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CMOとは?〜CMO役割について理解を深めよう

CMOという言葉を耳にしたことがありますか?

米国企業では、3文字の役職が多くあります。CMOもその一種です。

最近では、世の中の不確実性が増しているだけでなく、インターネットを企業戦略に取り込もうとする企業の思惑から、CMOという仕事がより注目を集めています。

1.CMOとは

まずはCMOについて理解を深めていきましょう。

CMOはChief Marketing Officerの略です。CMOは日本語に訳すと、「最高マーケティング責任者」となります。

CMOは、マーケティング先進国である米国では、おおむね約半数の企業で設置している役職です。

日本におけるCMOの設置状況
日本では、あるデータによれば、わずか4%の企業しか設置していない役割になります。

CMOは、会社の経営陣のひとりになる場合がほとんどですが、CMOは会社の組織の中でCEOやCOOが上司となります。

2.CMOの仕事

CMOの仕事について具体的にみていきましょう。

2-1.そもそもCMOは役員・経営陣である

CMOは、いわゆる経営陣であり、多くの場合では会社役員です。CMOは、全社のマーケティングを会社経営の視点でとらえなくてはなりません。

最近ではどの市場でも不確実性が強くなっています。CMOの役割は経営陣の中でも難しく、そして重要なポジションになっています。不確実性が高い市場こそ、顧客の声を常に大事にすべきかもしれません。

2-2.CMOこそが全社戦略の中でマーケティングを定義する

最近では、市場の変化が早い上に、お客さまの購買行動も急速に変化し続けています。多くの企業では、お客さまの声をマーケティング活動に取り込む努力を欠かしていません。

こういう事実がありながらも、CMOの役割はまだまだ機能的であり、広告やブランディング、顧客接点を増やす活動が中心であると言えます。

CMOは経営陣の1人として、全社戦略にかかわらなくてはなりません。企業が営む事業や事業における戦略によってマーケティングの定義が変わるため、全社戦略の中で、自社の戦略を実現する「マーケティング」を定義することからはじまります。

自社の資産価値を向上するためのブランディングに注力したり、新しいコンセプトを持つ製品を市場に投入するために、営業もマーケティングの一環と考えたりするなど、CMOが接するマーケティング領域は、営む事業と企業戦略によって変化します。

2-2.CMOが定義したマーケティングの社内での実践と浸透

CMOは全社戦略にマッチしたマーケティング戦略を実行していかなくてはなりません。そのために、CMOが率いるマーケティングのチームがすばらしい仕事ができるように、必要なツールを整えたり、しかるべき研修を受講させたりします。

外勤の営業と、マーケティング担当者がそれぞれエクセルを使って顧客情報を整理するのは、まさに非効率です。

このような非効率なプロセスを廃止して、マーケティングオートメーションやCRMを使ってリアルタイムに反映することを実践し、これを短期間で実施するための環境の整備や教育の実施もCMOの役割のひとつです。こうすることで、自社のデジタルマーケティング戦略の実施が可能になるからです。

2-3組織の構築と定義したマーケティングの実践

CMOは、全社の最高マーケティング責任者として、あらゆる社内の部門と接しながら、全社で総合的な付加価値の創出ができるようにします。

言いかえれば、営業であれ、総務や経理などの間接部門をふくめて、社内のあらゆる部門にマーケティングの意識を定着させることが必要です。

CMOを中心として社内のあらゆる部門にマーケティング意識が芽生えれば、これまでの業界の慣習などのあらゆる前提を疑ったり取り払ったりするなど、社内から変革できれば、自社のさまざまなビジネス機会を生み出すことができるはずです。

3.CMOを目指すあなたが身につけたいスキル

あなたがCMOを目指すなら、どんなスキルを身につけるべきでしょうか?ここでは、一般的に身に着けておくべきスキルよりも、CMOになるために特有のスキルについてハイライトしていきたいと思います。

3-1.意志決定と実行力

CMOには意志決定力と実行力が必要です。どんな製品やサービスも、リリースした瞬間から陳腐化が始まります。この陳腐化が起きる一方で、自社のあらゆる事業、商品、マーケティング活動について現行のままを継続するか、改善するかを常に判断しなくてはなりません。

CMOとうい仕事は、常に意志決定と実行を繰り返しになります。

CMOは、MBAやマーケティングに関する知識と洞察力は必要ですが十分ではありません。CMOには、意志決定と実行力はどうしても必要不可欠になります。

3-2.リーダーシップ

CMOは、他の誰かのアイデアに反応するのではなく、会社や自身の目標に対して常に能動的であり、率先して自社内外を創造していく存在であることが理想の姿です。いわゆるリーダーシップ力が必要です。

CMOはその仕事上、社内外の人との接触が多く、あらゆる意見や状況の収集や、メッセージの発信の機会が多くあります。CMOが受け身の態度を取ってしまうと、創造性を発揮するマーケティング戦略の立案や実行は難しいでしょう。

CMOは、社内外で常にアンテナを張り巡らせ、課題の新しい解決方法を導入し、どのような選択肢があるのかを常に考え続けます。

他の誰かによって提示された選択肢を絞り込んだり選んだりするだけのCMOでは、事業の継続的な発展は望めるとは言えません。

3-3.テクノロジーへの理解

マーケティングは急速にテクノロジーに最も依存することになった業務分野の1つと言えます。多くの企業がデジタルマーケティングに急速に依存し始めていることが主な理由です。

CMOは新しいテクノロジーの理解にいち早く努めましょう。この新しいテクノロジーにより可能になるアプローチを経営陣に提言することで、会社の戦略を支援できます。CMOがテクノロジーに明るければ明るいほど、デジタルマーケティング戦略の幅が広がるでしょう。