BtoBマーケティングで結果を出すための秘密
BtoBマーケティングの仕事は、社内外を問わず多くの関係者と連携します。
成功するマーケティングのキャンペーンは、多くの良質な見込み客を獲得したり、営業引合いから売上につながったりします。マーケターは、見込み客へとメールを送り購買意欲をたかめ、十分に購買意欲がある見込み客のフォローアップを営業部門にお願いします。どの仕事でもコミュニケーションは欠かせません。
ほとんどのマーケティング活動では、このように関係者と連携しなくてはなりません。マーケティングの仕事では「つながり」は非常に重要です。最近のインターネット・マーケティングでは、Webやメールも営業引合いを作る「ヒト」のような役割もし、あなたのマーケティング活動と深く関係します。
マーケティングが「関係」を意識すれば、より多くの営業引合いや売上へとつながるマーケティング活動が期待できます。
特に、お客さま・見込み客、営業部門、Webサイトとの「関係」を強く意識しましょう。
BtoBマーケティングに役立つマーケティングオートメーションを知るための情報を1冊にまとめました。
▼BtoBマーケティング、法人営業担当者は必読です▼
マーケティングとお客/見込み客
誰もが認める素晴らしい製品だけでは、なかなかビジネスが成功しなくなりました。素晴らしい製品に加えて、お客さま、さらには市場から認められる自社のブランディングにまで気を配り、良好な関係の構築をしなくてはなりません。
自社のファンやブランディングを創造する
アップル社からは年に1,2度新製品が発表されます。新発売されたiPhoneは発売から数日で1,000万台以上も売れます。発売直後にiPhoneを買う人は、既にiPhoneを持っているiPhoneユーザでしょう。このようなユーザは新しいiPhoneの特徴が気に入って買うのではなく、アップルやiPhoneの熱烈ファンだから発売直後に買い換えると考えられます。
ビジネスで成功しているスターバックスでもナイキでも、似たようなファンが数多くいるのではないでしょうか。
物販中心のビジネスでも、同じお客さまに一度だけ販売できても長期にわたって十分に利益を確保できるとはかいぎりません。あらゆるビジネスでLTV(顧客生涯価値)を最大にするマーケティング戦略が不可欠です。
見込み客やお客さまの行動に着目する
キャッチコピーの書き方など、世の中には見込み客を引き寄せるためのマーケティング・テクニックが存在します。しかし、マーケティング・テクニックを活用した、大量のメールを無造作にバラまくマス的アプローチはあまり好まなくなりつつあります。
最近のマーケティングでは、ベストなタイミングで、ベストな提案や情報提供を見込み客にするアプローチをとるように変化しています。レコメンデーション機能やビッグデータは、この良い例です。見込み客の行動に着目したマーケティング・アプローチです。
見込み客の行動に着目する場合、その行動の分析が必要です。見込み客がまさに欲しい情報をピンポイントで提供できれば、より多くの売上が期待できるからです。リードナーチャリングでは、このアプローチが必要不可欠です。
見込み客の行動に注目したマーケティングでは、セグメンテーションの取り方が従来とは異なります。従来のセグメンテーションは、見込み客の業種や役職などの属性に基づいて分類されていました。しかし、見込み客の行動に注目する場合は、見込み客の行動でセグメンテーションをします。つまり特定のBtoBの購買行動を取る見込み客へと、特定内容のメールを送信するなどのアプローチをとります。
製品の詳細情報と、購買方法のWebページを今週に閲覧した見込み客へと製品の初期費用割引キャンペーンの案内メールを送って、見込み客の購買意欲を刺激するなどのアプローチは、まさに見込み客の鼓動に着目したアプローチです。
Kairos3での見込み客のトラッキング機能
ホットな見込み客を探し出すワークフローの設計
リードナーチャリングでは、特定メールの開封者のみに次のメールを送る、などと、見込み客との一連のコミュニケーションが特徴です。この一連のコミュニケーションはあらかじめ設計しておきます。
特定の購買行動を示すセグメンテーションの見込み客へと、購買意欲を刺激するメールを送ります。良い反応を示した見込み客へは、購買行動をさらに促すことを目的としたメールを送信します。
このようにリードナーチャリングのような行動に着目したマーケティング・アプローチでは、一連のコミュニケーションはワークフローとしてあらかじめ想定もしくは設計しましょう。
マーケティングと営業
お客さまや見込み客とは良好な関係を築いているものの、マーケティングと営業がうまく連携しているBtoB企業はまだまだ多いとはいえません。「共有」がマーケティングと営業の良好な関係を築くカギです。
目指すべきマーケテイングのゴールを営業と共有する
BtoBの購買行動では、情報収集に始まり業者の選定までのいくつかのプロセスがあります。例えばBtoBの購買行動の初期の情報収集の段階ではマーケティングで対応するなど、見込み客のBtoBの購買行動に合わせてマーケティングと営業が役割を分担すれば、効率的により多くの引合いを獲得できるだけでなく、引合いをクロージングするまでの時間が短くなります。
マーケティングと営業の役割分担にはパーチェスファネルが便利です。マーケティングと営業の間でSAL(Sales Accepted Lead)もしくはSQL(Sales Qualified Lead)の定義がしっかり共有されれば、展示会や参考資料をダウンロードなどのマーケティング活動で獲得した全ての見込み客情報をそのまま営業部門に引き渡すことはなくなります。
一方で、営業部門では良質の見込み客を求めています。「良質」とはどのような見込み客なのでしょうか?
良質の見込み客を定義する
営業部門がどのような良質の見込み客を求めているか十分に理解できていなければ、今すぐ直接営業部門と話をしてみましょう。すぐに引合いにつながるホットリードを求めていることは間違いありません。
マーケティング活動から良質の見込み客を数多くうみだすには、営業が求めているホットリードの定義をしっかり理解することが重要です。
製品のWebページを10ページ以上閲覧した見込み客がホットリードでしょうか?それだけでなく、製品ページにくわえて価格表やFAQをみた見込み客もホットリードの候補です。
詳細なホットリードを定義するには、リード・スコアリングという概念が欠かせません。スコアリングでは、見込み客の各行動から重要な購買行動に重み付けをしながら加点します。ある一定のスコアを獲得したリードはホットリードとして認識されます。
スコアリングでの重みの付け方の調整で、営業が求めるホットリード像が十分に定義できます。
スコアリングとホットリードを手がけるには「Kairos3」のようなマーケティング・アプリケーションの導入が欠かせません。
マーケティングとWeb
今やBtoBビジネスでもほぼ全ての会社が自社のWebサイトを持っています。Webサイトは企業の顔の役割をします。
もしもあなたが知らない会社があれば、検索サイトで会社名を入力してWebサイトを探し、会社概要や取り扱う製品について調べるでしょう。
探しているソリューションや製品を検索サイトから探すのは、典型的な購買行動のひとつです。検索サイトに入力したキーワードから、あなたのWebサイトへとたどり着いたとしても、必要な情報が見つからなければ訪問者はすぐさま離脱します。この時の滞在時間はたったの数秒で、テレマーケティングで断られる時間よりも短くなります。
Webサイトでこのような訪問者を引き止め、見込み客に変え、そしてリードナーチャリングを通じてお客さまにする流れこそがインターネット・マーケティングです。
Webサイトはカタログからファネル生成マシンへ
Webサイトもマーケティング&営業ツールのひとつとして活用したいところです。Webサイトは単なる会社案内の役割だけでなく、見込み客を生み出す機能ももつべきです。
BtoBの購買行動に照らしあわせたWebコンテンツを提供し、適切なコンテンツへと訪問者を誘導できれば、あなたのWebサイトが訪問者のパーチェスファネルにそって購買意欲を高めるファネル生成マシンになれます。
BtoBビジネスでは、
情報収集が目的で検索サイトからやってきた訪問者 具体的なビジネス上の課題を持ち、それを解決するソリューションを探している見込み客 ニーズがほぼ固まっており、ニーズを満たす製品を探している潜在顧客 具体的なニーズを持っており、あなたの製品が提供する機能が技術仕様がニーズを満たすかどうかを知りたがっている見込み客
このような潜在顧客や見込み客があなたのWebサイトへ訪れます。あなたのWebサイトには十分な情報やコンテンツが揃っているでしょうか?もう一度確認してみてください。
会社案内や製品情報の提供に特化した「カタログ」サイトでは、ニーズが固まる前の情報収集をしている訪問者への対応が不十分で、良質な見込み客が数多く生み出せません。一連のBtoBの購買行動のそれぞれの段階に適したコンテンツを用意して、良質な見込み客を数多く獲得できるパーチェスファネルの役割をするWebサイトの構築を目指しましょう。
自社のリソースを活用する
BtoBのWebサイトの制作は専門業者にお願いすることがほとんどです。Webサイトの構築だけでなく、その後のちょっとした変更まで専門業者に依頼する企業も多くあります。
あなたのWebサイトをパーチェスファネル化するために、ちょっとした挿絵やコメントを編集するだけでも、専門業者にお願いすれば、最低でも数日の納期と数万円の作業費用が発生するかもしれません。とてもタイムリーな対応とはいえません。
もし自社にデザイナーやWeb制作できるスタッフがいるなら、是非自社でWebサイトの運用を行うべきです。
WordPressなどのCMSを利用すれば、多少の変更ならHTMLやプログラムを変更しなくても自分で編集できるかもしれません。
あなたのWebから良質な見込み客を多く獲得するなら、できるだけ自社で運用できるようにしましょう。
1ページにたくさんの情報をつめ込まないシンプルさを目指す
Webサイトのデザインの傾向も年々変わります。最近では非常にシンプルなデザインのWebサイトが増えています。
シンプルなデザインのWebサイトでは、スペースをうまく活用し、力強いバリュー・プロポジションと、絞り込んだCTAで見込み客を目的の行動へと促します。
日本のBtoBのサイトは、情報をたくさん詰め込んだり、誘導したバナーが所狭しと並んでいたりと、とてもシンプルとは言えません。従来のこのようなレイアウトは確かにカタログサイトとしては機能しますが、良質なパーチェス・ファネルとしてのWebサイトの役割は到底果たせません。
1ページにつき、ひとつのメッセージやバリュー・プロポジションに限定し、それに伴う最適なCTAを配置しましょう。1ページに対して1つのキーワードとなり、SEOにも有利になります。
基本的なHTMLを扱おう
マーケターでも基本的なHTMLくらい編集すべきです。ちょっとした作業は外部業者や社内の専門家に頼らなくても、自分で変更できれば社内のリソースを有効活用できるだけでなく、タイムリーな対応も可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
BtoBのマーケティングでは、お客さま・見込み客、営業部門、Webとのかかわり合いに注意すれば、マーケティング活動の効果がグンとよくなります。
今日からでも意識してみましょう。