新規見込み客に向けたリードナーチャリングのやり方〜新規見込み客から有望な営業引合いを見つけ出すテクニック
リードナーチャリングでは、ペルソナと見込み客の購買行動プロセスの段階が重要です。これはリードナーチャリングを手がける多くのマーケターが理解しています。
リードナーチャリングの手順は、まず真っ先に見込み客がどの購買行動プロセスの段階にいるかを見極めます。ところが展示会の直後など数多くの名刺情報として見込み客を獲得した場合には、見込み客が購買行動プロセスのどの段階にいるかわかりません。名刺情報から見込み客の行動履歴が得られないからです。
リードナーチャリングのプロセスを慎重に検討すれば、展示会出展後のフォローアップなど、見込み客が購買行動プロセスのどの段階にいるか分からない場合にも有効になります。
リードナーチャリングを始める前に〜パーチェスファネルに見込み客をマッピングする
まずはリードナーチャリングのおさらいをしてみましょう。
リードナーチャリングは、お客さまとの長期に渡るビジネスの良好な関係を構築することが目的です。くわしくは「リードナーチャリングはじめてガイド」にまとめました。合わせてごらんくださいませ。
BtoBの購買行動モデルを少し簡単にするために、購買行動プロセス(購買意欲)を3段階にしてパーチェスファネルを考えます。BtoBの購買行動プロセスの詳細は以下の参考記事をご覧ください。
BtoB顧客の購買行動プロセスには、一般的な消費者購買行動とは異なる点がいくつかあります。くわしくは「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項」にまとめました。合わせてご覧ください。
リードナーチャリングを始める前に、リードナーチャリングの対象となる見込み客が、パーチェスファネル上のどの位置に属するかを知らなくてはなりません。通常は、見込み客の行動などの情報を頼りにしてマッピングします。
パーチェスファネル(マーケティングファネル)はマーケティングにおいて欠かせないフレームワークの1つです。マーケティングでのリード獲得から、営業部門での案件のクロージングまでの見込み客の流れが、パーチェスファネル上でモデル化でき、必要なマーケティングのアクションを見出すことができます。くわしくは「パーチェスファネル(マーケティングファネル)の基礎|マーケティングや営業が必ず覚えておくビジネスの基本」を参考にしてくださいませ。
各見込み客の行動履歴から購買行動プロセスの段階を推測しパーチェスファネル上へとマッピングする作業は、Web解析ツールと手作業では、ものすごく手間がかかります。作業を効率化するため、マーケティングオートメーションを活用して見込み客の行動履歴から購買行動プロセスの段階に分類することが一般的です。
近年、企業のデジタルマーケティングの効率を良くするためにマーケティングオートメーションの導入が進んでいます。マーケティングオートメーションについて理解を深めるために、当社では無料セミナーの開催をしております。以下のURLをごらんください。
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見込み客をパーチェスファネルに分類すると、おそらく上の図のような分布になります。
多くの場合では、パーチェスファネルの一番上の「Level1」に多くの見込み客が集中します。「Level1」の見込み客は、あなたの会社や製品をかろうじて知っている程度で、具体的なニーズもなく、営業活動を展開するレベルには早すぎます。
一方、ファネルの一番下の「Level3」の見込み客は、あなたの製品やサービスに関心が高く営業活動を始めても良い段階です。しかしその総数は決して多くありません。
企業にとって、「Level3」の見込み客の価値が一番高く、今すぐ営業活動しなければ他社の製品やサービスを購入するため機械損失になります。
購買意欲が高い見込み客のリードナーチャリングを優先する
リードナーチャリングはシンプルかつ効率的に行うべきです。複雑なリードナーチャリングのプロセスは、運用の手間がかかるだけでなく間違いの原因にもなります。
先ほどのパーチェスファネル上の「Level3」にいる見込み客が営業引合いに変わるまで、そんなに時間もかからなければ、リードナーチャリングの手間をかける必要もありません。
一方で、Level1にいる見込み客は、購買意欲を徐々に高めるためさまざまなマーケティング活動やリードナーチャリングのメールが必要で、営業引合いになるには時間がかかります。
通常、見込み客の購買意欲が高ければ高いほど、つまりパーチェスファネルの下にいる見込み客であるほど、リードナーチャリングのプロセスに要する時間は短くなります。したがって、「Level3」の見込み客へのリードナーチャリングが最も短くなります。
購買意欲が十分に高まっている「Level3」の見込み客は要注意です。そのまま何もしなければ競合他社の製品やサービスへ心移りします。まさに機会損失です。
リードナーチャリングをこれから手がける場合には、まず真っ先に「Level3」の見込み客へのアプローチを開始します。
新規リードナーチャリングの手順の実際
リードナーチャリングをこれから始める場合には、パーチェスファネル上の「Level3」の見込み客を探し出してから、「Level3」の見込み客へリードナーチャリングを開始します。
リードナーチャリングの最初のメールは、メールの件名もコンテンツも「Level3」の見込み客のニーズに絞ります。同時にコンテンツ、誘導先のリンク(CTA: Call To Action)も全て「Level3」のみ込み客向けにします。
メールマーケティングで読み手の反応をよくするためには、メールの件名の工夫が欠かせません。メール件名の工夫のポイントを「開封してもらえるメールの件名の法則〜担当者が知っておきたい今すぐ使える3つの方法」でまとめてあります。
まずは全リードナーチャリングの対象となる見込み客から、パーチェスファネル上の「Level3」にいる見込み客を探し出すことが目的です。この最初のメールに反応した見込み客はパーチェスファネル上の「Level3」にいる可能性があります。
この段階では「Level2」や「Level1」の見込み客のことは忘れましょう。先ほども説明したとおり、まず真っ先に探さなくてはならないのは「Level3」の見込み客です。これをしなくては機械損失につながります。
次に「Level2」そして「Level1」にリードナーチャリングを開始します。この際に「Level2」向けなら、メールの件名もコンテンツも「Level2」のみにフォーカスしましょう。「Level1」と「Level2」のコンテンツを混ぜた場合、見込み客の反応を見ても「Level1」なのか「Level2」なのかわかりません。
リードナーチャリングをこれから始める場合には、見込み客がパーチェスファネル上のどのステージにいるかわかりません。ここで紹介した方法を使いながら、見込み客のパーチェスファネル上での段階を知ることが目的です。
何回かここで紹介したプロセスを繰り返して、ほとんどの見込み客がパーチェスファネル上にマッピングできたらこのプロセスを中断します。これで多くの場合には、見込み客のパーチェスファネル上の位置、つまり購買意欲がわかります。
見込み客をパーチェスファネル上に分類できたら、ステージごとのリードナーチャリングのシナリオを実施しましょう。
新規リードナーチャリングに該当する見込み客の条件
リードナーチャリングをこれから始める場合だけでなく、しばらくリードナーチャリングを休んでいてデータベース上にコールドリードがたくさんあったり、展示会やセミナーで大量の新規見込み客を獲得した場合にも同様にリードナーチャリングをこれから始めるケースのアプローチをします。
新規リードナーチャリングに該当するケース
初めてリードナーチャリングを始める場合 展示会や出展で数多くの名刺情報を獲得した場合 社内の休眠名刺を集めてあたらな見込み客リストを作成した場合 他社のリード獲得プロセスを経て見込み客を獲得した場合
上記以外でも、見込み客を獲得したものの過去の行動や活動の履歴が把握できない場合は、新規リードナーチャリングと同じ手順でリードナーチャリングをします。
リードナーチャリングを効率的に進めるために
リードナーチャリングは、似通ったプログラムを実施することが多くあります。作業のルーチーン化やテンプレート化し、リードナーチャリングの結果を分析しながらPDCAのプロセスで改善していくことをお薦めします。
リードナーチャリングのメールはテンプレート化する
リードナーチャリングのプログラムは定期的に走らせます。パーチェスファネルの同じ段階にいるリードに送信するメールは、ほぼ毎回同じ内容になるため、リードナーチャリングで使うメールはテンプレート化できます。
紹介したリードナーチャリングのプロセスでは、購買行動プロセスのレベルを3つに分けました。このリードナーチャリングのプロセスは、展示会に出展後などの名刺情報を獲得する度に実施します。毎回ほぼ同じメールの内容になります。
したがって、3つのメールをテンプレートとして用意しておけば、リードナーチャリングのプロセスを実施する度にメールを作成する必要がありません。
リードナーチャリングでは、メールの内容をテンプレートにしてしまえば、運用が圧倒的に楽になります。
定期的に新しい見込み客へとリードナーチャリングをする
展示会の出展やセミナーなどで見込み客情報を獲得したり、休眠顧客情報をリードナーチャリングのプロセスに追加する場合などは、必ずこのリードナーチャリングを実施します。
獲得した見込み客の中に「Level3」の見込み客が混じっているかもしれません。この見込み客は放置しておけば他社の製品を買ってしまい、機械損失につながります。このような機械損失を防ぐよう、定期的に新規見込み客向けのリードナーチャリングを行いましょう。
定期的にリードナーチャリングを実施するよう、コンテンツ・カレンダーにリードナーチャリングの実施日を登録しておきましょう。
さいごに
リードナーチャリングをこれから始める場合には、まずは購買意欲が十分に高まった見込み客を探し出し、リードナーチャリングのプログラムを適応します。
その後、それ以外の見込み客に対してリードナーチャリングを行います。リードナーチャリングの作業を効率よく実施するために、テンプレートなどをできるだけ用意しておきましょう。