年末年始にマーケターが読むべき本9冊
年末年始休暇もすぐ目の前になりました。みなさんは年末年始の予定は決まりましたか?
今年もマーケティングにはさまざまな変化がありました。来年につなげる休暇にしていただきたく、今日は2013-2014年の年末年始休暇に読むべき本を紹介したいと思います。
マーケティングを学ぶ一番の方法は「実践」です。トレーニングの受講やMBAの取得、専門書を読むのが好きなアメリカでさえ、「75%のマーケターがOJTやトライ&エラーでマーケティングスキルを身につけた」と述べています。(出典:SIRIUS DECISIONS)
実践でマーケティング力を効率よく身につけるためには、基礎力が必要です。何事も基礎を理解していなくては、応用力がつきません。
そこで今日は、年明けからの実践でより多くのマーケティングを学んでいただけるよう、年末年始休暇にマーケターの基礎体力をつけるための本を紹介していきます。
はじめに
近年ではマーケティングの範囲が急速に広くなっています。4P(マーケティング・ミックス)だけでは、効果の高いマーケティング活動を演出できません。
そこで、マーケターが身につける基礎体力を「マーケティング基礎」、「戦略」、「思考力」、「表現力(プレゼンテーション)」、「ライティング」、「デザイン」の6つの領域に分け、それぞれで年末年始休暇に読むことを推奨する本を選出してみました。
マーケティング基礎
マーケティング基礎では、教科書やMBAのマーケティング論を理解を目的とした本を紹介します。マーケティングの基礎を身に付ければ、業務や考え方を大きく伸ばせます。
マーケティングの基本
マーケティングの基本
すばる舎(2012/12/03)
この本は、かつての「マーケティングの基本」からの改訂版です。マーケターが知っておくべき、マーケティング論の基本が丁寧に図解入りで解説されています。
教科書的なマーケティングが実務フローに沿って解説されているため、本の内容を業務と照らしあわせて考えやすい構成となっています。
本当に教科書や大学の授業的な「マーケティング論」を学びたい方や復習したい方におすすめです。
コトラーのマーケティング・コンセプト
コトラーのマーケティング・コンセプト
東洋経済新報社
マーケティング基礎の2冊目は、マーケティングにおける有名人、フィリップ・コトラー氏の著書です。マーケティングを学ぶというより、マーケティングの考え方を身につける1冊です。
企業にとってマーケティングとはどうあるべきか?を根本的に考えさせられます。
プロフェッショナルの原点
プロフェッショナルの原点
ダイヤモンド社 (2008/2/16)
マーケティングの基礎とは少し離れますが、マーケターが仕事の取り組み方の姿勢に関して学ぶべきことが非常に多くあります。
ドラッガーは企業経営などにおいて有名な教授で、その著書もたくさんあります。ドラッガーを学ぶなら、その著書をゆっくり読んでいただきたいのですが、マーケターとして業務に取り組む姿勢を学ぶ上では、この本がおすすめです。これまでのドラッガー氏の格言を簡潔にまとまっています。
プロのマーケターとして「とるべき行動」や「身に付けるべき姿勢」など、参考になる格言がたくさんあります。
戦略論
マーケティングは、企業戦略と密接に結びついている部分が多くあります。年明けからの予算申請や来年度からの戦略的マーケティング戦略を考案・立案したい方におすすめです。
戦略立案ハンドブック
戦略立案ハンドブック
東洋経済新報社 (2002/03)
この本は海外のMBAでも教科書として採用されてきた、戦略論で有名な本です。戦略立案時に検討すべき項目について網羅されており、そのアプローチ方法を解説しています。
年末年始には、戦略立案時の大まかな流れと検討必要項目、取りうる戦略オプション程度を頭に叩き込んでおき、実際の業務でまさにハンドブック的に使うのが効果的ではないでしょうか。
アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術
アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術
海と月社 (2011/1/26)
この本は、起業に関する本なのですが、マーケターが学ぶべきことがたくさんあります。理論ばかりでは動かない現場、特にスタートアップ(ベンチャー)の経験から学んだことが、計画の立て方、販売宣伝、仕事術、プレゼンやスピーチのスキルに至るまでまとまっています。
思考力
思考力はロジカルシンキング(論理的思考力)に関する本の紹介です。ロジカル・シンキングは、物事の整理がうまくなるだけでなく、説得力のあるメッセージの構成や問題解決など、ビジネスの場において広く活用できる個人の能力です。
ロジカル・シンキング
ロジカル・シンキングといえばもう一冊、バーバラ・ミントの有名な本があります。しかし今回は、年末年始休暇に読む本として、読みやすく比較的わかりやすい照屋さんの本を選びました。
ロジカル・シンキングは、仕事上ではコミュニケーション能力を格段に高める良いツールです。相手が何が言いたいのか、足らない情報はなにか、自分は何をどのように伝えるべきなのか、この問題点の本質はどこにあるのか、などの思考を使う際にも役立ちます。
ロジカル・シンキングは、マーケティング力に似ていて、本を読んだだけでは身につきません。実践で意識して使えるよう、実践&復習の繰り返しで徐々にみについていきます。
続編の、「ロジカル・ライティング」もおすすめです。
プレゼンテーション
プレゼンテーションは、構成やスライド作成と、演出(デリバリー)にわかれます。年末年始休暇は堅い話はおいといて、気分転換に演出(デリバリー)を学んでみましょう。
マーケターが身に付けるべき構成やスライド作成は、アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術やロジカル・シンキングでも学べます。
ザ・プレゼンテーション
ザ・プレゼンテーション
ダイヤモンド社 (2012/9/7)
英語版は数年前からあったのですが、昨年日本語に翻訳されました。文章は翻訳色が残っていますが、内容はおすすめです。特にプレゼンテーションの構成と演出面で学ぶべきことがらが多い本です。社内、社外のプレゼンはマーケターにとって力の見せ所ですね。
本で紹介されている動画は、公式サイトでみることができます。この動画も合わせてみるようにしましょう。
文章の書き方
Googleのアルゴリズム変更など、最近ではマーケティングでも文章力がより必要とされるようになりました。年末年始に文章力の基礎を身につけ、年明けから実践で文章力アップをねらいましょう。
伝わる! 文章力が豊かになる本
伝わる! 文章力が豊かになる本
高橋書店 (2012/1/7)
文章力はちょっとした工夫で格段に向上します。この本では80項目に渡って表現力や語彙力のヒントがつめられています。見開きで1つの項目について解説しているので、大変読みやすく、またハンドブックのようにも使えます。
文章力も本を読んだだけではなかなかみにつきません。まずは年末年始に基本的な知識を習得して、年明けから何度のこの本を読み返しながら実践で文書力アップをねらいましょう。
デザイン
資料作成や製品資料、デザイナーが作成したフライヤーのレビューなど、マーケターにデザインセンスは必須です。自分でデザインできなくても、良いデザインの基本を身につけておかなくては、あなたの製品やサービスも、その良さをアピールできず思ったより売れなくなってしまいます。
年末年始では、デザインの基礎を感覚的に身につけておきましょう。そのための1冊を紹介します。
デザインの組み方 見てわかるレイアウトの新ルール
デザインの組み方 見てわかるレイアウトの新ルール
誠文堂新光社 (2011/9/21)
スライドやフライヤーの作成で必要不可欠な、基本のレイアウト、写真やイラストの取り扱い、配色など、マーケターが知っておきたいデザインの基本が紹介されています。
良い例と悪い例が比較して掲載されており、デザインの効果を視覚的に理解できるところがおすすめです。
さいごに
2013-14年の年末年始にマーケターが読むべき本を9冊ほど紹介しました。今年の年末年始休暇は9日になりそうですので、ちょうど1日1冊になりますね。
どれも、マーケターとしての基礎体力をつけるために有益な本ばかりです。年末年始に基礎を復習して、年明けからマーケティング力を十分に発揮できるよう準備しておきましょう。