営業の使命は、お客さまとの売買契約を締結し、案件をクロージングすることだ。これが企業の売上げにつながる。
BtoBビジネスでは、売買契約に至る大事な場面で、営業マンの存在は欠かせない。お客さまと確実に売買契約を締結するため、各社とも優秀な人材を営業部門に配置する。
市場が成熟し、モノやサービスがあふれてきた最近では、製品やサービスの差別化がより難しくなった。各社とも製品やサービスの差別化に加え、お客さまとのコミュニケーションの質を高めるよう、顧客対応での差別化にも注力している。営業活動では、コンサルティングやマーケティングの要素が必要となることもある。
しかし営業活動のリソースにも限りがある。無限に営業リソースを増やせば良い訳ではない。効率化が要求される。
本日は企業の営業活動の効率と、それを高める方法について議論していこうと思う。
営業活動の効率とは?
まず最初に営業活動について定義しよう。ここでは営業活動のゴールを売買契約の締結とする。簡単に言えば、売上ることだ。
この前提で、営業活動の生産性について考えていこう。
営業活動の生産性は、ひとりあたりの営業マンのパフォーマンスがベースとなる。つまり営業マンあたりの営業効率だ。
営業効率は、売上げまでのプロセスを分解してみれば、以下の4つの要素に分解される。
引き合い数 確度 案件単価 クロージングまでの日数
営業効率 = (引き合い数)x(確度)x(案件単価)/ (クロージングまでの日数)
と表現できる。
高めるべき要素は、引き合い数、確度、案件単価であり、クロージングまでの日数を減らす。
優れた営業マンは営業効率が極めて高く、この4つの要素を十分に吟味しそれぞれの引き合いを評価し、自身の営業活動に優先順位をつけているのではないだろうか。
引き合い数を増やし、営業効率を高める
引き合いは、より多くのお客さまを訪問したり、電話することにより増えると考えられている。もちろん既存のお客さまから新たな引き合いが生まれることもある。
最近では、マーケティング活動を展開して、引き合いを増やす役割を担う企業がより増えた。例えば、展示会への出展や、自社セミナーの開催、広告の出稿など、マーケティングの役割も無視できない。
BtoBでもマーケティングに予算をかける必要がある理由が、まさにこれだ。
営業の効率を上げるために確度を見極める
実は、確度に関しては、まさに営業の技術力によって左右される。しかし、技術力によって必ずしも確度を上げられるとは限らない。確度はお客さま側の都合によっても変わるからだ。
BtoBの購買プロセスには、複数人が携わり合理的に決定される。お客さまの社内説得力など、自身でコントロール不可能な部分が存在するからだ。
確度は、引き合いとセットで考える事もある。つまり確度が低い引き合いは優先度を下げるなどの対処も必要だ。
案件単価は営業の効率を決める
古来のアプローチで考えるならば、クロスセルだろう。あの製品もこの製品も一緒に売ろうという発想だ。クロスセルも一つのアプローチである。
もう一つは、値引きを少なくするという方法もある。
どちらの方法をみても、営業努力によって案件価値を高められるとは、到底思えないだろう。
案件単価も確度と同様、案件単価が高い引き合いを優先的にこなしていく方が営業効率を高められる。
しかし、案件単価が高い引き合いでは、お客さま社内の意思決定に多くの部門や役職の方が携わり、その結果、案件のクロージングに時間を擁することもある。
クロージングまでの日数を短くする
クロージングまでの日数とは、お客さまに会う回数を指す。50回会わないと取れない案件など誰が優先するだろうか?2,3回会えばクロージングできる案件の方が好ましいのは間違いない。
ここでは、お客さまが購買に至るまでのあらゆる活動を設計・予測し、それに従って営業活動を展開していくのがベストだろう。
さいごに
本ブログ、カイロスのマーケティングブログを読んで頂いている方は、マーケティング関係者が多いのではないだろうか?
マーケティングの立場からみると、営業活動の効率を高めるためのマーケティング活動のヒントになることも少なくないだろう。
今後のマーケティング計画や予算取りに、是非参考にしていただきたいと思う。