リードナーチャリングとは?誰でも結果が出せるリードナーチャリングの基本手順

みなさまは、売上を上げるためにどんなことをされていますか?広告やWebのSEO対策、展示会の出展やテレアポによる営業の新規開拓など、多くの見込み客を獲得することを思い浮かべるかもしれません。

獲得した見込み客からどれだけの商談が生まれ、どれだけの受注が生まれているでしょうか。獲得した見込み客を無駄にすることなく商談、受注につなげることができたら・・そんな悩みをお持ちのマーケティング担当、営業担当の方も多いのではないでしょうか。

そのお悩みを解決できるものとして最近注目されているのが、「リードナーチャリング」です。そんなリードナーチャリングの概要や注目される理由、実施のプロセスや注意点をまとめました。

この記事のもくじ

リードナーチャリングとは

リードナーチャリングは、英語でLead Nurturingと書き、そのまま訳すと見込み客の育成となります。営業活動に入る前のマーケティング活動は、以下の流れで進んでいくこととなり、リードナーチャリングは中間のステップに位置します。

リードナーチャリングについてもう少し詳しく説明すると、リードジェネレーションによって獲得した新規の見込み客のニーズに対し、適切なタイミングで適切なアプローチを行いながら継続的にコミュニケーションを取ることで、良好な関係を築き、購買意欲を段階的に高めていくことをリードナーチャリングと言います。つまり、営業活動をするに値する見込み客を作り出すプロセスであると言えます。

リードナーチャリングとは
まだまだ営業活動をするに値しない見込み客の中から、営業活動をするに値する見込み客を作り出すプロセス

リードナーチャリングにはもう一つの側面があります。

購買後の既存顧客ともコミュニケーションを取ることで、長く製品やサービスを利用してもらえるよう良好な関係を築き、アップセルやクロスセルへつなげていくことです。自社の既存顧客と良好な関係が築けていれば、彼らはその製品やサービスの良さを関係者に広めてくれるでしょう。既存顧客に自社のファンになってもらい、新たな見込み客を連れてきてもらうことも可能になるのです。

長期的に見ても、営業活動に値する見込み客を作り出すことにつながるため、この活動もリードナーチャリングと考えるべきです。

リードナーチャリングがBtoBマーケティングで注目される4つの理由

BtoBマーケティングにおけるマーケティング手法のリードナーチャリングが注目を集めている背景として、次の4つがあります。

リードナーチャリングのデジタル化が急務である

見込み客の情報収集手段が大きく変化することで、リードナーチャリングの手段に変化が出てきました。

かつては法人企業の購入に際して、購買担当者が営業マンに接触することで購買に必要な関連情報を収集していました。一方で、購買担当者との接触を通じて、営業担当者がリードナーチャリングをしていました。

最近では、インターネットの活用が当然となり、購買担当者が企業のWebサイト上で多くの情報を集めることが可能になりました。

購買の検討に必要な製品情報や専門知識は営業マンから聞かなくても、担当者自ら調べられるようになってきたのです。

リードナーチャリングも、営業担当者を中心から、メールやWebなどを活用したデジタル領域でのリードナーチャリングに変化してきました。

購買行動の段階によって提供する情報を変える必要がある

BtoBにおけるマーケティング営業活動では、購買行動のデジタル化によって、メールやWebを活用したリードナーチャリングに変わってきました。

一方で、BtoBマーケティングにおけるお客さまの購買行動には、いくつかの段階があることがわかっています。購買担当者はその段階毎に必要な情報が変わってきます。

BtoBマーケティングにおける購買行動プロセス
BtoBマーケティングにおいて売れる仕組みを理解するために欠かせない、お客さまの購買行動プロセスについてまとめました。詳しくは「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項」をご覧ください。

お客さまに必要な情報、今後必要となる情報を、リードナーチャリングを通じて提供することで、お客さまの購買を促進することができるようになります。

かつては営業担当者が、お客さまに訪問する対面形式の接触が中心でした。お客さまの状況に応じて、提供する情報を変えることでリードナーチャリングしていました。

しかしデジタル時代のリードナーチャリングでは、メールやWebなど1対多に変わりました。メールでもある特定の購買行動の段階にいる見込み客に絞り込んで、必要な情報を届ける必要があります。

お客さまの購買行動が変わる中で、デジタル領域におけるリードナーチャリングが改めて注目を集めています。

休眠顧客をリードナーチャリングの対象に検討できるようになった

リードナーチャリングのデジタル化に伴い、自社内に蓄積する全お客さまリストがリードナーチャリングの対象になる傾向にあります。

これらの名刺は、過去に展示会に来訪していただいたり営業が接触していたりする見込み客であり、あなたの会社や製品に対して、過去一度は関心を持ってくれたお客さまであり、新しくコストをかけて見込み客を獲得するより効率的と言えるでしょう。

新規の顧客をリードジェネレーションで獲得するよりも、蓄積名刺から営業案件を探す方がずっとコスト(労力や金銭的費用)が下がります。当社が調べたところ、おおよそ社内の蓄積名刺のうち、過去1年以内に営業担当者が接触していない名刺数は全体の7割程度あることがわかりました。

デジタル領域におけるリードナーチャリング、つまり、メールなどを活用したリードナーチャリングならば、一斉に見込み客に接触できます。これまで営業担当者が個別に接触していたことと比べると、デジタル領域におけるリードナーチャリングなら、見込み客への接触効率が劇的に改善します。

デジタル領域のリードナーチャリングの効果を最大化すべく、社内に眠る名刺(休眠顧客)をデジタル化する動きが加速しています。

休眠顧客のリードナーチャリング
休眠顧客からリードナーチャリングによって案件を作り出すテクニックについてまとめました。具体的な方法については「休眠顧客を掘り起こすメールのテクニック」をご覧ください。

生産性の高い営業活動が急務である

働き方の改革が注目される中で、単に労働時間を削減するだけではなく、マーケティング業務の作業負荷を減らしたり、少ない人数で売上をあげたりなど、付加価値をアウトプットするための効率化が求められています。

リードナーチャリングが、すぐに営業案件に結びつく良質な見込み客を探し出すため、営業活動におけるコール数や訪問数を削減しながら、売上を維持、もしくは増大することができます。

つまり、リードナーチャリングによって、営業活動における生産性の改善につながるわけです。

数字で見るリードナーチャリングの効果

リードナーチャリングの有効性は、各種データからも見ることができます。関連するデータをご紹介します。社内の共有や、リードナーチャリングを実施するための企画書へのご活用の参考になれば幸いです。

リードナーチャリングで購入未検討の見込み客が購買行動を始める

リードナーチャリングによって、見込み客が購買行動を開始することがあります。先ほど紹介した、リードナーチャリングが注目を集めている理由における社内の蓄積名刺のデジタル化が進む背景にはこうした理由があります。

ニーズが顕在化しておらず購買を検討していない見込み客は、リードナーチャリングなどをしなければその人がそこから具体的に購買行動を起こすことは、考えにくいでしょう。

リードナーチャリングの一環として、例えばメルマガで有益な情報を届ければ、全体の1~2割の見込み客が購買行動を開始してくれるのです。

リードナーチャリングで売上や購入単価が増加する

リードナーチャリングをはじめて半年程度で、調査データによれば、徐々に売上に効果が見えてくるようです。もちろん、売上が上がる理由はリードナーチャリングだけとは限りませんが、1割ほどアップするようです。

リードナーチャリングによって、これまではすぐには商談につながらず、本来失注となっていた見込み客から、一定の確率で新たな商談を生み出し、売上につなげることができたと推測できます。

リードナーチャリングには顧客単価を上昇させる効果もあります。リードナーチャリングを通じて、製品やサービスの特徴や使い方を事前によく知っていただければ、お客さまの生み出す付加価値は高まります。

あなたの製品やサービスの利用価値を知れば知るほど、投資効果、つまり、購入金額を思い切って大きくすることができるからです。

リードナーチャリングが生産性に及ぼす影響

リードナーチャリングは、営業活動の生産性やマーケティング業務効率にも影響します。

営業活動の生産性は、リードナーチャリングで獲得できる良質な見込み客と商談できるため、営業の訪問数やコール数に影響を与えているものと推測できます。

また、マーケティング業務の業務負担軽減は、リードナーチャリングをするためにマーケティングオートメーションなどのツールを導入するため、見込み客の情報をまとめる、メールを配信するなどの手作業が減り、業務の負荷が軽減できた結果と考えられます。

リードナーチャリングの主な6つのプロセス

リードナーチャリングには、これから紹介する6つのプロセス・業務があります。リードナーチャリングの各プロセスの要点についてまとめておきます。

ステップ1:リードナーチャリングの対象となる顧客情報をデジタル化

リードナーチャリングは、社内の顧客情報の全てをデジタル化することから始めます。すでにデジタル化されている見込み客情報、社内に蓄積された名刺など、リードナーチャリングのターゲットとする顧客情報を集めておきましょう。

名刺のデジタル化には、顧客管理ツールや名刺管理ツールを活用する方法もあります。

比較的安価な費用で、簡単かつスピーディーに名刺情報を取り込めるので、ぜひ試してみると良いでしょう。社内に散らばった情報を集めて、必要な項目をデータ化してまとめておくことがリードナーチャリングの全ての基盤になります。

名刺管理ツールから見込み客情報を読み込む場合
当社のマーケティングオートメーション「Kairos3」は、国内主要の名刺管理アプリケーションと連携しております。クリックだけで自動的にかつ間違いなく名刺管理アプリケーションとデータ共有できるため、社内に蓄積する全ての名刺情報をリードナーチャリングの対象にできます。
https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation/features/bizcard-app

ステップ2:お客さまの購買行動プロセスを整理・理解する

リードナーチャリングでは、お客さまの購買行動プロセス(カスタマージャーニー)をしっかりと理解しなければなりません。

カスタマージャーニーを学ぼう
カスタマージャーニー作成する際のポイントについてまとめました。詳しくは「すぐに理解できるカスタマージャーニーの解説」をご覧ください。

リードナーチャリングをこれから手がける場合は、お客さまの購買行動プロセスは非常にシンプルに「調査」「検索・検討」「比較・稟議」程度に考えておきましょう。

購買行動の各段階で、それぞれ異なる情報をリードナーチャリングで届けられれば、効果あるリードナーチャリングを手がけることができます。

ステップ3:お客さまの購買段階に適した情報(コンテンツ)を用意する

次にリードナーチャリングで届ける情報・コンテンツを準備します。

リードナーチャリングのためのコンテンツは、それぞれのプロセスで見込み客はどのような状態で、次のプロセスに進むにはどんな情報や条件が必要か?という点について考えるだけです。

「課題の認知・形成段階」にある見込み客に対して、個別デモや個別相談会という形式でコンテンツを提供してもうまくいきません。リードナーチャリングというよりも、販売行動に近いですよね。

リードナーチャリングのコンテンツを作成する時は、リードナーチャリングの対象となる見込み客にどんな行動を起こさせたいのかを決めておきます。さらに、自社が期待する行動を起こさせるための仕掛けが設定されているのかを確認しましょう。

ステップ4:リードナーチャリングの対象見込み客をランク分けする

リードナーチャリングから有望な見込み客を探し出すやり方として、スコアリングという方法があります。

スコアリングについて
リードナーチャリングにおけるスコアリングの意味合いは、「優先的に営業活動をすべきかどうかを判断する際の指標」です。通常のスコアリングは、顧客行動を数値化したものであり、行動に対しての点数をあらかじめ設定しておく必要があります。詳しくは「リードスコアリングを始める前にしっかり理解しておくべきリードスコアリングの基礎」をごらんくださいませ。

例えば、昨日(過去1日)のスコアの高い順に見込み客を抽出し、該当する見込み客の行動履歴を見ながら折衝を試みます。

リードナーチャリングでスコアリングを活用するこの方法は、テレマなどでよく使われます。

少数にコンタクトをする場合には、リードナーチャリングとスコアリングの組み合わせは有効です。多数の見込み客にコンタクトしたい、リードナーチャリングに関係するスタッフが少ないため、スコアリングの方法では、運用がスムーズに回らないという場合には、次に紹介するリードナーチャリングの方法が便利です。

ステップ5:行動から分類されるニーズごとにアプローチする

リードナーチャリングによって促された見込み客の行動を、そのニーズ別に整理します。ニーズとは、具体的には、Webの閲覧記録です。

見込み客の行動をグループ化すれば、見込み客のニーズが見えてきます。上の図は不動産の例ですが、リードナーチャリングで促される見込み客の行動から、見込み客のニーズは見えてきます。

ここで紹介しているリードナーチャリングのやり方は、マーケティングオートメーションのタグ機能を利用すると実現できます。

先ほどのスコアリングとリードナーチャリングとの組み合わせでは、抽出された見込み客の行動を順番にチェックする必要がありました。しかし、このリードナーチャリングのやり方の場合、行動別に抽出されるため、メールの自動配信、ニーズ別に作成したテレアポ用スクリプトがある場合、などに便利です。

ステップ6:結果を評価する

リードナーチャリングを一通り実施したら、その結果を評価します。

リードナーチャリングの目的は営業活動に値する見込み客を一人でも多く作り出すことです。売上拡大につながることが目的ですので、改善が必要なKPI数値がたくさんあれば、以下の優先順位で改善を行っていくと良いでしょう。

また、カスタマージャーニーを設計した際には、見込み客はどのような心理状態でどのような働きかけで期待する行動を起こしてくれるか、といった仮説を立てたことでしょう。その仮説通りの行動を見込み客は取ってくれているかという視点で結果を検証する必要もあるでしょう。

リードナーチャリングにおけるKPI
リードナーチャリングのKPIを管理するポイントについてまとめました。詳しくは「リードナーチャリングのKPIを管理して売上を伸ばす」をご覧ください。

ステップ7:シナリオを作成して自動化する

リードナーチャリングをここまで一通り実行したら、その結果を見直すべきです。

リードナーチャリングのプロセスの中で、うまくいった部分はできるだけ自動化してしまいましょう。例えば、以下のような

「カタログをダウンロードした見込み客に対して3日おきに合計5通のメールを配信する。」
「その間に資料請求があった場合は、資料請求用のメールを配信する。」
もしくは、
「その間に資料請求があった場合、資料請求用のメールとカタログダウンロード用のメールを並行して配信する」

リードナーチャリングにおけるプロセスの自動化には、マーケティングオートメーションのシナリオ機能が便利です。ツールが自動的に見込み客の行動を検知して、設定されたシナリオにもとづいてリードナーチャリングを実行してくれます。

リードナーチャリングを始める際の3つの注意点

ここまでリードナーチャリングの概要とプロセスについて説明してきました。

次は、失敗しないリードナーチャリングができるよう、リードナーチャリングの注意点について触れたいと思います。

売り込みをしすぎない

リードナーチャリングは、顧客と長期的に良好な関係を築くことです。

すぐには商談につながらない見込み客でも、一気に売り込みをかけずに、リードナーチャリングと通じて信頼関係の構築に努めましょう。

信頼関係を構築するためには、見込み客が抱える課題を解決できるノウハウを提供することを心がけます。見込み客は、あなたのリードナーチャリングを通じて、きっと良いイメージを持っていただけます。

リードナーチャリングの中で、このような見込み客ににも強い売り込みをしてしまえば、将来の商談案件につながる可能性を潰してしまうことにもなりかねません。

マーケティング部門と営業部門がしっかり連携する

リードナーチャリングを担当した部門(マーケティング部門)とクロージングを行う部門(営業部門)の連携が取れていてはじめて確実なクロージングが実現できます。

リードナーチャリングのプロセスの中で、営業に案件を引き渡す定義を明確にしておくことも大切です。両部門が思い描いているペルソナが異なれば、案件をクロージングするのも手間がかかってしまうでしょう。他社に案件を取られてしまうこともありえます。

ペルソナはリードナーチャリングでも大切です
ペルソナとは、あなたの製品やサービスの理想の顧客の人物像です。くわしくは「誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順」でまとめました。合わせてごらんくださいませ。

リードナーチャリングの効果を高めるために、自社内にインサイドセールスを設置し、案件引き渡し役を演じる組織的なアプローチもよく見かけます。インサイドセールスは、 BANT情報の確認を通して、商談につながる可能性のある見込み客かどうかを見極めます。

インサイドセールスの特徴
インサイドセールスとこれまでの営業の違いについてまとめました。詳しくは「インサイドセールスとは? 今までの営業との違いとメリット」をご覧ください。

シンプルにはじめてPDCAを実行する

いざリードナーチャリングに取り掛かろうと思っても何から手をつけたら良いか迷ってしまいます。リードナーチャリングを始めると、あれこれ細かいところまで計画しがちです。

リードナーチャリングを最初から細くやろうとしてしまうと、成果が出る前に挫折してしまいます。

リードナーチャリングのアプローチは、本記事で紹介したように、見込み客情報のデジタル化から始めます。はじめはデータ化した見込み客情報を使って、自社の製品やサービスのご紹介や事例のご紹介、セミナーの招待などメールを配信することから実施してはどうでしょうか。シンプルにはじめて、実際の見込み客の反応を見ながら、コンテンツ内容や接触のタイミングなど改善していくのが良いでしょう。

さいごに

見込み客との良好な関係構築によるリードナーチャリングは商談数、受注数の向上につなげることができるという点で最近多くの企業で注目を集めています。リードナーチャリングの基本について、ご理解いただけたでしょうか。みなさまのマーケティング活動のお役に立てれば幸いです。

この記事の参考資料

商談づくりに欠かせないリードナーチャリングの概要とプロセスを解説しています。