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展示会の案内状や招待状を効果的に演出する方法とは

展示会の案内状・招待状は毎回欠かさずに出しているだろうか?

特にBtoB(対法人)ビジネスでは、展示会はマーケティング活動の中核だ。そのため各社とも展示会には大きな予算がかかっており、展示会の成果を最大化したい。展示内容やカタログ・パンフレットなどの配布物、アンケートやノベルティ・景品選びまで、展示会の準備や演出には余念がない。

展示会で成功を収めるためには、展示会の会期中だけでなく、それ以前から活動は始まっている。

展示会の開催が近づけば、自社ブースへのより多くの来場者を獲得するため、自社のWebでアナウンスしたり、既存顧客や見込み顧客へと案内状・招待状の送付を行う。

展示会の案内状・招待状は、意外な効果を発揮する。自社の持つ見込み顧客のデータベース全員に同じ内容の案内状・招待状を送ったりしていないだろうか?

もし同じ案内状・招待状を一斉配信しているなら、次回からは少し工夫してみてはいかがだろうか。

展示会での新規リードの獲得は主催者次第?

業界の展示会に出展するメリットは、自社で集客しなくても展示会の主催者が集客をしてくれる点にある。展示会のテーマにあった来場者を集客するために、あなたの会社に変わって主催者が広告を出したり、案内状や招待状を送付している。

もちろん、あなたの会社のブースにやってくる来場者は主催者が広告や案内状、招待状で呼び寄せる来場者のプロフィールに大きく依存する。同様に獲得できる新規の見込み顧客数も主催者の集客数や、会場全体の収容人数によっと異なる。来場者数が5千人のイベントと10万人のイベントでは、あなたのブースへの来訪者は異なるだろう。

あなたのブースの会場内の位置や小間の大きさにより、来場者が立ち寄る「確率」が変わる。この確率の母数は、展示会そのものへの来場者だ。したがって、展示会への出展における新規リードの獲得は、出展する展示会主催者に大きく依存してしまう。

主催者がターゲットとする来場者を事前に十分に確認しておこう。

自社の製品やサービスのメインのターゲット顧客に絞り込んだソリューションや製品の展示は無駄だ。来場者のプロフィールに合わせて絞り込んだソリューション・製品を展示すべきだ。

案内状・招待状を送る前に、競合各社の参加状況を確認してみよう

どんなビジネスにも競争相手はいる。競争相手、つまり競合がいないビジネスなら、わざわざ展示会に出展する必要もないだろう。展示会には、当然あなたの競合も出展するはずだ。

まずはあなたの競合の出展状況を確認してほしい。たくさん競合が見つかっただろうか?

展示会にあなたの競合が多数出展するなら、それは良いニュースかもしれない。出展者の立場では、多くの競合が出展する事はあまり望ましい事ではない。来場者を競合に取られる可能性があるか。

しかし来場者の立場でみれば、より多くの興味がある分野のソリューションとそれを提供するメーカーが展示会に出展していればしているほど好ましい。興味・関心の高い分野のソリューションが多ければ、「この展示会に行ってみようかな」と思うはずだ。

来場者の来場目的は「調査・情報収集」や「検討案件製品の評価や買い付け」が大半である。一度に多くの情報が収集できるため、展示会場に多数のメーカーが別々の製品やソリューション(アプローチ)を紹介している方が好ましい。したがって、あなたの競合ソリューションや競合メーカーが多い展示会では関連分野の情報量が多くなるため、あなたの製品に関心を寄せる来場者が増える可能性が高い。

さて、このように競合の出展が多い展示会でも、案内状・招待状を自社の見込み顧客へと送ってみてはいかがだろうか。

案内状・招待状を送れば、競合ブースより優先してあなたのブースへと来訪してくれくれる可能性が高まる。

いまどき、インターネットで情報などいくらでも検索できる。あなたの見込み顧客もあなたの競合製品を認識しており、すでに比較・検討しているため、案内状・招待状を送って来場してもらったくらいで機会損失にはならないだろう。むしろ競合が案内状・招待状をあなたの見込み顧客に送っている方が脅威だ。

案内状・招待状を送る時点でどれだけ新規リードの獲得が読める

展示会で接触できる見込み顧客は、新規と既に顧客情報を保有する既存に分類できる。

新規獲得顧客数は、展示会の来場者数や、あなたの製品に対する来場者の興味・関心次第だろう。競合の出展状況も含み、展示会主催者のマーケティング・営業活動の結果に依存する。ここはあなた自信でコントロールできない。

しかし、展示会の案内状・招待状を送る時点で、おおよその来場者数と来場者のプロフィールを予測できる。競合関係の出展状況を調べれば、展示会の案内状・招待状を送る段階ですでにあなたのブースへの来場者数はおおよそ読めるのではないだろうか。

自社保有のリストへの展示会の案内状・招待状の送付は慎重に

一方で、既存保有リード(見込み顧客)の購買意欲、興味・関心を高める活動は、自社でコントロールできる。展示会により多くの来場者が欲しいからといって、あなたの持つ顧客リストの全てに案内状・招待状を送っていないだろうか?

リードの業種、役職などに応じて、それぞれ別の展示会の案内状・招待状を送っているだろうか。しかし、それよりももっと大事なやり方がある。

展示会の案内状・招待状は、リードの購買プロセスの段階別に送るべきだ。購買プロセスによって必要な情報が変わる。

もし展示会の案内状・招待状の内容が、あなたの会社の製品をよく見ていたり、メルマガやブログの登録者であれば、実機のデモや担当者の詳細な説明を好むであろう。来場の日時の詳細を伺って、会場での個別アポをとっても良いくらいだ。

しかし、情報収集レベルで展示会へと来るターゲットにとって、実機のデモや担当者の詳細な説明は少々うっとうしいかもしれない。このようなリードへは、有益な情報や、ステージプレゼンなどの情報を案内状・招待状に掲載するのが好ましいだろう。

展示会の案内状・招待状は、リードの興味関心の度合いや、購買プロセスの段階に応じて、別々の案内状を送付した方が良いはずだ。

リードの興味・関心は、SFAなどの営業訪問結果からも分かるし、Kairos3のようなオンライン・マーケティングツールでも、あなたの会社が送るメール配信への反応や最近のWebへの訪問履歴から推測できる。

さいごに

展示会は、案内状・招待状の送信を検討する時点で概ねその結果がみえているのではないだろうか?

展示会をあなたのマーケティング戦略の一環と考えて、既存リードの興味・関心をより高めるイベントとして捉えれば、リードの購買プロセスの段階別の案内状・招待状を作成し、該当するリードへと送るだろう。案内状・招待状の内容に困る事は無いはずだ。