ブランドとブランディングの違い|マーケティング用語集
ブランドとブランディングの違いをご存知ですか?
あなたの会社や製品のロゴは「ブランド」でしょうか?それとも「ブランディング」?
マーケティング用語の中にはこのように、定義や意味があいまいだったり、少し使い方を間違えるだけで、全く違った意味を指すこともあります。ブランドやブランディングも、その1つです。
ブランドとブランディングの違いを理解するために
ブランドとブランディングの違いは、あいまいでわかりにくいと思っているマーケターも少なくないでしょう。
ここで例をとってみます。
機能が似ている2足の靴が目の前にあったとしましょう。あなたはどちらの靴を最初に履きたいと思いますか?
あなたは目から入る情報によって2足の靴を評価し、どちらか一方の靴を履くでしょう。ここでの判断材料のひとつが「ブランド」です。
色や形、その他の知覚情報とあなたの記憶が結びつきます。それがあなたの反応を呼び起こします。これがまさにブランドの効果です。
人々は、何をしたか、何を言ったか、などは正確に覚えていないかもしれません。しかし、どのように感じたか、認知したかはしっかり覚えている傾向にあります。それゆえに、マーケティングではブランドを創造することは非常に重要であると考えられています。
ブランドとは?〜ロゴや製品名はブランドか?
ブランドは、おおむね以下のように定義できます。
ブランドとは、会社や製品など「個」に抱く知覚(イメージ)の総称です。お客さまや市場などの社外の人々が持つイメージだけでなく、社員や株主などの内部の関係者が持つイメージも含みます。
ブランドは、簡単に言えば、「個」が抱くイメージと、そこからから生じる反応です。あなたの会社や組織、製品やサービスなどの大まかなイメージがブランドにあたります。
つまりブランドを持っているのは、あなたや会社、製品ではなく、お客さまなのです。お客さまが持っているため、あなたが直接に制御・コントロールすることはできません。
もしあなたの会社や製品に対するブランドが知りたいなら、直接お客さまに聞いてみるしかありません。そこから得られる情報は、あなたの会社や製品のブランドを知る上でのヒントとなります。
ブランディングとは?〜ロゴや製品こそがブランディングと言えるか?
まずブランディングについて理解を深めてみましょう。
ブランディングとは、お客さまや市場が持つイメージに影響を与える全ての活動を指します。より良いブランドを創るために、お客さまや市場などの認知だけでなく、社内や株主などの関係者にも影響をおよぼす必要があります。
ブランディングとは、ロゴや商標をあちこちで目立つようにすることではありません。あなたのお客さまや市場とより良い関係を築きながら、良いイメージを持っていただく活動を指します。
ブランディングは、お客さまや市場とのより良い接点を持ちながら、あなたの会社や製品に良いイメージを抱いていただくための活動ですので、あなた自身が制御・コントロールしています。
ブランディングは一連の活動であって、ロゴや商標などはブランディングのほんの一部にすぎません。
より良いブランドの想像とブランディングのために
あなたのブランドを創るマーケティング活動にとりかかる前に、あなたの会社や製品に対して、以下の3つの質問を投げかけてみましょう。
WHO(提供母体は?) WHAT(何がブランドそのものなのか?) WHY(そのブランドの存在意義は何なのか?)
あなたの会社や製品のブランドを定義することは不可能に近いです。ブランドは、時とともにまるで生き物のように変化するからです。
市場やお客さまが抱くイメージを耐えず良い方向に持っていくこと、つまり市場やお客さまが「うわぁ!」と思う経験や体験を常に提供し続けながら、良好かつ長期の関係を抱くことにつきるかもしれません。
まとめ|ブランドとブランディングの違い
ブランドとブランディングの違いは参考になりましたでしょうか?
ブランドを構築できれば、市場における価格の優位性、顧客ロイヤリティ、さらには関連分野への新規参入や展開がしやすくなり、競争力が増します。
企業や製品のブランド価値の増大は、企業全体の価値の増大につながります。そのため、マーケティングの中でブランドは重要事項のひとつとして位置づけられています。
(cover photo by Thomas Leuthard)