【決定版】SWOT分析のやり方|事業の成功要因と方策を導き出すための手順

2013年11月27日

SWOT分析は、企業や事業の戦略策定や、マーケティング戦略を導き出すための有名な分析のフレームワークです。期初の事業計画やマーケティング分析や計画で上司から「SWOT分析しといて」と言われることも少なくないでしょう。

SWOT分析は、企業や事業の成功要因を導き出し、取るべき方策を示唆する強力なビジネスフレームワークです。しかし、SWOT分析と称して現状分析にとどまっていたり、分析結果から成功要因や取るべき方策が見いだせていない例もみかけます。

ビジネスに役に立つSWOT分析のやり方とはどのようなものでしょうか?手順と例を交えながら、確実に解を導き出すSWOT分析のやり方を紹介します。

SWOT分析とは

SWOT分析は3C分析とならぶ企業や事業の現状分析のための分析手法のフレームワークです。

SWOTは、S:強み、W:弱み、O:機会、T:脅威の頭文字をとっています。自社を取り巻く環境による影響と、それに対する自社の現状を分析しながら、自社のビジネス機会を発見します。

SWOT分析の例

SWOT分析の目的と使うタイミング

SWOT分析では、自社の事業の現状分析からビジネス機会を明らかにするため、事業戦略やマーケティング計画を決定する際に用いられます。

SWOT分析で現状と自社のビジネス機会を明らかにし、ビジネス機会をできるだけ多く獲得するための戦略や計画に落としこみます。

SWOT分析におけるビジネス機会とは、SWOT分析を通じて明らかにされた成功要因(KSF)です。SWOT分析を実施することによって、このKSFを満たす事業戦略やマーケティング戦略・計画の策定につながります。

SWOT分析のやり方(注意点)

SWOT分析では、S, W, O, Tの各要素について分析します。しかしただ単純に分析するだけでは、満足する結果が得られないどころか分析に膨大な時間と労力だけがかかってしまいます。

フレームワークの活用でモレなくダブりのなくす

単純に思いつきでSWOTの各項目を並べるだけでは、分析に偏りが生じてしまい広い視野で客観的におこなうことができません。SWOT分析では、いくつかのフレームワークを用いいながら、モレなくダブりなく分析を進めます。

SWOT分析では、PEST分析、5F分析、PLC、ポジショニング、バリューチェーンなどのフレームワークがよく用いられます。

各フレームワークの概要については、無料PDFガイドブック「ビジネスフレームワーク25選」を参考にしてください。

分けて考える|「内部分析」と「外部分析」

SWOT分析のSWOTの各要素は、事業の外部環境と内部環境に分けられます。

外部環境とは、政治動向、規制、経済・景気、社会動向、技術動向、業界環境の変化や顧客ニーズなど、自社の努力で変えられない要因を指します。これら外部環境を分析して、機会(O)と脅威(T)を導き出します。

内部環境は、自社でコントロールできる要素であり、SWOT分析で具体的に言えば、強み(S)と弱み(W)に当たります。

仮説を立てる

SWOT分析は、事業機会にかかわる外部環境から内部環境に至るまで、非常に幅広い範囲を分析します。全てをくまなく調査し分析すると膨大な時間と労力を要します。調査データは開示されている事実が無く、不明な部分もあるでしょう。

こうした事態を避けるため、まずは仮設を立てます。仮設とは、その時点で考えられる仮の結論です。

SWOT分析では、あなたが立てた仮設の検証をします。

さて、ここであなたがとある士業(独立コンサルタント)だったとしましょう。あなたのビジネス拡大に向けた戦略策定のためのSWOT分析をします。

もし仮説がなければ、機会や脅威でマクロ環境の調査だけでなく、全てのセグメントにおけるミクロまで分析しなくてはなりません。これではSWOT分析の量が膨大になります。外部分析では、関連するすべての市場動向に加えて、その各競合まで調べあげる必要があります。

ところが、もしあなたがこれまで美容業界での経験や知識があり、それが強みになるのだとしたら、

  • 「美容室向けの○○サービスをネットで集客しながら提供する」
  • という仮説を立てることができます。

    この仮説なら、SWOT分析がはじめてでも検証できるでしょう。外部分析では、美容・理髪に加えてエステやサロンなどの隣接産業も調べて見る程度で収まります。

    より正しい仮説を立てるためには、市場の見識がある方が有利です。仮設はひとつに絞り込む必要はありません。これまでの常識を疑って、あらたな仮説を導き出すことも時には必要です。

    SWOT分析のやり方(実践編)

    SWOT分析のコツはたったひとつです。SWOT分析では、「変化」に着目します。市場や業界の変化に対して、自社が競合よりも優位にビジネスを進めことができるかを明らかにします。

    変化に着目したSWOT分析では、分析の順序があります。

    外部環境の分析から始める

    したがってSWOT分析では、機会(O)と脅威(T)の外部分析から始めます。以下の質問を想定してみましょう。

  • 市場や自社をとりまく環境に変化はあるか?
  • もし変化があれば、それはどのようなものか?
  • その変化に対して他社はどのように追従しているのか、もしくは追従していけるのか?
  • これらの質問は全て外部分析に関する問いです。これら、つまり外部分析の結果が明らかになってはじめて、

  • 自社に与える影響は?
  • という問いの答えが出ます。後者の質問はまさに「内部分析」です。

    したがって、SWOT分析では、まずOTの外部分析を行って、そして内部分析を手がけるようにしましょう。

    外部環境分析で利用するフレームワーク

    SWOT分析ではフレームワークの利用が便利です。短時間でモレなくダブりなく分析に着手できるだけでなく、必要な点に関して網羅的な視点での分析を可能にします。

    ここでは外部環境分析で主に利用するフレームワークを紹介します。

    フレームワーク 概要
    PEST分析 マクロ分析のフレームワークです。PESTはそれぞれ、政治(規制や法律)(P)、経済(E)、社会(S)、技術(T)を示しています。
    5F分析 業界内の各プレイヤーの交渉力の強さから競争の度合いを分析し、業界の収益性の高さを把握します。新規参入、代替品、買い手、売り手、競合の面から機会と脅威を模索します。
    PLC(製品ライフサイクル) 市場製品の競合や市場にニーズの変化から製品ライフサイクルに及ぼす影響を把握します。
    イノベータ理論 市場における新製品や新技術が普及していくモデルを明らかにし、
    製品ライフサイクル(PLC)を頭にいれながら、機会や脅威を検討します。
    バリューチェーン 競合の活動を価値の連鎖の構成要素に分解し、どのように価値を生み出しているのか、どこに強みがあるのか、どこに弱みがあるのかを分析します。
    VRIO 競合の経営資源やケイパビリティ(経営資源を活用する能力)を評価するためのフレームワークです。
    7つのS 競合の経営資源と組織運営を評価するためのフレームワークです。

    フレームワークについては当社が提供する、無料PDFガイドブック「ビジネスフレームワーク25選」が便利です。

    マクロ環境分析が「PEST分析」、ミクロ環境はその他のフレームワークを使いながら分析します。

    マクロ環境では、法律の変更や規制緩和・強化実施、景気変動などの「変化」に着目します。

    ミクロ環境では、顧客のニーズの変化や、業界内のステークホルダー(部品供給などの利害関係者)の変化やそれに対する競合の対応に着目します。競合分析では、バリューチェーンや7S、VRIOが便利です。

    内部環境分析

    SWOT分析における強み(S)と弱み(W)に相当します。外部環境分析で競合についてもVRIOや7S、バリューチェーンなどのフレームワークを使って調べています。

    内部環境分析では、競合の変化の対応に対する自社の強みと弱みを洗い出します。自社の強みや弱みは、競合企業との相対評価として客観的に分析してください。「現在、○☓に取り組んでいるから、強み」のように安易に主観的な分析は避けるようにしましょう。必ずファクト(事実・データ)を持ってして、強み・弱みと分類するようにしてください。

    サンプルSWOT分析

    先ほどの仮設を元に、SWOTを埋めてみました。
    SWOT分析の例

    実際はS/W/O/Tの各項目にもっと付け加えるべきなのですが、スペースの都合上、多少割愛させていただきました。

    クロスSWOT分析へ

    ここまで紹介したSWOT分析の手順だけでは、とても「分析」とは呼べません。フレームワークを使って調査した事実だけがSWOTのフレームワークの中にまとめられているだけであって、戦略を立案するレベルに至っていません。あくまでも情報収集のレベルです。

    SWOT分析は、戦略立案やマーケティング計画を策定するための手段です。これまで集めた情報から、KSFをあぶりだしていきます。そのために「クロスSWOT分析」を行います。

    クロスSWOT分析では、ここまで収集してきた情報を元に、それぞれを掛けあわせて4つの問いに答えていきます。

    クロスSWOT分析

    分析 答えるべき問い
    強み x 機会 強みを活かして機会を勝ち取るための方策は?
    強み x 脅威 強みを活かして脅威を機会に変える差別化とは?
    弱み x 機会 弱みを補強して機会をつかむための施策とは?
    弱み x 脅威 弱みから最悪のシナリをを避けるためには?

    クロスSWOTでは、強みx機会が最も重要視されます。自社の強みを活かして機会を勝ち取り、市場のシェアを拡大することはビジネスでも最優先される戦略です。

    KSF(成功要因)から取りうる戦略オプションを導く

    ここまでSWOT分析、クロスSWOT分析を行えば、あなたの会社もしくは事業のとるべき戦略オプションがいくつかに絞りこまれます。ここまでたどり着ければ、SWOT分析の目的を果たしていると言えます。

    SWOT分析では、S/W/O/Tの各項目をなんとなく書き込んでいるだけのものや、膨大な市場調査レポートがグラフで添付されているものもみかけます。「次の一手」を打つべく問題が明らかになっていなかったり、データの集合体で提言(主張)が含まれていないものは、SWOT分析の結果にふさわしくありません。

    先ほどのサンプルで言えば、

  • 新規参入の美容室をターゲットとしてネットで集客する(SxO)
  • 大手の不得意な特定地域に限定して、対面での営業活動でその地域での知名度やブランド力をあげる(WxT)
  • クラウド型アプリ利用のエキスパート(コンサルタント)としてのサービスを提供する(SxT)
  • が戦略オプションとしてあげられます。

    まとめ:SWOT分析のやり方

    いかがでしたでしょうか?来年度の予算取りや、現状分析や戦略策定に是非お役に立てれば幸いです。

    SWOT分析は練習ができます。ニュースに出てくる企業など、どんな企業でも構いません。しかし、仮説を立てる際に業界に明るければ有利になりますので、関連業界などで練習してみてはいかがでしょうか?

    取りうる戦略オプションを導き出すSWOT分析のやり方を身につけたら、ビジネス機会を創出するマーケティング・エキスパートですね。

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