マーケティングオートメーション「Kairos3」の事例公開セミナーを、7月18日・19日に当社セミナールームにて開催いたしました。今回のテーマはインサイドセールス。少ない営業担当数で、より多くの商談を獲得するための方法として注目が集まっています。
今回のマーケティングオートメーションセミナーには、株式会社アイアットOECさまを講師としてお招きいたしました。
インサイドセールスの概要と、インサイドセールスの立ち上げ方、そして実際のインサイドセールス業務をこなしている担当者さまに語っていただきました。
インサイドセールスとマーケティングオートメーションの概要
まずは当社カイロスマーケティング株式会社の藤井がインサイドセールスの基本や概要について説明いたしました。
わたしたちカイロスマーケティングは小さな会社ですが、インサイドセールスという役割が社内にあります。たった1名の営業に加えてインサイドセールスをフルに活用して、600の契約をいただいてきた過去があります。
わたしたちカイロスマーケティングは、自社製品のマーケティングオートメーション「Kairos3」をフル活用して、インサイドセールスで営業活動の効率化に取り組んできた。それが、わたしたちカイロスマーケティングの営業活動のほぼ全てになります。
マーケティングオートメーションとは、デジタル領域において、従来の販売促進や営業に関わる業務を効率化や、従来は実現できなかったデータ連携などにより販売促進や営業活動に関わる業務を実現するためのITシステム(クラウドサービス)です。最近は、マーケティングオートメーション(Marketing Automation)は、英語の頭文字をとって「MA(エムエー)」などと呼ばれることがあります。くわしくは「マーケティングオートメーションとは?一番わかりやすい入門編」でまとめました。あわせてごらんくださいませ。
インサイドセールスとは
マーケティングオートメーションとインサイドセールスの両方をよりご理解いただくために、最初にインサイドセールスの概要について説明がありました。
インサイドセールスは、営業という企業の機能の1つです。一般的に営業と呼ばれている役割との違いは、「インサイド」という文字通り、外出を伴わない営業活動を展開するという点です。
インサイドセールスの主な目的は、できるだけ数多くの良質な商談を営業に引き渡すことです。契約や成約をつくることは営業の目的ですが、その中で、インサイドセールスは商談をつくることが役割であり目的です。
インサイドセールスについて「インサイドセールスとは? なぜ多くの企業から注目が集まっているのか」で、インサイドセールスの機能、必要なスキル、成功要件などについてまとめました。あわせてご覧くださいませ。
インサイドセールスの2つの役割
インサイドセールスには、大きく分けて2つの役割があります。
インサイドセールスの1つめの役割は、すぐに営業活動を展開できそうな見込み客を探すことです。そして、もう1つのインサイドセールスの役割は、営業活動するためには少し時間がかかりそうな見込み客に対応していくことです。
インサイドセールスのプロセスを社内に根づかせるためには、「すぐに営業活動を展開できる」という判断基準を設定することが大切です。くわしくは、後半セッションの事例のなかでご紹介させていただきます。
インサイドセールスを立ち上げるために欠かせないこと
カイロスマーケティングのインサイドセールスでも、この2つのことは厳守しています。
1つは記録の方法。しっかりと文書でお客さまと接触した際のことを記録しておくことです。当社では、Kairos3 SFAを活用しています。
インサイドセールスの役割が営業の商談をつくることであるなら、営業に商談をスムーズに引き渡せるよう、お客さまとのやり取りはしっかりと記録しておく必要があります。
もう一点は、インサイドセールスの業務範囲を明確にしておくことです。マーケティングからインサイドセールスへ、そしてインサイドセールスから営業へ。
インサイドセールスのプロセスは1つではありません。インサイドセールスとマーケティングオートメーションを活用した事例のなかでインサイドセールスの業務範囲の例をみていきましょう。
インサイドセールスの成功事例のご紹介
マーケティングオートメーションをインサイドセールスの立ち上げから活用し、商談数5倍、250%の新規顧客獲得に成功した株式会社アイアットOECさまに後半のセッションをお話しいただきました。
アイアットOECさまは、岡山市に本社を持つクラウドサービスを提供する企業です。岡山本社から、たった3名の営業で日本全国に販売活動を展開していました。
まずは同社のインサイドセールスの立ち上げにご尽力されましたマーケティング担当の濱田さまにお話しいただきました。
アイアットOECさまが抱えてしまった課題
アイアットOECさまでは当時、担当営業者が結婚や出産のため仕事を離れ、営業人員の不足という課題に直面していました。営業担当者の中の1名は、家庭と仕事の両立のため仕事にかける時間に制約があったとのことです。
こうした環境の中、アイアットOECさまは、営業担当者数の制約、時間の制約、新規契約数を拡大する。この3つの課題を同時に解決していく必要にせまられていました。
営業活動で改善できる箇所をさがす
営業担当者の時間の制約の問題を解決するためには、まずは営業プロセスに着目すること。ここから手を付けたそうです。
元々獲得・集客していたリード数を100とすると、契約まで至ったのはたったの5になってしまう。営業プロセスをみなおすことで、こうした営業現場の状況が数字として見えてきました。
100のうち消えてしまう95を調べていくと、お客さまから「ちょっと忙しいから来月になったら進めます。」「別件の対応に迫られて、今月は検討を一時ストップします」などといただくこともあることがわかったそうです。
営業担当者がこのような案件を1つずつ追っていくと、あっという間に忙しくなってしまう。忙しくて時間がなくなってくると、本来営業担当者がもっとも時間をかけるべき、資料内に赤で示した部分に使う時間がどんどん減ってしまっている現実がわかってきたそうです。
インサイドセールスの立ち上げへ
アイアットOECさまには、家庭とプライベートで時間の制約が大きな営業担当者がいました。この状況のなかで、営業成約数を減らすことなく、少ない営業担当者で効率を高める必要がある。インサイドセールスという役割を社内に設置することが急務でした。
同社のインサイドセールスの目的は明らかに「集客された見込み客を営業につなぐ」「商談にならなかった、もしくは商談になったが受注にいたらなかった見込み客をフォローする」の2つの役割だったそうです。
こうしてインサイドセールスという役割を立ち上げることにしました。
インサイドセールスは組織でなくても大丈夫
「インサイドセールスを立ち上げる。それはインサイドセールスという組織を立ち上げることとはイコールではない。組織の中の役割や機能を少し変更しただけです。」と、濱田氏。
機能別に部門を立ち上げることは一般的なやり方です。インサイドセールスを立ち上げるためには部門をたちあげなくてはならない、というこれまでの常識とは少し違う方法でアプローチしたアイアットOECさま。
アイアットOECさまにとっては、インサイドセールスという部門を立ち上げることが目的ではなく、同社の課題を解決するためのインサイドセールスという機能の立ち上げが急務だったわけです。
インサイドセールスの立ち上げから運用拡大時期へ
インサイドセールスの立ち上げに成功したアイアットOECさま。営業活動がスムーズになり、次の一手として展示会やWebサイトリニューアルなど、見込み客の名刺獲得数の拡大を手がけました。
同時に、インサイドセールスに渡る案件数が増えてきて、運用に工夫が必要になりました。この2つの問題を同時に解決したという、インサイドセールス運用の事例は、アイアットOECさまで実際にインサイドセールスを担当する守安さまにお話いただきました。
加速度的にインサイドセールスで対応するお客さまが増えてきた
インサイドセールスを立ち上げてしばらくして、同社のWebリニューアルや展示会の出展を通じて、インサイドセールスと営業で対応する営業案件数が一気に増えてきました。「あのときすぐに連絡いただけたら御社に決まっていたのに・・・」などの声を聞く機会が増えてきたそうです。
こうした状況に対して、「これではいけない、なんとかしなくては、という思いがありました。」と守安氏。
マーケティングオートメーションを活用して、お客さまへのご連絡の一部を自動化して、業務の効率化を図ることが最優先事項だと確信していたそうです。
しかしながら、当時同社で使っていたマーケティングオートメーションでは自動化の機能がなかったため、業務の効率化が同社にとって喫緊の課題になっていました。
「WaWaD-Beを使って、マーケティング、インサイドセールスと営業の間でお客さま情報を共有していたのですが、この状況を打開するには、自動化ができるマーケティングオートメメーションが必要だと強く感じていた」とのことです。
企業にある、さまざまなデータをWebでかんたんに共有できるクラウドサービス。顧客情報、商談情報、商品情報、販促ツール、クレーム情報など利用者のニーズにあわせて、自由にフォームを作成し共有ができます。1ユーザーあたりの料金は300円。お気軽にご利用できるサービスです。参考:WaWaD-Be製品サイト
そこでアイアットOECさまは、加速度的に増えるインサイドセールスの業務を効率化することを目的として、マーケティングオートメーションの選定をはじめました。
マーケティングオートメーションを変更してインサイドセールスの業務を効率化
マーケティングオートメーションは、自動化機能の要件や運用における使いやすさ、料金体系からみて、「Kairos3」を選びました。
マーケティングオートメーションを「Kairos3」に変えることで、自社製品のWaWaOfficeの資料請求やお客さまのご連絡、外部サイト経由の問い合わせ、展示会でいただいた名刺情報、これらのリード情報を一元化。さらにWaWaD-BeをCRMとして活用し、インサイドセールスと営業はWaWaD-Beで情報を共有する流れができあがることになりました。
マーケティングオートメーション「Kairos3」で、見込み客のWeb行動履歴をみることができるだけでなく、メール配信の自動化もできるようになり、インサイドセールスの業務は大幅に改善してきたとのことでした。
マーケティングオートメーションを使ったインサイドセールスのアプローチの実際(事例)
同社では、マーケティングオートメーションから発信されるメールと電話を組み合わせることで、営業獲得案件数を最大化すると同時に、インサイドセールスの業務の効率化をしてきました。
「最初はメールを1つずつていねいに書いていたのですが、やり進めるうちにいくつかのパターンが存在することがみえてきました。だから、Kairos3のシナリオ機能で自動化することにしました。」というところからもわかるとおり、まずは手動の運用からで始めて、「Kairos3」で自動化できるところはどんどん効率化していく。この流れは、まさにマーケティングオートメーションの運用のノウハウの集結であると言えます。
「Kairos3の面白いのは、ボタン1つのような操作(実際はリードタグの付与)で、シナリオ機能が発動できるようになっている。本当にかゆいところに手が届くようで、これがすごく便利なところです。」というところからもわかるように、通常複雑だと思われがちなシナリオ機能もすごくシンプルかつ簡単に運用できるところがKairos3のポイントでもあります。
「担当者が急に休みを取ってもシナリオ機能なら自動実行してくれるので、インサイドセールスではとても便利に活用しています。」と、インサイドセールスの運用担当者の声を聞けたことが印象的でした。
どのお客さまからフォローするべきなのか?
インサイドセールスで取り扱う案件数が増えてくると、決まって「フォローするお客さまの優先順位付け」をする必要がでてきます。クラウドサービスの「WaWaOffice」を取り扱うアイアットOECさまでは、各営業案件の「導入時期」で優先順位をつけてインサイドセールスを運用しているとのことでした。
それでも、インサイドセールスで接触すべきお客さまが多い場合には、リードタグやスコアを参考にしながら優先順位を決めているとのことでした。
マーケティングオートメーション「Kairos3」では、ある特定のWebページを閲覧した見込み客に、例えば「製品Aページ閲覧」などとリードタグを付与することができます。
連日繰り返しのアクセス、料金ページ、無料体験申し込みフォーム、といった営業案件につながりやすいWeb行動があることも、インサイドセールスを日々運用する中でわかってきたことだそうです。
インサイドセールスにお客さまが連絡をしてくる仕組みを考えた
アイアットOECさまのインサイドセールスでは、マーケティングオートメーションを活用してメールを送っています。そのメールの中の工夫次第で、インサイドセールスに連絡があるとのことです。
インサイドセールスがマーケティングオートメーションを使って送信するメールのなかで、デモのメリットをうまく訴求するだけでなく、デモの予約可能日時をまとめて送るなど、メールコンテンツの工夫もセミナーのなかでご紹介いただけました。
インサイドセールス+マーケティングオートメーションセミナーを開催して
今回のセミナーでは、当社の利用者でもあるアイアットOECさまをお招きして、インサイドセールスをテーマにお話いただきました。
当社では、マーケティングオートメーションの事例を公開しております。今回のセミナーでは、事例のご担当者さまにご登壇いただく機会を設けさせていただきました。
インサイドセールスとマーケティングオートメーションとの親和性が良いとしられているだけあって、数多くのお客さまからセミナー登録がありました。
今回は、日程とお席の都合から、Kairos3のご利用者さまを中心にご案内させていただきました。次回の企画では、当社のメルマガ登録しているお客さまにもご案内差し上げたいと思っております。
今回ご紹介させていただきましたCRMのWaWaD-Beは、以下の動画からもその概要を知ることができます。ご参考になれば幸いです。