B2Bでマーケティングに予算をかけるべき3つの理由
BtoBビジネスのマーケティング活動は、BtoCとは異なる点が多い。商品そのものの特徴から、商品の購買プロセスに至まで大きく異なる。(参考:「BtoB購買行動モデルのやさしい解説と教科書が教えない3つの特徴ーカイロスのマーケティングブログ」)
BtoBビジネスでは、マーケティング部門に加えて営業部門が重要な役割を担う。マーケティング活動で案件化された商談に担当営業が割り当てられ、契約締結に向けて提案・営業活動を行う。BtoBビジネスは、案件のクロージングには営業活動が伴うのが特徴的である。
案件を受注しても失注しても、次の案件につながることがある。そのため自社のビジネスを拡大のためには、営業活動後の顧客のフォローアップがかかせない。この役割は、その案件に携わった営業担当が担う事が多い。
はたしてこのプロセスは大いにスケール可能であろうか?ここにBtoBのマーケティングに予算をつぎ込む理由が見え隠れする。
本日は、BtoBでマーケティングに予算をかけるべき理由について議論していこう。
BtoBのマーケティングと営業は補完関係
BtoBのビジネスで案件をクロージングし受注につなげるのは営業の役目である。案件の受注がひとつのゴールだ。案件の受注が増えればより大きな売上げを期待できる。
BtoBビジネスで売上げを増やすためには、
新規見込み顧客や見込み案件を増やす 受注・失注に問わず案件の精査とフォローを行い、次の案件を創出する 受注の確度を高める
3つのアプローチが考えられる。
BtoBのマーケティングが担う役割は、先ほどのBtoBビジネスで売上げを増やす3つのアプローチと対応させれば、
新規リード(見込み顧客)を獲得する 既存顧客(リード)の活性化 商談化の促進
となる。
営業の役割とマーケティング活動が重なる部分もある。しかし営業だけでは解決できない部分がある上に、マーケティング活動としてアプローチした方が効率が上がるタスクも存在する。営業とマーケティングで話し合い、両者の連携を強化しながら役割を分担しておくと良いかもしれない。
BtoBビジネスではマーケティングと営業が補完できる事が望ましい。
さて、それでは3つのマーケティングが担う役割を見ていこう。
1.新規リード(見込み顧客)を獲得する
BtoBマーケティングでは、新規リード獲得を目的として、マスに対しメッセージを訴求するアプローチは効率が良くない。幅広い層をターゲットにした場合、伝えるべきメッセージがあいまいになりやすい。
BtoBのマーケティングでは、狙ったターゲットセグメントを攻略すべく、自社のバリュープロポジションを検討する。当然、ターゲットとなるセグメントを絞り込めば、よりバリュープロポジションが明確にかつ力強くなる。
(参考:「良いバリュープロポジションを作る5つのコツ」
BtoBのマーケティングで新規リードを獲得するためには、セグメントを絞り明確なバリュープロポジションを作り出すだけだ。
言い換えれば、ニッチ市場を攻略し、市場での差別化を明確にするメッセージを展開することになる。この市場に到達すべく、広告宣伝費などの予算が必要となる。
2. 既存顧客(リード)の活性化
BtoBのマーケティングで、既存顧客(リード)に対するアプローチと言えば、受注・失注いずれに関わらず、営業活動のフォローアップだ。
受注の場合、受注した商品の追加注文や、関連する別の商品の商談の機会が考えられる。失注の場合でも、別の商品の商談機会はあるかもしれない。
担当営業が全ての案件のフォローアップできれば理想だが、実際は営業活動後のフォローアップがおろそかになるケースがよく見られる。営業活動では案件のクローズが最優先されるため、いたしかたない課題であると言えよう。
既存顧客(リード)の活性化では、関連商品の情報を定期的に届けながら、リードナーチャリングを行い、購買意欲が高く商談化できそうなリードを探し出す活動が中心となる。
マーケティング・プラットフォームなどのツールを使えば、比較的スムーズに既存顧客(リード)の活性化ができる。
3. 商談化の促進
商談化の促進は、営業の役割となる事が多い。BtoBビジネスでは、購入先の候補業者を選定し、案件に対する提案を依頼するプロセスがある。ここで重要な役割を担うのがブランドであり、BtoBのマーケティング活動の領域である。
ブランド価値には、認知、知覚品質、連想、ロイヤリティの側面がある。ブランド戦略は、企業レベル(コーポレート・イメージ)、事業レベル、製品レベルまでさまざまだ。
あなたの会社の差別化のポイントがブランドイメージとしてお客さまへ好意的な印象を与えれば、購入先の候補業者として商談の機会をつかむことにつながる。
BtoBビジネスにおけるブランド価値の向上は、まさにマーケティングの役割だ。
前述の2つの施策と比べると、中長期的なアプローチになり、クリエイティブなどイメージ戦略が伴う。
さいごに
あなたの会社は、マーケティング予算は適切に割当てられているだろうか?マーケティング活動に関わる予算は、あなたのビジネスの売上げを拡大するための先行投資である。
参考リンク: Kairos3の行動分析&購買意欲測定の機能