企業のマーケティングにインターネットが活用されるようになってから、エンゲージメントという言葉を特によく耳にするようになりました。今では、顧客エンゲージメントを高めることが、企業マーケティングのひとつの重要な課題です。
「エンゲージメント」をよく耳にするようになった背景には、マーケティングのアプローチの変化があります。
これまでのマス広告中心のマーケティング活動から、セグメンテーションを絞り込んだ見込み客とのコミュニケーションにより、顧客エンゲージメントの方法が変化しました。
特定のセグメンテーションに対して、見込み客の嗜好にあったバリュー・プロポジションを届けながら、より多くの営業引合いにつなげるエンゲージメントを意識した手法が今のマーケティング活動では重視されています。
マーケティングにおけるエンゲージメントを意識していますか?
売上アップにつながるマーケティング活動をするためには、エンゲージメントは欠かせません。
エンゲージメントとは?
エンゲージメントとは、あなたのメッセージやバリュー・プロポジションによって、見込み客が反応したり行動し始めることを指します。
参考 良いバリュープロポジションを作る5つのコツ|カイロスのマーケティングブログ
見込み客をエンゲージメントするには、広告やメールマーケティングなどのメディアを通じて伝えたいメッセージのコンテキストを伝えながら、ブランドや製品・サービスの効用をうまく活用して、見込み客へと訴えかけていきます。
例えば、
エンゲージメントの例
とある会社の製品コンセプトに共感して、その製品の購買を検討する。 ある製品に満足している、もしくは大きな期待を寄せているため、知人や他部署にもその製品を紹介する。
などは、エンゲージメントの例です。
BtoBのマーケティングでも、顧客エンゲージメントを高める活動が必要不可欠であることは、この例からも明らかです。
BtoBマーケティングのエンゲージメントの例〜見込み客の購買行動プロセスに合わせたエンゲージメント
先ほどのエンゲージメントの例では、会社や製品のブランドに関するアプローチを紹介しました。ここでは、BtoBの購買行動プロセスを意識したエンゲージメントを例にとってみます。
BtoBのマーケティングでは、BtoBの購買行動プロセスの段階によって見込み客が必要な情報が異なるため、購買行動プロセスに合わせて提供する情報を変えて見込み客の購買行動を促します。そのため、BtoBの初期の購買段階と終盤の購買段階では、必要なエンゲージメントが異なります。
参考 BtoBの購買行動プロセスの詳しい解説|カイロスのマーケティングブログ
BtoBの購買プロセスの初期の段階では、自社の課題を解決する方法やソリューションなどの情報を探します。そのため、ソリューションの概要やその効用が分かる資料などで見込み客をエンゲージメントします。
購買行動プロセスが進みいよいよ購買する段階になると、BtoBの購買責任者はその購買を正当化するための事例など、導入効果が分かる資料を求めます。この段階では、導入事例でも具体的な数字や効果が分かりやすい資料を活用しながら、顧客エンゲージメントします。
このようにBtoBの購買プロセスの初期の段階と購買間近では、明らかに必要なエンゲージメントが異なります。
BtoBの購買行動プロセスに合わせてエンゲージメントをする場合には、見込み客の購買行動プロセスを加速させ、購買に結びつけるためのエンゲージメントを設定することが重要です。
エンゲージメントでは、見込み客の動機に着目する
BtoBの購買行動プロセスに合わせたエンゲージメントでは、見込み客の購買につながる動機に着目します。
「給与計算ソフトが欲しい」というのは確かにニーズです。このニーズだけではあなたの会社から給与計算ソフトを買う行動につながらないかもしれません。当然他社の給与ソフトを買うことも見込み客の選択肢のひとつです。
見込み客が、あなたの会社から給与ソフトを買っていただくためには、あなたの会社から買いたいという見込み客の「動機」が必要です。ニーズだけでは足りません。
あなたの会社から見込み客の購買につながるエンゲージメントは、バージョンアップが割引される、サポートが親切でかつ無償などの、あなたの製品の購買につながる動機を後押しする必要があります。
このようにニーズやウォンツからも購買につながりますが、あなたのブランドを買うかどうかはわかりません。見込み客があなたのブランドを選んでもらえるように見込み客に働きかけること、つまり見込み客があなたのブランドを選ぶ動機を刺激することがエンゲージメントです。
まとめ〜エンゲージメントとは
最近ではニーズがまだまだ深堀りできていない見込み客に接触する機会が増えています。あなたの会社のマーケティング活動で、このような見込み客をエンゲージメントします。
購買につなげるエンゲージメントでは、見込み客のニーズを育てながら同時に見込み客の動機を刺激しなくてはなりません。顧客エンゲージメントが重要なリードナーチャリングでは、重要な課題です。