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BtoBマーケティングで知らなくてはならない2つの基本事項〜顧客の購買行動と役割分担

BtoBマーケティングで知らなくてはならない2つの基本事項〜顧客の購買行動と役割分担

BtoBマーケティングでも、見込み客の購買行動の特徴を把握する必要があります。BtoBの購買行動では、購買行動は組織的に複数人が関与して進める点が、BtoCの購買行動に比べて特徴的です。

BtoBマーケティングの担当者は、BtoBの購買行動プロセスに関与する担当者を把握し、BtoBの購買プロセスの各段階にふさわしいマーケティング施策を企画・実施することで、他社と差別化できるBtoBマーケティングが実現できます。

BtoBマーケティング担当者は、顧客の購買行動プロセスの理解と、購買行動に関わる人の役割の把握を徹底的につきつめなくてはなりません。今日は、この二点について理解を深めていきましょう。

BtoBマーケティングで着目すべき顧客サイドの購買行動の関係者

まずはBtoBマーケティング担当者が必ず知っておきたい、顧客の購買行動に関与する人々の役割について説明します。

BtoBマーケティングでターゲットとすべき顧客サイドの関係者は、購買規模や業界によって多少違いがあります。ここでは、BtoBマーケティングを理解するため、顧客サイドの購買関係者を「意思決定者」、「購買責任者」、「利用者」にシンプルに分類します。

BtoBマーケティングでは、この役割の違いのため、それぞれに異なるマーケティングのアプローチを展開します。BtoBマーケティング担当者は、この3つの役割をしっかり覚えておきましょう。

意思決定者の役割

意思決定者は文字通り、購買や導入・契約に対する最終的な承認をします。

BtoBの購買行動における意思決定者は、購買の金額や品目によっても異なります。金額が安い場合は、購買責任者が購買の意志決定者の役割を兼ねることがあります。

購買責任者の役割

購買責任者は、購買に関する全体的な取りまとめをします。

購買に関する社内要求の取りまとめから、購買要件の定義、購買製品候補の抽出から業者の選定まで、購買に関する現場の実務の全てを取り仕切ります。

利用者の役割

購買する製品を実際に利用する立場の人。購買行動には、利用者の立場で購買責任者に助言するなど、購買する製品や業者の選定における支援をします。

生産財などで実際の利用者が社外にいる場合は、営業担当者や社内のエキスパートがこの役割に該当することがあります。

BtoBマーケティングで理解しておきたいBtoBビジネスの購買行動プロセス

BtoBビジネスの購買行動プロセスも、BtoCのAIDMAやAISASのように、購買行動プロセスをある程度モデル化が可能です。

BtoBマーケティングでも、見込み客の購買行動プロセスをベースにして、BtoBのマーケティング活動を展開します。

BtoBマーケティングで知っておきたいこと

上の図では、先ほど紹介したBtoB購買行動プロセスに関与する方々の役割と、購買行動プロセスの段階で分け、モデル化してあります。

BtoBの購買行動プロセスについて
BtoBの購買行動プロセスについては、「BtoBの購買行動プロセスの詳しい解説」をごらんください。

それでは、BtoBマーケティングでは必ずおさえておきたい、BtoBの購買モデルとそれぞれの購買行動段階における購買関与者の役割について説明していきます。

BtoB購買行動の中でそれぞれの関与者が果たす役割

BtoBの購買行動プロセスをもっと簡単に理解するために、先ほど説明した図の購買行動段階をもっとシンプルにして、起案時、情報収集時、評価選定時、契約・導入時の4つに分けて説明します。

起案時(課題の認知)

この段階では、購買のきっかけとなる自社の問題や課題の認識をします。問題の認識は、社内でおきることもありますが、社外のセミナーやインターネットや業者の営業担当者から直接情報を得ることがきっかけになることもあります。

BtoBマーケティングでは、企業の購買行動を加速するために、業界のトレンドや利用例、事例などの情報を積極的に提供すべきです。

起案時の段階で認識した自社の課題の解決に向けて、購買責任者は得た情報をとりまとめます。その後、概ねの予算と一緒に、購買承認者から購買行動をおしすすめるための承認を得ます。購買承認者が自ら課題を認識して、購買責任者に依頼することもあります。

この結果、企業は認識した課題の解決に向けて動き出します。

情報収集(課題の形成と解決策の模索)時

購買責任者は、社内の利用者から要求事項や意見を聞いたりしながら課題解決に対する社内要求をとりまとめ、自社のニーズや課題解決の要件を明らかにします。

自社が取り組むべき課題について、インターネットを利用して購買の対象となる製品やサービスを探します。以前はこの段階で業者が情報源でしたが、今では業者のWebサイトや検索サイトを使って情報検索をします。

BtoBマーケティングでは、この段階の購買行動に最適な情報を自社で積極的に展開すると同時に、SEOを徹底して検索サイトから多くの訪問者が来るような仕掛けをしなくてはなりません。

こうして得た情報を元に購買責任者は、購買の対象となる製品やサービスを抽出します。自社が求める機能や価格帯に見合う業者を絞り込んでから、各業者に提案を依頼します。

購買責任者があなたのWebサイトを訪問した時に訪問者が探している情報を簡単に見つけ、不明な点の問い合わせや提案の依頼が簡単に依頼できるような仕組みと仕掛けを用意しておきましょう。

提案の評価・選定(解決策の決定と決定の正当化)

購買責任者は業者からの提案を受けて、提案の内容を価値と価格の面で評価します。

この際に、利用者から意見を聞いたり、利用者にテスト評価してもらうなどしながら、提案の価値を判断するための助言を仰ぎます。

利用者は、製品やサービスを使う立場から、提案の選定に関わる意見をします。

購買責任者は、利用者の意見を参考にしながら、自らの意見と合わせて業者に問い合わせ、提案の詳細な説明を聞きながら最終的な購買製品と納入先の業者を決めます。

その後、購買責任者は意思決定者に最終承認を依頼します。意思決定者は、会社としての導入の承認と予算の決裁をします。

この段階にあたるあなたの営業活動や提案活動は、BtoBマーケティングの領域というよりは、営業活動の領域と言えます。

契約と導入

製品やサービスの購買が決定し、契約条件などの交渉を通じて契約に至ります。これは購買責任者が担当する役割です。

その後購買責任者は、導入作業の取引先との窓口になります。

書く購買行動段階のBtoBマーケティング活動の例

BtoBの購買行動プロセスの中で、BtoBマーケティングでおさえておきたい顧客接点(タッチポイント)をみていきましょう。BtoBマーケティングでタッチポイントを検討するには、顧客は何を求めているかを顧客視点で明らかにすることです。

BtoBの購買行動プロセスでは、顧客側の知識不足により購買行動がスムーズに進まないことがほとんどです。そのために、BtoBマーケティングでは、購買行動がスムーズに進むための情報提供を心がけて、顧客の購買行動をサポートします。

起案・情報収集時の段階

この段階では見込み客は、自社の課題の形成や、課題を解決するためのアプローチを模索しています。

購買責任者や購買に関わるメンバーはこの段階では、購入する製品やサービスに関連する知識がまだまだ充分でありません。そのため、情報収集に時間と手間がかかっています。また、あなたのサービスを導入する明確な意義もなかなか見いだせません。

BtoBマーケティングでは、製品に関連する知識の向上を狙ったり、まとまった情報を一括して提供できるような仕組みを提供したりするのがよいでしょう。

提案の評価と選定時

購買責任者は、購入のための承認を得るために、現場で選定した提案内容が自社のビジネスにしっかり適合し、その製品にかかるコストと価値を分析した投資効果をまとめます。

しかしながら、購入する製品やサービスの知識や経験が不十分であるため、これを実施することはなかなか難しいです。

BtoBマーケティングでは、事例や導入効果などの参考になるよう、対投資効果や導入の効用に関する情報を提供し、購買責任者や購買承認者の理解を助けます。

契約と導入

お客さまにとってみれば初めての導入となることがほとんどであり、導入に手間がかかったり予期せぬトラブルになることも少なくありません。

導入がスムーズに進むよう、BtoBマーケティングでは、導入をサポートするサービスを用意したり、資料を用意して、導入が短時間ですむような工夫をしましょう。このようなサービスは、顧客満足度のアップにつながります。

まとめ〜BtoBマーケティングで知らなくてはならない2つの基本事項

BtoBマーケティングでもBtoCと同じく、顧客の購買行動をきめ細かく知り尽くす必要があります。それに加えてBtoBマーケティングでは、複数の関係者が購買に関わるため、購買関与者の役割の理解も欠かせません。

BtoBマーケティングは、自社がターゲットとする顧客の購買行動と役割分担を知り尽くせば、必要なマーケティング活動が簡単に見えてきます。