ソーシャルグラフとは|マーケティング用語集
いろいろなソーシャルメディアサービス(SNS)が世の中に登場してから、ソーシャルグラフという言葉が注目を集めています。
ソーシャルメディアは、インターネット上の社会的な交流やつながりによって情報やコミュニケーションが広がる仕組みを支えるプラットフォームです。代表的なソーシャルメディアにFacebookやTwitterがあることは広く知られています。
ソーシャルメディアで発信される情報は、時には社会的に大きな影響を与える程のパワーを持つことがあります。
現アメリカ大統領のオバマ氏も選挙で活用していました。また、アラブの春のように、ソーシャルメディアを通じて結束した市民によって発生した、前例にない大規模反政府デモや抗議活動で、政権崩壊に影響を及ぼした例もあります。
このようにソーシャルメディアの情報拡散の勢いを左右する仕組みが、ソーシャルグラフです。
ソーシャルグラフとは
ソーシャルグラフは、インターネットやWeb上でのユーザー同士のつながりや結びつき、相関関係を意味しています。「グラフ」とは、グラフ理論における点と点との結合関係を表しています。
SNSにおけるソーシャルグラフは、コメントやお互いが発信する情報、共有された情報、足あとなどがあります。SNSサービスはソーシャルグラフをどのように活用するかによって、そのサービス内容が左右されます。つまり、自分の「グラフ」上での情報の共有・発信の仕方がSNSのモデルそのものになります。
SNSでの情報発信や拡散のスピードは、個々が持つソーシャルグラフに大きく依存します。個々のグラフは、コストやスピードが異なっており、情報の広まりの度合いに影響を及ぼします。
ソーシャルグラフは、文字通りグラフ理論と大きな関わりがあります。
グラフ理論とは
グラフ理論は点と線の組み合わせで、それらのつながりを数学的に扱う理論です。
グラフ理論で点は「ノード」、線は「エッジ」と呼ばれます。各エッジは距離やコストが異なっており、そのつながりはそれぞれ異なります。
図中のAからFまでの最短経路について検討するのもグラフ理論の一部です。最短経路を調べるための代表的なアルゴリズムにダイクストラ法があります。
みなさんがよく使う、目的地までの最短経路を調べるアプリケーションなどでは、ダイクストラ法が使われています。また、インターネット上でのデータのパスの経路を決める有名なプロトコルにもダイクストラ法が使われています。
文字やファイル検索などのプログラム・アルゴリズムにもグラフ理論が活用されています。
グラフ理論では、個々のつながり(エッジ)がに着目しています。エッジの有用性によって、ある繋がりは異なる意味を持つようになります。
ソーシャルグラフとソーシャルメディア
ソーシャルグラフのそれぞれのつながりには意味があります。偶然知り合ったとしても、人間同士の関係が生まれている以上、そのつながりには必ず何らかの理由や意義があるはずです。
SNSがソーシャルグラフを取り扱うシステムとして捉えれば、ソーシャルグラフはモデル化された人々の意義あるつながりを蓄積したものであるといえます。
ソーシャルグラフは、これまでのインターネットのサービス関連すれば、まだまだ未知の広がりが期待できます。人のつながりに加えてモノや興味のつながりまで拡張できれば、興味や嗜好によって情報の優先・フィルタリングされるようになります。単なるつながりから、つながりの中の影響力まで分かるようになるかもしれません。