マーケティングオートメーションの導入で知っておきたい知識と運用のコツ

2015年10月01日

マーケティングオートメーションは、企業のマーケターが注目する言葉の1つになりました。当社カイロスマーケティング株式会社でも、マーケティングオートメーションに関する事案を毎日うけています。

ただ、全ての企業でマーケティングオートメーションを導入して成果があがっているわけではありません。マーケティングオートメーションをしっかり理解して、マーケティングオートメーションの導入の準備をすることにつきます。

マーケティングオートメーションを導入しようとしているみなさまの参考になるよう、マーケティングオートメーションの概要とマーケティングオートメーション導入の準備のポイントを簡単にまとめてみました。

みなさまのご参考になれば幸いです。

1.マーケティングオートメーションのおさらい

まずは、マーケティングオートメーションについて、すこしだけ理解を深めておきましょう。

マーケティングオートメーションの機能や特徴ではなく、マーケティングオートメーションの立ち位置(ポジション)、つまりマーケティングオートメーションと利用環境との関係性についてみていきます。

マーケティングオートメーションについて
マーケティングオートメーションに関する基本的なことは、「たった5分で理解するマーケティングオートメーション|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。マーケティングオートメーションの概要だけでなく、基本的な機能についてまとめてあります。

1-1.マーケティングオートメーションそのものは技術(テクノロジー)ではない

マーケティングオートメーションをあなたの業務プロセスを効率化するためのソフトウエア(マーケティングの自動化)として考えてしまうと、マーケティングオートメーション導入後の効果がほとんど見えないことがあります。

このような考え方でマーケティングオートメーションを導入すると、フォームとCRM(見込み客DB )とメール配信とスコアリングなどのマーケティングオートメーションの主要な機能のそれぞれを、あなたの現状のマーケティング業務のプロセスにはめ込むだけになってしまいます。

つまり、せっかく導入したマーケティングオートメーションの機能を使ってフォームを作成し、全ての見込み客に定期的にメルマガを送って、反応があった見込み客にテレマを仕掛ける、といったように、マーケティングオートメーション導入以前とまるで似通ったマーケティング業務の運用にになってしまいます。

複数のアプリを使ってこれまでやっていたマーケティング業務を、マーケティングオートメーションで代用しているにすぎません。

この運用では、あなたの上司に「マーケティングオートメーションを導入したけど、イマイチ効果が出てないね」と言われても仕方ありません。

個別のマーケティングツールでは実現できないマーケティングオートメーションの機能を活かし、ワンランク上の業務プロセスを導き出してはじめて、マーケティングオートメーション導入の大きな効果が見込めます。

マーケティングオートメーションが一般的にカバーする領域は、見込み客獲得から営業案件化までと幅広いため、他の個別ツールに比べるとより多くの業務プロセスの多くを改善することができるはずです。

マーケティングオートメーションを技術や単なるソフトウエアとして考えてしまうと、導入前のマーケティング業務から変化がなく、ほとんど効果が見込めなくなります。

マーケティングオートメーションの導入の際に、場合によってはあなたのマーケティング業務のプロセスを再構築することも考慮すべきです。

マーケティングオートメーションの導入によって、あなたのライバル企業よりも優れたマーケティング活動を目指しましょう。

1-2.マーケティングオートメーションには仕掛けが必要

マーケティングオートメーションを導入すると、まるで魔法にかかったように全てのマーケティング活動がうまくいくわけではありません。マーケティング業務に必要なツールを自社で準備し、マーケティングオートメーションと合わせて活用します。

マーケティングオートメーションに必要なツールとは、ターゲット顧客像(ペルソナ)や、カスタマージャーニーマップなどがあります。もちろん、BtoBマーケティングの特性を理解したり、顧客セグメンテーションを設定したりする必要もあります。

マーケティングオートメーションと合わせて使いたいツールやリテラシー

  • 顧客セグメンテーション
  • BtoBマーケティング特性の理解(BtoBの場合)
  • ペルソナ像の作成
  • カスタマージャーニーマップ
  • このようなツールを併用しなければ、マーケティングオートメーションは通常のメール配信ツールと同様の効果しか発揮できなくなります。自社で保有する見込み客のリストに一斉にメールを配信して、その後順次電話営業を試みる従来のマーケティング・営業手法となんら変わりありません。

    マーケティングオートメーションの導入前にこれらすべてのツールを完璧にする必要はありません。まずは簡単な仮説を元にこれらのツールを準備してマーケティングオートメーションを使いながら1つずつ仮説を検証することで、あなたのマーケティング業務を改善していきます。

    1-3.オートメーションはテクノロジー。でもマーケティングはあなたの信念や信条

    マーケティングオートメーションには基本的な機能があり、それを活用すると業務効率が大きく改善できます。しかし、マーケティングオートメーションの機能を1つのIT技術とみなしてそのまま使っていたら、従来のマーケティング活動となんら変わりません。

    マーケティングオートメーションには、あなたの会社や部門の信条や信念、そして目指すべき戦略やゴールがあります。それを達成するために、なにをオートメーションできるかを考えるアプローチは、マーケティングオートメーションの導入には欠かせません。

    2.マーケティングオートメーションの導入のためのアドバイス

    マーケティングオートメーションの導入時には、マーケティングオートメーションを使って何をしたいのかあらかじめ想定しておくと便利です。

    マーケティングオートメーションを導入して、その効果を十分に発揮したいなら、マーケティング業務プロセスの改革も視野に入れましょう。

    2-1.これからはじめてマーケティングオートメーションの導入をする場合のアプローチ

    マーケティングオートメーションは、マーケターの悩みを何でも解決してくれる魔法のツールではありません。したがって夢のような大きなシナリオ(業務フロー)を描いて、それを最初から実行しようとすると失敗しやすくなります。

    まずは、マーケティングオートメーションで実現できるシンプルな業務フローからはじめて、経験を積みながらPDCAを回して、徐々に難しいユースケースに取り組むことをおすすめします。

    例えば、今週導入事例のページを2ページ以上閲覧した見込み客を抽出して、オンラインデモの案内状をメールで送ってその反応を見る、などのシンプルな業務フローを作って、マーケティングオートメーションで実践してみるのも良いでしょう。

    BtoBビジネスであれば、見込み客の購買行動プロセスの1部だけを切り出して、このように業務フローに落とし込んでみます。

    これなら初めてマーケティングオートメーションを導入する場合でも簡単に実現できます。

    最初から大きなシナリオに取り組むためには、マーケティングオートメーションをカスタマイズしたり、専門のトレーニングを受講したりする必要があります。この導入するための期間もコストも事業上のリスクとなります。

    2-2.導入するマーケティングオートメーションとあなたの事業の相性をチェック

    各社が提供するマーケティングオートメーションは、全て似たような機能を持っているわけではありません。少なくとも、BtoC(消費者ビジネス)とBtoB(法人ビジネス)では大きな違いがあります。

    BtoCビジネスとBtoBビジネスの違いについて
    BtoCのマーケティングは多くのマーケティング本が解説しているので多くの方がご存知かと思います。BtoBマーケティングに関しては「教科書が教えないBtoBマーケティングの実際|カイロスのマーケティングブログ」で解説しました。是非あわせてごらんください。

    特にBtoBマーケティングの場合では、契約前に営業担当者がお客さまにコンタクトをしてクロージングをします。マーケティング活動から営業活動にスムーズに見込み客を流し込むことも1つの重要な機能です。

    BtoCビジネスといっても、不動産や保険・証券、人材紹介や教育ビジネスなど、契約までに営業担当者が接触する事業形態では、BtoBビジネス向けのマーケティングオートメーションの方がうまく要件を満たすこともあります。

    2-3.各社のマーケティングオートメーションの特徴を見極める

    先ほどのBtoB向けのマーケティングオートメーションでも、各社の特徴はさまざまです。

    BtoBマーケティング向けのマーケティングオートメーションでも、広告などからの流入した見込み客の取扱いに長けているマーケティングオートメーションがあれば、社内顧客管理システム(CRM)に蓄積している見込み客情報からすぐに購買を検討してくれそうな見込み客を探すことを得意とするマーケティングオートメーションもあります。

    どちらもできれば問題ありませんが、すべての要件を満たすマーケティングオートメーションは高額であり、使い方も難しくなります。いずれにしてもどちらを選ぶかは、あなたのマーケティングの信念や信条(=マーケティング戦略)次第です。

    3.実際にマーケティングオートメーションに向けて

    マーケティングオートメーションの導入で失敗しないためには、マーケティングオートメーション導入前にしっかり準備をしておくことです。

    以下、マーケティングオートメーションを導入するにあたって、特にチェックしておきたい4つのポイントについてまとめました。

    3-1.マーケティングオートメーションで活用できるコンテンツがあるか?

    マーケティングオートメーションには、コンテンツが必要です。少なくとも、あなたの製品やサービスのホームページが必要です。

    提供するコンテンツも、マーケティングオートメーションが十分に活用できるよう、「情報収集用」、「ソリューション比較用」、「製品説明用」などと、BtoBの購買行動プロセスに対応できることが望ましいです。

    BtoBの購買行動プロセスの概要
    BtoBビジネスのお客さまの購買行動プロセスの特徴を「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項|カイロスのマーケティングブログ」でまとめました。詳細はこちらの記事を参考にしてください。

    通常、高い専門性が必要となるBtoBマーケティングを営む企業なら、お客さまにとって有益な情報は社内のあちこちにあるはずです。これをコンテンツや文章という形にすれば、コンテンツの問題は解決します。

    まだ自社やホームページを用意していない場合には、無料のホームページ作成ツールの活用をおすすめします。HTMLやWeb技術の知識があまりなくても、それなりのデザインのホームページを作成できます。

    無料ホームページ作成ツール利用時の注意点
    無料ホームページ作成ツールは、マーケティングオートメーションで必要なリードの行動をトラッキングするHTMLタグを埋め込めないものもあります。各ツールの特徴は「無料ホームページが誰でもラクラク作れるツールを比較してみました|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。

    3-2.既存のツールや他部門との業務連携を活用できるか?

    マーケティングオートメーションの導入方法やプロセスが決まってきたら、例えばCRMやSFAなどの既存のツールとの連携を考えてみましょう。

    これらのシステム同士が完全に自動連携する必要はありません。あなたのビジネスプロセスの中で、これらのツールから何をマーケティングオートメーションにインプットして、これらのツールに何をアウトプットするかを設計します。

    もちろん、マーケティングオートメーションを導入してから検討しても構いません。

    3-3.マーケティングオートメーションと自社の相性はどうか?

    マーケティングオートメーションとの相性とは、あなたのマーケティングの信念や信条、そしてマーケティング戦略を、これから導入しようとしているマーケティングオートメーションで実現できるかどうかを意味しています。

    つまりマーケティングオートメーションの導入を検討する前に、その目的がしっかり明確になっている必要があります。マーケティングオートメーション導入の目的があってはじめて、(あなたのマーケティングオートメーションの導入目的と)マーケティングオートメーションとの相性がわかってきます。

    3-4.現状からの変化にコミットできるか?

    マーケティングオートメーションは、既存のマーケティング業務プロセスや方法を変えることができます。マーケティングオートメーションをあなたの業務に合わせるのではなく、マーケティングオートメーションを通じて知った情報や発見した改善のポイントを、どんどん取り入れて、業務やプロセスを変化・改善していきましょう。

    マーケティングオートメーションの導入で、あなたのマーケティング業務を変えることにコミットすれば、マーケティングオートメーションの導入によって十分な効果が見込めるでしょう。

    4.さいごに

    マーケティングオートメーションの導入を導入する前に手がけておきたいことをまとめてみました。いかがでしたでしょうか?

    マーケティングオートメーションは確かに最近のブームと言えます。ブームに乗って何も考えずに自社導入してしまうと、マーケティングオートメーションよりもコストが安いメルマガ配信ツール以上の効果を得られないこともありますので、注意が必要です。

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