マーケティングオートメーションの不動産業界での活用モデルと成功事例
不動産業界で導入が進むマーケティングオートメーション。マーケティングオートメーションの不動産での活用モデルと成功事例のポイントをご紹介いたします。
当社で紹介しているマーケティングオートメーションの導入成功事例もあわせてごらんくださいませ。
不動産業界をとりまく営業・マーケティングの現状
不動産業界は文字通り、不動産で事業をするビジネスです。不動産開発、流通、賃貸(個人・オフィス法人)などを含み、市場規模は国内でもかなりの大きな市場です。
景気に大きく左右されやすい不動産業界
不動産業界は、比較的容易に市場参入できるため、競争が激しい業界として知られています。一般的には、宅建業免許があれば開業&市場参入でき、その免許取得者も国内に多くいることが特徴です。
不動産を購入するお客さまは生涯で何度も購入することが少ない、つまり不動産からしてみればリピーター顧客をつかまえることが難しく、一度販売したらそれで終わり、という、モデルが一般的です。
不動産業界は景気の変動を受けやすく、市況が悪化すると自社の売上に大きな影響を及ぼします。景気が良くなると多くの企業が参入し、景気が下向くと淘汰が進みます。
そこで不動産を取扱う各社は、営業活動だけでなく、営業活動につながる見込み顧客に接触してお客さまを囲い込むマーケティングにも力を入れるようになりました。
不動産業界の競争の激化の中で、他社との差別化ができるよう、単なる売り切りではなく提案型の販売活動を手がける傾向にあります。
買い手のデジタル化が進む不動産業界
不動産の買い手は、インターネットを活用する傾向にあります。特に若い世代になればなるほど、インターネットを活用しています。
不動産の購入世代になる20代後半から30代以降は、年々インターネットの活用が進みます。不動産などの情報収集は、インターネットを活用する不動産の買い手が、今もこれからも増えてくことは必至です。
不動産業界の競争は、インターネットでの顧客獲得へとシフトしていくことは明らかであると言えます。
不動産業界がマーケティングオートメーション(MAツール)を導入する背景
不動産業界でのマーケティングオートメーション(MAツール)の導入が加速しています。不動産業界がマーケティングオートメーションを導入する背景を説明します。
マーケティングオートメーションとは、デジタル領域において、従来の販売促進や営業に関わる業務を効率化や、従来は実現できなかったデータ連携などにより販売促進や営業活動に関わる業務を実現するためのITシステム(クラウドサービス)です。最近は、マーケティングオートメーション(Marketing Automation)は、英語の頭文字をとって「MA(エムエー)」などと呼ばれることがあります。くわしくは「マーケティングオートメーションとは?一番わかりやすい入門編」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。
マーケティングオートメーションを活用してソリューション営業へとシフトし売上を拡大したい
不動産業界でも、マーケティング活動にデジタルマーケティングを積極的に取り入れるようになってきました。これまでのアナログの営業に加えて、デジタルマーケティングをすることで、見込み客層を増やして、売上を拡大しています。
不動産業界の市場競争は年々激化しています。不動産の営業面で競争市場を勝ち抜くためには、やはり差別化が欠かせません。不動産業界では、単に販売するだけの行為から、お客さまのニーズをしっかりとヒヤリングして、お客さまのライフスタイルに最適な不動産の提案をする、いわゆるソリューション販売の手法を取り入れる必要にせまられています。
不動産業界でのこのような背景から、マーケティングオートメーションを導入する企業が増えています。
マーケティングオートメーションの特徴の1つに、「見込み客のWEB行動を記録する」機能があります。
マーケティングオートメーションの機能を活用すれば、集客や営業活動でのあらゆる局面で、お客さまのWEB行動がわかるようになります。お客さまのニーズを推測できれば、お客さまへの提案営業、つまりソリューション営業が可能になるためです。
圧倒的な営業リソース不足をマーケティングオートメーションで解消したい
不動産業界では、圧倒的な営業人員の不足に悩まされています。これまでの販売中心の活動から、集客のためのマーケティング、そしてソリューション営業へと、営業担当者がやらなくてはならない仕事がどんどん増えています。
だからといって営業人員をどんどん増やすわけにはいきません。営業人員を増やすことで、利益を圧迫してしまう可能性があるからです。
不動産業界の事業リスクを避けるために、まずはマーケティングオートメーションで営業業務を効率化して、利益が確保できたら一気に営業担当者を増やすアプローチをとる傾向にあります。
不動産業界ではマーケティングオートメーションで業務の効率化できることがたくさんある
不動産業界の営業担当者は、ほんとうにやるべき仕事はたくさんあります。しかし、営業担当者の仕事を注意深くみていくと、意外にもやるべき仕事の種類は思ったよりも多くありません。
イベントに来場していただいたお客さまに連絡をする。連絡がつかなかった場合には、しばらくしてからまた連絡をとる。シンプルな作業ですが、忘れてしまうことも多い。こうした作業ならマーケティングオートメーションで効率化できてしまうのです。
不動産業界でのマーケティングオートメーション導入活用の実際
マーケティングオートメーションを不動産業界で上手に活用している、マーケティングオートメーションの導入で成功したお客さまをみると、ここで説明する4つのポイントが重要であることがわかっています。
基本的な購買行動モデル(カスタマージャーニー)を定める
不動産業界のマーケティングから営業活動の流れをシンプルにモデル化すると、下の図のようになります。
まずは認知・集客をチラシで。最近では自社のホームページを活用したリスティング広告を活用する不動産も増えています。そして、個別相談会や内覧会などのイベントに誘導する流れが、不動産業界のシンプルかつ一般的なカスタマージャーニーのモデルです。
個別相談会や内覧会の運用は、マーケティングオートメーションを活用してひとりで運用する不動産もいらっしゃいます。マーケティングオートメーションというツールを活用すると、人手が必要な業務もラクラクと運用できます。
マーケティングオートメーションを使うことで、個別相談会の来場記録や、内覧会の登録や出欠確認をラクラクと実施する方法は「マーケティングオートメーションで圧倒的に不足する営業リソースの問題を解決した事例・活用例」が参考になります。あわせてごらんくださいませ。
チラシに加えてホームページでも集客
不動産は地域でのセグメンテーションが必要であるため、物件情報や内覧会の情報をチラシで宣伝することがよくあります。
顧客層の紙媒体(新聞や雑誌)離れやインターネットの活用の促進の影響から、不動産でもホームページでの集客をすることが多くなりました。
マーケティングオートメーションにはフォーム作成機能があります。フォームをマーケティングオートメーションで作成して、自社のホームページに埋め込むだけで見込み客のメールアドレス情報をいただける仕組みが完成します。
不動産では、折込チラシに加えて自社のホームページで見込み客情報を獲得するようになりました。業者に頼むことなく自社で簡単に作成できます。
マーケティングオートメーションを使って、メールでイベントへの集客も可能です。
メルマガの集客だけでなく、メルマガの反応をマーケティングオートメーションで確認して電話で連絡することもあります。電話で連絡を取った際に、見込み客の反応やニーズをみながら内覧会、個別相談会など、それぞれの見込み客に最適なイベントへと誘導します。
イベントの成約率をマーケティングオートメーションで最大化する
不動産では、個別相談会や内覧会などお客さまに出向いていただくことがよくあります。不動産の営業効率を良くするための施策です。このようなイベントを活用すると、営業担当者が足でお客さまにそれぞれ接触するよりも圧倒的に営業効率がよくなります。
不動産のイベント予約登録で、マーケティングオートメーションのフォーム機能が活用できます。カンタンに予約フォームが作成できるだけでなく、予約前にお客さまが閲覧したホームページがわかり、お客さまが語らないニーズが推測できるようになります。
不動産のイベントでは、営業されると警戒してか、お客さまは本当のニーズをなかなか語ってくれません。ところが、予約フォームにアクセスする前のホームページの閲覧情報から行動履歴をみることで、お客さまのニーズを推測できるようになるのです。
イベントに来場していただいたお客さまに適切な提案ができれば、イベントからの成約率が改善されます。それだけでなく、営業担当者のトークテクニックに依存せずに、誰でも事前に準備をすることで全体の営業成約率が改善することは明らかです。
マーケティングオートメーションで追客の効率化で営業不足を解消する
不動産業界でもイベントからのフォローアップは大切です。イベントに足を運んでいただけるお客さまは成約にいたる可能性が高いからです。
お客さまが特定の不動産のみ接触していることはマレです。通常は、複数の不動産に接触しながら好みの物件を探します。したがって、イベント後のフォローアップの質によって営業成績や売上を左右します。
不動産業界でも、イベント後のフォローアップにはメールを活用する機会が増えてきました。イベントのアンケート結果や、お客さまのニーズに分けてセグメント配信をします。
セグメント配信とは、ある特定のセグメンテーションに対して異なるメールを送るメール配信のことをさします。くわしくは「セグメント配信とは?メルマガ反応アップのテクニック紹介」でまとめました。ご参考になれば幸いです。
セグメント配信によって反応したお客さまに営業担当者が接触をします。物件を探しているお客さまがメールに反応するため、営業担当者はすぐに接触すべきお客さまから順番に接触できるようになります。
不動産の営業担当者がお客さまに接触する前に、マーケティングオートメーションを使ってお客さまの行動をチェックします。お客さまの行動履歴を見て、そのお客さまのニーズを推測し、営業活動の場面でもソリューション営業をこころがけます。
不動産の場合、お客さまが個人であることが多く、多くのお客さまは日中に仕事をしています。そのため、電話では連絡がなかなかとれません。マーケティングオートメーションを使って、電話で連絡が取れなかったお客さまには自動的にメールで連絡をとる不動産の営業担当者もいます。
電話とメールの組み合わせによるお客さまへの接触は、不動産業界におけるマーケティングオートメーションでよくある使い方と言えます。
さいごに
不動産業界でマーケティングオートメーションを上手に活用すると、営業担当者数を増やさなくても2割近くの売上アップにつながることがよくあります。
不動産業界に関わらず、マーケティングオートメーションの活用事例は、無料のマーケティングオートメーション・セミナーでご紹介しています。マーケティングオートメーションの画面をみながら操作を学べる人気のセミナーです。