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顧客管理システム(CRM)で欠かせない12の運用

顧客管理システム(CRM)で欠かせない12の運用

多くの企業で顧客管理システム(CRM)を導入していますが、十分に運用できている企業は多いとは言えません。

顧客管理システム(CRM)は獲得した見込み客情報の管理だけでなく、見込み客の獲得にも活用ができます。

そして、PDCAのサイクルを意識することによって、顧客獲得や管理に関連する全てのマーケティング活動が改善されます。当然売上アップも見込めます。あなたは顧客管理システム(CRM)を十分に活用できていますか?

顧客管理システム(CRM)を活用するために必要な主な着眼点をまとめました。顧客管理システム(CRM)を活用したマーケティング活動の改善にお役立て下さい。

 

A.顧客管理システムに必要な機能とは

顧客管理システムは、マーケティング活動における見込み客の情報を保存するため、企業のマーケティング活動の最も重要な位置づけとなります。保有する見込み客情報に応じて、セグメンテーションをしながら、リードナーチャリングなどのマーケティング活動をすることが一般的です。

顧客管理システムを利用した企業のマーケティングの目的は、従来のブランド確立や認知から、売上アップへ変化しています。売上アップをねらうマーケティング活動には、

売上アップのための主なマーケティング活動

  • リードジェネレーション(見込み客の獲得)
  • リードの評価(獲得した見込み客の評価)
  • リードナーチャリング
  • 今すぐの営業案件の発見
  • の4つの活動が最低でも必要となります。

    顧客管理システムを利用して売上アップをねらうためには、最低でもこの4つの機能を導入しようとしている顧客管理システムがサポートしている必要があります。

    顧客管理システム(CRM)について
    顧客管理システム(CRM)の概要については「顧客管理とは?〜顧客管理の基本を学ぼう|カイロスのマーケティングブログ」でまとめました。こちらの記事も参考にしていただけると幸いです。

    さて、次から顧客管理システムの運用の方法を、前述の顧客管理システムの4つの機能に沿ってみていきましょう。

    B.顧客管理システムでリードジェネレーション

    顧客管理システム(CRM)に単に顧客情報を取り込むだけにとどまっていませんか?

    顧客管理システムを利用してリードジェネレーションなどの施策をすれば、引合いにつながるより多くの見込み客の獲得が可能になります。

    リードジェネレーションとは
    リードジェネレーションは、あなたのビジネスの見込み客を獲得するための総称です。リードジェネレーションについては「やさしく説明するリードジェネレーション!マーケターなら知っておくべき見込み客獲得の基礎|カイロスのマーケティングブログ」でまとめてあります。

    まずはリードジェネレーションの関する顧客管理システムの運用からみていきましょう。

    1.フォームの入力項目を最小限にする

    顧客管理システム(CRM)を活用してフォームなどで見込み客情報を獲得する方法は、最も基本的なリードジェネレーションの方法です。

    フォームのコンバージョン率は、フォームに入力必須の項目数と関係があります。フォームの入力項目を増やせば増やすほど、フォームのコンバージョン率は下がります。

    コンバージョン率について
    コンバージョン率とは、狭義には、Webサイトのフォームに登録した人数をフォームのページビュー数で割ったものです。詳しくは「コンバージョン率の目安と業界別平均値|カイロスのマーケティングブログ」をごらんください。

    例えば、メルマガ登録に住所、電話、役職、従業員数など数多くの登録項目がある場合には、訪問者はその場を立ち去ってしまうことがあります。

    上記のメルマガの例では、メールアドレスの情報だけあれば、メルマガというあなたのマーケティング活動は実施可能です。必要最低限のフォーム登録項目を設定し、より多くの見込み客情報が獲得できるようにしましょう。

    上記は、アメリカの調査会社がまとめた業界別のコンバージョン率です。あなたの結果と比べていかがでしょうか?もしあなたの企業のコンバージョン率が平均以下でしたら、ここで説明した施策について再度見なおしてみてください。

    2.徐々にリードの情報を取得する

    顧客管理システム(CRM)とフォームを連携して、より多くのリードを獲得するためには、リードの購買行動段階に合わせて、フォームの項目数を少なくします。購買行動段階が進んできたら、必要な情報を獲得して、顧客管理システム内にその情報を追加します。

    例えば、以下の薄い緑の部分が、リードジェネレーションを目的としたフォームで入力必須とする項目です。

    プログレッシブプロファイリング

    先ほどのメルマガの例で、メールアドレスだけ取得した場合を考えます。リードナーチャリングの次のステップで、ホワイトペーパーやノウハウ集のダウンロードへと誘導してダウンロードフォームに入力してもらう際に、会社名や氏名を新たに入力してもらいます。顧客管理システム(CRM)に登録済みのメールアドレスに加えて、新たに取得した会社名や氏名の情報を顧客管理システム(CRM)に加えます。見込み客の購買行動が進むたびに、見込み客のより多くの情報を段階的に獲得します。

    顧客管理システムと連携したフォームを使って、このような形でリードジェネレーションをすれば、高いコンバージョン率を維持したまま、より多くのリードの獲得が可能になります。

    3.顧客管理システム(CRM)で見込み客の行動を記録する

    顧客管理システム(CRM)では、見込み客の会社名や役職などのプロフィール情報を主に取り扱います。ここから購買に関わる権限や役割、ニーズなどを推測しながらマーケティング活動を展開することが一般的でしょう。

    顧客管理システム(CRM)で取り扱うことができる情報はこれだけに留まりません。

    顧客管理システム(CRM)の見込み客の行動履歴も取り扱えば、見込み客の潜在的なニーズがより鮮明になります。特定セミナーへの参加、あるテーマのメールの開封やあなたのWebページヘのアクセス履歴を顧客管理システム(CRM)に取り込めば、これらの情報から見込み客の興味関心の高まりや隠れたニーズが見えてきます。

    リードの行動履歴を記録する顧客管理システムの例弊社製品で恐縮ですが、顧客管理に見込み客の行動履歴を記録すると、さまざまなことが実現できます。詳しくご覧になりたい方は「リード管理機能|マーケティングオートメーション「Kairos3」の機能」をごらんくださいませ

    4.顧客管理システム(CRM)への見込み客の獲得経路を分析する

    顧客管理システム(CRM)とフォームの連携や、セミナーや展示会来訪者の情報を取り込むなど、あらゆるマーケティング活動から見込み客情報を取得します。

    どのマーケティング活動が営業引合いを生み出すかを把握しましょう。顧客管理システム(CRM)は見込み客情報を保存するだけに留まりません。顧客管理システム(CRM)を活用した分析が、よりよいマーケティング活動につながります。どのマーケティング活動が質の高い見込み客を獲得できているでしょうか?

    C.顧客管理システム(CRM)内の見込み客を評価する

    顧客管理システム(CRM)を活用して見込み客の購買意欲の度合いを可視化するアプローチはスコアリングと呼ばれています。見込み客の購買意欲は、顧客管理システム(CRM)から営業引合いを探し出すための重要な機能です。

    5.マーケティングリードをフォローする営業チームとの連携

    顧客管理システム(CRM)を活用して生み出したマーケティングリードを営業部門はしっかりとフォローしているでしょうか?もし営業部門がマーケティングリードを十分にフォローしていない場合には、今一度リードのスコアリングのモデルを見なおしてみましょう。

    営業が好む見込み客のパターン、つまり引合いにつながる見込み客の行動履歴に着目して、スコアリングの方法を設定していますか?もし十分にスコアリングが検討されていなければ、営業部門と共通の理解を持つようにしましょう。スコアリングの設定および設計では、営業部門との十分な連携がその成功を左右します。

    スコアリングについて
    スコアリングはリードの購買意欲を数値化して、今すぐ対応すべきリードの優先順位を決める手法です。スコアリングの基本的なことについては「スコアリングを始める前にしっかり理解しておくべきスコアリングの基礎|カイロスのマーケティングブログ」でまとめました。合わせてごらんください。

    6.顧客の購買行動に最適なスコアリングを設定する

    見込み客の購買行動は、ある一定の期間内に行われます。あなたの会社のセミナーへと2,3年前に参加した見込み客が、今もあなたの製品やサービスに大きな興味関心を抱いているとは言えません。

    スコアリングは、見込み客のこれまで全ての行動などから算出せずに、あなたのビジネスに最適なスコアリングの計算期間を設定しましょう。多くの場合は30〜90日程度に収まるのではないでしょうか?

    顧客管理システムのスコアリング機能を使って、テレマーケティングなどを展開する企業では、スコアリングの対象期間を極端に短く1〜2日に設定する場合もございます。

    7.製品やサービスごとのスコアリングの設定

    あなたの会社の製品やサービスによって、見込み客の購買行動も異なります。少なくとも製品とサービスでは、その購買プロセスは異なるはずです。

    特に価格や利用頻度、自社の事業へのインパクトが大きい商材については、じっくり比較・検討を重ねます。このような商材の購買は、入念に調査や比較をするため、製品やサービスに関するWebページだけでなく、実績や導入事例、納期も重要になることもあります。もちろん、利用者の事業へのインパクトが小さく、価格も比較的安い場合は、このようなことはないでしょう。

    見込み客の購買行動プロセス
    見込み客の購買行動プロセスはマーケティング担当者や営業担当者はしっかり理解しておいた方が好ましいでしょう。購買行動プロセスについては「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項|カイロスのマーケティングブログ」で解説しております。

    顧客管理システム(CRM)を活用したスコアリングの設定では、製品やサービス別にスコアリングの方法を変更しましょう。きめ細やかなスコアリングの設定によって抽出する購買意欲の高い見込み客こそ、営業部門が好んでフォローアップする見込み客なのです。

    D.顧客管理システム(CRM)を活用したリードナーチャリング

    顧客管理システム(CRM)とリードナーチャリングを活用すれば、引合いの確度が高くなるだけでなく、引合いあたりの売上高も伸びることが知られています。顧客管理システム(CRM)とリードナーチャリングはぜひ併用して運用しましょう。

    8.見込み客の獲得経路によって、異なるオファリングを提供する

    全く異なるセミナーへの申し込みや資料のダウンロードを経由して顧客管理システム(CRM)へと獲得した見込み客に対して、同じリードナーチャリングのプロセスでフォローすることは好ましくありません。これらの見込み客はニーズが異なるからです。

    顧客管理システム(CRM)に記録された見込み客の流入経路を分析して、それぞれのターゲットセグメントに分類し、ニーズに合致したリードナーチャリングを展開しましょう。

    リードナーチャリング時のセグメンテーション
    リードナーチャリング時のセグメンテーションは、リードの属性よりもリードの行動履歴を参考にすると効果があがります。リードの行動履歴は購買行動そのものであるからです。まだ情報収集中のリードと製品比較中のリードには同じリードナーチャリングのプロセスを実施するべきではありません。

    9.定期的に顧客管理システム(CRM)の見込み客へとリードナーチャリングを実施する

    顧客管理システム(CRM)から抽出した見込み客へは定期的にリードナーチャリングを実施しましょう。特定フォームへと登録したリードへ自動的にリードナーチャリングを実施するいわゆるマーケティングオートメーションのアプローチも有効です。

    高い購買意欲を示す顧客管理システム(CRM)の見込み客を取りこぼすことが無いよう、リードナーチャリングを実施すれば、あなたのマーケティングROIの向上につながります。

    E.顧客管理システム(CRM)から購買意欲が高い見込み客を探し出す

    顧客管理システム(CRM)を活用する目的の一つに売上げアップがあります。顧客管理システム(CRM)を顧客情報の蓄積だけに利用しても売上アップにはつながりません。顧客管理システム(CRM)から購買意欲が高い見込み客を探しだしてこそ、顧客管理システム(CRM)を本当に活用いているといえます。

    10.営業活動に役に立つ情報を提供する

    顧客管理システム(CRM)からスコアリングによって、購買意欲が十分に高まった見込み客の情報を営業部門に引き渡して、案件をクロージングします。この際に営業部門に案件をクロージングするための十分な情報を引き渡しているでしょうか?

    見込み客の名刺の情報に加えて、該当する見込み客の行動履歴も合わせて営業部門に引き渡しましょう。営業部門で見込み客へとアポの設定をする前に高い確率でクロージングできる営業トークとそれに必要な資料を事前にそろえることができます。

    マーケティングオートメーションのスコア

    11.売上データを取り込んでROIを計算する

    顧客管理システム(CRM)では売上データを取り扱うことも少なくありません。このような顧客管理システム(CRM)を利用している場合には、マーケティングROIを算出して各マーケティング活動の評価をしましょう。

    各マーケティング活動のROIが算出できれば、それぞれのマーケティング活動が確実に評価できます。売上を全体のマーケティング費用で割っただけのROIでは、どのマーケティング活動により投資すべきかわからないため、マーケティング活動の改善につながりません。

    12.適切な担当営業へと顧客管理システム(CRM)の購買意欲が高い見込み客の情報を引き渡す

    顧客管理システム(CRM)から探しだされた見込み客は、すぐにフォローアップ可能な担当営業へと確実に引き渡されているでしょうか?または営業部門でたらい回しになっていませんか?

    素晴らしい仕組みによって発掘された営業引合いも、即座にフォローされなければ台無しです。

    まとめ|顧客管理システム(CRM)で欠かせない12の運用

    いかがでしたでしょうか?あなたは効果的に顧客管理システム(CRM)を活用できていますか?顧客管理システム(CRM)も進化が早いエリアです。

    当社が提供する「マーケティングオートメーションのKairos3」ではこのような機能を備えております。少数精鋭のマーケターで、より多くの売上をねらう企業に最適です。月々数千円からご利用になれます。個人業・士業・中小企業の方にもお気軽にご利用になれます。