そろそろ夏休みの季節になってきました。みなさんも夏休みの予定は決まりましたか?
夏休みは、日頃のマーケティング業務をお休みにして、リフレッシュする良い機会です。欧米では2,3週間の夏休みを取るマーケターも多くいます。彼らは夏休み明けに、ベストな状態で復帰できるようしっかりとリフレッシュ&充電をして職場に戻ってきます。
日本では長期の休みを取るのはなかなか難しいです。しかし、夏休みの旅行の移動中など、本を読んでこれまでの業務から学んだことを体系的に理解したり、休み明けに向けて充電するなどに使うのも良いかもしれません。
マーケターが夏休みに読んでおきたいおすすめの10冊の本をまとめてみました。夏休み期間の読書のために参考になれば幸いです。
1.スティーブ・ジョブス
ウォルター・アイザックソン 著
アップル創業者であり元CEOであったスティーブ・ジョブス氏の破天荒な生き様を描いた本です。
会社は安定な組織構造、リスクばかりを気にしたオペレーションばかりで、挑戦がなければ会社も、そして会社を取り巻く社会にも進歩やイノベーションがありません。既存の技術の中からイノベーションを引き起こすことは可能であること、社会的ブームを巻き起こすことが可能であること、そんな事を教えてくれる一冊です。
2.イノベーションのジレンマ
クレイトン・クリステンセン 著
お客さまの意見に耳を傾け、新しい技術への投資を積極的に行い、品質の高い製品やサービスを提供しながら、他社との差別化を図る教科書的な戦略を実行している業界トップの優良企業。まさに優れた経営です。
しかしながら、この優れた経営のために業界トップの座を失ってしまうことがあります。業界トップの優良企業には、必ずこのジレンマに直面します。そのジレンマを解き明かすのが、この本です。
会社で習ったマーケティングを、イノベーションのジレンマの観点から見つめなおしてみましょう。
3.Personal MBA――学び続けるプロフェッショナルの必携書
ジョシュ カウフマン 著
MBAで学べる基本がコンパクトにまとまっています。日々のマーケティング業務から学んださまざまな事をこの本で整理してみましょう。気になった分野は別の書籍などで、更に深堀りしてみるのもよいでしょう。
知識の習得と、その応用(実践)はセットです。どちらか片方だけでは十分なビジネススキルが身につきません。多くのビジネススクールでも「ケーススタディ」があります。MBAで学べる基礎がこの本で体系立てて理解できたら、夏休み明けからいよいよ実践してみましょう。
4. ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー
マイケル・ワトキンス 著
マーケティングという仕事は、社内外で多くの人と一緒に仕事をします。マーケターには、コミュニケーション能力やリーダーシップは欠かせません。
この本はマーケター向けではなく新しく着任したリーダー向けです。しかしマーケターが社内での振る舞いや調整に非常に役に立つ情報やノウハウが多くあります。夏休みにゆっくりと読みたい一冊です。
5. WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う
サイモン・シネック 著
市場での競争が激しくなった今、差別化戦略では長期にわたって優位性を確保することが難しくなってきました。イノベーションを引き起こして、新しい市場や時代を切り開くには「WHY」が重要であると本書では主張しています。
製品やサービスの仕様(WHAT)だけでなく、人々は、なぜあなたの会社がその製品やサービスを扱うのかというWHYに共感して買うようになっています。この本を読んで、あなたのWHYについて見つめなおしてみましょう。
6. ずる 嘘とごまかしの行動経済学
ダン・アリエリー 著
ダン・アリエリーの三作目。前二作では、人間の選択や行動のパターンを解明しそれぞれのもたらす影響を議論する、いわゆる行動経済学の本でした。本書も行動経済学について書かれていますが、ネガティブな半面、つまり「ずる」や「ごまかし/不正」に着目している点がユニークです。
7. キャズム
ジェフリー・ムーア 著
ハイテク業界のマーケターには是非読んでいただきたい一冊です。製品にはライフサイクルがあり、ライフサイクルの段階によってターゲット顧客が変わります。そして製品のライフサイクルの段階と段階の間には「溝(キャズム)」が存在します。
マーケターは、自社が製品ライフサイクルのどこの一にいるのかを、限られた不確実な情報からできるだけ正確に把握しながら、戦略的に「キャズム」を乗り越えていく必要があります。あなたは自社が迎える潜在的なキャズムに同対応しますか?
8. ザ・プレゼンテーション
ナンシー・デュアルテ 著
マーケターにとってプレゼンの良し悪しは、自身の評価にも跳ね返ります。プレゼンテーションの技法は必ず身につけておきたいマーケターのスキルです。
本書は、米国でプレゼンテーションやビジュアルの制作を専門にする会社のCEOが書いた実践書です。スライドの作り方よりも、プレゼンテーションのストーリーの作り方から、実際のプレゼンテーション(デリバリー)まで触れられています。事例も多く、アメリカ流のプレゼンテーションが理解できる一冊です。
9.LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
シェリル・サンドバーグ 著
(コメントは次項参照)
10. そのひとことが言えたら…―働く女性のための統合的交渉術
リンダ・パブコック 著
マーケティングは女性が比較的多く所属する部門です。女性が社会の中でもっと活躍して、マーケティング部門の活性化を目指さなくてはなりません。
女性の社会や会社での登用は、今後の少子高齢化の時代に突入する日本の経済を活性化させ続けるためにも必要不可欠です。女性だけでなく、男性のマーケターも読んでおきたい本です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?まだ読んだことがなく、興味がある本は夏休みに是非読んでみてください。
夏休みでなくても、通勤や土日の読書にも参考になれば幸いです。
(Photo by INSPIRATIONFEED.COM)