失う結果につながることもあります。

    ターゲットとなる受信者のニーズと異なるメールを送り続けて、その結果受信者があなたからのメールをオプトアウトすると、その受信者に今後マーケティング目的のメールを送ることができなくなります。これは事実上の見込み客の損失です。

    マーケティングオートメーションのまずい運用で展示会出展やセミナー開催、広告など、高い費用をかけて獲得した見込み客を失ってはいけません。

    このような事態を避けるためには、企業の利用者がマーケティングオートメーションをもっとよく理解して、マーケティングオートメーションを上手に使う必要があります。

    その結果、マーケティングオートメーションの導入によって、少ないマーケティングリソースで、もっと多くの営業売上が見込めるようになります。

    ここからはマーケティングオートメーションの使い方を、事例をみながら学んでいきましょう。

    マーケティングオートメーションの使い方

    最近では、コンテンツマーケティングを実践する企業が増えています。BtoBビジネスを営む企業は、ある分野の深い知見や専門知識があるため、コンテンツマーケティングに最適です。

    コンテンツマーケティングとは
    コンテンツマーケティングは「営業引き合い獲得のためのコンテンツの作成と提供」です。コンテンツマーケティングの詳細は、「コンテンツマーケティングとは?|マーケティング用語集」をごらんください。

    マーケティングオートメーションをコンテンツマーケティングで活用する例で、マーケティングオートメーションの使い方をみていきましょう。

    マーケティングオートメーションの利用例と実際の運用例

    ここで取り上げるマーケティングオートメーションの例は、コンテンツマーケティングの一環である「お役立ちeBook(無料PDF:ホワイトペーパーやソリューションペーパーなど)」の提供を考えます。

    特定の「お役立eBook」をダウンロードしていただいたお客さまを、マーケティングオートメーションを活用してフォローアップします。

    1.マーケティングオートメーションで「お役立ちeBook」をお知らせする

    まずは、新たに公開した「お役立ちeBook」のお知らせを関連する見込み客に届けます。もちろんお役立ちeBookの代わりに、先日のセミナーの資料、顧客事例集、製品カタログでも構いません。

    マーケティングオートメーションでメール受信者の高い反応を狙うなら、メール受信者のセグメンテーションは欠かせません。

    マーケティングオートメーションで効果の高いセグメンテーション
    セグメンテーションは特定ニーズのかたまりです。あらゆるマーケティング活動でセグメンテーションを強く意識すべきです。マーケティングオートメーションに効果のあるセグメンテーションの運用は「この8つのセグメンテーションでワンランク上のマーケティング効果を狙おう」が参考になります。特に、顧客の購買行動によるニーズの分類のセグメンテーションがおすすめです。

    業種や役職でセグメンテーションをしても構いません。マーケティングオートメーションを導入し、使い始めた段階では、業種や役職でのセグメンテーションがお手軽です。

    マーケティングオートメーションの基本的なセグメンテーション機能メール配信機能を組み合わせて、「お役立ちeBook」のお知らせのメールを配信しましょう。

    2.お役立ちeBookのダウンロード時に自動でメールを送る

    お役立ちeBook(PDF)をダウンロードする際に、フォームを活用します。フォームに登録した見込み客のメールアドレスに対して、自動返信メールを送ります。

    マーケティングオートメーションを使った自動返信メールに含めるコンテンツの例

  • 関連する製品やサービスのリンク
  • 関連するセミナーやデモのご案内
  • 関連する顧客事例の紹介
  • あなたの会社のブログやソーシャルメディアの紹介
  • 自動返信メールは、マーケティングのメールの中で最も開封率が高くなります。したがって、eBookダウンロードの次の購買行動を促すために、上記のようなコンテンツが自動返信メールに効果的です。

    また、メールからダウンロードフォームへの効果測定や流入分析も忘れないようにしましょう。

    フォームメール配信は、マーケティングオートメーションが提供する典型的な機能です。ほぼすべてのマーケティングオートメーションのソフトウエアでもこれらの機能は提供しています。

    マーケティングオートメーションの連携したメール配信とフォームの機能を組み合わせて、送信したメールから特定フォームへの流入が計測できます。これにより、お役立ちeBookを登録した見込み客のうち、メールから流入があった見込み客の抽出が可能です。

    マーケティングオートメーションの使い方

    メールからの流入率の測定は、従来のメール配信ツールではなかなか実現しませんでした。このようなフォームとメール配信などの機能の連携は、マーケティングオートメーションを使う大きなメリットです。

    マーケティングオートメーション「Kairos3」の流入分析機能
    上図の画面は、弊社カイロスマーケティング株式会社が提供するマーケティングオートメーション「Kairos3」です。このようにメールから、ダウンロードフォームの流入が分析できます。くわしくは、「マーケティング活動のROI(対投資効果)を改善したい|マーケティングオートメーション「Kairos3」の利用例」をどうぞ。

    3. 数日後、お役立ちeBookに関連する顧客事例を送る

    次にお役立ちeBookをダウンロードした見込み客に対して、あなたの製品やサービスの顧客事例や利用例を送ります。

    お役立ちeBookで得た内容が実際にどのように製品やサービスで活用しているか、実際の利用シーンを具体的に提供して、ターゲットの見込み客の購買意欲を刺激するためです。

    そのため、顧客事例や利用例を送る対象者は、実際にお役立ちeBookをダウンロードして読んでいただいた見込み客になります。

    また、ここで見込み客に届ける製品やサービスの顧客事例は、見込み客のニーズ、つまりお役立ちeBookに関連する内容であるべきです。見込み客のニーズを満たさないコンテンツを提供すれば、オプトアウトによって今後メールを届けることができなくなります。

    マーケターなら、ここで登録したお役立ちeBookを登録者が実際にダウンロードしたかを知りたくなります。しかし、PDFファイルなどは、ダウンロードの計測が難しいです。

    最近のマーケティングオートメーションでは、PDFのダウンロードの計測ができる機能を提供しています。

    マーケティングオートメーション「Kairos3」のPDFダウンロード計測
    弊社カイロスマーケティング株式会社が提供するマーケティングオートメーション「Kairos3」でも、どの見込み客がどのPDFをダウンロードしたかわかる仕組みがございます。詳しくは「カタログや製品資料のダウンロードページを作りたい|マーケティングオートメーション「Kairos3」の利用例」をごらんください。

    このプロセスで見込み客に紹介する関連する事例をダウンロードして頂く際にも、ダウンロード用のフォームを利用しましょう。

    フォームでは、簡単なアンケートを実施してもよいでしょう。購買の動機や予算などの情報は、営業活動で活用できます。

    4. 事例をダウンロードした見込み客に接触する

    次に関連する事例をダウンロードした見込み客に接触してみましょう。接触の方法は、メール、テレマーケティングやテレセールスによる電話、FAXなどさまざまな方法があります。

    見込み客に連絡し、ニーズの詳細や購買時期、予算、購買プロセスなどの情報を確認します。

    この見込み客に関する資料のダウンロードの際に閲覧したWebページの履歴や、セミナーや展示会などの来訪などをマーケティングオートメーションで確認しながら、見込み客に接触すると、見込み客が言葉にしない隠れたニーズが推測できます。

    マーケティングオートメーションで見込み客の行動履歴を把握する

    マーケティングオートメーションを使って推測した見込み客のニーズに応じて、接触前にあらかじめ資料やデータを準備しておくと、接触時の会話がスムーズに進み、より多くの情報を引き出すことができます。見込み客のより多くの情報は確実な営業クロージングにつながります。

    マーケティングオートメーションによる見込み客の行動履歴の把握
    マーケティングオートメーションでは、見込み客の連絡先の情報に加え、見込み客の行動履歴も記録します。この機能については、「スコアリング機能|マーケティングオートメーション「Kairos3」」が参考になります。

    マーケティングオートメーションの機能を使って、事例をダウンロードした見込み客を一覧のリストにしたり、ダウンロードがあった際に、社内担当者に通知メールを送ったりすると、マーケティング業務がスムーズになります。これもマーケティングオートメーションの大きなメリットの1つです。

    マーケティングオートメーションの導入で気をつけておきたいこと

    マーケティングオートメーションは、マーケティング業務を圧倒的に効率よくする便利なツールですが、使い方を間違えるとあなたの製品やサービスのブランドにも悪い影響をもたらすことがありますので、注意してください。

    ここでは、マーケティングオートメーションの導入時に担当者が特に気をつけておきたいことを大きく3つにまとめました。

    マーケティングオートメーションで自動化するフローとしないフローを慎重に見極める

    マーケティングオートメーションの特徴の1つにマーケティング業務のワークフローの自動化があります。ただ、すべてのワークフローがあなたのビジネスに良い結果をもたらすとは限りません。

    間違いや失敗の許容範囲が小さいBtoBビジネスでは、ヒトの目によるチェックや見込み客の行動履歴のチェックは必要不可欠と言えます。

    トラブル中のお客さまに間違って広告メールを送ってしまったり、商談中のお客さまに営業担当者が不要と思う内容のメールを送ってしまうことがあります。BtoBマーケティングでは、営業活動に影響をきたすため、このような事態は避けるべきです。

    BtoBマーケティングでは、ワークフロー間の担当者の目によるチェックは欠かせないワークフローが存在ます。マーケティングオートメーションを導入して、ワークフローを完全自動化してしまえば、あなたの競合がたくさん情報に知らず知らずのうちに情報を提供してしまうこともあります。

    見込み客獲得の活動とマーケティングオートメーションを積極的に組み合わせよう

    展示会やセミナー開催などのいわゆるBtoBマーケティングの見込み客獲得のための活動とマーケティングオートメーションは非常に相性が良いです。

    展示会や自社で開催するセミナーには、そのテーマやトピックに興味がある見込み客が集まります。そのため、セミナーや展示会後のお礼メールの送信から、その後の一連のフォローアップ、そしてリードナーチャリングまで、見込み客のニーズにあったコンテンツを一貫して提供し続け、見込み客の購買意欲の刺激が簡単にできます。

    BtoBの購買行動プロセスについて
    BtoBマーケティング担当者はしっかりBtoBビジネス特有の購買行動を理解しておきましょう。あなたが獲得する見込み客はBtoB購買行動の初期にあたるケースが多くなります。詳細は、「BtoBマーケティングで知らなくてはならない2つの基本事項〜顧客の購買行動と役割分担」や「BtoBの購買行動プロセスの詳しい解説」が参考になります。

    マーケティングオートメーションだからこそ、ターゲットとテーマを絞り込む

    マーケティングオートメーションのように、顧客管理ができて一斉メール配信も可能であるツールを使うと、どうしても送信するメールのリストは大きくなければならないと思い込んでしまうことがあります。(たしかに従来のメルマガ配信は、一般的にこのような使い方が多かったと思っています。)

    今のマーケティングは、テーマを絞り込んで、受信者のニーズにあったコンテンツを届けることが常識です。受信者のオプトアウトによって、せっかく高いコストをかけて獲得した見込み客を不用意に失ってしまいます。それだけでなく、あなたの会社のブランドにも影響しかねません。

    マーケティングオートメーションは、一斉にメールを配信できることだけがメリットではありません。少ないメールの配信リストにも、設定したターゲットの条件にあう見込み客を探しだして、あらかじめ登録しておいたコンテンツを「素早く」「手軽に」「ミスなく」送り届けることで、あなたのマーケティング業務を効率よくします。

    まとめ〜マーケティングオートメーションのかしこい使い方

    マーケティングオートメーションは確かに情報処理技術であるものの、あなたのマーケティング戦略やブランドを作り出す魔法のソフトウエアではありません。

    マーケティングオートメーションの特徴を見極め、あなたのマーケティング戦略に見合った使い方をすることが、マーケティングオートメーションと上手につきあう唯一の方法です。

    これからマーケティングオートメーションの導入を検討するマーケティング担当者の参考になれば幸いです。

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