リードナーチャリングの3大必要性と4つのメリット
リードナーチャリングというマーケティング手法の重要性が注目されてきています。
BtoBマーケティングでは購買行動プロセスからみても、検討期間が長く受注に至るまでに数ヶ月を要することも多いです。
リードナーチャリングの重要性は、検討期間が長期にわたる商材やビジネスにおいて特に高まってきています。
みなさんのリードナーチャリングの必要性に関する疑問にお答えするために、この記事ではリードナーチャリングの重要性が注目されている理由や、リードナーチャリングの効果・メリットについてご紹介させていただきます。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、直訳すると「見込み客の育成」です。
リードナーチャリングとは、見込み客が求める有益な情報を、見込み客が「欲しい!」と思ったタイミングで提供することを通じて、見込み客との良好な関係を長期的に築くマーケティング活動です。
リードナーチャリングとは、まだまだ十分に購買の準備ができていない、もしくは十分に買う気になっていない見込み客に対して、買う気にさせる事を目的としてコミュニケーションを取りながら、見込み客(リード)との良い関係を構築するためのマーケティングのアプローチです。
従来は、見込み客リストが手に入ったら電話セールスでアポを取ったり、営業担当者が訪問したりする活動が一般的でした。この従来の手法だと、購買意欲の高まっている見込み客のクロージングはできるかもしれませんが、情報収集段階などの購買意欲が高まっていない見込み客との関係は築くことができません。
リードナーチャリングのメリットは、購買意欲が高まっていない見込み客と良好な関係を築くことで、結果的に自社製品やサービスへの購買意欲を高めることができるという点です。
リードナーチャリングの全体像を理解しやすいように「リードナーチャリングはじめてガイド」にまとめました。合わせてご覧ください。
なぜリードナーチャリングが必要なのか?
なぜリードナーチャリングが必要とされるようになってきたのでしょうか。リードナーチャリングの必要性が注目されるようになってきた背景をご説明します。
リードナーチャリングが必要とされるようになってきた理由は3つあります。
リードナーチャリングが必要な理由1:見込み客の多くはすぐには買わない
リードナーチャリングが必要な理由の1つめは、「見込み客の多くはすぐには購買行動にいたらない」からです。
展示会や無料のダウンロード資料などで獲得した見込み客のうち、営業活動を展開するレベルにない見込み客の割合は75%と言われています。(出典: Forrester Research)
一方、営業活動を展開するレベルにない75%の見込み客のうち80%は2年以内に自社ないし競合から購入をするというデータもあります。(出典: Sirius Decision)
獲得した見込み客に対して、いきなり営業が訪問しても受注にはいたりませんが、フォローせずに放置して良い見込み客リストではないことを意味しています。
つまり、リードナーチャリングで信頼関係の構築を続ければ、2年以内には受注にいたる可能性があるということです。
リードナーチャリングが必要な理由2:購買行動の変化に対応するため
リードナーチャリングが必要な理由の2つめは見込み客の購買行動の変化に、企業が対応する必要があることです。
インターネットが普及するにつれて、企業は情報収集を自社で行なうことが多くなりました。従来、自社の課題解決のためのツールやサービスの情報は、営業担当者からヒアリングをして集めていましたが、インターネットを使って自社で情報収集ができるようになりました。営業担当社が呼ばれるときは既に業者の選定や候補は終わっている状態になっていることも多くなりました。
見込み客が自ら情報収集をするようになったことにより、企業は見込み客が求めるタイミングで有益な情報を提供して、見込み客の購買意欲が高まるタイミングを見逃さないようにする必要が生じています。
リードナーチャリングが必要な理由3:プッシュ型のアプローチが嫌われ始めている
リードナーチャリングが必要な理由の3つめは、プッシュ型のアプローチが嫌われ始めていることです。
見込み客は自分自身で情報収集をできるようになりました。自分で情報収集ができるので、営業担当者が「良い情報をお持ちしました!」と訪問することはよほどでない限り難しくなってきました。電話営業もWeb広告も同様です。気になっている情報や知りたい情報は自分で検索すれば、簡単に調べられるのでわざわざプッシュ型のアプローチで情報を届けなくても良い場合が多いのです。
むしろ、何度も電話をかけてくる電話営業や、どのサイトを見ても表示されるWeb広告は「しつこい」という印象を持たれてしまうリスクもあります。
リードナーチャリングは有益な情報提供をすることなので、「しつこい」という印象をあたえるどころか、情報提供をしてくれる企業に対して良いイメージを持ってもらえるというメリットがあります。
リードナーチャリングによるメリット
リードナーチャリングが必要とされる理由はご理解いただけたでしょうか。続いて、リードナーチャリングによるメリットを4つご紹介させていただきます。
リードナーチャリングのメリット1:ブランドと信頼を築くことができる
リードナーチャリングを行なうメリットの1つめは、自社に対するブランドと信頼を築くことができる点です。
見込み客からの信頼とブランドイメージは実はBtoBマーケティングでも非常に重要です。新しい製品の購買担当者の意思決定にとって大切なことは、「失敗しない」ことです。良い製品やサービスの導入を決定したことでほめられたり、昇格したりすることはほとんどどありません。逆に、導入した製品やサービスが社内で評判が悪く、失敗だと認識されて評価に悪い影響を及ぼすことは考えられると思います。
購買担当者にとって、「失敗しない」ことが重要であるため、導入しようとする製品やサービスに対しての信頼やブランドイメージは購買の意思決定に大きく影響します。
リードナーチャリングは見込み客にとって必要な情報を適切なタイミングで届けることです。自分が欲しい有益な情報をタイミングよく送ってきてくれる企業に対して、見込み客は少しずつ良いイメージを持つようになります。リードナーチャリングを積み重ねていくうちに、信頼と良いブランドイメージを築く事ができるのです。
リードナーチャリングのメリット2:継続的に売上げを上げられる
リードナーチャリングによるメリットの2つめは、継続的に売上げがアップすることを期待できる点です。
お客さまの検討度が高くなくても、インサイドセールスが強引にアポを獲得したり、営業担当者が訪問したりすれば、受注につながることもあるかもしれません。しかし、営業担当者の努力に頼るやり方は効率的ではなく、ビジネスが継続的に拡大することは困難です。
リードナーチャリングをすることで、様々な検討段階の見込み客と自社との関係を構築することができます。様々な検討段階の見込み客を抱えていれば、長期的に売上げが生まれる仕組みが作られるのです。
リードナーチャリングを行なうメリットは売上げを継続的に発生させる仕組みが作れる点にあります。
リードナーチャリングのメリット3:購買行動サイクルを短期化することができる
リードナーチャリングによるメリットの3つめは、顧客の購買行動サイクルを短期化することができる点です。
適切なタイミングでの有益な情報提供は、購買行動サイクルを短期化させるメリットもあります。
例えば、初めて東京で一人暮らしをしようとする新社会人の女性がいるとします。彼女は新社会人の女性が住むのに安心な治安の良い場所はどこか、物件選びで注意することは何か、一人暮らしを始めるのに必要なものは何かなどを調べていく必要があるでしょう。調べるうちに彼女のニーズが明確になってくるでしょう。
実は企業として、彼女のニーズが明確になる前にアプローチをするチャンスがあるのです。この女性が自分のニーズを明確にするまでに調べる内容は非常にたくさんあって大変です。「新社会人が東京で一人暮らしをする時に気をつける10のポイント〜女性編〜」という無料のダウンロード資料があれば、情報収集は手早く終わります。つまり、この女性が物件を契約するまでの期間を短くすることができるのです。
この女性は「新社会人 東京 一人暮らし 女性」というようなキーワードで検索するでしょう。企業としては見込み客が検索するキーワード(=知りたい情報)に対する答えを提供することで、購買行動サイクルを短くしましょう。
リードナーチャリングのメリット4:ROIの改善が期待できる
リードナーチャリングをするメリットの最後は、ROIの改善が期待できる点です。
「ROI」とは、return on investmentの略で、投資した資本に対してどれくらいの割合で利益があったのかを評価するための指標です。
リードナーチャリングは見込み客が欲しい有益な情報を提供するマーケティング活動なので、比較的早い段階から見込み客と接触することができます。また、情報提供を通じて、自社の都合に合わせて顧客の啓蒙もすることができます。
実際のデータに「最初にコンタクトした業者と契約する割合は50%」というデータがあります。他にも、「メールによるリードナーチャリングの場合、通常のマーケティングメールよりも4〜10倍反応が良い」というデータもあります。
(参考:リードナーチャリングはじめてガイド)
つまり、リードナーチャリングのように早い段階から見込み客と接触をすることができるマーケティング活動では、最初にコンタクトする業者になれる可能性が高いということです。
また、リードナーチャリングを行なってから営業に案件を引き渡すと、「クロージング率」「客単価」「営業コスト」が改善するというデータもあります。
リードナーチャリングによるメリットはマーケティングにとってのメリットにとどまらず、営業にとってもメリットだと言えるということです。
(参考:リードナーチャリングはじめてガイド)
まとめ
リードナーチャリングの必要性とメリットをご紹介させていただきました。
リードナーチャリングのメリットはマーケティング活動だけではなく、営業活動にもメリットなのです。
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