マーケティングミックス(4P)かしこく使う7つの秘訣

2016年12月18日

マーケティングミックスは、4Pとして有名なマーケティングのフレームワークです。マーケティングに関わる方なら、マーケティングミックスは理解しておくべきでしょう。

マーケティングミックスが登場してから数十年も経っています。いろいろなマーケティングの本やマーケティングに関わる授業にもマーケティングミックスは必ず登場します。それほど有名なフレームワークです。多くのマーケターは当然、マーケティングミックスについて知っているでしょう。

しかし、マーケティグミックスを知っていても、マーケティング業務でマーケティングミックスを活用して成果をあげているとは限りません。マーケティングミックスが理解できていても、実戦で効果的に使うことは難易度が高いと言えます。

本日は、マーケティングミックスについてあらためて考え直し、そして実践的かつ効果的に使えるための7つのポイントについて紹介していきたいと思います。

1.マーケティングミックスの概要について学ぼう

まずはマーケティングミックスの概要について理解を深めていきましょう。マーケティングミックスについてある程度知っている方も、復習のつもりで目を通してください。

1-1.マーケティングミックスとは

マーケティングミックスとは、マーケターがマーケティング業務をする際にとりかかるべき4つの領域・分野のことを指します。

マーケティングの4つの領域とは、

マーケティングミックスがカバーするマーケティングの4つの領域

  • 製品(戦略)- Product
  • 流通 - Place
  • 広告・宣伝・コミュニケーション - Promotion
  • 価格 - Price
  • をさしています。

    マーケティングミックスにおける各要素の英語の頭文字をとって、マーケティングミックスは、「マーケティングの4P」と呼ぶこともあります。

    1-2.マーケティングミックスの例をみながら理解を深めよう

    マーケティングという仕事は事業の形態によって違いますし、また、マーケティングの概念は非常に幅広いといえます。しかし、マーケティングミックスの概念(フレームワーク)をあてはめると、企業のマーケティングについて、非常にシンプルにかつ体系的に考えることができるようになります。

    マーケティングミックスをよりよく理解するために、ある衣料品メーカーを例にだして考えてみましょう。この会社のマーケティングミックスをまとめると以下のようになります。

    ある衣料品メーカーのマーケティングミックスの例

  • 製品 - センスの良いデザインだが、カジュアルで高品質もしくは機能的
  • 流通 - 多様な店舗展開で幅広いターゲット層への接点
  • 広告・宣伝 - マス戦略だが、目玉商品に絞り込んだ展開
  • 価格 - ボリュームゾーンに対しても比較的安めだが利益をきっちり確保
  • このマーケティングミックスに登場する衣料品メーカーが思い浮かんできますか?

    マーケティングミックスは、このように企業のマーケティング戦略をシンプルに体系化して表現できるため、その企業の特徴を浮き彫りにしやすくなります。

    さて、次はマーケティングミックスを使う際の注意点について触れていきます。

    2.実践的なマーケティングミックス(4P)を策定する手順

    マーケティングミックスを実際のマーケティングの仕事で使うことを想像しながら、マーケティングミックスの使い方をマスターしていきたいと思います。

    マーケティングミックスをマーケティングの仕事に使うといっても、単に4つのマーケティングミックスの要素を書き出してみるだけでは不十分なのです。

    2-1.マーケティングミックスの前に済ませておくことがある

    マーケティングミックスを効果的につかう7つのポイントのうち、ひとつめが、マーケティングミックスを使うタイミングです。マーケティングミックスは、STP分析で、市場における自社のポジショニングを明確にした後でおこないます。

    STP分析について
    STP分析とは、自社が商品を売りこむ市場におけるユニークな立ち位置を明確にするための分析のフレームワークです。くわしくは「STP分析をマスターして勝てる戦略を見出そう|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。

    マーケティングミックスがマーケティングの全てではありません。製品・流通・広告宣伝・価格のそれぞれの戦略を考えただけで、最良のマーケティングができるわけではありません。

    マーケティングミックスは、製品やサービスの販売ターゲットや市場における自社のポジショニングが明らかになって初めてその効果を発揮します。

    STP分析によってポジショニング明確になったら、マーケティングミックスの各要素(4P)について書き出すことから始めてみましょう。

    2-2.マーケティングミックスの要素(4P)の関係における矛盾を探す

    マーケティングミックスの要素(4P)について書き出しましたか?次に、書き出したマーケティングミックスの要素をじっくり見てみましょう。

    ここで書き出したマーケティングミックスの各要素の関係に着目します。つまり、マーケティングミックスの各要素の間に矛盾があるかどうかを注意深く見てみましょう。

    例えば、マーケティングミックスの製品の要素(Product)で、「高機能・高品質の製品である」と書き出してあるとしましょう。しかしながら、マーケティングミックスの要素である流通(Place)で「大手量販店やディスカウント格安スーパーで販売する」となっていたらどうでしょうか?

    この製品(Product)のターゲットとしているお客さまに、この商品流通経路(Place)で接触できるのか?という疑問がわいてきます。

    マーケティングミックスの要素間の矛盾は、あなたのマーケティング施策の効果を弱める可能性があります。そのため、まずは書き出したマーケティングミックスの各要素の間の矛盾を、このようにして探していきましょう。

    2-3.マーケティングミックスの相反する要素の組み合わせを探す

    書き出したマーケティングミックスの4つのPに大きな矛盾が見当たらなくなったら、次にマーケティングミックスの各要素のバランスについて着目します。

    例えばマーケティングミックスの要素で、価格(Price)と広告宣伝(Promotion)をこのように設定した場合はどうでしょうか?


    マーケティングミックスの例

  • 価格(Price):利益率を多少度外視しても製品価格は安め
  • 広告宣伝(Promotion):大々的にマス広告をして認知度を高める
  • このマーケティングミックスの2つの要素にはあまり矛盾はありません。いわゆる薄利多売というアプローチです。当然このマーケティングミックスは、企業がとる選択肢のひとつでしょう。

    しかしながら一般的には、製品価格が高い方が広告費用の確保が簡単です。また、製品のブランドを確立した方が、他社との差別化が容易になります。

    以上のように、この例のマーケティングミックスには、再検討の余地がありそうです。

    マーケティングミックスの各要素の組み合わせを注意深く見ることで、マーケティングミックスの要素が、相反するマーケティング施策を求めることが無いようにチェックしていきましょう。

    2-4.マーケティングミックス要素間の相乗効果を考える

    マーケティングミックスの各要素のバランスをチェックしたら、次に、マーケティングミックスの各要素の相乗効果に着目します。マーケティングミックスのある要素とある要素を掛け合わせることで、大きな効果があるかどうかを見ていきましょう。

    またひとつマーケティングミックスの例を使ってみましょう。

    マーケティングミックスの例

  • 広告宣伝(Promotion):CMや新聞広告で目玉商品の宣伝
  • 流通(Place):各店舗で店頭の目立つところで販売
  • このマーケティングミックスの例は、最初は大きな広告宣伝費が必要です。しかし、マーケティングミックスの流通が広まって多くの人の目に触れるようになると自然と売れるようになる可能性があります。自然と売れるようになれば、広告宣伝費用の負担が当初に比べてずいぶんと軽くなるでしょう。

    このマーケティングミックスでは、広告宣伝(Promotion)と流通(Place)の相乗効果があるように見えます。

    この例のマーケティングミックスに加えて、週末特別価格を設定している衣料品のメーカーなど、身近にもよく見かける例があります。

    2-5.マーケティングミックスとポジショニングの関係を見直す

    ここまでは、マーケティングミックスの要素についてみてきました。ここからは、みなさんが作ったマーケティングミックスと、市場(お客さま)、競合、自社とのマッチングをみていきます。市場・競合・自社は、3C分析のフレームワークとして有名です。

    3C分析について
    3C分析は、企業の戦略策定時における市場分析のためのプロセスです。3C分析によりビジネス環境における自社の課題の発見や、自社の成功要因を導きだします。くわしくは「3C分析の概要と3C分析のやり方|カイロスのマーケティングブログ」をごらんくださいませ。

    マーケティングミックスを手がける前に行うSTP分析から導き出した自社のポジショニングとの関係に着目します。

    具体的には、マーケティングミックスによって、自社のポジショニングをうまく演出できているか?また、マーケティングミックスによって、市場の競合の特色をうまく打ち消しているか?を見てみましょう。

    マーケティングミックスと自社のポジショニングによってうまく相乗効果を見いだすことができると、非常に力強いバリュープロポジションが完成します。

    良いバリュープロポジションを作る5つのコツ|カイロスのマーケティングブログ」をご覧くださいませ。

    2-6.マーケティングミックスと自社の関連を考える

    次は、マーケティングミックスと自社について考えます。

    作成したマーケティングミックスがどんなに素晴らしくても、これまで築いてきた自社のイメージ、自社もしくは対象となる製品のブランディングとの相性がマッチしていなければ、せっかく作ったマーケティングミックスも逆効果になります。

    マーケティングミックスと自社のアセット(イメージやブランド、歴史など)とのマッチングを検討するには、以下のような問いをしてみるとよいでしょう。

    マーケティングミックスと自社の相性を見極めるための質問

  • 自社がこれまで築いてきた強みを十分に活かせるマーケティングミックスであるか?
  • お客さまが自社や自社の商品に対して描く、もしくは描いていただきたいイメージに合っているか?
  • 2-7.競合との関係をマーケティングミックスで補強できているか

    マーケティングミックスは、あなたの競合他社の強みを上手にかき消せるようにしましょう。

    市場におけるトップ企業には、他社が簡単に真似できない強みを生かしたマーケティングの戦略や戦術があります。トップ企業を真似したマーケティングミックスを作り上げてしまうと、自社がマーケティングミックスを実行すればするほど、トップ企業の強みを強調してしまうだけになってしまいます。

    3.さいごに

    マーケティングミックスを効果的に使うためのコツを紹介しました。あなたのマーケティング業務で今すぐ使うことができそうなマーケティングミックスの活用方法がありましたら、どんどん試してください。

    みなさんのマーケティング活動のお役に立てれば幸いです。

    • このエントリーをはてなブックマークに追加