スコアリングを始める前にしっかり理解しておくべきスコアリングの基礎

2015年07月31日

リードのスコアリングは、営業効率やマーケティング効率を改善して、他社との販売活動に差別化をしたい企業では、必ず取り入れたい施策です。

スコアリングをとり入れる事によって、マーケティング部門と営業部門の連携が良くなるだけでなく、今すぐ注力しなくてはならない見込み客(リード)が明確になります。つまり、スコアリングによって、営業活動とマーケティング活動を通じての機会損失が減少します。

リードのスコアリングの基本的な事をしっかり理解しておくだけで、スコアリングの効果がグッと改善します。そのために知っておきたい、スコアリングの基本的な事項をまとめてみました。

リードのスコアリングとは?

リードのスコアリングとは、リード(見込み客)の購買に対する準備度合いをランキング化するための手法です。言い換えれば、リードのスコアリングは、自社の営業引き合いになる確率に応じて、自社の顧客管理DB内の顧客リストをランキングするための仕組みです。

スコアリング

リードに加点されたスコアが高ければ高いほど、あなたの製品やサービスを購入する可能性が高いリードとなります。

リードをスコアリングする目的

リードをスコアリングする目的の1つは、獲得したリードを、すぐに営業活動としてフォローアップすべきか、もしくはリードナーチャリングなどを通じてマーケティング活動としてフォローアップすべきかの見極めに活用します。

スコアリングには営業活動とマーケティング活動の両方が関係するため、スコアリングはマーケティング部門だけの仕組みではありません。

スコアリングによって、多くの営業案件(ホットリード)を見つけ出すことも目的の1つですが、これに着目し過ぎると、獲得したリードのうちすぐに営業案件にならず顧客管理データベースに引き戻されてしまったリードを無視する結果になります。これは明らかに機会損失につながります。

ホットリードとは
スコアリングが十分に高く、今すぐ営業活動を展開すべきリードをホットリードと呼びます。スコアリングによってリードをスコアの高さによって幾つかに分類します。スコアが最も高いリード群はホットリードと呼ばれています。

スコアリングは新規に獲得したリードだけでなく、既存のリードにも適応しましょう。顧客管理データベースに蓄積されている既存のリードからも、営業引き合いが生まれる可能性は十分にあります。

スコアリングは、新規・既存のリードを問わず、営業活動としてフォローすべきリード、リードナーチャリングなどのマーケティング活動を展開するかどうかを見極めるための指標です。

担当者なら知っておきたい、企業のマーケティングでリードスコアリングが必要な理由

マーケティング担当者なら、営業やマーケティングの現場におけるスコアリングの必要性をしっかりと理解しておきましょう。まずは、スコアリングがもたらす代表的なメリットについてご紹介します。

今すぐ営業活動できるリードはごくわずか

展示会やセミナーなどの、BtoBマーケティングの活動で獲得したリードのうち、今すぐ営業活動できるリードはほんのわずかです。BtoBの購買行動に変化があるからです。

BtoBの購買行動の変化について
最近のBtoBの購買行動にはさまざまな変化が見られます。展示会の来訪者の多くは商談が目的ではなく、単なる情報収集がほとんどです。そのため、展示会などで獲得する新規のリードのほとんどは、今すぐの営業案件にはなりません。詳細は「【傾向と対策】展示会出展で「今すぐ」の営業案件が減っている」をお読みください。

だからこそ、マーケティング活動で獲得したリードのうち、今すぐ営業活動できるリードをスコアリングによって見極めなくてはなりません。

かといって、BtoCビジネスのように、リードの量ばかりにこだわってばかりではいけません。リード獲得のための費用が莫大になるだけでなく、営業活動の効率を改善できないため、メリットがあまりありません。

スコアリングがマーケティングと営業の活動を最適にする

スコアリングを導入することによって、マーケティングも営業も「今すぐ営業すべきリード」の定義ができます。今すぐ営業すべきリードの定義は、とてもパワフルです。

これまでこの「今すぐ営業すべきリード」は、営業・マーケティング問わず全て担当者の勘や経験に基づいていました。担当者の異動や退職によって、営業活動およびマーケティング活動の質が変わってしまいます。

あなたの会社でスコアリングを運用し始めれば、今すぐ営業活動すべきリードの優先順位(ランキング)が各リードのスコアとして明確になるため、「今すぐ営業すべきリード」が誰の目にも明らかになります。

営業担当者にとっては、スコアリングが高いリードのみを気にすれば問題ありません。そのため、営業活動が均質になります。

一方でマーケターは、スコアリングが低いリードに対してのマーケティング施策を試みながら、マーケティング活動の対象となるリードのスコアを高めます。営業活動とダブリがないだけでなく、注力するリードも明らかになり、マーケティング手段の選択と集中でき、より効果が高い施策を展開できます。

このようにスコアリングによって、営業活動とマーケティング活動の両方で最適な活動を展開できて、両者の効率の改善が期待きます。

マーケティングのスコアリングで営業クロージング率が改善

スコアリングによって、スコアが高く今すぐ営業活動すべき、と判断されたリード(ホットリード)をマーケティング部門から営業担当者に引き渡します。

営業担当者は、ホットリードの購買意欲が高く今すぐ購買を検討する良質な見込み客であればあるほど、営業活動の効率が良くなります。

つまり、マーケティングから営業担当者に引き渡すリードの質が良くなれば、営業活動の効率は自然と大幅に改善します。正しいタイミングで正しい見込み客に対する営業活動にフォーカスすれば売上がアップするのは営業活動の基本です。

スコアリングを運用すれば、良質な営業引き合いが増えるため、営業効率は格段に良くなります。

同時に、営業のパイプラインの精査にもつながります。営業パイプラインにある見込み客のスコアリングの状況を確認してみれば、営業が持っているパイプラインの質がわかります。つまり、営業パイプラインの精度を知ることができます。

営業担当者は自分の営業パイプラインの見込み客のスコアリングをチェックしながら、どの見込み客をクロージングすべきか、その優先度がスコアリングによって明らかになります。

スコアリングでこれまで無かったレベルのマーケティングと営業の活動連携に

スコアリングによって、マーケティングから営業に引き渡すリードの質が改善します。スコアリングの導入で、営業活動の効率化と売上アップが見込めるようになります。

同時に、スコアリングによって、マーケティングと営業の役割が明確になります。つまり、スコアリングの低いリードをマーケティングが担当します。スコアが高いリードは、マーケティング部門のテレマーケティングではなく、営業担当者が直接アプローチします。

あなたの会社が持つ全てのリードに営業担当、マーケティング担当が従事することとなるため、あなたの会社の営業活動も営業活動も同時に効率化します。もちろんスコアリングによって、機械損失をグッと下げることができます。

覚えておきたいリードのスコアリングの基本

ここではリードのスコアリングを運用する上で知っておきたい基本事項を学びましょう。

スコアリングでは、リードの行動履歴、リードの属性、リードから見聞きした情報を一般的に対象とします。

リードの行動履歴をスコアリング

Web訪問やメールの開封とリンクのクリック、セミナーや展示会の参加など、あなたのマーケティング活動と関連する、リードのあらゆる行動をスコアリングします。

リードの行動履歴をスコアリングする目的は、その時点のリードの行動がどれだけ「購買」に関連しているかを知ることです。購買に近い行動には高いスコアを加点します。

Webページの閲覧でも、トップページや事業概要などのコンテンツは、まだまだ購買に遠い行動と言えます。しかし、料金ページや導入までの流れを紹介するWebページは、比較的購買に近いリードが必要とする情報です。このように購買に近いと思われる行動には、高いスコアを設定します。

リードの行動 スコア
料金ページの閲覧 +10
製品機能紹介のWebページ閲覧 +5
その他Webページの閲覧 +1
メールの開封 +3
関連資料のダウンロード(ダウンロードフォーム登録) +5
メルマガ登録(メルマガフォーム登録) +2

スコアリングの加点は、BtoBの購買行動プロセスをよく理解している必要があります。BtoBビジネスでは、購買行動段階によって、リードが必要となる情報、リードの行動が一般的なパターンにまとめられるからです。

BtoBの購買行動プロセスについて
スコアリングの設定は、BtoBの購買行動プロセスの段階に応じて加点の度合いを変えるべきです。購買行動の初期の市や動向の調査時と、購買業者選定時では求める情報が大きく異なります。BtoBの購買行動については、「BtoBの購買行動プロセスの詳しい解説」が参考になります。詳細はこちらをどうぞ。

リードの行動からのスコアリングの結果から、そのリードがどれだけ購買に近いか知ることができます。また、リードの行動そのものから、リードが語らないニーズを読み解くことができます。

スコアリング

マーケティングオートメーションなどのツールを使うと、このようにリードの行動履歴を記録することができます。リードの行動履歴が営業活動の前に分かれば、架電前に必要な資料を用意したり、営業トークを組み立てたりすることができるため、営業クロージング率の改善につながります。

リードの属性をスコアリング

あなたの事業では、ターゲットとなるセグメンテーションがあります。獲得したリードを、ターゲット層とのマッチ度合いでスコアリングします。

あなたの事業のターゲットの設定にはペルソナが便利です。もしまだペルソナを策定してないのであれば、今すぐ検討してください。

ペルソナについて
ペルソナとは、あなたの製品やサービスの理想の顧客の人物像です。既存顧客の情報やインタビュー、調査データなどの実在する情報から、架空の理想の顧客「像」を描きます。ペルソナについての詳細は「ペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順」を参考にしてください。

リードの属性のスコアリングは、デモグラフィックやファーモグラフィックから算出します。

デモグラフィックのスコアリングは役職や地域・部門などの情報から、ファーモグラフィックのスコアリングは企業規模や業界など所属する企業に関わる情報から行います。

リード属性でのスコアリングは、上級者向けになります。

まずは行動履歴によるスコアリングをしてみましょう。それだけでスコアリングの結果が充分でない場合にリード属性によるスコアリングの導入を検討します。リードのデモグラフィックスとファーもグラフィックスを組み合わせて、スコアリングの結果が、「今すぐ営業活動すべき見込み客のランキング」になるようにチューニングします。

リード属性によるスコアリングの注意点
リード属性によるスコアリングを実施する前に、自社のリードのセグメンテーションがきっちり分類してある必要があります。例えば、各企業の取引高や売上高、業種や役職の分類が正確にできて、リードの属性によるスコアリングができるようになります。

その他情報でスコアリング

スコアリングにBANT情報も使えます。BANTとは、

  • Budget(予算の大きさ・確実性)
  • Authority(決裁への影響力)
  • Needs(事業へのインパクト(ニーズの強さ))
  • Timeframe(導入時期までの時間、具体性)
  • の頭文字をとったものです。

    BANT情報がスコアリングで使えたらその効果は抜群です。しかしマーケティング活動の中でこれらの情報に接触することは極めてまれです。

    BANT情報は営業活動の中で案件の精度を見極めるために獲得すべき情報と位置付けられています。

    またアンケートによってマーケティング活動でこれらの情報に接触は可能です。ただ、多くの場合、リードは導入時期や具体性、予算を正確に知らないとか、言えるとしても本当の事をアンケートで答えないことがほとんどではないでしょうか。

    スコアリングで今すぐ営業活動すべきリードを抽出する際の注意点

    スコアリングの結果、スコアリングの上位にランキングするリードを今すぐ営業活動すべきホットリードとして抽出します。

    スコアリングからホットリードを抽出する際には、スコアリングの計算期間の概念が必要です。

    スコアリングの計算期間は、リードの行動履歴と大きな関連があります。つまり、スコアリングの算出に関与するリードの行動の期間の設定がホットリードの抽出の精度を左右します。

    例えば、スコアリングの計算期間を100日と設定します。この場合、本日から100日前までのリードのWebアクセスなどの行動履歴がスコアリングの対象となります。

    90日前に数多くのWebページをみたリードも、昨日に多くの重要なWebページを訪問したリードの両方をホットリードとして抽出してしまう可能性があります。

    あるリード(A)の行動

    日付 行動 スコア
    99日前 製品ページの閲覧 +4
    99日前 ソリューション資料のダウンロード +8
    90日前 メルマガ開封 +1
    90日前 料金表の閲覧 +10
    90日前 導入事例の閲覧 +5
    40日前 セミナーの参加 +5
    39日前 セミナー資料のダウンロード +3
    合計 36

    あるリード(B)の行動

    日付 行動 スコア
    3日前 製品ページの閲覧 +4
    3日前 ソリューション資料のダウンロード +8
    3日前 料金表の閲覧 +10
    2日前 資料請求 +14
    合計 36

    上記2人のリードは、どちらもスコアリングが36点です。しかし、その36点の内訳をみると、今すぐ営業活動をしなくてはならないリードは(B)であることがあきらかです。

    リード(B)のような行動を確実に抽出するためには、スコアリングの期間を短めに設定してみると良いでしょう。スコアリングの計算期間は短いところから、徐々に長くしていくことがポイントです。

    当社カイロスマーケティング株式会社が提供する、マーケティングオートメーション「Kairos3」の利用者の中には、スコアリングの計算期間を1日に設定するお客さまもいらっしゃいます。

    担当者がスコアリングをチェックする頻度に合わせてスコアリングの計算期間を設定しましょう。前述の1日にスコアリングの計算期間を設定しているお客さまは、毎日スコアリングの状況をマーケティングオートメーションでチェックしていらっしゃいます。

    さいごに

    今回は、リードのスコアリングの運用の前に知っておきたい基本的な知識についてまとめました。次回は、リードのスコアリングの運用・設計方法について説明する予定です。

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