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インサイドセールスの成功事例―成功事例からみるインサイドセールス成功のルール

インサイドセールスを導入する企業が増えてきました。
「自社でもインサイドセールスを導入した方が良いのか?」とインサイドセールスについて調べているかたもいらっしゃると思います。

この記事では、インサイドセールスの成功事例を通じて、自社でインサイドセールスを導入する前に知っておきたいインサイドセールス成功のルールをご紹介します。

インサイドセールスを導入検討中、インサイドセールスを始めたけど成果につながらないと考えているかたはぜひご覧ください。

インサイドセールスとは?

そもそもインサイドセールスとはどんな職種なのでしょうか。
インサイドセールスについてまとめた記事には、以下のようにまとめられています。

お客さまのもとに訪問して営業をするスタイルの営業活動に対して、内勤でメールや電話やWeb会議システムを使ってお客さまとコミュニケーションを取り、営業をするスタイルの「インサイドセールス」があります。

参考インサイドセールスとは?目的・業務・スキルを知ろう!

内勤でメールや電話、オンライン会議システムを使ってお客さまとコミュニケーションを取る仕事です。

ビジネスの全体像で言うと、マーケティングと営業(フィールドセールス)の中間にいるイメージです。マーケティングと営業の間にいるので、インサイドセールスが接するお客さまの中には、自社商材を検討している人もいれば情報収集段階で商談発生しない人もいます。

インサイドセールスはマーケティングファネルとセールスファネルをつなぐ、まさに「ふるい」のような役割があります。

参考パーチェスファネル(マーケティングファネル)の基礎

インサイドセールスの成功事例

インサイドセールスの事例として当社の事例をご紹介します。

インサイドセールスから営業に引き渡す案件の定義

例外もありますが、今回の事例ではインサイドセールスからフィールドセールス(外勤営業)に案件を引き渡す際には以下の4つの項目が確認できたら、外勤営業に引き渡す案件として定義していました。

フィールドセールスに案件を引き渡す4つの基準

  1. お客さまにやりたい施策がある
  2. 自社製品の機能でお客さまの要望を満たせる
  3. 予算がある程度分かっている
  4. 導入時期の目安が決まっている

もちろん、担当者の判断で例外も発生しますが、基本的には(1)お客さまにやりたいことがあって、(2)やりたいことが自社製品の機能で満たせて、(3)予算がある程度分かっていて、(4)導入時期の目安が決まっている状態であれば、営業に案件を引き継ぐことになっていたそうです。

どれか1つでも欠けていれば、外勤営業に案件を引き渡さず、基準を満たすまでヒアリングを続けたり、情報提供を通じて興味付けを継続したり、インサイドセールスによってリードナーチャリングを続ける運用になっているとのことです。

参考インサイドセールスによってリードナーチャリングをするメリット

インサイドセールス導入による効果

インサイドセールスを導入したこの事例で生まれた効果をご紹介します。

もともと外勤営業が非常に少人数だったので、どうしても確度の高い案件に集中しなければならず、確度は低いけれど関係を維持していればいつか確度が高まり、商談につながるような案件には工数を割きづらい状態でした。

あるいは確度が高いと思って商談を進めていったのに、実は導入予定時期がかなり先で、予算も確保できていないなど成約までのリードタイムが長すぎる案件をフォローし続けなければならず、外勤営業担当者の業務負荷が増えていく一方でした。

インサイドセールスを導入して、(1)お客さまにやりたいこと(2)やりたいことが自社製品の機能で満たせること(3)予算がある程度分かっていること(4)導入時期の目安が決まっていること、の4つが確認できた案件のみを外勤営業に引き渡すようになってからは、外勤営業担当者が引き受ける案件やアポイントメントは商談につながることが多くなりました。

また、リソース不足のためにフォローしきれていなかった案件をインサイドセールスがフォローし始めたことによって、これまで失注していた案件も受注につなげられたり、商談発生につなげたりすることができるようになりました。

事例からみるインサイドセールス成功のルール

インサイドセールスの成功事例から見えてくる、インサイドセールス成功のルールをご紹介します。

インサイドセールスは案件化しそうな見込み客を引き渡してくれるマーケティングや、商談発生しそうな案件を引き継ぐ外勤営業との連携が不可欠です。特に外勤営業との連携では、ご紹介したインサイドセールス導入の事例のように、案件を引き継ぐタイミングの定義を決めておくことが非常に重要です。

インサイドセールス成功のルール1:業務範囲を定義する

1つめの事例からみるインサイドセールス成功のルールは、業務範囲を定義することです。

ご紹介したインサイドセールスの成功事例でも、インサイドセールスから外勤営業に案件を引き渡す定義を明確に決めていました。

インサイドセールスはマーケティングと外勤営業の中間に位置するので、まだ購買意欲が高まっていない見込み客に対して、リードナーチャリングというマーケティング活動が必要な場合もあります。また、インサイドセールスは営業活動の入り口部分を担う仕事でもあります。

業務範囲を定義しておかないと、インサイドセールスに業務がたまりすぎてしまったり、逆に誰もやっていない業務が発生してしまったりする危険性があります。

インサイドセールスの業務範囲の定義は企業ごとに異なります。
ただ、インサイドセールスと外勤営業の業務のボーダーラインが「商談の定義」によって決まることは非常に多くあります。商談の定義も企業ごとに異なりますが、ご紹介した事例のように、お客さまのニーズや社内での決裁権などBANT情報と言われる情報をベースに考えてみることがオススメです。

顧客の質を見極めるBANT情報
法人営業では、一般的に「BANT情報」が重要だと言われています。BANTとは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(ニーズ)、Time(時期)の頭文字を取ったものです。

BANT情報を活用して、少なくとも、「マーケから引き受ける案件は何か」、「営業に引き渡す案件は何か」「インサイドセールスで成約まで持っていく案件は何か」の3つは定義をしておきましょう。

インサイドセールス成功のルール2:必ず検証できる状態にする

インサイドセールスを始めたけど、担当者や担当部門しか何をやっているか分からないということがある。
属人的にしないで、科学することが大切。

2つめの事例からみるインサイドセールス成功のルールは、インサイドセールスで実施している施策を、必ず検証をできる状態にすることです。

インサイドセールスの業務のほとんどはお客さまとのコミュニケーションです。
メールの場合はお客さまとのやり取りの履歴は残りますが、電話やオンライン会議システムでお客さまと話をする場合は、お客さまとどんな会話をしたのかは担当者にしか分かりません。電話内容を録音しても全ての会話を共有するわけではありません。

どういう情報提供をすればお客さまの関心が高まり、どういうトークをすれば商談につながるのかといった情報は、他部門でも活用できるノウハウとしてまとめておくとインサイドセールス組織の成功だけではなく、他部門にとってもメリットが生じます。

インサイドセールスの施策を検証できる状態にするコツは、データに基づいて仮説を立てて施策を実行し、実行した施策の結果数値を記録して、なぜその結果になったのかを定期的に分析する事が大切です。

営業やマーケティングの現場で役立つ仮説の立て方
限られた時間や情報でその時点でベストな答えを作り出すことができる「仮説検証のやり方」をまとめました。合わせてご覧くださいませ。

インサイドセールス導入の注意点

インサイドセールスを自社に導入する際の注意点をまとめました。

顧客とのコンタクト履歴を記録する

インサイドセールスを成功させるためには、顧客管理ツールSFA(営業支援システム)の導入がオススメです。

マーケティング用のツールと営業支援システムが連携していることが理想です。
なぜなら、インサイドセールスはマーケティングから見込み客を引き継いだり、外勤営業に案件を引き渡したりするからです。

過去にマーケティングが特定のお客さまに対してどのような施策を実施してきたのかをインサイドセールスが知り、またインサイドセールスがどんな会話をしたのかどんな資料を送っているのかを外勤営業に引き継ぐ必要があるので、インサイドセールスが使う顧客管理ツールはマーケティング用のツールと営業用のツールが連携している方が良いのです。

参考マーケティング部と営業部の連携が強くなる顧客管理システム「Kairos3 SFA」

情報は記録だけではなく共有を徹底する

「書いといたから」ではなく、営業に引き継ぐときには担当者の人柄など案件に関わらないが、必要な情報がある場合もある。口頭やメールで補足すると引き継ぎがしやすくなるし、営業からフィードバックをもらえることもある。

インサイドセールスの導入を成功させるためには、システムの導入だけでは不十分です。

SFA(営業支援システム)への営業ログの記録だけで、お客さまについての情報を全て外勤営業に引き継ぐことは困難です。「SFAに書いておいたので見てね」と言い放つのではなく、案件によっては外勤営業担当者に口頭やメールで、担当者の人柄など営業ログだけでは伝わらないけど営業の場では必要な情報を共有することが大切です。

営業ログだけでは伝わらない情報を共有できるメリットに加えて、外勤営業担当者から、引き渡した案件についてフィードバックをもらえることもあるでしょう。インサイドセールスは社内の他部門とのつなぎ役として、社内でもコミュニケーションを大切にすることが重要です。

さいごに

インサイドセールスの成功事例からみえてくる、インサイドセールス成功のルールをまとめました。これから自社でインサイドセールスを導入することを考えているかたのご参考になれば幸いです。

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