リードナーチャリングは、営業効率が高まり売上アップにつながる効果があるだけでなく、見込み客の購買サイクルの期間を縮め、購買額がアップするなど、営業部門が案件のクロージングを務めるBtoBビジネスで注目を集めています。
マーケティング活動で獲得した見込み客の名刺情報も、そのほとんどがすぐに営業案件になりません。しかしながら少し長い期間でコミュニケーションを続ければ、そこから多くの営業案件が生まれてくることがわかってきています。
あなたの会社でもリードナーチャリングを手がけていますか?もしまだでしたら、この記事を参考にしてリードナーチャリングを手がける準備に取りかかりましょう。
リードナーチャリングとは(復習)
リードナーチャリングについては、今まで何度かこのブログでも取り上げてきました。
リードナーチャリングとは、誤解を恐れず簡潔にまとめると、
見込み客のニーズを具現化すると同時に購買意欲を高めるマーケティング活動
となります。
マーケティングからみるリードナーチャリングのメリットは、購買する見込み客数を増やし、購買金額を最大化しながら購買サイクルを短くし、コミュニケーションで他社と差別化することにあります。(参考:「【統計データにみる】リードナーチャリングを今すぐ手がけるべき4つの理由ーカイロスのマーケティングブログ」)
事業や経営的にみれば、マーケティングから見るメリットに加えて、営業活動の効率化があげられます。
効率は、少ないタスクで最大の結果を創出することとすれば、営業効率とは、少ない営業リソースで売上を最大化することになります。
これまで営業活動は、見込み客の購買行動の非常に初期の段階から電話や対面活動を通じて展開していた傾向がありました。案件の確度が低い段階でも見込み客との関係構築を兼ねて訪問し、啓蒙活動や情報提供を繰り返しながら、長いスパンで契約につなげる活動は日本の営業のおはこです。
この見込み客の初期の購買行動を、メールやWebを駆使しながらマーケティングで展開できれば、営業部門にとってはタスクが非常に軽くなります。
その分、顧客向けの提案書を作成したり、顧客との関係構築に時間をかけるなど、営業活動の質が高まりより多くの売上が期待できるよになります。
営業活動につなげるためのリードナーチャリングでは、案件化できるほど見込み客の購買意欲が十分に高まっているだけでなく、見込み客自身が、自社の経営課題を解決するために具体的に何が必要かをきっちり把握しなくてはなりません。
リードナーチャリングの手順
リードナーチャリングでは、決まりきった方法はありません。ビジネスの性質や業種によってリードナーチャリングのアプローチが異なってくるからです。
まずはリードナーチャリングを説明しやすくするために、見込み客の購買行動プロセスの一部をモデル化してみました。
この図の中で新規案件の創出部分が、リードナーチャリングをすべき箇所です。
リードナーチャリングでは、図の中段のメッセージと見込み客の状態を鑑みて、マーケティング活動のツールを使いながらメッセージを届けていきます。つまりリードナーチャリングでのメッセージのシナリを作成します。
リードナーチャリングを手がける前に、まずやらなくてはならないことがあります。
リードナーチャリングすべきペルソナを作る
リードナーチャリングでもセグメンテーションを行いながら、ターゲットを設定します。
そのターゲット像をより明確にし、一連のリードナーチャリングの中でメッセージがぶれないよう、具現化したターゲットの仮の姿を明らかにします。この架空のターゲット像は、ペルソナと呼ばれています。
ペルソナを作成すれば、マーケティングと営業間でターゲット像を明確に共有できるだけでなく、購買に至る見込み客の思考のプロセスまで想像できます。したがって、リードナーチャリングから営業活動に至るまで一貫したメッセージを届けることができます。
購買意欲と重要度を示すスコアリングをしよう
見込み客の購買意欲や案件確度の度合いは、直感的でありヒトによってその感度が異なります。リードナーチャリングをする場合には、見込み客の購買意欲や案件確度には客観的な指標を導入し、関係者誰でも同じ基準を持つべきです。
そこで見込み客の購買意欲や案件確度の指標として、リードスコアリングを導入します。
リードスコアリングで、見込み客の固有情報と行動記録から各リードのスコアを設定し、一定期間に一定のスコアを超えたら、営業案件候補(ホットリード)とみなして営業部門に引き渡し営業活動を展開するようにします。
実際のスコアの計測方法などは、「リードスコアリングの手法とリードナーチャリングでの応用ーカイロスのマーケティングブログ」を参考にしてください。
リードスコアリングは、マーケティングオートメーションを導入して計測することが一般的です。
リードナーチャリング実施時の注意点
リードナーチャリングは思ったほど難しくありません。いきなり完璧なリードナーチャリングを目指すことは極めて難しいですが、自社独自のリードナーチャリングのアプローチの構築を目指して徐々にすすめていきましょう。
まずはシンプルなリードナーチャリングを手がけよう
先ほどの図を思い出してください。いくら一般的にモデル化した見込み客の購買行動といっても、まだまだ複雑です。これをメールやWebなどのツールを駆使してリードナーチャリングを完璧に展開するのは、かなり困難です。
最初から完璧を目指す必要はありません。
パレートの法則を思い出してください。20%の力で80%の結果を導きます。リードナーチャリングも同じです。まずは20%程度の完成度を目指してみてください。きっと80%の結果がついてきます。
営業部門と協調したリードナーチャリングを
リードナーチャリングはマーケティングの仕事だからといって、マーケティングだけで単独で行うことはあまり好ましくありません。
リードナーチャリングを通じてニーズが明確になり購買意欲が高まった見込み客は営業部門に引き渡され営業活動が展開されます。例えばここで、マーケティング部門と営業部門が思い描いているペルソナが異なれば、案件クロージングまでの効率がなかなかあがりません。
営業部門との強調がなければ、案件がクロージングできないだけでなく、他社に案件を取られてしまうかもしれません。
マーケティングメッセージを明確に
メール配信でも各Webページでも、コンテンツには十分に注意を払う必要があります。とあるWebページをとったとしても、そのページは先ほどの図における、見込み客のどの状態に対してメッセージを送っているか考えなくてはなりません。
例えば、Webページのほとんどのコンテンツが製品の機能や仕様のみにフォーカスしているならが、それは見込み客の購買行動のかなり後半部分の「決定の正当化」に適したコンテンツであり、例えば「課題の認知」の状態にある見込み客のような購買行動の初期の段階にある見込み客の購買意欲を刺激するリードナーチャリングが困難になります。
Webページコンテンツのメッセージは、リードナーチャリングでの見込み客の購買意欲に合わせて、購買意欲の初期の段階からリードとのタッチポイント(接点)が取れるよう設計しましょう。
Webだけでなく、ソーシャルメディアやブログを組み合わせてリードナーチャリング用のメッセージを設計する方法もあります。この場合、ブログやソーシャルメディアは、購買意欲が比較的低い見込み客向けになる傾向があります。
まとめ
リードナーチャリングでは、見込み客の購買段階に合わせたメッセージ(コンテンツ)を準備することと、スコアリングのような見込み客の購買意欲を測定する仕組みを導入すること、の2つが必要条件です。
その上で、見込み客の購買段階をうかがいながら、適切なメッセージをメールやWeb、ソーシャルメディアを組み合わせて見込み客へと提供していきます。
リードナーチャリングは、営業効率が上がり売上UPとなるだけでなく、さまざまなメリットがあります。(参考:「【統計データにみる】リードナーチャリングを今すぐ手がけるべき4つの理由ーカイロスのマーケティングブログ)
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