担当者なら知っておきたいリードナーチャリングの基本の「き」

2015年12月25日

リードナーチャリングは、2012年以降注目を集めているマーケティングキーワードの1つです。マーケティングに関するメディアでも、リードナーチャリングという言葉を使った広告や記事が目立っていました。

リードナーチャリングは、今のデジタルマーケティングでは欠かすことのできない手法です。今後もリードナーチャリングの重要性は変わらないでしょう。

今回は、マーケティング担当者が抑えておきたいリードナーチャリングの基本的な事柄についてまとめてみました。

1.リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングの目的、リードナーチャリングの概要をまずはおさらいしておきましょう。

1-1. リードナーチャリングの概要

リードナーチャリングとは、まだまだ十分に購買の準備ができていない、もしくは十分に買う気になっていない見込み客に対して、買う気にさせる事を目的としてコミュニケーションを取りながら、見込み客(リード)との良い関係を構築するためのマーケティングのアプローチです。

リードナーチャリングにおける見込み客とのコミュニケーションには、メール、電話、ダイレクトメール、Webやソーシャルメディアなどを利用することが一般的です。

最近では、メールとWebを中心としたリードナーチャリングを行う企業が増えています。

リードナーチャリングについてもっと詳しく知りたい方へ
リードナーチャリングの詳細は、「リードナーチャリングのやさしい解説」をご覧ください。リードナーチャリングの概要についてまとめてあります。ご参考になれば幸いです。

1-2.BtoBビジネスにおけるリードナーチャリング

リードナーチャリングは、営業担当者が案件のクロージングに必要となるBtoBビジネスでは、以前から当たり前のように行われてきました。

BtoBビジネスでは営業案件の成約に向けて、営業担当者が見込み客に接触しながら、自社の商品の必要性を説明してお客さまの事業における課題や購買ニーズを整理や、購買に必要な環境を整えるお手伝いをします。最終的に、お客さまの課題の解決に最適なソリューションを提案して、購買につながる営業活動を展開します。これらの営業活動は、リードナーチャリングの要素を十分に含んでいます。

つまり、リードナーチャリングと同等の活動を、各営業担当者が自力で行っていました。

BotCビジネス(消費財)のリードナーチャリング
BtoCビジネスでも、保険や自動車、不動産などの高価な買い物には営業担当者がいることが一般的です。このような業種では、BtoCビジネスにも関わらず、BtoBビジネスのような活動が必要とされています。

1-3.見込み客の購買行動とリードナーチャリング

リードナーチャリングを必要とする背景には、BtoBビジネスにおける見込み客の購買行動の変化もあります。

少し前までは、購買担当者は購買する製品の情報などを各社の営業担当者に聞いていました。そのため、営業担当者にとって、できるだけ多くの見込みのお客さまとつながっておくことが重要でした。

今では、購買担当者は多くの情報をインターネットで調べます。製品の仕様だけでなく、その使い勝手などの情報もインターネット経由で入手することができます。

こういった情報から、見込み客は、自社が解決すべき課題の優先順位や、購買する製品やサービスに対する自社のニーズを固めていきます。

インターネットでの情報検索は、担当者が好きな時間にできます。その結果、購買に関する自身のニーズが固まる前の営業担当者からの積極的なアプローチを好まなくなる傾向にあります。

2.今、リードナーチャリングが注目をあつめる理由

リードナーチャリングを手掛ける最も大きな理由は、営業活動の効率化です。お客さまとの成約に営業活動が必要となるBtoBビジネスでリードナーチャリングは欠かせません。

お客さまの購買行動の変化に加えて、リードナーチャリングを実践する企業側にもリードナーチャリングに注目する理由があります。

ここでは企業側のリードナーチャリングのメリットを紹介いたします。

2-1.リードナーチャリングで無駄な営業リソースをカットする

営業担当者は、販売に関するさまざまなタスクに自分の時間を消費します。製品やサービスだけでなく、会社紹介や情報提供なども営業活動の一部です。

リードナーチャリングで、これまで営業担当者が個別に対応していたいくつかのタスクを軽減できます。

営業担当者が新規の営業活動を始める場合には、よっぽど世の中に広く知られた企業や製品ではない限り、「わたし達は〜をしております。」などと自社の紹介から始めなくてはなりません。特に新規開拓の見込み客を探す場合には、欠かせません。

このように手当たり次第に見込み客に接触を繰り返します。見込み客があなたの会社や製品に全く興味がなければ、そこでその案件はおしまいです。到底効率のよい営業活動とは言えません。

リードナーチャリングでは、「わたり達は〜をしております」などの、自社紹介や製品の基本的な紹介を例えば電子メールなどを活用します。

見込み客の反応を注意深く観察することで、購買意欲がありそうな見込み客かどうかがわかります。

リードナーチャリングのプロセスを通じて、営業案件化しそうな見込み客を抽出して、その見込み客のみに集中して営業活動をします。

もちろん見込み客の反応が良くなるだけでなく、営業活動でも紹介に加えて提案活動のための準備に時間が使えるようになるため、営業活動全体の質が高くなります。

リードナーチャリングの具体的な方法リードナーチャリングではメールを送るだけではなく、そのメールに対する各見込み客の反応をモニタリングする必要があります。これには、マーケティングオートメーションなどのツールが最適です。

2-2.リードナーチャリングで質の高い見込み客を見極める

ある調査データによれば、展示会やセミナーなどのマーケティング活動で獲得する約8割の見込み客は営業活動で全く使えないそうです。つまり、営業担当者は、マーケティング活動からの見込み客は「質が悪い」と、これまでの経験から認識しています。

BtoBビジネスにおける購買行動プロセスを考えてみれば、これは当然と言えるかもしれません。

展示会やセミナーに出席する見込み客は、あなたと接点があるものの、まだまだ情報収集中であり直接の営業案件にはつながりません。いわゆるBtoBの購買行動プロセスの中で、社内の案件化に至る前の情報収集活動であり、このプロセスを経て自社の課題やニーズが明確になります。

BtoBビジネスの購買行動プロセスBtoBビジネスの購買行動プロセスの概要は別のブログ記事にてまとめてあります。詳細は「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項|カイロスのマーケティングブログ」を参考にしてください。

見込み客の中でも、市場動向の調査など情報収集中の見込み客に営業活動しても、業界動向やノウハウの提供を求められるだけの結果となり、手間や時間がかかるだけで、なかなか売上につながりません。

このような見込み客に営業活動を仕掛けても、反応が十分でなく、営業担当者にはマーケティング活動からくる新規の見込み客の大半は「質の悪い見込み客」として映っても仕方ないでしょう。

リードナーチャリングでは、このような情報収集中の見込み客をフィルタリングできます。同時に、リードナーチャリングでは、今すぐ営業案件化しそうな見込み客を探しだすことができます。

今すぐ営業案件化しそうな見込み客は、リードナーチャリングのメールなどへの反応が良く、自社が抱えている課題のより具体的な方法論や製品・サービスの仕様を求めています。

2-3.リードナーチャリングで営業活動に有益な情報を提供する

リードナーチャリングでは、メールやWebの訪問履歴などを通じて見込み客の反応を見極めます。

リードナーチャリングのプロセスに対する見込み客の反応の度合いから、今すぐ営業活動すべき見込み客の抽出をします。

リードナーチャリングのプロセスにおける見込み客の反応を営業活動で使わない手はありません。営業アポを取る前に見込み客のニーズが把握できていれば、事前に関連する資料を準備したり、営業トークを組み立てたりすることができます。もちろん、営業活動のクロージングまでの期間が短縮できる上にクロージング率を改善します。

例えば、ある見込み客は下図のような行動を取っています。あなたならどんな資料と営業トークを準備しますか?

スクリーンショット 2015-03-07 午後10.19.19

上図の詳細については
このような見込み客の行動履歴を記録するためには、マーケティングオートメーションが便利です。当社のマーケティングオートメーション「Kairos3」は、月額数千円からご利用になれます。本機能の詳細は、リード管理機能からご覧ください。

3.リードナーチャリングでおさえたい4つのポイント

リードナーチャリングにこれから取り組む際には、これから紹介する4つのポイントをしっかりと理解してリードナーチャリングを実行しましょう。

3-1.リードナーチャリングの対象となる購買行動プロセスを明らかにする

リードナーチャリングを行うにあたって、見込み客の購買行動の深い理解は欠かせません。

見込み客の購買行動プロセスを理解しないままでリードナーチャリングを始めても、まだまだ情報収集中のみ込み客に営業活動をしたり、購買検討中の見込み客を見逃してしまったりと、リードナーチャリングのメリットを得ることが難しくなります。

リードナーチャリングを始める前に、あなたがターゲットとする見込み客の購買行動プロセスを洗い出してみましょう。その購買行動プロセスにあなたのマーケティング活動を記入してみます。

例えば、見込み客をたくさん獲得した展示会やセミナーの位置付けをみてみます。あなたの見込み客の来場目的は何でしょうか?

多くの見込み客が情報収集目的で、あなたの展示会ブースにやってきたりセミナーに出席したのではないでしょうか?

このような見込み客のフォローとしてリードナーチャリングが有効です。展示会やセミナー後にはどのようなフォローをしますか?例えば、社内を説得して案件化するための資料なども十分に効果があるといえます。

3-2.重要な見込み客をリードナーチャリングで見極める

リードナーチャリングはマーケティング活動という認識が一般的ですが、いわゆる営業活動の一環として考えると、リードナーチャリングでやるべきことがより明確に整理できます。

営業活動では、BANTによってその営業案件の重要度や優先度を見極めます。

営業活動の優先度を決めるBANT

  • Budget(予算):いかに予算を確保しているか?
  • Authority(決定権):その案件に対してどれほどの決定権を持つか?
  • Needs(ニーズ):何にどの程度、案件確度があるか?興味か案件か?
  • Timeframe(時期):必要とする時期はいつか?
  • BANTのフレームワークはリードナーチャリングでも活用すべきです。

    リードナーチャリングでは、特にBANTのNeeds(ニーズ)とTimeframe(時期)の2点について着目します。これらは、見込み客のリードナーチャリングの反応や閲覧するWebページから推測ができるからです。

    例えば、ニーズがしっかりと固まっている見込み客は、あなたの製品やサービスの仕様について確認するでしょう。自分がやりたいこと(ニーズ)と、あなたの製品やサービスが実現できることを比較するためにです。

    ニーズや時期の見極め
    リードナーチャリングのプロセスの中で、見込み客のニーズや購買時期の見極めは、スコアリングによって自動処理することがほとんどです。スコアリングについては「スコアリングを始める前にしっかり理解しておくべきスコアリングの基礎|カイロスのマーケティングブログ」でまとめました。ご参考になれば幸いです。

    3-3.リードナーチャリングのターゲット像を共有する

    BtoBビジネスでは複数人の担当者が購買にからんできます。例えば、担当者・利用者・意思決定者がいます。

    購買しようとしている製品やサービスが高額になればなるほど、例えば技術担当者や法務・総務など購買に関わる人の数が増えてきます。

    リードナーチャリングを始めるにあたって、できれば「担当者」「利用者」「意思決定者」のターゲット像を明確にしましょう。

    リードナーチャリングのターゲット像
    リードナーチャリングのターゲット像は、リードナーチャリングのプロセスやコンテンツを考える上でも欠かせません。担当者・利用者・意思決定者の3つのターゲット像を作るのが大変であれば、まずは「担当者」だけから始めるのも良いでしょう。

    リードナーチャリングのターゲット像では、購買行動におけるその人の役割も設定します。購買における業者との窓口になる担当者と、予算執行をする意思決定者では、必要な情報が異なることもあります。同じセミナーに出席したとしても、その目的は異なることもあります。

    ターゲット像を効果的に絞り込む方法
    リードナーチャリングでは、ペルソナを活用してみましょう。ペルソナは、あなたのリードナーチャリングの理想のターゲット像を詳細に描いたものです。リードナーチャリングに使うメールコンテンツの企画ら作成まで十分に効果を発揮します。ペルソナの詳細は「誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順|カイロスのマーケティングブログ」でまとめました。

    3-4.見込み客の期待する反応を考える

    リードナーチャリングでも他のマーケティング活動と同様に、PDCAによる改善をします。

    リードナーチャリングのプロセスの改善は、あなたが最初に設定するリードナーチャリングの効果と、リードナーチャリングの結果から見出します。つまり、リードナーチャリングのターゲットの反応が、あなたが期待していた見込み客の反応とどれだけ違うのかを知ることです。

    あなたの期待する反応と、リードナーチャリングによる反応から、見込み客についてもっと知ることができます。

    例えば、セミナーに参加した見込み客に、期間限定の割引クーポンを配布します。あなたはセミナーに参加した人のうち半分がこの割引クーポンを使って購買に至ると考えていました。しかし実際は、たった5%のみ込み客が購買しました。

    見込み客がまだ購買の予算化できていなかったり、単に情報収集中で購買の意志がなかったりすれば、このような結果は納得できます。では、あなたのリードナーチャリングのフローを改善するためにあなたなら何をしますか?

    このようにして、リードナーチャリングで期待する反応をあらかじめ設定しておけば、リードナーチャリングに最適なコンテンツを決めることができるだけでなく、その後のリードナーチャリングの改善につながります。

    見込み客の反応のトラッキング
    リードナーチャリングにおける見込み客の購買行動のトラッキングは、Web解析ツールだけではほんの一部の情報しか得ることができません。マーケティングオートメーションでは、顧客管理に加えてメール配信や、各見込み客のWeb行動履歴の記録などの情報も管理できるため便利です。

    4.さいごに

    今回は、リードナーチャリングをこれから始めるにあたって、おさえておきたいポイントについてまとめました。

    リードナーチャリングをはじめるにあたって、リードナーチャリングのフロー、メールの書き方など難しく考える必要はありません。まずは、リードナーチャリングのポイントを理解したうえで、非常に簡単なリードナーチャリングのフローからはじめてみましょう。

    • このエントリーをはてなブックマークに追加


    RSSとツイッターでも購読できます

    カイロスのマーケティングブログは、RSSとツイッターでもお届けしています。みなさまのBtoBマーケティングにお役に立てる質の高いコンテンツの提供を心がけています。

    RSS RSSで購読する       Twitter ツイッターで購読する