優良な見込み客を獲得するためのマーケティング活動の手引き

2015年10月20日

見込み客はどんな事業でも欠かすことのできない要素です。見込み客が増えなければ、新規顧客開拓や新規顧客獲得が十分にできないため、長く事業を継続することができません。

つまり、見込み客が十分に獲得できれば、事業の潜在性を大きくなり、質の高い見込み客が多ければ多くなるほど事業の売上や利益を十分に確保できるようになります。

質の高い見込み客に接触し、あなたの製品やサービスに興味を持ってもらい、そしてお客さまになっていただく。非常にシンプルですが、これをマーケティング活動で実践するのは容易ではありません。

まずは、質の高い見込み客について理解を深め、そして優良顧客になっていただくためのマーケティング活動のヒントを考えていきましょう。

1.質の高い見込み客とは?

本題に入る前に、見込み客についておさらいしましょう。

1-1.見込み客とは

見込み客とは、あなたの製品やサービスを購買する見込みのお客さまを指します。BtoBビジネスの場合は、見込み客は法人企業をさすこともあります。

見込み客は、ターゲット顧客やペルソナそのものを指すこともあります。

ターゲティングとは
ビジネスで使うターゲティングとは分類したセグメンテーションの中から定義した営業やマーケティング活動でねらうべき顧客セグメントをしめします。くわしくは「ターゲティングとは|カイロスのマーケティングブログ」をごらんください。

1-2.事業には質の高い見込み客が欠かせない

多くの見込み客があなたの製品やサービスを購入することが、あなたのビジネスのゴールでしょう。多くの見込み客の購入は、売上アップにつながります。

長期に渡ってビジネスを継続するためには、長期における売上を確保しなくてはなりません。そのため、見込み客の「数」だけでなく「質」にも気を配る必要があります。

質の高い見込み客は、あなたのビジネスに利益を継続的にもたらします。このポイントからすると、質の高い見込み客とは、顧客生涯価値(LTV)が大きいお客さまになります。

質の高い見込み客の獲得をめざして、各社がマーケティング活動をしています。

みなさんは、質の高い見込み客をどのように見極めていますか?

1-3.質の高い見込み客の見極め

見込み客が長期に渡ってあなたの事業に利益をもたらしてくれるかどうかは、あくまでも結果論であり、見込み客の獲得を目指すマーケティング活動の段階では、質の高い見込み客をなかなかうまく見極めることができない現状があります。

そのためマーケティングや営業担当者は、見込み客の質を直感的に見極める判断をしています。例えば、

現場で見込み客の質を判断する方法

  • 知っている会社・有名な会社である(知名度や規模がある)
  • 業界で評判が高い会社である(勢いがある)
  • あなたの事業のブランドに大きく貢献してくれそうな会社である
  • かつての失注案件である(今度こそ買ってくれそう)
  • などの情報から、マーケティングや営業の担当者は、その見込み客の質(期待値)を個人の勘と経験から判断していると言わざるおえません。

    見込み客の質の判断は、業種や役職などの一般的なセグメンテーションの情報に加えて、現場の担当者がこのように見込み客の属性で行うことが一般的です。

    マーケティングでよく使うセグメンテーション
    マーケティングでは一般的によく使うセグメンテーションの方法があります。あなたのターゲットセグメンテーションの見込み客は、当然質の高い見込み客として取扱うでしょう。セグメンテーションについては「マーケターなら必ず抑えておくべきセグメンテーションの基本事項|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。

    2.質の高い見込み客の条件を明らかにしよう

    質の高い見込み客は、獲得してから初めて判断することができます。しかし、売上アップや事業拡大をねらうためには、できるかぎり質の高い見込み客に接触して、あなたの製品やサービスに興味関心を示してもらい、質の高い見込み客を獲得する努力が欠かせません。

    そのため、見込み客の質を見極めるためには、見込み客を獲得するためのマーケティング活動そのものに、このような疑問を投げかけてみる必要があります。

    2-1.この見込み客が抱えている最大の問題点は?

    見込み客のビジネス上の課題は、営業案件のテーマにつながります。したがって、質の高い見込み客を獲得するためには、これを見極めなくてはなりません。

    ビジネス上の課題が明確になっている見込み客は、ニーズもはっきりしており、営業引合いにつながりやすくなります。そのため、マーケティング活動では、質の高い見込み客の条件の1つとなります。

    見込み客の課題設定と購買行動プロセスの関係
    ビジネス上で解決する課題が明確になると、社内でその事案が案件化し購買行動プロセスが進みます。したがって、マーケティング活動で重要視する項目の1つとなります。BtoBの購買行動プロセスの詳細は「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。

    もしあなたがターゲットとしている見込み客の課題が明確でなければ、営業案件につながる確率も低くなり、質の高い見込み客とは言えません。

    2-2.見込み客の課題を解決できるあなたの製品やサービスの最高の価値とは

    いざ見込み客が課題を認識しニーズが明らかになっているとしても、その課題をあなたの製品やサービスが解決できなければ、営業引合いにつながりません。したがって、見込み客の質を見極めるためには、見込み客の課題をあなたの製品やサービスが解決できる必要があります。

    見込み客に対してあなたの製品やサービスが提供できる最高の価値とは、どのようなものでしょうか?

    あなたの製品やサービスが見込み客に提供できる最高の価値は、見込み客の課題と、他社の製品やサービス、そしてあなたの製品やサービスの仕様で決まります。これを見出すためには、3C分析が便利です。

    3C分析のやり方について
    3C分析の概要と3C分析のやり方については、「3C分析の概要と3C分析のやり方|カイロスのマーケティングブログ」でまとめてあります。ご参考になれば幸いです。

    あなたの製品やサービスが提供する最高の価値が見込み客の抱く課題とマッチしていれば、購買後の見込み客の高い顧客ロイヤリティや顧客満足度が期待できるため、質の高い見込み客であり、顧客生涯価値が高くなる傾向にあります。

    2-3.見込み客が抱くあなたの製品やサービスに対する質問は?

    見込み客があなたの製品やサービスについて抱く質問を1つあげるとしたら何でしょうか?あらかじめこれを考えておきましょう。

    見込み客の質問にしっかり対応できて、見込み客が購買に対する不安がなくなれば、社内承認をえることができ、契約につながります。

    これは、あなたの製品を買う前に必ず確証しておかなくてはならない項目の1つになります。見込み客が想定している以上の回答を得られると購入後の満足度が上がり、顧客ロイヤリティが高くなるかもしれません。

    2-4.見込み客が検討している他のオプションは何か?

    見込み客はいくつかの選択肢をもっていることがあります。あなたの製品やサービス以外で見込み客が持つ課題を解決することがあります。

    見込み客が持つ選択肢が少なければ少ないほど、あなたの製品やサービスを長く利用していただけるため、より大きな顧客生涯価値を見込むことができます。

    2-5.成功を示す見込み客の評価項目は?

    見込み客があなたの製品やサービスを導入してよかったと思うポイントを明確にしましょう。具体的な数値や数字であれば、より好ましいといえます。

    見込み客がこの結果を出し続ければ続けるほど、あなたの製品やサービスを長く利用するため、高い顧客ロイヤリティや顧客生涯価値を見込めます。つまり、質の高い見込み客ということができます。

    2-6.BANTで見込み客の質を見極める

    見込み客の質は従来のマーケティング活動では、リードの属性、企業プロフィール、BANTの情報から判断していました。

    BANTは、B:予算、A:権限、N:ニーズ、T:タイミングを示しています。

    BANTとは

  • Budget(予算):そのリードが持っている実行可能な予算
  • Authority(権限):購買への関与度合い。意思決定者、技術決定者、アドバイザーなど
  • Need(ニーズ):欲求度合い。ビジネス上の大きな課題に直面し、今すぐ必要など
  • Time(タイミング ):今すぐ欲しいのか、1年先の事を検討している最中なのか
  • BANTは、営業案件の質を見極める時に最適です。その営業案件の規模や確度を推測できます。

    BANTと見込み客の質について
    マーケティング活動で言えば、案件の規模や確度は顧客生涯価値の1つの指標となるため、確かに見込み客の質を見極める1つの要素といえます。

    3.良質な見込み客を獲得するためのヒント

    質の高い見込み客を獲得するためには、できるだけ質が高い見込み客を探しだしてアプローチする方法と、獲得した見込み客の質を可能な限り高める方法があります。

    3-1.ペルソナを活用して質の高い見込み客に接触する

    ペルソナは、あなたの製品やサービスにおける理想の顧客の架空人物像です。したがって、ペルソナに類似すればするほど、質の高い見込み客となるはずです。

    ペルソナについて
    ペルソナの詳細や、ペルソナの作り方については、「誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順|カイロスのマーケティングブログ」で詳細をまとめあります。こちらをご参照ください。

    マーケティング活動で質の高い見込み客と接触するためには、ペルソナの情報を元に、質の高い見込み客とどこで接することができるかを明確にしなくてはなりません。その情報にしたがって、広告などの露出を目的としたマーケティング活動をします。

    ペルソナを活用して、できるだけ理想の見込み客像と接触します。獲得できる見込み客の質を事前に知ることはできませんが、ペルソナと接触できる最良の選択肢をとることで、できるだけ質の高い見込み客を得るようにします。

    3-2.見込み客のBANTを刺激するキャンペーンを設計する

    もう一つの方法は、既に獲得した見込み客の質を高める方法です。具体的には、見込み客のBANTを刺激するキャンペーンを実施します。

    例えば、見込み客の予算をもっと多くあなたの製品やサービスに振り分けてもらったり、ニーズを具体化させるためのキャンペーンを実施したりします。

    見込み客のBANTを刺激するアプローチでは、先ほど紹介した「質の高い見込み客の条件」を刺激すると良いでしょう。

    見込み客のBANTを刺激するアプローチでのポイント

  • 見込み客が抱えている最大の問題や課題を明らかにする
  • 見込み客の課題の解決を支援するためのあなたの製品やサービスの最高の提供価値
  • 見込み客が最も聞きそうな質問とは?
  • 見込み客が検討するかもしれない他のオプション
  • 導入後に見込み客が評価するポイント
  • いかがですか?A(権限)はなかなか変わりませんが、それ以外のBANTの項目は多少なりとも影響をあたえることができそうですね。

    4.もっと多くの良質な見込み客を獲得するために

    質の高い見込み客を獲得するための方法は、これだけではありません。あなたのマーケティング活動をチューニングすることによって、もっと多くの良質な見込み客に接して、営業案件につなぐことができる可能性があります。

    見込み客は、営業案件になって購入していただいて初めて優良顧客になります。獲得した見込み客をできるだけ多くの営業案件につなげるようにしましょう。

    4-1.あなたのファネルを調整してみよう

    獲得した見込み客の多くをできるだけ営業案件に結び付けたいのですが、現実はなかなかそうもいきません。

    獲得した見込み客をパーチェスファネルの下の方に移動するようなマーケティング活動やリードナーチャリングを実践します。

    パーチェスファネルとは
    パーチェスファネルとは、ろうと(英語で「ファネル」)の形で表現した、見込み客の購買までの状態遷移を販売側の視点で示したものです。詳しくは「パーチェスファネルを活用して質の高いリードを獲得する手順|カイロスのマーケティングブログ」をご参照ください。

    全ての見込み客がパーチェスファネルの下の方に移動しません。途中で多くの見込み客がパーチェスファネルから離脱します。

    ここで大事なのは、パーチェスファネルから見込み客が離脱する原因を探ることです。この原因を探ることによって、質の高い見込み客の条件と、該当見込み客のリードナーチャリングの方法が少しずつ明らかになってきます。

    パーチェスファネルから見込み客が離脱する理由を知り、あなたのマーケティング活動を改善すれば、もっと多くの質が高い見込み客がパーチェスファネルの下の方に集まり、営業案件が増えるようになるはずです。

    4-2.見込み客にどこでどんな情報を提供するか

    パーチェスファネルの各段階は、BtoBの購買行動プロセスに対応しています。これを意識してみましょう。

    BANTを刺激するためには、BtoBの購買行動プロセスの初期から見込み客に接して、いわゆる啓蒙・教育活動をしなくてはいけないことがわかります。み込み客側で予算やニーズが固まってしまってからでは、見込み客のBANTを簡単には刺激できません。

    4-3.期待できない見込み客はあきらめる

    例えば、見込み客のニーズは明確でもあなたの製品やサービスがそれを解決できない見込み客、あなたのマーケティング活動に全く反応のない見込み客、などはあなたのマーケティング活動の対象外としてしまいましょう。

    このような見込み客を思い切って対象外とすることで、質の高い見込み客のプロファイルがより明らかになったり、見込み客獲得後のパーチェスファネルのチューニングなど、本来注力しなくてはならない質の高い見込み客の案件化の問題点が明確になり、PDCAプロセスが効率よく回るようになります。

    その結果、質の高い見込み客の獲得だけでなく、営業案件化まで効率よくできるようになります。

    4-4.マーケティングオートメーションを活用してみよう

    質の高い見込み客の獲得方法から営業案件化までのプロセスにはマーケティングオートメーションが便利です。

    マーケティングオートメーションでは、見込み客のWeb閲覧などの行動をトラッキングできるため、その行動履歴から質の高い見込み客の見極めが簡単になります。

    また、パーチェスファネル上のチューニングなども、見込み客の反応から最適化することが簡単になるでしょう。

    5.さいごに

    良質な見込み客を獲得するためには、見込み客の属性や行動をじっくり観察して、その見込み客をセグメンテーションすることから始まります。見込み客の特性にあわせてセグメンテーションが細かくなればなるほど、営業案件につながりやすくなります。

    みなさまも是非チャレンジしてみてください。

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