営業やマーケティングの現場で役立つ仮説の立て方

2016年09月15日

仮説を立てて検証することで、問題点や解決策をいち早く導き出す方法を仮説検証といいます。

「あの人はなんでこんなに早く仕事を片付けてしまうのだろう?」と感じたことはありませんか?おそらく仮説検証を繰り返して、いち早く仕事の勘所をつかんでいるのでしょう。

営業やマーケティングの現場では、お客さまのニーズがよくわからないシーンもあります。このような場合でも、すご腕の営業やマーケターは、仮説検証をしながら的確にお客さまのニーズを見ぬいています。

今回は、仮説の立て方と検証について学んでいきましょう。

1.仮説を立てる仮説検証とは?

まずは、仮説を立てて検証する仮説検証の概要を学びます。

1-1.仮説検証の概要

仮説を立ててそれを検証しながら問題点や解決策のあたりをつける仮説検証のプロセスは、ある物事の答えから考えることということができます。

営業やマーケティングの現場でお客さまのまだわからないニーズを推測する場合などで、あらゆる情報を持ちだして網羅的に調査し最適な提案やマーケティングメッセージを導き出すことは、時間やコストなどのリソースの制約があるため、時間切れになり結果を導き出せないまま終わってしまいます。

仮説を立てて検証する仮説検証のアプローチでは、この時点でのベストな解を最短時間で導き出します。仮説検証のアプローチでは、答えから発想を広げていくため、網羅的に調査するよりも近道ができるのです。

1-2.仮説検証プロセスの概要

仮説検証のアプローチでは、自分の手元にある情報から仮の答えを導き出そうとします。この仮の答えを「仮説」と呼びます。

次に、立てた仮説を検証します。立てた仮説を検証する中で、元の仮説を修正したり、進化させたりすることで、より実際に近い答えを導き出します。

この仮説検証のプロセスを何回か繰り返すことで、より確実な答えを導き出します。

2.なぜ仮説を立てて検証する仮説検証のプロセスが重要なのか

2-1.仕事が早い営業やマーケターは仮説検証を駆使している

いわゆる仕事ができる営業やマーケターの方々は、元々頭脳明晰というだけではありません。営業やマーケティングの仕事をする中で、仮説検証のプロセスを使いながら仕事のスピードをあげています。

ある問題の答えを探す時に、身の回りにある膨大な情報をもとにしてあらゆる確度から分析したら、膨大な時間を使うだけでなく、成果を出すことは難しいでしょう。

営業やマーケティングの現場では、仮説と検証をうまく使えば、限られた時間や情報でその時点でベストな答えを作り出すことができます。その結果、多くの仕事を上手にこなします。

2-2.仮説検証のプロセスを仕事に使うために

あなたが営業やマーケティングの担当者なら、限られた情報で最適な答えを探しだすことがカギになります。

例えば、あるお客さまからの営業引合いに対応する場合、「会社概要や事業概要」、「損益計算書などの会計情報」、「売上や利益の推移」、「製品の市場シェアや競合の情報」など、そのお客さまの情報が必要です。

こうした情報を全て集めるだけでもたいへんな作業です。時間がかかり、提案の骨子がなかなかできず、競合各社があなたの事業機会を奪ってしまうかもしれません。

営業やマーケティングの現場では、仮説を立てて検証する仮説検証プロセスを使って、いま手元にある情報から選択肢を導き出す方法が適しています。

3.仮説を立てて検証する仮説検証のプロセスを学ぶ

それでは実際の仮説検証の進め方を見ていきましょう。

3-1.仮説検証のプロセス概要

営業やマーケティングで売上アップをねらうなら、できるだけ早い段階でお客さまのニーズを把握する必要があります。お客さまに売り込む場合には、限りある情報からそのお客さまにとっての真の課題を発見して、提案するための骨子(答え)を作る必要があります。

仮説を立てて検証していくプロセスを実査にやってみると、問題の発見するための仮説と、その問題を解決するための仮説、と仮説が2つ必要になることがわかります。

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手元にある情報だけでお客さまの問題が特定できるなら、いきなり問題の解決、つまり営業やマーケティングの現場では「お客さまへの提案の骨子」の仮説から考えてしまえばよいでしょう。

実際の営業やマーケティングの現場では、お客さまから真の課題について正しく情報を得ることはまずないでしょう。ほとんどのケースで、お客さまの何か問題であるかが不明確です。

3-2.仮説検証のプロセスの例題

仮説検証の例をあげながら、実際の仮説を立てて検証してくプロセスをやってみましょう。

ここでは架空のお客さまの例をあげてみます。

  • あるお客さまから、あなたの会社のWebページを通じて問い合わせがあった
  • お客さまは自社の売上が不調でこれを解決するために、あなたの製品の導入を検討している
  • あなたはお客さま向けの提案が必須/li>

  • このお客さまの売上が不調な理由は現時点ではわかっていません。売上が不調な理由は、市場や競合の動きなどの外的要因なのか、お客さまの会社の問題(内的要因)なのか、見極める必要があります。

    仮説検証のプロセスを使わずにあらゆる情報を調べようとすると、市場調査、利用者調査、競合比較、ブランド調査など、多面的な調査が必要であり、膨大な時間と費用、そしてあなたの労力がかかってしまうため避けるべきです。

    仮説を立てる仮説検証のプロセスを使うなら、まずは売上が伸びない理由について仮説を立てます。お客さまの市場を簡単に調べてみたところ、市場は順調に伸びていることがわかりました。

    すると、この例では次のような仮説が考えられます。

    仮説の例

  • 製品の価格が競合に比べて高い
  • 製品の広告宣伝が効果的でない
  • 売り方(自社や販社)に問題がある
  • 実際に仮説を立てる際に、可能性が高そうである3つに絞り込みました。あらゆる情報源を駆使して網羅的に仮説を立てようとしたら、ここにかなり数多くのリストがならぶでしょう。

    少ない情報を整理して仮説を立てるときには、さまざまなフレームワークが役立ちます。代表的なフレームワークには3C4P(マーケティングミックス)ファイブフォースがあります。この例題にもこれらのフレームワークが活用できます。

    覚えておきたいフレームワーク
    営業やマーケティングのしごとをするなら、ビジネスによく使う基本的なフレームワークは覚えておきましょう。無料の「ビジネスフレームワーク集25選」が非常に参考になります。無料ですので、ダウンロードしてみてください

    3-3.仮説検証プロセスの例:問題発見

    仮説検証プロセスの例に対して、次に問題として抽出した仮説について検証していきます。

    前述の例において、抽出した仮説について検証をしましょう。そして以下の点がわかったとします。

    例)仮説検証で明らかになった事実

  • 製品の価格は競合他社とくらべて高くなかった
  • Webサイトをみたところ、広告宣伝には改善の余地がありそうだ
  • 営業方法や販売ルートに関しては大きな問題は見当たらない
  • 時間やリソースの制約のため、全ての事象について調査できないので、わかることを中心にして調べます。

    仮説検証のプロセスにおいて、この段階にわかったことは「製品の広告宣伝に問題がありそうだ」という点です。

    ここを問題点として、もう少し深掘りしてみましょう。

    製品のWebサイトがあるが、自社の製品の概要や仕様の情報のみを公開している。実際に購買することを決めてからのお客さましか、このWebコンテンツは有益にならない。Webだけでなくその他の手法も使って、購買行動プロセスのもっと前段階の見込み客に接触して、情報提供をして購買意欲を刺激する必要があるのではないか?

    などと、問題点を深掘りします。

    仮説検証のプロセスにおいて、この解決策は例えば、

    仮説検証プロセスの解決策の例

  • 製品Webサイトとは別に自社のメディアを立ち上げて購買行動プロセスの前段階の見込み客に役に立つ情報を提供し集客を試みる
  • 外部に広告を出稿して自社メディアの露出を高め集客する
  • PRを充実して自社のブランド認知を改善する
  • セミナーや展示会に出展して新規の見込み客を集める
  • などがあります。

    3-4.仮説検証のプロセス:具体的な解決策を考える

    仮説検証プロセスの問題発見を通じて、おおよその解決策を導き出しました。つぎは、先ほどの解決策について仮説検証をしていきます。

    例として、「製品Webサイトとは別に自社のメディアを立ち上げて購買行動プロセスの前段階の見込み客に役に立つ情報を提供して集客を試みる」という解決策について、さらに深掘りしてみます。すると、

    Webに関する解決策の深掘りの例

  • 発行しているメルマガの内容で製品に関連するビジネスのノウハウを提供する(自社の広告宣伝を控える)
  • 自社のブログを立ち上げて、商品の宣伝以外の情報で見込み客の購買を促進する知見や経験などの情報を提供する
  • 無料のノウハウ集や資料などのダウンロードPDF資料を用意する
  • ある製品の詳細ページをみたら、関連する情報をメールできる仕組みを整える
  • などが次の解決策の仮説として思いつくでしょう。

    3-5.仮説検証のプロセス:解決策の仮説を検証する

    仮説検証プロセスの最後は、解決策として導き出した仮説を検証します。

    先ほど出した解決策の仮説の場合であれば、Webメディアに関する自社の強み・弱み、競合の動向などから検証をして、実際の打つべき解決策を考えます。SWOT分析を簡単に実施するのも良いでしょう。

    SWOT分析について
    SWOT分析は自社のとりうる方策を見つけ出すためのフレームワークです。営業やマーケティング担当者ならぜひ覚えておきたいフレームワークです。くわしくは「SWOT分析のやり方|事業の成功要因と方策を導き出すための手順|カイロスのマーケティングブログ」をごらんください。

    このような仮説検証プロセスの中で、仮説と検証を繰り返すと、勘が働くようになって素早くここまでたどり着けるようになります。

    あれもこれも網羅的に調べようとすると、とたんに作業量が増えるだけでなく、情報の海におぼれて何から手を付けてよいかわからなくなってしまいます。その結果、せっかく調査しているにもかかわらず、何が原因でどれが結果かまったく検討がつきません。

    結局調査のための調査の作業となり、本来の目的を失ってしまうのです。

    それに比べて仮説検証のプロセスを使うと短時間でおおよそ正しい答えを導き出すことができます。

    4.仮説検証のプロセスを仕事に応用する

    この仮説検証のプロセスは、日々の営業やマーケティングの業務に適応できます。自社の問い合わせフォームに入ってくる新規の営業案件でお客さまのニーズを推測するだけでなく、上司から頼まれた仕事でも、自分自身で調べる前に仮説検証のプロセスを使ってある程度の答えを導き出してしまうことも可能です。

    仮説検証のプロセスを仕事で使うときには、まずは仮説を立てて問題から解決策までのストーリーの骨子を考えます。仮説検証のプロセスを使うことで、作業の無駄が減って、仕事の効率が圧倒的に良くなるでしょう。

    5.仮説検証プロセスでおさえておきたいこと

    仮説検証のプロセスに慣れてくると、十分な情報がなかったり分析する時間が無かったりしても、仮説を立てながら問題に対する解決の方向性や具体的な解決策にまで踏み込んでしまいましょう。

    5-1.仮説検証プロセスで話の流れを作り出す

    仮説検証のプロセスでは、問題の特定から解決策を導き出すところまで、仮説を立てて一気に骨子を作り出します。

    手元にある情報からだとこれが言えて、これらを分析するとおそらくこんな問題があるのだろう。そしてその問題を片付ける方法には、これらが有効で、最も効率的なのはこの選択肢だろう。などという流れになります。

    5-2.立てた仮説が間違っていることに気付いたら

    仮説検証を進めていくと、最初に想定していた情報が証拠としてみつからず、立てた仮説が間違っていたことがわかることがあります。

    仮説検証プロセスを進めると、このようなことがよく起きます。すぐに軌道修正してあらたな仮説を立てて検証をしましょう。早い段階で立てた仮説が間違っていたことに気づいたなら、仮説検証プロセスの軌道修正はむずかしくありません。

    5-3.仮説検証プロセスを使うリスク

    ただし仮説検証プロセスを使うと、手元にある情報をベースにして進めていくため、全く気付いていない重大なことを見逃すこともあります。

    これを避けるために、フレームワークと併用して仮説検証プロセスを使うと抜けや漏れが少なくなります。

    6.マーケティングオートメーションと仮説検証プロセス

    マーケティングオートメーションを使って問い合わせフォームを作成した場合、見込み客のWeb行動履歴を記録することができます。

    新規の問い合わせがあった見込み客の情報がより多くわかるため、真のニーズの見極めが確度よくできるようになります。その結果、新規案件の勝率がよくなる事例が多く報告されています。

    ご興味がありましたら、是非お試し下さいませ。

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