コンテンツマーケティングで知っておきたい3つの基本
コンテンツマーケティングという言葉をご存知だろうか?
コンテンツマーケティングは特に新しい概念や手法ではない。2000年頃のインターネットの普及に伴って、コンテンツマーケティングを取り入れる企業が徐々に増えてきた。
ユーザが情報自ら情報を探し出し、情報を蓄積し、そして共有するという一連のネット特有の行動パターンが定着しつつある。この行動がコンテンツマーケティングと相性が良く、注目が集まる理由のひとつである。
コンテンツマーケティングは、広告や宣伝に比べればコストが安く、比較的簡単にはじめられ、そして優良な見込み顧客が獲得しやすいというメリットがある。
あなたの会社がBtoB型のビジネスであれば、専門性も高くノウハウもあるため、コンテンツマーケティングは今すぐ始められるのではないだろうか?BtoCでも、価格重視の販売スタイルでなければ、コンテンツマーケティングには十分に対応できる。
あなたの会社でもすでに、コンテンツマーケティングを検討しているだろうか?
本日は、注目を集めているコンテンツマーケティングについての概要を紹介する。今回は、コンテンツマーケティングのWhy、What、Howについて触れていく。
なぜ今、コンテンツマーケティングなのか?
コンテンツマーケティングが注目をあつめる大きな理由は、ユーザのネット上での振る舞いにある。
あなたがWebサイトを運営し、Web サイト解析を行えばすぐにその理由は分かるだろう。検索エンジンからの訪問者の占める割合がかなり多いはずだ。
2000年以降、コンテンツマーケティングが注目を集めはじめた頃から、インターネットでの検索エンジンの利用が増えた。検索エンジンがインターネットで定着すると、ユーザは探し求める情報に合わせた検索ワードで、検索エンジンからコンテンツを探し出す。
コンテンツマーケティングは、インターネットユーザの情報検索の流れをうまく利用している。つまり検索エンジンから探し出されるコンテンツである必要がある。そのため、コンテンツは検索エンジンの上位に表示されなくてはならない。
検索エンジンと並んでマーケティングに利用されるツール、それがソーシャルメディアだ。ソーシャルメディアでは、パブリックやソーシャルメディア上でつながった友達やグループに対して情報を発信する。自分自身の行動や状況をアップデートする場合もあれば、ソーシャルメディア上でのつながりに対して有益な情報を共有(シェア)することもある。人気がある投稿はさらにシェアされ、瞬く間にソーシャルなネットワーク上に情報が展開される。
ソーシャルメディア上での人気のコンテンツは、このソーシャルメディアのつながり上を爆発的に広まる。マーケターがソーシャルメディアを比較的好む理由がここにある。
コンテンツマーケティングは、ソーシャルメディアの情報の広がり方と相性が良い。これは明らかだろう。
インターネットでの多くのウェブサービスがある。パソコンでインターネットをすることもあれば、モバイルでも十分にインターネットができる。検索エンジンで情報を検索したり、RSSなどで定期的に情報をあつめることもある。
そして有益だと思った情報を保存するインターネット・サービスやアプリケーションや機能が登場した。有益な情報は、このようなサービスやアプリケーションを使って保存するユーザも少なくない。自分にとって有益な情報を、好きな方法で保存するようになった。さらにその保存内容を共有するサービスもある。
コンテンツマーケティングは、まるでカタログのように、ユーザが好みのコンテンツを保存&共有する仕組みが利用できる。
コンテンツマーケティングは自らが発展・成長してきたというよりも、コンテンツマーケティングを取り巻く環境が、コンテンツマーケティングの効果を後押ししていると言える。
コンテンツマーケティングとはいったい何だろう
コンテンツマーケティングについては、ここまで読むとおおむね推測がつくのではないだろうか。
コンテンツマーケティングは、マス向けの広告とプル型・プッシュ型の点では相反する。ここで必要なのはプルだ。ユーザが自発的にあなたのコンテンツを探し出す。
コンテンツマーケティングでは、ユーザが探し求める情報を提供するだけでは効果が薄い。コンテンツマーケティングでは、ユーザが欲しいと思う、ワンランク上の質の高いコンテンツが求められる。
コンテンツマーケティングでおさえるべき2つのポイント
コンテンツマーケティングには2つの要件がある。
まずは利用者に探し出してもらうことだ。検索エンジンでもソーシャルメディアでも、コンテンツを探し出してもらわない事には始まらない。そのため、検索エンジンに好まれるコンテンツを制作しなくてはならない。これがまず第一のポイントとなる。
注意して頂きたいのは、コンテンツマーケティングがSEO(検索エンジン最適化)そのものでは無い点だ。SEOは、コンテンツマーケティングにおいて、コンテンツを探し出してもらうために対応しなくてはならない必要条件である。
いくらユーザが求める情報が提供できたとしても、それを読んでもらわなくては何も始まらない。
もうひとつは、ユーザを引きつけるコンテンツであることだ。コンテンツを探し出してもらったとしても、それがユーザにとって有益でなければ、じっくり読んでもらえない。じっくり読んでもらえるコンテンツこそが、ソーシャルメディア上のつながりを爆発的に広まっていく可能性を秘めている。
コンテンツマーケティングでは、コンテンツを発見してもらい、じっくり読んで、そして共有や保存してもらう一連の流れによりコンテンツマーケティングの効果が相乗的に高まる。「発見」・「共有」・「保存」がコンテンツマーケティングで提供されるコンテンツの目指すところだ。
ユーザが求めているコンテンツを、ユーザの視点で書き上げよう。「発見」・「共有」・「保存」のいずれも、ユーザの行為であるからだ。
さっそくコンテンツマーケティングをはじめてみよう
コンテンツマーケティングの作業を3つに整理してシンプルに要点を紹介する。
コンテンツマーケティングのためのペルソナを設計する
ペルソナとはあなたのコンテンツの読者層を具現化したものだ。あなたのコンテンツマーケティングのターゲット層をペルソナで特定する。ペルソナでは、ターゲットの特徴を細部にわたって浮き彫りにするため、コンテンツマーケティングを行う際のターゲットの顕在化しているニーズだけでなく、潜在的なニーズまで想定する事が可能だ。
コンテンツマーケティングでは、広告などのようにコンテンツを押し付けるのではなく、読者をひきつけなくてはならない。ブログなどでコンテンツマーケティングを行う際には、定期的にブログ記事を読んでもらう必要がある。
ペルソナを設定し、読者を引きつける読者視点のコンテンツの提供をこころがけよう。
情報収集をする
ペルソナの設定ができたら、提供するコンテンツを検討しよう。コンテンツ作成のための情報収集が次のタスクだ。
コンテンツは自社のものを再利用したり、あらたに作成しても構わない。ペルソナに合わせたコンテンツの提供を忘れないようにしよう。
コンテンツの構想の構想を固めるのと同時に、検索ワードを抽出する。検索ワードは、Google Adwordsのキーワードツールを使って探し出す。ここで選定されるキーワードによって、検索エンジンからの訪問者が誘導される。
検索ワードの抽出は、Adwords内で「検索ボリューム」が多く、「競合性」が低いキーワードを探す。入力したキーワードだけでなく、キーワード候補も入念にチェックしよう。
ターゲットとするキーワードとコンテンツがうまく組み合わない場合には、TwitterやYahoo!知恵袋で検索ワードを入力し、どのような話題がホットか、またどのような情報を求めているかを確かめる方法もある。
コンテンツを作成する
コンテンツはまずは骨子から作成する。WordやEvernoteなどで、箇条書きにしながらコンテンツ全体の骨子(ストーリーライン)を書き出してみよう。いきなりコンテンツを作成し始めるよりも手がけやすい。
コンテンツの最後には、Call To Action(コール・トゥー・アクション)を設定する。あなたのコンテンツを読み終わった読者に何をして頂きたいだろうか?別のコンテンツを読んで頂きたい、あなたの会社が提供するサービスや製品のカタログをダウンロードしていただきたい、セミナーへの参加を促したいなど、都度コンテンツの内容に応じてCall To Actionも変わるだろう。
あまり広告っぽいCall To Actionは好まれない傾向にある。できるだけ自然にさりげなく、Call To Actionを設定してみよう。
コンテンツの骨子が完成したら、コンテンツカレンダーも作成してみよう。コンテンツの内容と提供する日を記入して予定を作成することが目的だが、実際にコンテンツを作成しだすと、過去に提供したコンテンツ一覧にもなり、コンテンツの検討がスムーズに進む。
さいごに
コンテンツマーケティングの概要について紹介した。
コンテンツマーケティングは、顧客視点のコンテンツの提供でありながら、検索エンジン経由での訪問者の獲得と、訪問者をつなぎとめなくてはならない。専門性の高いBtoBビジネスや、価格以外の価値を訴求するBtoCなら、このようなコンテンツを作成することは決して難しくないだろう。