誰にも教えたくないSTP分析の使い方のコツ

2017年02月20日

STP分析とは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字を取り、市場のニーズを満たす価値軸に対して自社の優位な位置づけを演出する自社商品やサービスの立ち位置(ポジショニング)を決めるためのプロセスです。

STP分析は、市場に対する企業の戦略的なアプローチを決定づける戦略策定における中核的なプロセスであり、市場調査などを行いながら、割と時間をかけて決定することも少なくありません。

1.STP分析の目的

STP分析は、企業を取り巻くビジネス環境の変化に追従するためのプロセスです。

ビジネスにおける競争環境は常に変化します。お客さまのニーズ、新規参入する他社、競合、自社の新たな機能、買収や統合など、さまざまな要因によって市場が変化します。市場の変化は、新たな競争のルールを生み出します。そのため、定期的にSTP分析によって、自社が優位な戦い方を探し出す必要があります。

STP分析が必要となるような競争環境の変化は、自社・競合・お客さま(市場)のいずれかが変化すると発生しやすくなります。

STP分析が必要となりそうな市場変化
市場・競合・自社のいずれかに変化が起きる時に、ビジネスの競争環境が変わります。市場・競合・自社は3Cとしても知られています。詳しくは「3C分析の概要と3C分析のやり方|カイロスのマーケティングブログ」をごらんください。

規制の緩和や導入、社会的価値観の変化、ライフスタイルの変化など、市場のニーズが変わる要因は無限です。もちろんニーズが変われば、市場からみた商品やサービスの価値やメリットが変化します。自社の商品やサービスのポジションを調整し、最適なポジショニングを確保できるようにします。

また、競合が新たな商品やサービスを提供し、自社の価値が相対的に下がる場合もあります。この場合にも、自社の商品やサービスの新たな価値の訴求やメリットを訴求するなど、市場に対してこれまでとは異なるアプローチを求められます。

STP分析の目的は、競争するビジネス環境の中で、自社の独自性や優位性を引き出せる最も有利なポジショニングを探し出すことです。

2.STP分析の流れ

それではSTP分析の実際の流れをみていきましょう。

2-1.STP分析はいつやるのか?

STP分析は、マーケティングミックスなどのマーケティング戦略策定に必要な要素を抽出するための作業とも言えます。ビジネスの競争環境の中で、自社が優位になるポジションをSTP分析によって探します。STP分析で導き出されたそのポジションを実現するための製品や価格をマーケティングミックスを策定します。

マーケティングミックス(4P)について
マーケティングミックスは、4Pとして有名なマーケティングのフレームワークです。マーケティングに関わる方なら、マーケティングミックスは理解しておくべきでしょう。くわしくは「マーケティングミックス(4P)かしこく使う7つの秘訣|カイロスのマーケティングブログ」をごらんください。

STP分析は、マーケティングミックスの策定の前に検討しておく必要があります。

2-2.STP分析の進め方

STP分析は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングのそれぞれのマーケティングプロセスの頭文字ですが、必ずしもその順にSTP分析を進める必要はありません。

STP分析では市場を細分化します。そして標的とするターゲットを選定します。前者の作業はセグメンテーションと呼ばれます。セグメンテーションでは市場を細分化するパラメータを用います。地理的、人口統計分布、心理的、行動的に分類する手法が代表的です。

STP分析のセグメンテーションによって市場を細分化する時には、細分化された市場のニーズに着目します。ニーズはお客様が自社の商品やサービス感じる価値に相当します。

市場を細分化したら、次に自社のポジショニングを設計します。ポジショニングは、市場のニーズ(価値軸)に対する、競合他社との相対評価になります。市場のニーズ(価値軸)をいくつか選定する作業と、その価値軸に従って自社および競合製品を評価します。

STP分析

STP分析では、価値軸は自社の商品やサービスのバリュープロポジション(提供価値)に設定します。自社商品やサービスが既にある前提です。これから商品開発であり、まずは自社のポジショニングを検討している段階では、価値軸は市場のニーズに合わせて自由に設定してください。

STP分析では価値軸は複数抽出しておくことが望ましいです。

STP分析で価値軸を抽出したら、競合商品やサービスの分析を行います。そして競合を価値軸のマップにおいていきます。自社がとりうるポジショニングは、

  • 競合他社よりも価値軸で上回っている
  • 競合他社が創出していない価値軸で勝負できる

のいずれかを満たしている必要があります。これこそが市場における競合他社との差別化要因であり、STP分析のゴールです。

3.STP分析の注意点

STP分析ではいくつかの注意点があります。STP分析は目的が達成できれば、自由に行って構いません。ただ、注意点を知っていれば、STP分析がよりスムーズに行えます。

3-1.STP分析の順番にあまりこだわらない

STP分析は、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの順番に行わなくても構いません。

STP分析の流れは、おおむね市場を細分化し、細分化された市場の中で価値軸を見つけ、そして自社と他社を評価するだけです。極端に言えば、価値軸と自社のポジションを先に決定してからターゲットを導きだしても構いません。

3-2.STP分析で導き出される市場への到達性を考慮する

STP分析で、すばらしい価値軸、そして自社のポジショニングが定まったとします。しかしマーケティングや営業としてその顧客を探し出さなくてはなりません。そのため、顧客の購買行動が把握でき、そして広告を出せる機会が得られる必要があります。

よくある例をひとつあげます。ターゲットとして左利きの集団を選んだとします。左利きの集団という市場は確かに存在するのですが、この集団にメッセージを届ける方法は大変少くなります。そのため、マスに対して広告を発信しなければなりません。この場合、せっかく市場を絞りこんでいるにもかかわらず、マスを対象にしているため広告費用としては非効率的です。

3-3.各市場の大きさを考慮する

細分化は、まさに市場を切り刻んで小さくして行く事です。STP分析で、細分化した市場にターゲットが極端に少ない場合、ビジネスとして収支が成り立ちません。

細分化し、ターゲットとした市場が価値軸をしっかりもち、ある程度の母集団で収支が見込める事が望ましくなります。この場合は、別のターゲットと統合するなど、ある程度の母集団を確保した方が望ましいです。

4.STP分析のまとめ

STP分析は、マーケティング戦略策定には欠かす事のできないプロセスです。市場の変化に追従し、自社の独自性や優位性を演出するために必要です。

  • STP分析とは、細分化した市場で自社の優位性を演出する立ち位置を探すためのプロセスである。
  • 価値軸に注意し、自社の優位性を徹底的に探し出す
  • マーケティング活動で実行可能な到達性、規模に留意する