マーケティング部門を新たに設立したり、新たにマーケティングの仕事につく方が最も多い時期が4月です。
もし新たにマーケティング部門を立ち上げたり、他の部門からマーケティング部門に移ってきたら何をしたらよいでしょう?
マーケティング部門をこれから立ち上げたり、新たにマーケティングの仕事をされる方のヒントとなる経験則をまとめてみました。みなさんのご参考になれば幸いです。
1. とにかく他部署とコミュニケーションをとる
マーケティング部を立ち上げたり、新しくマーケティングの部署に異動になった時、Webやブログを立ち上げたり、展示会やセミナーなどのイベントをしたり、など、多くの場合、今すぐやるべきことが決まっています。
マーケティング部の立ち上げや、マーケティング部に異動になった時のこれらの仕事は、他の部署との連携がほとんど必要ありません。そのため、他の部門との連携や協業をそれほど意識しなくても仕事が進みます。
ところが、中長期にわたるマーケテイング計画やマーケティングの戦略になると、大きな仕事をやりとげなくてはならないため、営業や開発、総務やIT部門など、他の部署との連携が欠かせません。
マーケティング部が他の部署と連携できなければ、製品や営業のメッセージが会社のミッションやバリュープロポジションと噛み合っていなかったり、製品のメッセージにも関わらず作り手の目線で技術用語や専門用語が並んでいて、お客さまが理解しにくいなどの問題があります。
このように他部署との連携が乏しければ、マーケティング部の肩書ほどに大きな仕事ができません。
マーケティング部がうまく機能していない失敗例
- 製品や営業のメッセージが会社のミッションやバリュープロポジションとかみあっていない
- 製品メッセージが作り手視点で専門用語や技術が並んでいるだけでお客さまの悩みに触れていないため、お客さまに響かない
- お客さまが本質的に必要な機能が製品に実装されていない
マーケティング部は教科書通りのマーケティングの知識も必要ですが、他部署との関係構築のスペシャリストとしても社内で機能しなくてはなりません。
それぞれの社内の専門家には、技術用語、専門用語、社内用語を使う使わないなど各専門家特有の話し方もあります。これらを身につけることもマーケティング部のコミュニケーション能力として必要であり、社内の円滑なコミュニケーション、他部署との連携に欠かせません。
2. マーケティング部の仕事は、何もかもシンプルに
マーケティング部に異動になった時のよくある失敗談に、マーケティングを戦略的に進めるためには、4P(マーケティングミックス)の全ての要素が含まれているべきであると考えてしまいます。
マーケティング部が戦略的なアプローチをするためには、検索エンジン最適化やソーシャルメディア、自社のWeb、イベント、ブランディング、チャネル戦略、などあらゆるマーケティング活動を包括して考えてしまいがちです。マーケティングの教科書やセミナーでも、こうした包括的なアプローチを説明するため、誤解が生じやすくなっています。
しかし実際は違います。
マーケティング部の実際の仕事は、できるだけ少ないことを集中してこなすべきです。マーケティング部を立ち上げたり、新しくマーケティング部に異動になった時にもあてはまります。
マーケティング部の仕事は、特に初期の段階では、量よりも質にこだわるべきです。十分でない予算と人員では、十分に質が出せない仕事はすべきではありません。お金をかけて全てに手をかけると結果が中途半端になりがちで、その結果、お金と人件費の無駄遣いになります。
マーケティング部のシンプルな仕事を阻害する要因は、「上司」と「完璧主義」です。
あなたがマーケティング部に責任がある立場なら、上司は部門長や経営陣になるでしょう。このような立場の方からは、「あれはどうしてやらないの?」と聞かれることが多くあります。最近では、「なぜうちはソーシャルメディアをやらないの?」などの質問がこの問題にあたります。
マーケティング部で手の届かない多くの事を手がければ、リソースの無駄遣いになり結果がでません。多くの予算が配分されると、よくこの問題に陥ります。
もう一つのマーケティング部の問題は「完璧主義」です。完璧なマーケティング戦略を手がけると、多くのリソースの無駄が発生します。
この対策として、80%程度の完成度で評価してみて、結果が得られそうであればできるだけ100%に近づけるアプローチが効果的です。
上司が完璧主義の場合は要注意です。まずは量より質+80%ルールで対応できるように心がけましょう。
3. マーケティング部のお仕事は仮説と検証が基本
マーケティング部の仕事は、仮説と検証の繰り返しです。製品や顧客の仮説を設定して、それをインタビューやヒヤリングなどの市場調査によって明らかにしていきます。この積み重ねで、すばらしい中長期のマーケティング計画やマーケティング戦略が完成します。
マーケティング部が行う調査は、製品リリース前だけではありません。特に製品リリース前の調査は仮説が非常に多く見落とす点が多くあります。これらは製品を市場投入後に成長の阻害要因にもなります。製品の市場投入後に実際の顧客に聞いてみて初めて分かるニーズや要望も多くあります。
マーケティング部は製品を市場に投入した後にも、常に調査や顧客フィードバックを忘れないようにしましょう。顧客のフィードバックによって、あなたのマーケティング部の戦略や、個人の仕事のやり方を正しい方向に修正し続けるべきです。
4. マーケティングの仕事をドキュメントにしておこう
マーケティング部が十分なリソースを持つことはかなり稀です。しかし、マーケティング部からスタッフが異動になったり、退職になることは避けられません。会社が成長してマーケティング部が大きくなっても新しいスタッフが入ってきます。
新たなスタッフが入ってきたら、必ずマーケティング部の仕事を教える必要があります。リソースが常に十分でないマーケティング部の悩みの種です。
このような問題を避けるために、新しいスタッフがマーケティング部に配属されることを考慮して、マーケティング調査や分析の方法、セミナーや展示会の準備から運営、関連するツールの使い方などあらゆる仕事のプロセスを文章にしてしまいましょう。これを読めばマーケティング部の仕事ができるように。
文章化の方法はなんでも構いません。MS Wordで文章にしたり、手描きのフローをスマホの写真で撮って資料におこすなど、内容がわかればどのような方法でも構いません。
5. マーケティングオートメーションを導入する
マーケティング部の仕事の多くはマーケティングオートメーションのソフトウエアが解決してくれます。
展示会やセミナーで新たに獲得した見込み客のフォローアップや、そのアプローチの方法までマーケティングオートメーションに設定して、1,2分程度で実行できるようにしておきましょう。
マーケティングの仕事が文章化されているなら、なおさら簡単です。特別なスキルがなくても、売上につながるデジタルマーケティング活動ができます。
試行錯誤を繰り返さない決まったタスクこそ、マーケティングオートメーションに最適です。
参考 はじめやすい料金体系だから選ばれているマーケティングオートメーション
まとめ〜マーケティング部の運営とマーケティングのお仕事〜誰も教えてくれないの5つのコツ
新しいマーケティング部を立ち上げたり、他部署から新たにマーケティング部に異動してくることは非常にエキサイティングです。
マーケティングの仕事はとにかくシンプルに始めて、徐々に改善を加えながら結果を大きくすれば、後々すばらしいマーケティング活動が実現できるでしょう。