ブログが企業マーケティングのツールであることは広く知られている。しかしブログを企業のマーケティングに有効に活用している企業は、あまり多くない。定期的にブログに記事を投稿しているものの、訪問者やページビューが伸びていないケースが多い。
その一方で、様々なリソースに制約のあるスタートアップや中小企業でも、ブログを集客やブランディングにうまく活用している企業がある。
これらの企業ではある法則に基づいてブログを運用している。ブログを成功させるためには、ブログそのものの特徴と、特徴に合わせたコンテンツを提供する2つの側面で運用で注意すべきだ。
さあ今すぐ企業ブログでマーケティングしよう
ブログは企業マーケティングに絶大なる効果がある。もしあなたの会社でブログをマーケティングに活用していないのであれば、今すぐブログの立ち上げを検討してほしい。
ブログでのマーケティングは、特に運用や資金の面で十分にリソースを確保できない中小企業などではお勧めだ。ブログは、集客に効果があるだけでなく、運用上の制約も少ない。
メリット1:ブログは構築が容易
ブログは企業のホームページに比べて構築が容易だ。
ブログでポストする記事はおおむねレイアウトが統一されているため、企業のホームページに比べたらデザインなどの構築作業が圧倒的に少ない。トップページ、記事、カテゴリなどの一覧ページくらいですむ。
一旦ブログをデザインすれば、あとはブラウザからブログの記事をポストしていくだけだ。記事作成のたびにレイアウトやデザインを検討する必要はない。
メリット2:コンテンツの制作も楽勝
ブログでは一旦構成を決めてしまえば、あとはWeb上のツールから記事をポストするだけだ。HTMLやCSSの知識もいらない。
また企業ホームページのようにコンテンツの制約が少ない。製品の紹介や企業のブランドなど決められたコンテンツに統一される企業ホームページに比べて、関連する情報や自社のイベントの紹介など、幅広いコンテンツをブログでは取り扱うことが可能だ。
取り扱うコンテンツの幅が広がれば、SEO対策として選択できるキーワードも幅が広がる。
メリット3:ブログが訪問者を増やす
ブログを始めればコンテンツが増えるため、訪問者とページビューが増える。
コンテンツの作成が簡単なため、サイト全体の更新頻度が増す。更新される毎に訪問するファンができるかもしれない。もちろんページ数も増える。
ここまで紹介してきたブログのメリットはいずれも、SEO対策と非常に相性が良い。
検索サイトで特定語句の検索結果の上位に表示されれば、当然より多くの訪問者を自社に呼び寄せられる。
またブログでは、取り扱うトピックが企業サイトほど制約が無い。企業サイトならば製品やサービス、企業関連情報に関係する内容が中心となる。ブログの場合は、取り扱うコンテンツの制約が少ない。そのため、SEOで狙うキーワードの選択肢が広まり、より多くの訪問者を検索サイトから誘導できる。
企業がブログをマーケティングに使うメリットは、データからも明らかだ。
ブログをしているBtoB企業は、していない企業に加えて月間に67%多くのリードを稼いでいる。 ソーシャルメディアとブログの組み合わせで、8割のインターネットユーザにリーチできる可能性がある 検索エンジンからくるトラフィックのうち14.6%がコンバージョンしている。メールなどのアウトバウンドでは、たったの1.7%
あなたの会社がまだブログをマーケティングで利用していないなら、今すぐブログを始めることを検討してほしい。
マーケティングブログで取り扱うべきコンテンツ
ブログを立ち上げても、いったい何を書いてよいのやら、迷うこともあるだろう。基本的に、あなたのコアビジネスに関するもので、企業ホームページには配置しにくいコンテンツをブログで書けば良い。
ブログをマーケティングへの活用は、大きく分けて「ブランディング」と「営業案件の獲得(リード獲得)」の二つに分けられる。ブログの記事を書くときは、ブランディングか営業案件獲得か明確に目的を分けてほしい。
ブランディングを目的としたブログ記事
ブランディングを目的とした記事の場合は、会社や社員の紹介や、社内のエキスパートや社長のメッセージ発信が主なコンテンツとなる。
社員の紹介では、各部署の担当者の紹介や、会社の設備などの紹介がある。あくまでも読者が、あなたの会社の「ファン」となるようなコンテンツを心がけてほしい。
社内のエキスパートが業界や技術の解説をしても良い。あくまでもあなたのビジネスに関連ある内容にとどめてほしい。あなたの会社がこの業界でのリーダーシップやソートリーダーシップを示すことが目的となる。
トップ(社長)が自らブログを書くのも良いだろう。トップとしてのコミットメントやビジョンについて語ってほしい。また経営者としての考えを示すなど、企業の経営者としてのブランド発信の場としてほしい。
あなたの会社が発信したいブランディングメッセージとは関連の薄い「出張や食事の日記」にならないようにしたい。
営業案件獲得にむけた啓蒙を目的としたマーケティング記事
あなたの会社の製品やサービスの理解を深めるためのブログ記事もよい。
製品やサービスに関連する用語についての解説や、関連するノウハウでも構わない。
用語集やノウハウは、検索サイトでの検索語句となりやすく、検索結果の上位に表示されれば多くの訪問者が期待できる。
記事の範囲を広げればより多くの訪問者へとリーチできるが、あなたのコアビジネスと関連性が薄まる恐れがあるので注意しよう。
記事の企画で迷うようであれば、ペルソナを活用してもよい。
宣伝を目的とした記事
ブログを開始するにあたって一番手がけやすいのが、宣伝目的だろう。
イベントのお知らせや、製品情報のアップデート、便利な使い方や事例などのアップデートに利用される。
宣伝を目的としたコンテンツは、あまり宣伝色を強くせずに、読者の役に立つ情報の提供に心がけよう。コンテンツの善し悪しを判断するのは提供側ではなく、あくまでも訪問者(読者)である。
宣伝を目的とした記事は、1日あたりの訪問者がかなり増えてからにした方が良いだろう。宣伝目的のブログを継続的に購読するのは、競合や業界関係者となりやすい。
まとめ:ブログでマーケティングを
企業でもマーケティング・ブログは思ったほど難しくない。読者視点でブログ記事を提供すれば、徐々に訪問者が増える。
最も重要なことは、読者に役に立つ情報をマーケティング目的のブログで提供することだ。役に立つ情報はソーシャルメディアで取り上げられやすい上に、検索サイトの検索結果の上位に表示されやすくなる。
マーケティング活動におけるブログは、対投資効果が高くなりやすい。是非おすすめしたい。
最初は無料のブログサービスで初めても構わないだろう。しかし長期的な視点では、自社のドメインで WordPress などを利用してブログを立ち上げてほしい。SEOの観点から効果がある。Wordpressは多くのレンタルサーバサービスで利用できる。