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エレベーターピッチを作る時に覚えておきたい5つのポイント

ビジネスの懇親会やセミナーで隣に座った方とちょっとした会話する機会があったとします。あなたは自分の会社について説明しなくてはなりません。

あなたとは全く違う業界で働く始めて会った方に、あなたは自分の会社の説明をどのようにどこから始めますか?

いつもどおりに説明すれば、業界の専門用語を並べてしまいがちです。特にニッチな分野を手がけているBtoB企業にはこの傾向が強くあります。

ひょっとしたらこの新たな出会いで新しいビジネス機会が生まれたかもしれません。残念なことに、聞き手にとってこのように、全く知識の無い分野について専門用語が多く理解の妨げになってしまうと、難しそうだなと思って相手は一気に興味関心を失ってしまいます。もちろんその後のビジネス機会も生まれないでしょう。

このような場面で役に立つのが、エレベーターピッチです。

1.エレベーターピッチとは

エレベーターピッチは20-40秒程度で、相手に興味を持ってもらうよう、簡潔で覚えやすく、エレベーターに乗っている間に説明し切るくらいのボリュームに絞り込む説明手法です。

上司にある件を報告に言ったところ、上司は外出しなければならず、あなたが一緒にエレベーターに乗りあわせて、エレベーターの中で報告します。ちょうどこの時間は30秒程度であり、その間に的確に上司に報告しなければなりません。

エレベーターの中でピッチ(説明・売り込みをする)ところから、これをエレベーターピッチと呼ぶようになったようです。

20-40秒程度のエレベーターピッチは、日本語の文字数に直すと200-300文字程度になるでしょう。このくらい簡潔に説明できるように、説明の要点をまとめておく必要があります。

2.こんな場面でエレベーターピッチが活用できます

エレベーターピッチが仕事の中で利用できる場面はたくさんあります。お客さまに接する営業マンだけでなく、社内でのさまざまな説明、友だちに自分の仕事を説明する場面などでもエレベーターピッチが活用できます。

例えば、新しい事業コンセプトやアイデアを上司や社内のメンバーに伝えるときにもエレベーターピッチが役に立ちます。最初の30秒でエレベーターピッチを使って、あなたがこれから説明しようとする内容に興味を持ってもらわなくてはなりません。

もちろんエレベーターピッチには、説得力ある言葉を使いながら簡潔に表現する必要があります。効果が高いエレベーターピッチをするには時間と経験が必要です。より良いエレベーターピッチができるよう普段から心がけておきましょう。

3.良いエレベーターピッチを作るポイント

聞き手が興味を抱く効果の高いエレベーターピッチには、いくつかの重要な要素があります。これらをしっかりとエレベーターピッチに盛り込むようにしましょう。

3-1.エレベーターピッチで他と違うユニークさを主張する

どの業界でも競争が激しく、必ず似通ったサービスや製品が存在します。そんな中でもあなたの会社や製品、サービスに興味を持ってもらうためには、独自性(ユニークさやニッチさ)を相手に理解してもらう必要があります。独自性は会社や製品などの目に見えるものだけでなく、コンセプトや理念・考え方などで表現することも可能です。

会社や製品・サービスだけでなく、自己紹介のエレベーターピッチでも同じことが言えます。

聞いている人が「他とは違うユニークさ」として認識できなければ、なかなか覚えてもらないだけでなく、「この人と話してみたいな」と感じてもらえません。

「他とは違うんだな」と感じてもらうことが、効果の高いエレベーターピッチの第一歩です。

3-2.エレベーターピッチにあなたの情熱も織り交ぜよう

エレベーターピッチを聞く準備ができているあなたの前にいる聞き手は、あなたに興味を持っています。

営業マンとして、初めての訪問先に出向いた場面でも相手は「あなた」に興味を持っています。今、私の目の前にいるこの人がこれから何を話すんだろう?と興味津々のはずです。

人は最初に人に興味を持ちます。次にその人の考え方に興味を持ちます。あなたが営業マンなら、次にあなたがこれから紹介しようとする製品やサービスに興味を持ちます。

まずはあなたの会社が何をしていて、なぜそれをやっているのかについて触れることでしょう。その次に、あなたがそれをやる理由や信念を伝えます。

例え取り扱っている製品やサービスが聞き手にとって興味がなかったとしても、情熱を込めて語れば、話をするあなたの視線や口から出てくるメッセージに強みが増します。

3-3.提供価値と解決する問題を明確にする

エレベーターピッチを成功させるためには、聞き手の価値を理解しなくてはなりません。そのために聞き手の課題や問題点をあらかじめ明確にしておきましょう。

あなたのこんな問題点をこのように解決し、その結果、このような価値をもたらします。これがエレベーターピッチの骨子です。バリュープロポジションと似ています。

バリュープロポジションとは
バリュープロポジションは、製品やサービスの提供を通じて届ける価値であり、お客さまが購買する理由そのものとなります。くわしくは「良いバリュープロポジションを作る5つのコツ|カイロスのマーケティングブログ」をご参考くださいませ。

3-4.エレベーターピッチが聞き手との関係を深くする

エレベーターピッチはビジネスの名刺のような役割をします。

名刺交換した時に、会社名、所在地などの情報から会話が盛り上がった経験は誰にでもあるでしょう。エレベーターピッチでも、内容に興味を持ってもらえば、エレベーターピッチがきっかけとなり、その後の会話が弾みます。

短く明瞭でわかりやすいエレベーターピッチであれば、エレベーターピッチの内容から派生して相手からの質問が次々に出てくるでしょう。当然会話がはずめば、あなたと相手の関係も深まります。

相手との関係が深まれば、もっと質の高い会話が望めます。

懇親会で出会った相手にエレベーターピッチをする時を想像してみてください。あなたのエレベーターピッチからどんな会話が生まれてくるでしょうか?

3-5.自然なエレベーターピッチを心がける

エレベーターピッチを用意して一生懸命暗記することは良いことです。しかし原稿を読んでいるようなぎこちないエレベーターピッチでは効果がでません。

エレベーターピッチは、200-300文字で用意するだけでなく、エレベーターピッチを話す練習も必要です。

本当に素晴らしいエレベーターピッチとは、聞き手が売り込まれている事にまったく気づかず、どんどん興味関心を抱いてしまう30秒を演出することです。

4.エレベーターピッチのまとめ

効果的なエレベーターピッチをするためには、事前の準備と練習が欠かせません。よく使うエレベーターピッチは事前に準備しておきましょう。

また、エレベーターピッチは社外だけでなく社内の会議などでも活用できます。新製品のコンセプト、上長の承認を得るための説明など、効果的なエレベーターピッチであなたの仕事の効率が改善します。