3C分析の概要と3C分析のやり方

2017年08月20日

3C分析は、計画や戦略策定で幅広く利用する分析手法です。

3Cそのものはよく知られたビジネスのフレームワークですが、有効な戦略や実行計画を導き出すのは、そんなに簡単ではありません。

3C分析をいざ手がけると、分析のための多くのデータを集めて詳細な解析に多大な時間と労力を使ってしまう傾向にあります。

ただ、3C分析の目的を再認識して、3C分析のアプローチを知っておくことで、手早く精度の高い作業が可能になります。

みなさんが知っておきたい3C分析の流れと3C分析のコツをまとめました。

3C分析の基盤となる3Cのフレームワーク

3C分析では、3Cと呼ばれるフレームワークがあります。この3つのCとそれぞれのCの相関を明らかにすることで、3C分析を進めていきます。

3Cフレームワークの、それぞれのCは市場におけるプレーヤーを意味し、それぞれ、顧客:Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を指しています。

このそれぞれの頭文字をとって3Cと呼んでいます。それぞれの3Cの要素について以下にまとめました。

市場・顧客 市場や顧客のニーズの変化を知る
競合 競合が市場や顧客のニーズの変化にどのように対応しているかを知る
自社 自社が市場や顧客にニーズの変化に合わせ、競合の対応を鑑みながら、自社が成功する要因を見いだす

3Cは、誰が発案したフレームワークかはわかりませんが、元マッキンゼー、現ビジネス・ブレークスルー代表の大前研一氏が提唱したフレームワークであると聞いたことがあります。

3Cなどのビジネスフレームワークについて
マーケティングの現場やビジネスでよく利用するフレームワークは「ビジネスフレームワーク集25選」にまとめて解説しました。ご興味のある方は無料でダウンロードができます。

3C分析の目的と注意点

3C分析はビジネスのさまざまなシーンで利用します。企業戦略レベル、事業部レベル、製品単位など、さまざまなレベルで3C分析をします。事業戦略や事業計画など、「戦略策定」「計画立案」の段階で3C分析を多く利用します。

市場に対する自社の戦略を定義するとき、新たな市場への新規参入や、撤退の検討にも同様に3C分析が使われます。このように3C分析はビジネスのあらゆるシーンで戦略や計画の策定の場面によく使われます。

3C分析は自社が事業を行うビジネス環境を分析するためのプロセスです。3C分析では自社が事業を行うビジネス環境での成功要因(KSF)を導きだすことを目的とします。

3C分析の過程として、先ほど紹介した3つのC、つまり「市場・顧客」「競合」「自社」について明らかにしていきます。

3C分析をする前に目的を明確にしておけば、分析の範囲は必要最低限に絞り込むことができると同時に、よりポイントが明瞭な分析の実施につながります。

目的のない分析は、分析そのものが目的となり、膨大なデータの取得とデータの分析をすることになり、3C分析の結果が見えにくくなります。この理由が実際の3C分析を難しくしている原因です。

3C分析の手順

3Cの概要と3C分析の目的をしっかりと理解したら、次に実際に3C分析を手がけていきましょう。

3C分析:市場・顧客の変化に着目する

3C分析はまず市場・顧客の分析からとりかかります。ビジネスにおいて市場を知らなくては全ての強みや弱みは評価できないからです。

3C分析の市場分析では、市場や顧客のニーズの「変化」に着目します。どの分析でも同じですが、やはり3C分析の市場・顧客の分析にも当てはまります。

より効率的に3C分析を進めるため、市場分析でもフレームワークを用いましょう。市場分析では、マクロな視点でのビジネス環境分析、ミクロな視点での業界分析、そして顧客分析があります。

マクロ分析 景気変動、法の変更や規制緩和、人口動態の変化や流行の変化、新技術の誕生や普及、など社会的な変化を見つけ出す
ミクロ(業界)分析 業界におきる構造の変化に着目し、自社のビジネスに対する影響度合いを見いだす
顧客分析 マクロ要因やミクロ要因により、顧客の価値観やニーズがどのように変化しているかを探る

それぞれの分析にもよく使われるフレームワークがあります。

マクロ分析ではPESTが分析の代表的なフレームワークです。P:Politics(政治)、E:Economy(経済)、S:Society(社会)、T:Technology(技術)の頭文字が PESTになります。

PESTの頭文字となる、政治、経済、社会、技術における変化を明確にする作業がマクロ分析です。

ミクロ(業界)分析では、ファイブフォース分析がよく使われます。このフレームワークは業界の競争環境の激しさを知り、該当市場がビジネスで利益の確保の可能性を把握するために用いられます。

ファイブフォース分析では、5つの要因(フォース)について分析します。

買い手の交渉力 切り替えコストの高さや、(価格)交渉力などを評価
供給企業の交渉力 差別化の程度、プレーヤー数、購買ボリュームの需要性、などから仕入れ価格に関する交渉力などを評価
新規参入業者 ブランドの威力、切り替えコスト、必要な資本料、専門的知識や学習/経験曲線の影響などから市場への参入障壁の高さを評価
代替品の脅威 代替品の価格、差別化とそれに対する顧客の認知から切り替えコストを評価
競争関係 競合企業数、業界の成長、ブランド、広告費用などから競争状態を評価
ファイブフォース分析の詳細は
ファイブフォース分析のやり方については、別の記事「ファイブフォース分析の概要とやり方」でその手順をまとめました。ファイブフォース分析についてもっとくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

最後に、顧客分析です。

マクロ、ミクロの環境変化が顧客にもたらす変化を分析し、顧客の価値観やニーズがどのように変化するか調べることが、顧客分析にあたります。製品のライフサイクル(Product Life Cycle)、アンケート調査をおこない、顧客の変化を明らかにしていきます。

製品ライフサイクルとは
製品ライフサイクルは、製品が誕生してから衰退するまでを4つの段階に分類して、それぞれの段階の特徴と、マーケティング施策についてまとめたモデルです。くわしくは「製品ライフサイクル(プロダクトライフサイクル)とは?」でまとめました。合わせてごらんくださいませ。

3C分析:競合分析

3C分析の競合分析では、競合が市場の変化に対してどのように対応しているかを知る事が目的です。3C分析の競合分析では、競合企業のビジネスの結果と、その結果を導きだした理由の二点に絞り分析を進めます。

競合企業のビジネスの結果は、結果そのものと結果を出したリソースに着目します。

結果そのものでは、競合企業の売上げや営業利益(率)、コスト、広告宣伝費を含む販売管理費用に着目します。言い換えれば、競合企業はビジネスとしての結果をどれくらい大きく出したかにあたります。

リソースでは、資産に着目します。ビジネスに資産(リソース)がどれだけ効率的に使われているかを評価します。ここではROEや一人当たりや店舗あたりの売上高、顧客あたりの売上げなどに着目します。

競合分析では次に、競合企業の結果の出し方に着目します。言い換えれば、売上げやリソース効率を高める仕組みについて明らかにします。

製品の開発、仕様、製造工程、販路、物流、マーケティング、営業、サポートなど、ビジネスに関連するあらゆる仕組み(バリューチェーン)を調査し、売上げや高い効率化の厳選となる仕組みや仕掛けを探し出します。

3C分析の競合分析では、市場分析での結果を考慮します。つまり競合企業が市場の変化に対してどのように対応しているか?そしてうまく対応できているところは?課題は?といった形で競合企業を評価します。

3C分析:自社分析

3C分析の自社分析は、これまで3C分析を通じて行ってきた、市場分析、競合分析のまとめです。つまり、市場の変化と競合企業の市場の変化への追従・対応と自社を比較するにつきます。

自社分析を行いながら、競合企業の良い点を取り入れたり、競合企業がカバーできていない領域に進出するなど、自社のビジネスが該当市場で成功するための要因(KSF)を探ります。

3C分析:まとめ

3C分析の目的と手順について述べてきました。3C分析は実際に手を動かしてみると、時間がかかり結構難しい事がわかります。良い事業戦略には、良い分析が必要ですが、良い分析ができるようになるには実践あるのみです。3C分析は、事業戦略の立案には欠かせません。いろいろと試行錯誤しながらがんばってみてください。

(この記事は2012年12月20日に書かれたものを編集しました)

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