営業ツールで営業効率を改善するためのヒント
「営業ツールの導入を検討している」「営業活動を効率化したい」「営業担当者の負担を軽減したい」など、営業力をあげつつも負担を減らしたいというお客さまの要望は増えています。
一方で、営業ツールの種類もたくさんあり、自社にとって何がベストなのか判断がつかないというマネジメント・経営層の方は多いのではないでしょうか。
今回は、営業ツールの中でも成果に直結しやすいツールを事例にあげながら、営業活動の効率化を実現するための基本事項をまとめました。みなさまのお役に立てますと幸いです。
営業ツールの役割
世の中の営業担当者は日々の業務を少しでも楽にしたい、効率化したいと考えているのではないでしょうか。このような営業現場の課題を解決するために「営業ツール」の導入を検討されるかたも多いと思います。
今回は、営業ツールを導入することでどんなメリットがあるのかをお伝えします。
営業ツールは営業活動の成果を最大化するためのもの
営業ツールとは「営業活動を効率化するためのツール」です。
では何のために営業活動を効率化するのでしょうか。営業担当者の負荷を下げるためでしょうか。もちろんそれもあるでしょう。しかし最も重要な目的は、限られたリソースの中で、今よりも売上げを伸ばすことだと思います。この問題を解決すべく営業ツールを導入して営業活動を効率化することで、営業担当者の負荷が下がるということはあるでしょう。
営業ツールには多くの機能があり、IT技術の発展に伴い魅力的な機能が数多く登場しています。
営業ツールを選ぶ際は、「最も欲しい成果が出せるかどうか」という点を見失わずに選ぶように気をつけなくてはなりません。
営業ツールで売上アップをねらう
会社における営業の主な役割は、売上をつくることです。営業ツールを導入して「営業活動を効率化」するということは、売上を効率よくつくり出すことと言っても良いでしょう。
営業ツールで営業活動を効率化するためのポイント
営業ツールを使って、成果を最大にすることができるのでしょうか。ここでは多くの企業が目指している営業ツールを活用した「売上げアップ」を実現するために、どのようにして営業効率を上げるのかを考えていきたいと思います。
営業効率を構成する要素
まず営業効率について少し考えてみましょう。営業効率を左右する要素は4つに分類できます。
というように分解できます。
営業効率を改善するためのドライバーとは
先ほどの営業効率を構成する要素について少しくわしくみてみましょう。
商談数は、営業活動となった件数であり、マーケティング活動や既存の営業活動がベースとなるものだけでなく、検索エンジン経由で直接問い合わせがあって営業活動につながるものもあります。
成約率は、営業案件になった時点での時期(タイミング)やニーズの合致度合い、適切な営業提案ができたかどうかが左右します。
案件単価は、営業活動中の提案の質が大きく左右します。アップセルやクロスセルによって案件単価が高くなります。
回転率は、おおよそ商談発生からクロージングまでにかかった日数です。商談発生からクロージングまでの日数が少なければ少ないほど、回転率は高くなります。ニーズが明確になり、社内での調整をスムーズに進めるための調整が営業回転率を左右します。
営業効率を構成する要素のまとめ
「商談数」:マーケティング活動がベースとなり創出した案件+(検索エンジンなどから)直接問い合わせが来た案件+その他営業が創出した案件 「成約率」:マーケティングが創出した案件の質に左右される。つまり、どんな案件を引き渡してもらいたいのか、マーケティング部門との連携が必要 「案件単価」:営業担当者がアップセルやクロスセルによって引き上げていく 「回転率」:営業の回転率を改善します。営業活動の期間を短くできれば、ある特定期間における売上がアップします。
営業ツールを活用して営業効率を改善する
以上のように、営業効率を要素分解して考えてみた上で、自社の営業課題がどこにあるのかを考えると、どの部分にテコ入れする必要があるのか、どんな営業ツールを導入すると成果が上がるのかが見えてきます。
商談数を増やす
例えば、「商談数」に課題がある場合、当然マーケティングから営業に引き渡された案件数が少ないということが主な課題として浮かび上がってきます。
しかし、その原因が新規リードの獲得にあるのか、リードナーチャリングにあるのか、営業への引き渡す案件の定義にあるのかまで判明させる必要があります。それが分からないと改善のためのテコ入れができません。
リードナーチャリングとは、見込み客の購買意欲をうまくかきたてながら営業案件や、案件成約に結びつけるためのプロセスを指します。くわしくは「リードナーチャリングはじめてガイド」でまとめました。合わせてごらんください。
営業の案件単価を上げる
「平均案件単価」に課題がある場合は、アップセルやクロスセルを営業担当者から自発的に仕掛けていく必要があります。
営業担当者がお客さまの課題をもう一歩先取りして、ソリューション営業を仕掛ける必要があるかもしれません。
営業ツールとして、マーケティングオートメーションをニーズの把握に使う方法があります。一旦ニーズを把握することができたら、営業トークを展開してクロージングを目指します。
営業トークの良し悪しで営業案件の成約率が変わります。営業の現場で有効な営業トークについては「絶妙な営業トークでおさえておきたい7つのポイント〜トップセールスが誰でもしている商談の秘訣」でまとめました。ご参考になれば幸いです。
回転率を上げる
「回転率」に課題がある場合は、もう少し細かく考えてみる必要があります。営業活動における要素と、営業活動前の要素に分けて考えると良いでしょう。
営業活動中については、ニーズやタイミングの把握とそれに対する適切な対応が求められます。SFA(営業支援システム)で、個々の営業担当者の活動を見ながら、修正点を探していく必要があります。
営業支援システム(SFA)は、個々の営業担当者がその活動を記録することで、商談や案件、自社の営業活動のステータスを視覚化することで自社の営業活動の状況を把握し、営業力強化のための問題点を見つけ出し、問題解決のための施策を展開するためのツールです。営業支援システムの詳細は「SFA(営業支援システム)とは?担当者がこれだけは知っておきたいポイントのまとめ」でまとめました。
営業担当者がお客さまのニーズを把握しきれていないか、マーケティングから引き渡される案件の質やマーケティングとの情報連携に課題があると考えられます。
ニーズの把握には、お客さまに直接おうかがいする以外に、マーケティングオートメーションを活用する方法があります。
マーケティングオートメーションの機能を活用して、記録された見込み客の行動履歴から、その見込み客のニーズを推測することができます。営業ツールとしてマーケティングオートメーションをうまく活用することで、営業案件となる見込み客のニーズをうまく把握します。
営業回転率を高くする
営業回転率を高くする、つまり、営業活動期間を短くするという課題がある場合は、営業活動にかかるリソースを抑えるという点に注目して、マーケティングから営業へ引き渡す案件の定義の修正を検討すると良いでしょう。
法人営業では、新規開拓の際には、営業担当者が自社の会社概要の紹介から事業内容の案内をすることでお客さまとの信頼関係の構築から始めます。その後、お客さまのニーズを引き出して、具体的な営業活動に展開します。
会社概要の紹介や事業内容の案内は、そもそも営業活動であると捉えるべきでしょうか?ひょっとしたら営業担当者ではなく、マーケティング活動やテレセールスなどで代替できるかもしれません。
営業効率改善に役立つ営業ツールとは
では、営業効率を改善するための営業ツールにはどんなものがあるのでしょうか。
代表的な営業ツール
名刺管理ツール スケジュール管理ツール 見積書作成ツール テレビ会議システム
上記の例に挙げたように、市場には数多くの営業ツールがあります。ここでは、売上げアップに直結する代表的な営業ツールをご紹介させていただきます。
営業ツール1:マーケティングオートメーション(マーケティングとの連携強化)
1つ目にご紹介する営業ツールは、近年日本でも浸透しつつあるマーケティングオートメーションです。マーケティングオートメーションとは、これまでバラバラだったマーケティング活動に必要な機能が1つのクラウドサービスにまとまった、企業のマーケティング活動の効果をより高く効率よくすることを目的としたソフトウェアのことです。
マーケティングオートメーションについては「たった5分で理解するマーケティングオートメーション」が参考になります。合わせてごらんくださいませ。
マーケティングオートメーションを導入することで、マーケティング業務の効率化ができるだけではなく、実は営業部門への良い影響もあります。新規営業案件が増える、新規営業活動の成約率が大幅にアップしたなどのマーケティングオートメーションの成功事例があります。
マーケティングオートメーションによって、今すぐ案件を見逃さないようにして「商談件数」を増やし、情報収集段階のような見込みの低い案件への訪問を減らすことで「成約率」を上げることが見込めます。
営業ツール2:SFA(営業支援システム)
また営業ツールの王道と言えるかもしれませんが、SFA(営業支援システム)も営業の成果を最大化することに貢献します。
SFAとは、商談プロセスの可視化、管理、最適化をするための営業ツールです。SFAの導入によって、営業活動が数値化されたり、営業日報の作成が簡素化されたりすることで、営業担当が資料作成に追われることなく、顧客に向き合うことに集中しやすくなります。
これこそ営業ツールの本質ではないでしょうか。
営業ツール間の連携で効果を倍増する
また、前出の2つの営業ツールを連携させることにより、マーケティング部門がリードに対して行なったマーケティング施策やそれに対するリードの反応を営業担当者が見ることができるようになります。
営業ツールの連携で、どういう案件化した経緯やアポイントを取った時には分からなかったお客さまの潜在的なニーズを、営業担当者が商談前に把握できるというメリットがあります。
2つの営業ツール、マーケティングオートメーションとSFAの連携によって、商談の中でお客さまが欲しているサービスや商品の提案に加えて、営業担当者からアップセルやクロスセルの提案ができるようになり、「平均案件単価」の増加につながるかもしれません。
営業ツールによって、少ない人員で回している営業部門が、商談前に顧客のニーズがつかめることは非常に大きなメリットではないでしょうか。
なぜ営業ツールが必要なのか
今回紹介した営業ツールは、マーケティングオートメーションとSFAという売り上げに直結するツールでした。これを導入することで営業効率が良くなることはご理解いただけたと思います。
営業ツール選定の第一歩は、営業効率の要素分解をし、自社の営業課題がどこにあるのかを明確にすることだと思います。