誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順

ペルソナは今のマーケティングでは欠かせません。それどころか、ペルソナはあなたの会社のマーケティング活動の質を大きく左右するツールとも言えます。
マーケティングの歴史はマケフリの「マーケティング1.0から4.0まで簡単にまとめてみた」でまとめました。ご参考になれば幸いです。
ペルソナをしっかりと作り上げれば、あらゆるマーケティング活動における社内の共通の認識ができ、しいては良質な見込み客や優良顧客の獲得につながります。
ペルソナはターゲットセグメントや、顧客像を箇条書きにしたものではありません。理想の顧客像であるペルソナは、あたかも存在する人物のように、その特徴を簡単な文章として残すべきです。
まだペルソナを作っていないなら、この記事を参考にして今すぐ着手してみましょう。ペルソナの概要と良質な見込み客や優良顧客をひきつけるためのペルソナの作り方をポイントを絞ってまとめました。
この記事のもくじ
1.ペルソナとは?
ペルソナとは、あなたの製品やサービスの理想の顧客の人物像です。コンテンツマーケティングやリードナーチャリングなどのマーケティング活動でペルソナは必須と言えます。
ペルソナは理想の顧客そのものではありません。一人の顧客が全ての理想的な条件を満たすことは無いため、既存顧客の情報やインタビュー、調査データなどの実在する情報から、架空の理想の顧客「像」を描きます。これがペルソナです。
ペルソナのための理想の人物像には、
一般的にペルソナに含む顧客の特性
年齢や仕事の内容などの基本的な情報 よく口にする言葉 一日の過ごし方 仕事や人生のゴール、解決したいと思っている課題やチャレンジ さまざまな情報(メディア)との接し方 あなたの製品やサービスを購入する理由・目的・購買への関与の仕方など
などの情報を含みます。
ペルソナは、このように実在する顧客や見込み客の特徴からつくり上げるため、ペルソナには理想かつ架空の人物像であるにも関わらず、リアル感があります。
2.何故マーケティングの現場にペルソナが必要なのか?
市場にメッセージや情報を提供するマーケティング活動では、人物像が誰にでも簡単に想像できるペルソナを設定すれば、マーケティング効果が格段に向上します。
2-1.ペルソナによってピンポイントなコンテンツを提供できる
マーケティングの現場で提供する情報やコンテンツを提供するにあたってペルソナを活用すると、あなたがターゲットとして情報を届けたい理想の見込み客を、Webやソーシャルメディアで集客しやすくなります。
ペルソナによって、マーケティング活動で優先すべきメディアやコンテンツを絞りこむことができるからです。
ペルソナをあたかも実在する人物のように詳しく描写すれば、ターゲットとなるペルソナの1日の行動、調べ物や購買の際のソーシャルメディアやWebコンテンツの使い方を特定できます。ペルソナに最も効果的に接触でき、ペルソナの求める情報が適切に提供できれば、マーケティング活動の効果はおのずと改善するでしょう。
ペルソナに非常にウケが良いコンテンツを提供し続けることができれば、より多くの理想の見込み客をWebやソーシャルメディアなどに集めることができます。ペルソナは、将来の優良な見込み客、優良な顧客に変わる可能性が十分にあります。
ペルソナは、
ペルソナが十分に活用できるマーケティング情報メディアの例
Webコンテンツ ブログ ソーシャルメディア マーケティング・メール ノウハウ集などのダウンロード資料 検索キーワード コンテンツのデザイン
などのマーケティング目的のメディアやコンテンツの集客効果に大きな影響をもたらします。
ペルソナによって、集客効果の高いコンテンツを生み出し、そのコンテンツがペルソナを将来の有望な見込み客、そして顧客となっていきます。
2-2.社内で共通の認識を持つ〜ペルソナという理想の顧客像
マーケティングの現場でペルソナがもたらす効果は、コンテンツによる集客だけではありません。
ペルソナはマーケティングに関わる全ての関係者に、理想の顧客の人物像が共有できます。
特にBtoBマーケティングの現場でコンテンツを企画する場合、見込み客の購買行動プロセスがより明確になります。購買に関わる人物像とその役割の情報から、コンテンツを提供すべきメディアやタイミングがよりリアルになります。
購買行動プロセスとペルソナを掛けあわせれば、ペルソナとあなたの接点と、その接点でペルソナが求める情報が明らかになり、ペルソナはより強力なツールとして機能します。BtoBの購買行動プロセスは「BtoBの購買行動プロセスの詳しい解説」が参考になります。
ペルソナがマーケティングの現場で活躍するのは、購買前だけではありません。
購買後にペルソナが感じる体験や経験、感想なども、あなたが設定したペルソナの人物像から浮かび上がってきます。購入した顧客が予想しなかった驚きを得ることによって、LTV(顧客生涯価値)を引き上げ、多くの優良顧客を生み出します。あなたの製品やサービスには、このような機能や特徴を含むべきです。
LTVは日本語で「顧客生涯価値」もしくは「生涯顧客価値」と訳されます。ビジネスにおいて、個別の顧客の単発売上を重ねるのではなく、同一顧客の連続的な購買を狙い、あなたの会社の利益の最大化をめざします。LTVの計算方法は「LTV(顧客生涯価値)の意味と計算・算出方法の解説」でまとめました。
3.誰でもできるマーケティングのためのペルソナの作り方
ちょっとした工夫とコツを織り交ぜれば、多くの優良な見込み客をひきつけるマーケティング活動を導く良質なペルソナを作成できます。
3-1.ペルソナを作る手順の概要
ペルソナは、以下の3つの手順で作成します。
ペルソナを作る手順の概要
A.ペルソナに関する情報を集める B.集めた情報を仕分ける・まとめあげる C.ペルソナを物語風に仕上げる
ペルソナを作る手順にしたがって、実際にペルソナを作ってみましょう。
3-2.A:ペルソナに関する情報を集める
まずはペルソナに関する情報を集めます。ペルソナに関する情報は、既存顧客に関する知っている情報や、インタビューやアンケートを実施して集めます。
ペルソナを作る上で集める代表的な情報は、
3-3.ペルソナを作る上で必要な情報の例
- 役職と役割
- 役職と仕事の概要
- その仕事に必要なスキルや知識
- 1日の過ごし方
- 会社や組織・業界など
- 業界の概要と特徴
- 会社・組織の規模(売上や従業員数など)
- ゴールと課題
- 仕事の責任範囲
- 達成すべき目標
- 今解決すべき課題やチャレンジ
- 情報源
- 新しい情報の入手の方法
- よく読む雑誌やブログ、Webサイトなど
- よく使うソーシャルメディア、ソーシャルなつながりなど
- 情報入手によく使うデバイスとその利用シーン
- プロフィール
- 年齢、家族構成、学歴、収入レンジなど
- 購買に優先する項目
- 業者との接触方法(電話、メール、面会など)
- 製品やサービスを調べるにあたっての行動パターン(インターネット、展示会、セミナーなど)
があります。
ペルソナに関する情報は、既存顧客へのインタビューやアンケートによって収集することが一般的です。ただしこの方法は費用と時間がかかるため、顧客との接触が多い営業やサポート部門などのスタッフへのヒヤリングによって、ペルソナを明らかにすることもあります。
活用できるあらゆる顧客接点からペルソナを作るための情報を収集しましょう。
ペルソナの情報収集では、
ペルソナの情報収集での注意点
ペルソナの行動ではなく、その行動をした理由や動機に着目する
に注意しましょう。理由や動機を突き詰めることが、良いペルソナを作ることにつながります。
3-4.B:ペルソナに関する情報を仕分ける
ペルソナに関する情報が収集できたら、次にその情報を共通する特徴にしたがって分類します。
ペルソナの特徴は、以下の項目について共通項を探し出しまとめてみましょう。
年齢、家族構成、年収などのデモグラフィック 役職レベル 1日の過ごし方 価値観:達成しようとしているゴールなど 抱いている悩みや課題 あなたの製品やサービスを利用する動機 情報源、情報収集の方法
3-5.C:ペルソナを物語風に仕上げる
ここまでの作業では、ペルソナの特徴を箇条書きにまとめていると思います。そこから、さらにペルソナの人物像を描くために、物語風に仕上げます。
BtoBマーケティングの場合は、以下のようなペルソナシートのテンプレートが活用できます。

ペルソナの人物像は、以下の6つの項目例を参考にしてまとめあげてみましょう。
ペルソナの基本情報(デモグラフィックや役職、所属会社や組織) ペルソナの1日の生活(BtoC)・業務内容(BtoB) ペルソナが持つゴールや課題、チャレンジ ペルソナの情報との接し方(情報源、接触タイミング、接触方法) 製品やサービスの選び方(購買行動と関与の方法) よく口にする言葉(ペルソナの特徴がよく出るように)
あなたの理想の顧客像のペルソナは、より具体的に描けましたか?
3-6.ペルソナの例
ここまで説明したペルソナ作成の方法で、実際のペルソナを作ってみました。

あなたがペルソナをあまり具体的に描けていないのであれば、一度ペルソナに関する情報収集に戻ってみましょう。ペルソナの行動に着目するのではなく、その行動をとる「動機」や「理由」に着目すれば、よりリアルなペルソナの人物像が描けるようになります。
ペルソナを作成する上で、人物の行動パターンを明らかにするよりも、「どうしてその行動を取るのか?」という意志決定に至るまでの動機や理由に着目すると、ペルソナのリアル感が増します。リアルなペルソナはマーケティング の現場で活用しやすくなります。
4.まとめ|ペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順
ペルソナを作るためには、実在する顧客などのデータから作ります。想像や推測は避けるようにしましょう。ペルソナは架空の人物像ですが、事実に基づいた情報から作らなくては意味がありません。
ペルソナは複数あっても構いません。必要に応じて、複数のペルソナを用意しましょう。
マーケティングの現場で、コンテンツの作成、セミナーの内容、展示会の展示物など、あらゆるマーケティング活動においてペルソナを意識するよう心がけましょう。良質な見込み客、優良顧客の獲得につながります。