マーケティングの4Pに変わるBtoB向けの新しいフレームワーク

2013年01月29日

4P(マーケティング・ミックス)はマーケティングでは非常に良く知られたフレームワークだ。マーケティングを学んだことがあるなら一度は耳にしたことがあるだろう。

マーケティングで言う4Pはぞれぞれ、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(広告・宣伝)の頭文字を取った、マーケティングで実施する施策を示すフレームワークだ。4Pのフレームワークは、マーケティング計画・戦略立案、実行時のレビューなどに用いられる。

マーケティングの4Pは1960年代から半世紀にも渡ってマーケティングの主要なフレームワークとして利用されてきた。しかし、市場にモノや情報があふれるにつれて、マーケティングの4Pのフレームワークが実際のビジネスとズレが生じている。

これまで「製品」の優位性を保ってきた技術が、非常に早いスピードで陳腐化される。海外から非常に安い「価格」の代替品が輸入される。差別化はビジネスで勝抜くための基本であるものの、マーケティングの4Pの中核である「製品」や「価格」では差別化が難しくなった。

いままさに、マーケティングの4Pのフレームワークが見直されようとしている。

マーケティングの4PはBtoBに不向き?

技術や製品で差別化できれば良いが、以前と比べてはるかに難しくなった。技術はあっという間に陳腐化し、あっという間に製品の値段が下がる。差別化が難しくなり、コスト競争となりやすい。

コスト競争を避け利益を確保したい企業は、お客さまがより高く感じる価値や、これまでに無かった価値を創造することにより、他社との差別化を図ろうとしている。

BtoBビジネスでは、お客さまの悩みを解決するソリューションによるアプローチで、他社との差別化競争をするのが主流だ。ソリューションによるアプローチでは、必要に応じて自社の製品を2つ、3つ組み合せたり、製品に加えてサービスの提供も行う。

ソリューションでは、マーケティングの視点が市場(お客さま)にある。製品の技術や品質が高ければ売れるのではなくお客さまのニーズに出発点がある。

このため、製品や価格をベースにするマーケティングの4Pのフレームワークは、ソリューションを中心とするアプローチではうまく適応できない。BtoBビジネスでソリューションが中心となるにつれて、マーケティングの4Pのフレームワークがうまくあてはまらなくなった理由だろう。

マーケティングの4Pに変わるBtoB向けの新しいフレームワーク

マーケティングの4Pのフレームワークに変わる新しいフレームワークは、あちこちで紹介されている。

Harvard Business Reviewの1,2月号で、モトローラソリューションズから考案された、BtoB向けの新しいフレームワークが「SAVE」が紹介されていた。残念ながら本書は英語である。

ここで、マーケティングの4Pのフレームワークに変わる「SAVE」について簡単に紹介しよう。

SはSolution(ソリューション)だ。マーケティングの4PのフレームワークにおけるProduct(製品)の代わりとなる。製品思考(プロダクトアウト)から市場/ソリューション思考(マーケットイン)にビジネスが大きくシフトしている。BtoCにもこの傾向はあるが、BtoBでは特に強い。マーケターは、製品よりも市場・ソリューション、そしてお客さま思考となる必要がある。

AはAccess。Place(流通)の代わりだ。個別の商品を買う場所や販売チャネルを中心とする従来の流通の考え方から、お客さまが購買に至るまでのあらゆる活動を設計するアプローチへと変わっている。

VはValue(価値)であり、Price(価格)の代替である。製品の生産コスト、利益率、競合への価格にこだわってマーケティングメッセージを展開するより、お客さまの価値に如何に貢献できるかを明確にするアプローチは最近の動向である。
参考:「良いバリュープロポジションを作る5つのコツ ー カイロスのマーケティングブログ」

EはEducation(啓蒙・教育)、Promotion(広告・宣伝)の代わりである。BtoBでは、業界のトレンドなどから自社の経営課題を認識し、それらに期間、範囲と予算があいまって案件化される。この一連のプロセスを加速するのは、広告・宣伝ではなく、啓蒙や教育である事は自明だ。

さいごに

BtoBビジネスでは、マーケティング計画、戦略を考える際、マーケティングの4Pのフレームワークがうまく機能しないときがある。その場合には、このSAVEのフレームワークを試してみてはいかがだろうか。

マーケティングの4Pにとって変わるフレームワーク「SAVE」の詳細を知るには、ハーバードビジネスレビューの1,2月合併号を読むことをお勧めする。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


RSSとツイッターでも購読できます

カイロスのマーケティングブログは、RSSとツイッターでもお届けしています。みなさまのBtoBマーケティングにお役に立てる質の高いコンテンツの提供を心がけています。

RSS RSSで購読する       Twitter ツイッターで購読する

Facebookでの登録お願いします