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あなたのBtoBマーケティング部門と営業部門は100%協力ができていますか?〜マーケティングと営業の軋轢を科学する

あなたのBtoBマーケティング部門と営業部門は100%協力ができていますか?〜マーケティングと営業の軋轢を科学する

営業力強化は多くの会社が持つ経営問題です。同時にマーケティング活動を通じて売れる仕組みや差別化のためのブランドを築くことも重要な経営課題です。結局のところ、企業の営業力強化とBtoBマーケティング強化はどちらも欠かすことができません。

企業にとって2つの成長エンジンである営業部門とマーケティング部門が連携すれば、会社の売上を最大化できます。しかしながら往々にして営業部門とマーケティング部門の間には見えない壁があるとよく言われます。

営業部門とマーケティング部門がお互いをよく知り、協力すれば、この問題は解決の方向に向かいますが、BtoBマーケティング部門はその使命と役割が企業の成長段階によって異なるため、なかなかこの問題が解決しません。

BtoBマーケティングは自社の営業力強化にどのように貢献すべきでしょうか?企業の成長段階におけるBtoBマーケティングの役割をみながら、営業力強化のためのBtoBマーケティングの使命をみていきましょう。

営業部門とマーケティング部門の間にあるよくある問題

営業力強化とブランディングを同時に満たす企業はごく少数です。企業の中では営業部門とマーケティング部門は思ったよりうまく連携できません。両部門の足並みの乱れは、会社のとって明らかにマイナスです。

このような状況の中では、BtoBマーケティング部門が一生懸命に描いたマーケティング計画も、営業部門から十分な協力が得られなければ絵に描いた餅です。

BtoBのマーケティング部門が比較的中長期の視点で、パーチェスファネル上の見込み客に取り組みのに対して、営業部門が直近の案件にこだわり、近視眼すぎると訴えます。

一方で、毎月もしくは四半期毎の売上を最大にする使命を持つ営業部門にとって、直近の案件にこだわるのは当然のことと言えます。

BtoBマーケティングにとって製品やサービスの価格設定は利益確保のための重要なテーマですが、常に競合と価格との争いになる営業現場からは製品の値段が高過ぎるとクレームが入ります。マーケティング部門は実際の顧客をよく理解していない、そんな声が聞こえてきそうです。

結局のところマーケティング部門と営業部門がお互いに信じていない限り、この問題は常につきまといます。

うつり変わるBtoBマーケティングの使命

BtoBマーケティングと営業部門に存在するこの手の問題は、製品やサービスのライフサイクル、会社の成長過程によってマーケティング活動が異なるため、営業部門との関係に大きな影響を及ぼしていると考えるのが自然です。

中小企業で、この問題はあまり見うけられませんが、会社が大きくなり製品やサービスが市場で熟すと、マーケティング部門と営業部門の不協和な関係の問題が顕著になる傾向にあります。

中小企業やスタートアップのBtoBマーケティングの役割

中小企業やスタートアップ企業のほとんどで、マーケティング部門は存在しません。そして、中小企業やスタートアップ企業の多くでは、市場におけるポジショニングを決めることがBtoBマーケティングの使命にはなっていません。

中小企業やスタートアップ企業のマーケティング活動には、営業部門や経営者が大きく関与してマーケティング計画の策定と実行をします。

そのため、中小企業やスタートアップ企業のマーケティングの役割はほぼ営業と同じです。したがって、BtoBマーケティング部門と営業部門の不調和はあり得ません。

成長期のBtoBマーケティングの役割

さらに業績が拡大すると、中小企業やスタートアップでもBtoBマーケティング担当者をつけて、営業チームを支援するためのBtoBマーケティング活動が始まります。

BtoBマーケティング活動の一環として市場調査を行い、自社に最適なターゲット顧客や販売チャネルを明らかにしたり、市場のニーズや自社製品やサービスのブランド力を見極めます。

成長期のBtoBマーケティング部門は、展示会の出展やセミナーの開催、DMの配信などのBtoBマーケティング施策で、潜在的な見込み客を掘り起こしていきます。

この成長段階のBtoBマーケティング部門と営業部門は、営業チームを支援するゴールを共有しており、良好な関係にあると考えられます。

成熟期のBtoBマーケティングの役割

さらに企業が成長すると、BtoBマーケティングはマーケティングミックス(4P)に従って、製品チーム、価格チーム、チャネルマーケティング、広報・宣伝チームなど、BtoBのマーケティング部門を分割し始めます。

この段階にある企業のBtoBマーケティングでは、ブランディングに注力することも少なくありません。そして、成長の段階では営業主導であったBtoBマーケティング部門が、マーケティング主導にシフトし始め、高いマーケティング目標を設定する傾向にあります。

こうなると社内から批判の声が少なからず上がり、特に営業部門からはBtoBマーケティング部門は顧客を見ていないと避難の声がでてきます。

企業の成長とともに変わるBtoBマーケティングの使命が営業部門にもたらす影響

このようにBtoBマーケティングは企業の成長や製品の成熟に合わせて、BtoBマーケティングの役割や使命を変化させます。

営業部門は一貫してその役割や使命が同じですが、企業の成長の段階や製品の市場浸透によってBtoBマーケティングの役割や使命が変わることが影響し、お互いの信頼関係が弱くなり、徐々に両部門の間に溝を産みがちです。

会社が成長してBtoBマーケティング部門が変貌しても、BtoBマーケティング部門が作り出す営業引合いの目標数や、その質については常にBtoBマーケティング部門と営業部門でレビューの継続が欠かせません。