BtoBのサイトの役割は、効果の高いマーケティングを演出する第一歩
今では9割の企業がWebサイトを持っていると言われています。複数のWebサイトを持つ企業も少なくありません。マーケティングのキャンペーン毎にドメインを取得して、それぞれのWebサイトを運用することも当たり前になりました。
BtoC企業では、商品毎に特設ページを運用し、商品の知名度を高めるとともに、商品のブランドの構築をしています。自社で販売も手がける場合には、企業サイト、ブランドサイト以外に販売専用のWebサイトを持っています。BtoC企業では、複数のWebサイトを保有しても、それぞれの目的は明確になっています。
一方BtoB企業では、BtoC企業に比べてWebサイトの目的があいまいになりがちです。これはBtoBビジネスの特性が主な原因であると考えられます。
BtoBサイトの役割
BtoBビジネスにおけるBtoBサイトの目的は、大きく2つに集約されるのではないでしょうか。それは、企業ブランドの構築と販売促進です。もちろんBtoBサイトとしてサポートや情報提供向けに利用する場合や、BtoBサイトから直接商品を販売する事もあります。しかしながら対面販売を中心とするBtoBビジネスでは、企業ブランドの構築と販売促進がBtoBサイトの果たすべき役割でしょう。
その理由をBtoBの購買行動から考えてみましょう。
BtoBサイトとBtoBの購買行動の関係
BtoBの購買行動には固有の特徴があります。(参考:「B to B と B to Cの購買行動の違い」)
BtoBサイトが売上げに貢献するためには、このようなBtoB特有の購買行動を促す役割を果たすべきでしょう。
企業ブランドやイメージを露出する
BtoBビジネスでは、購買の一連の流れとしてまず第一に社内で案件化したのち、提案を依頼する業者を選定することが一般的です。
提案業者の選定時には、商品やサービスが案件の要件に合致しているだけでなく、提案を依頼する企業のイメージも判断の材料になります。BtoBでは、取引先と長期に渡る関係が築けるかどうかも、業者選定の判断材料の一つになるからです。企業毎に納品方法、支払い、情報提供、相手のビジネスなど、様々なフォーマットが存在します。お互いの事が分かれば分かる程、BtoBの購買プロセスが簡素になります。
そのためBtoBのビジネスにおいては、企業としての認知度を高めると同時に、選定される業者の一つに入れるような施策をしなくてはなりません。選定候補の業者に関する情報をBtoBサイトから得ることがほとんどではないでしょうか。
企業ブランドやイメージは、いわゆるコーポレートコンテンツとして区分できます。会社の概要に始まり、ビジョンやミッション、社長メッセージ、CSR(企業の社会的責任)、採用条件や福利厚生などが該当します。
「この会社と取引したい!」、「この会社で働きたい!」と思わせるような訪問者の視点のコンテンツがBtoBビジネスでは企業価値を高めます。
顧客の購買行動に応える
BtoBサイトのもうひとつの役割は、売上げに貢献する事です。
BtoBのビジネスでは、情報収集、複数製品の比較を行います。そのため、BtoBサイトでは商品やサービスの仕様や特徴、利用者のメリットを伝えるカタログ棚のような役割を演じなくてはなりません。
BtoBサイトへの訪問者は、自社が抱える課題/案件の解決策を探しています。BtoBサイトがその答えを提供しなくてはなりません。つまり、商品やサービスの特徴、仕様や機能、効能/効果、価格などをコンテンツとして用意しておくべきです。
BtoBサイトはそれに加えて、BtoBの購買行動をより促す役割も演じる必要があります。
BtoBビジネスでは、まず最初に情報収集を行います。それが解決すべき自社の課題となるならば、案件化され要件が定義されます。市場の情報や新しい技術情報などをBtoBサイトで積極的に公開すれば、案件化を促進できます。
またBtoBビジネスでは、購買プロセスに同業他社との比較検討をします。当然のことながら、自社の製品が他社よりも優れていなくてはなりません。その優劣は、仕様や性能だけで決まるとは限らず、実績やサポート力、コミュニケーション力も判断の材料となります。従って実績や事例を通じて自社の製品やサービスの利用例を提示すると同時に、サポート等における強みを展開するべきでしょう。
そして、購買プロセスがさらに進めば、FAQでカタログに無い情報を調べたり、フォームから問合せができるような仕組みの提供もBtoBサイトの重要な役割です。
BtoBビジネスでは、購買までのプロセスによって必要となる情報が異なります。BtoBサイトでは、訪問者の求める情報を提供し、BtoBビジネスの購買プロセスをより促進させる機能を持つべきです。