メールマーケティングについて、株式会社経営参謀さまが主催する経営者が集まる勉強会にて、当社代表の佐宗が講師をつとめました。
今回のメールマーケティングセミナーは、講演時間の都合から、当社が隔週で実施しているメールマーケティングセミナーの内容を一部カスタマイズしてお届けさせていただきました。
今回のセミナーの概要
お招きいただきました経営参謀さまの「参謀」勉強会は、通常は経営者限定です。今回はメールマーケティングの運用に近いトピックであり、メルマガ担当者にもご出席していただけました。
わたしたち、カイロスマーケティング株式会社は、マーケティングオートメション「Kairos3」を提供するベンダーです。当社は、これまでほとんど広告することなくリードを獲得して、メールマーケティングだけで営業商談を探しながら、これまでに750契約以上を獲得してきました。
今回のセミナーでは、当社の事業活動で得たメールマーケティングのノウハウを中心にお話させていただきました。
メールマーケティングの基本:HTMLメール
最近のメールマーケティングの主流はHTMLです。メールマーケティングの基礎としてHTMLメールについて説明ました。
HTMLメールで開封検知する仕組み
HTMLメールは、メール配信ツールやマーケティングオートメーションでは、ほぼ標準的なメールの形式です。
HTMLメールの特徴には、その見た目の美しさや表現の自由度に加えて、メールの開封が検知できることがあります。
HTMLメールはメール配信ツールとの組み合わて利用することで、受信者があなたのメールを開封したことがわかります。
メール配信ツールがHTMLメールの本文に埋め込まれた小さな画像のダウンロードを有無を調べることで、個々の受信者のHTMLメールの開封を検知します。Webページのアクセスの仕組みとメール配信をうまく組み合わせることで、HTMLメールのみ、開封検知ができます。
テキスト形式のメールは開封が検知できない
メールマーケティングで使うメールにはHTML形式とテキスト形式があります。残念ながら、テキスト形式のメールでは開封を検知できません。
テキスト形式のメールの開封検知が不可能である理由は、元々のメール配信の技術仕様に、開封検知の仕組みが存在しないことにあります。
メールマーケティングのKPIと運用のヒント
メールマーケティングの運用担当者の参考になりそうなKPIと運用のヒントをご紹介させていただきました。本記事では、その一部をご紹介させていただきます。
メールマーケティングの主なKPI
メールマーケティングでよく使うKPI(目的達成度を測るための指標)が4つあります。送信成功率/エラー率、開封率、クリック率、コンバージョンです。
コンバージョンこそがメールマーケティングの目標と一致しなくてはいけません。コンバージョンを最大にするために、送信成功率、開封率、クリック率の改善を目指します。
メルマガの開封率は、当社の別メディアであるマケフリの「メルマガ開封率がグッと上がる!メルマガ開封率の現状と改善策のまとめ」でまとめました。あわせてお読みくださいませ。
今回の講演では、メルマガ開封率について、メール担当者からご質問をちょうだいしました。メルマガ開封率は、メールマーケティング担当者がもっとも気になる話題です。
メルマガの開封率を上げるためのテクニック
メルマガの開封率を上げるためには、メルマガの件名が重要な要素となります。メルマガの件名を書くことはコピーライティングの領域であり、ノウハウやテクニックを求められます。そのため、メルマガの件名を書くことは、とてもむずかしいという認識が広がっています。
しかし、とある書き方を覚えると、メルマガ開封率がグッとアップするメールの件名をサクサク書けるようになります。それが「4U」と呼ばれるフレームワークです。
反応のよいメールの件名を考える「4U」のフレームワークは、「具体的である」「独自性がある」「(読者にとって)有益である」「緊急性がある」の4つの要素からなりたっています。
4Uの各項目に1分程度をかけて、それぞれの要素を、メール本文のテーマに加えます。下の図では、テーマを「トーク術」に設定し、それぞれ4Uの要素を付け加えています。
4Uを付け加えて書き出したそれぞれの文章を、1文に仕上げます。ここまでできれば、反応のあるメールの件名はほどんど完成です。メールの件名として長過ぎると感じたら、不要かもしれないと思う単語をどんどん削除してください。メールの件名は、要素を加えることは難しいですが、削ることはかんたんです。
みなさまもぜひ試してみてください。
メールマーケティングのKPIには矛盾が多い
メールマーケティングの代表格であるメルマガには、目的があります。多くの企業では、メルマガの目的を売上アップに設定しています。そして、メルマガの指標として、顧客の反応を知るためにメルマガの開封率やクリック率に設定します。
ここで設定したメールマーケティングのKPIは、KPIの数字が良くても、目的を達成できないことがよくあります。そのため、「メルマガをやっているものの、なかなか結果がでない」と悩んでしまいます。
それは、みなさんの会社の顧客リストに、今すぐ営業商談につながる見込み客がほとんどいないことが原因です。おそらく自社の顧客リストのうち、今すぐ商談につながる可能性のある見込み客の割合は、わたしたちの経験からみても、1%未満でしょう。
もしメルマガで売り込みしても、本当に反応する読者は、顧客リストのうちのせいぜい1%程度です。興味のないメルマガは絶対に開封しないという前提があるとしたならば、目的を達成するためのメルマガコンテンツを作ると、KPIのメルマガ開封率はグッと落ちるはずです。
KPIをメルマガの開封率に設定するなら、本来は、売り込まないメルマガコンテンツの方が、メルマガの開封率は高くなるはずです。
メールマーケティングの現場では、このようにその目的とKPIに乖離があることを多くみかけます。
メールマーケティングの事例
メールマーケティング講座のさいごには、メールマーケティングの事例をご紹介させていただきました。今回は、BtoBマーケティングから1件、BtoCから1件紹介しました。
あるBtoB企業のメールマーケティングの事例
メルマガでは売り込まずに、セミナーの集客に活用する。当社のマーケティングオートメーションの導入成功事例でも、よく見かけます。
このメールマーケテイングの事例では、メルマガに反応していただいた読者にのみセミナーの案内を送っています。また、メルマガ未開封者には、同じ内容にメルマガですがメールの件名を少しカスタマイズして送っています。
当社でも同じやり方をすることがあります。もし最初に送ったメルマガの開封率が20%であるとしたなら、未開封者向けにおくるメールでは、8%程度の開封率があります。上の図のAとBのメールをあわせて、28%近くの開封をかせぎだすことができます。
メルマガの反応に応じて、メールを出し分けるためには、マーケティングオートメーションのシナリオ機能が便利です。
マーケテイングオートメーションのシナリオ機能は、ある条件とお客さまの反応に基づいて、あらかじめ準備されたメールを自動的に送信する仕組みです。くわしくは「マーケティングオートメーションのシナリオ機能とシナリオ設計とは?一番かりやすい入門編」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。
不動産のメールマーケティングの事例
不動産業界で新規エリア拡大をねらうあるお客さまの事例です。個人向けの不動産業を営む同社では、スマートフォン向けにメールコンテンツの工夫をしてきました。
スマートフォン向けのメルマガでも、やはりファーストビューは大切です。メールを開封して最初に目に入る情報を、HTMLメールで画像をうまく活用することで、メールのクリック率の改善をしました。スマートフォンでは、文章よりも画像を使ったほうが、読者の反応がよくなります。
この不動産でも、メールで直接に売りこまずに、内覧会や個別相談会などのイベントに呼び込むことをメールマーケティングの役割と設定しています。イベントに来場していただく前に、自社のコンセプトや理念、顧客の声を知っていただくことで、「この不動産、いいね」と共感していただくためのメールマーケティングを実施しています。
内覧会で現物を見ていただく前に、来場者の期待の高まりをうまくコントロールできていることが、イベントを通じて営業案件数や成約数を増やしています。
イベントに来場いただく前に、ファンになっていただくこと。マーケティングでは、顧客ロイヤルティの形成、と呼ばれています。顧客ロイヤルティの形成に、メールをうまく組み合わせているメールマーケティングの事例です。
さいごに
今回は、経営参謀セミナーで、自社で開催しているメールマーケティングセミナーの内容を一部をお話させていただきました。
当社のメールマーケティングセミナーは、隔週で開催しております。登録は無料です。ぜひご検討くださいませ。