みなさまの会社ではリードナーチャリング施策のKPI(=評価指標)はどのように管理していますか?
企業の販売促進活動として、メルマガ配信や自社ブログの運営、セミナー開催など多くの施策を実施していますが、それぞれのリードナーチャリング施策のKPIを設定して適切に管理・運用できていないことが多いのではないでしょうか。
この記事では、リードナーチャリングのKPIを管理して、売上げの拡大を効率的に目指す方法をご紹介させていただきます。
本記事のまとめ
リードナーチャリングのKPIを管理すると効率的に売上げが伸ばせる リードナーチャリングのKPIはフェーズごとに分けて設定する リードナーチャリングのKPIごとの特徴を知って改善する
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングのKPIを理解する前に、リードナーチャリングとは何かを理解しましょう。
リードナーチャリングとは、お客さまと適切なタイミングでコミュニケーションをすることによって長期的に良好なビジネス関係を構築するための販売促進手法です。
インターネットが発達した時代なので、営業担当者が見込み客に会うときにはすでにお客さまは自社のことを調べていて、ある程度比較検討が終わっています。
見込み客がインターネットで比較検討をしているタイミングで、見込み客が求める情報を提供し続けるなど、リードナーチャリングを手がけて6〜9ヶ月で売上10%アップが期待できるという調査データもあります。(出典:Gartner Research)
リードナーチャリングについてもう少し詳しくお知りになりたい場合は「リードナーチャリングはじめてガイド」にイラスト付きでまとめております。合わせてご覧くださいませ。
なぜ、リードナーチャリングのKPIを管理するのか?
リードナーチャリングのKPIを管理するのはなぜでしょうか。
リードナーチャリングのKPIを管理する理由は2つあります。
販促施策の売上げへの貢献度を評価することができることと、効率的な売上げの改善が期待できることです。
リードナーチャリングのKPIを管理する目的とメリットについて詳しく見ていきましょう。
KPIとは、Key Performance Indicator(=重要業績評価指標)の略で、企業の目標達成度を定量的に評価するための指標のことです。
目標を達成するために必要な要素の進捗を数値化したものを指します。
リードナーチャリングのKPIを管理する目的
なんのためにリードナーチャリングのKPIを管理するのかを考えていきましょう。
リードナーチャリングのKPIを管理する目的は、事業上のどこに注力すれば売上げが伸びるのかを、客観的な指標で判断できるようにすることです。
企業の売上げを拡大するためには、新しい事業を立ち上げるか既存の事業を伸ばすしかありません。しかし、新しい事業は簡単に立ち上がるものではありません。
新しい事業は簡単には立ち上がらないので、企業は既存の事業の売上をいかにして拡大するかに注力するのです。既存の事業を拡大するためには、上手くいっている施策にもっとリソースを投入するか、上手くいっていない施策を改善するかしかありません。
リードナーチャリングのKPIを管理することによって、上手くいっている施策と上手くいっていない施策の両方を客観的に把握して、事業の成長を図るのです。
リードナーチャリングのKPIを管理する2つのメリット
リードナーチャリングのKPIを管理するメリットは大きく分けて2つあります。
1つめは、売上げにつながらない施策にヒト・モノ・カネのリソースが割かれることを防げることです。
リードナーチャリングのKPIを管理していないと、「なんとなく」で様々な施策を続けてしまい、常にリソース不足になってしまいます。
リードナーチャリングのKPIを管理していれば、慣例で続けている施策でも売上げにつながっているかどうかを基準にして、続けるかどうかを客観的に判断できるようになります。
2つめのリードナーチャリングのKPIを管理するメリットは、事業課題を解決する効果的な施策が生まれやすいです。
事業上の課題が出てきた時に、リードナーチャリングのKPIを管理していれば、見込み客のどんな行動が売上げにつながるのかなどが客観的な数字で判断することができます。どんな施策を実施すればどの程度売上げにインパクトがあるのかが想定できるようになるので、効果的な施策を生み出しやすくなります。
リードナーチャリングのKPIを管理する方法
リードナーチャリングのKPIを管理するための具体的な方法を説明していきます。
リードナーチャリングのKPIを管理する前に、リードナーチャリングのKPIを設定する必要があります。リードナーチャリングのKPI設定は、事業活動をフェーズごとに分けて考えます。
リードナーチャリングのKPIを設定する際の事業活動の分け方は、「集客フェーズ」「販促フェーズ」「営業フェーズ」の3つのフェーズに分けるとKPI管理がしやすいです。
事業活動のフェーズごとに分ける考え方を「ファネル/パーチェスファネル」と言います。
日本語で「ろうと」いう意味です。パーチェスファネルについては「パーチェスファネルの基礎」をご覧ください。
事業活動のフェーズごとにリードナーチャリングのKPIを設定する
リードナーチャリングのKPIを設定するために、事業活動のフェーズごとに施策を分解します。リードナーチャリングのKPIを事業活動のフェーズごとに分解すると、以下の図のようになります。
以下に、各リードナーチャリングのKPIの言葉の意味をおおまかにまとめておきました。
自社のビジネスに当てはめて考えてみてください。各リードナーチャリングのKPIの特徴はこの記事の下の方でまとめています。
アプローチ | 見込み客との接点数のこと。 展示会のブース来場数、自社ブログへのアクセス数など。 |
コンバージョン率 | 顧客情報の獲得をして見込み客へ転換した割合のこと。 展示会のブース来場数に対する名刺交換率、自社ブログアクセスに対するメルマガ登録率など。 |
問い合せ獲得率 | リードナーチャリングによって自社への問い合せにつながった割合のこと。 問い合せによって初めて自社の見込み客になったものを除く。 |
アポ獲得率 | 獲得した問い合せから営業の訪問アポの確約につながった割合のこと。 |
商談化率 | 単なる訪問から打ち合わせや提案など、商談に至った割合。 |
成約率 | 商談化した案件のうち契約に至った割合。 |
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事業活動のフェーズごとにリードナーチャリングのKPIを計測する
リードナーチャリングのKPIを事業活動のフェーズごとに設定したら、リードナーチャリングのKPIがそれぞれ計測できているかを確認します。
下の図のようにそれぞれのリードナーチャリングのKPIは最終的な売上げにつながっています。どこかの数字が計測できていないと、リードナーチャリング施策の改善につなげることができません。
リードナーチャリングのKPIを計測するためには、ツールを使わないと計測できないものもあります。
GoogleAnalyticsや顧客管理ツールなど、Webアクセス解析から営業案件化までを管理しようとすると、多くのツールが必要となります。適材適所でツールの用途にあった使い方をしましょう。
リードナーチャリングのKPI管理のために複数のツールを使うことが多く、ツールごとに使い方を覚えなければならず負担が大きいです。
当社の提供する「Kairos3」では、見込み客の獲得から営業管理までを1つのツールで管理することができます。ご興味のあるかたはご覧くださいませ。
リードナーチャリングのKPIを設定したら改善できる部分を探す
リードナーチャリングのKPIを設定したら、改善できるKPIがないか探して改善します。
管理するべきリードナーチャリングの数値は非常にたくさんあります。売上げ拡大につなげるためには、リードナーチャリングのKPI改善は優先順位を決めて優先度の高いところから改善に取り組む必要があります。
売上げ拡大につながるリードナーチャリングのKPI改善の優先順位を以下にまとめました。
リードナーチャリングのKPIを改善する優先順位
- 短期間で改善できる施策
- もっとも効率的に売上げ拡大につながる施策
- 改善のために内部・外部のリソースが必要な施策
リードナーチャリングのKPIを改善して売上げ拡大につなげるために、短期間で改善できる施策はすぐに取り組みましょう。
例えば、「メルマガの登録フォームの場所が分かりづらいために、コンバージョン率が低い」という課題があるとすると、メルマガ登録フォームをファーストビューに入る場所に設置するような修正はすぐに取り組めます。
次に改善に取り組むべき施策は、もっとも効率的に売上げ拡大につながる施策です。
最も効率的に売上げ拡大に貢献する施策とは、営業フェーズに近い販促施策のことです。営業フェーズに近い販促施策から改善に取り組むことで、売上げ拡大につながるリードナーチャリングのKPI管理ができます。
下図で言うと、アポ獲得率や問い合わせ数の改善から始めて、徐々に左にあるリードナーチャリングのKPI改善に着手していくということです。
後回しにするわけではありませんが、最後に手を付ける施策は改善のためには社内・社外のリソースを必要とする施策です。
例えば、問い合わせ獲得率の改善策が自社ホームページのリニューアルだという結論に
例えば、問い合せ獲得率改善の課題が自社ホームページのリニューアルだという結論に至った場合に、Web制作会社や社内システム部門などと連携して進めたり、社内各所との調整が必要だったりして非常に多くの工数がかかります。
もちろん、その分改善による効果も大きいはずですが、多くの時間を要します。それよりも広告出稿によってある程度の改善が見込めるWebアクセス数のほうがすぐに改善できる施策と考えられます。
リードナーチャリングのKPIごとの特徴
リードナーチャリングのKPIを管理するためには、各リードナーチャリングのKPIの特徴を理解しておく必要があります。
この記事を参考にして、リードナーチャリングのKPIの特徴を理解し、売上げ拡大につながりやすい施策や企画に取り組んでいただけると幸いです。
アプローチ数(接点数)
リードナーチャリングのKPIの中でも、アプローチ数はコストをかければ最も短期的に増加可能な指標です。販促費がある程度使えるのであれば、もっとも管理しやすいリードナーチャリングのKPIです。
オフラインであれば、展示会の出展やセミナー開催でアプローチ数を増やせます。オンラインであれば、リスティング広告、ディスプレイ広告、SNSの広告などでサイトへの流入量は増やすことができます。
コンバージョン率(転換率)
コンバージョン率は、コンテンツやコンバージョンさせたいゴールまでの導線の設計によってコントロールできます。
気をつけるべき点は、コンバージョン率は「コンバージョンさせたい!」という気持ちが強くなって売り気を強く出しすぎないことです。コンバージョン率はリードナーチャリングのKPIの中でも営業フェーズから遠いところにあるので、見込み客のニーズに応えるためのコンテンツ提供に徹する方がコンバージョンにつながりやすいです。
無料ダウンロード資料をダウンロードさせたい場合でも、資料をダウンロードすることによるユーザーのメリットを出すことが必要です。
アポ獲得率
すでに自社に問い合せや製品資料のダウンロードをしている見込み客に対して電話やメールなどで、営業の訪問アポイントメントを獲得する割合です。
アポの獲得はインサイドセールスが関わることが多いですが、インサイドセールスに引き渡す案件がしっかりナーチャリングされているかどうかがアポ獲得率の鍵となってきます。
またアポ獲得率をむやみに追って、商談化しない案件ばかり営業に引き渡されることも問題です。
リードナーチャリングのKPIの中でも、量だけではなく質も厳しく求められるので、営業や販促部門との連携が欠かせません。
商談発生率・成約率
リードナーチャリングのKPIの中でも、自社のみで管理しきれないのが商談発生率・成約率です。
商談発生率・成約率はクライアントの状況や決裁フローに大きく影響されます。営業担当者のスキルにも影響され、営業担当者のスキルはすぐには変わりづらいものです。
商談発生率と成約率はコントロールしづらい数字ではありますが、アポ獲得率のところでご説明したとおり、営業訪問アポ獲得のフェーズである程度コントロールができますので、適宜アポ獲得の担当部門にフィードバックをして改善をする必要があります。
長期にわたって継続的に売上げを作り出すための営業の基本を「営業なら知っておくべき5つの基本」にまとめました。合わせてご覧ください。
まとめ
リードナーチャリングのKPIを管理して売上げを伸ばす方法をお伝えしました。
この記事がみなさまの業務のお役に立てていただければ幸いです。
また以下に、法人営業・販促担当者むけにリードナーチャリングのノウハウをまとめた無料ダウンロード資料をご用意しました。業務にすぐに活かせるガイドブックになっていますのでダウンロードして業務にお役立てください。