ファイブフォース分析の概要とやり方

2014年02月07日

ファイブ・フォース分析は、特定の業界をよく理解するための分析フレームワークです。企業や事業の戦略を考える際に、3C分析などと共によく使われます。

事業戦略担当者のゴールは、競争を理解し、それに対処することです。競争には必ず要因があり、それを理解することによって、競争のメカニズムと、業界の収益性を理解できます。

業界内の競争(利益の奪い合い)は、「顧客の交渉力」「サプライヤーの交渉力」「将来の新規参入者」「代替品」「業界内の企業」から成り立っています。

これらに5つの要素(ファイブ・フォース)よって、業界の構造が決まり、どのような競争が繰り広げられるか、業界と業界競争の性質も方向付けられます。

ファイブ・フォースは業界によって異なるか?

ファイブ・フォース分析は、分析のフレームワークです。業界を分析する際に、ファイブ・フォースの5つの要素から業界を調べます。

ファイブ・フォース(5つの要因)の影響力は、当然業界によって異なります。

例えば、自動車業界では、業界企業同士の激しい競争と、サプライヤーの交渉力が強く、新規参入や代替品の脅威、顧客の競争力は比較的穏やかです。(今では、電気自動車の認知と普及がすすみ、電気自動車という代替品の脅威により業界の収益性に影響を及ぼそうとしています。)

家庭用テレビ業界では、国内だけでなく海外からもファブレスなどの新しい製造流通モデルを取り入れて、新規参入者が増え、十分な利益を確保できなくなりました。スマートフォンがテレビ機能をサポートすれば、それは代替品として考えられますし、スイッチングコストが低いため、買い手の(値引き)交渉力により、業界の利益性が減少しつつ有ります。

このように業界ごとにファイブ・フォースは異なります。

それでは、それぞれの競争要因についてみていきましょう。

新規参入者の脅威

まず最初のファイブ・フォース分析の要素は、新規参入者の脅威です。

新規参入者には既存のプレーヤーと比べて、新たな生産能力があり、市場でのシェアを獲得しようと必死です。そのため新規参入者は、低価格コストでの市場シェア拡大や投資を積極的に行います。

新規参入でも、他業種からの多角化による場合では、既存の能力をテコしてきます。また他事業で生み出すキャッシュ・フローを活用して新規参入する場合もあります。

当然ならが新規参入の脅威は、業界の潜在的な利益を圧迫します。

この脅威が大きければ、既存企業は新たなライバルを阻止するために、値下げをしたり投資を増やします。

業界への新規参入のしやすさは、

  • 現在の参入障壁がどれくらい高いか
  • 既存企業が参入時にどれほど反撃するか(予測)
  • によって決まります。

    参入障壁が高い場合の特徴|ファイブフォース分析

    参入障壁は、業界の特徴が以下にあてはまれば高くなります。

  • 大量生産などにより固定費が分散できる(規模の経済が働く)
  • 利用者が増えると利用のベネフィットが高まる(ネットワーク効果)
  • 乗り換えが非常に困難(スイッチングコストが高い)
  • 設備投資や在庫など参入に巨額の投資が必要
  • 政府による参入制限
  • サプライヤーの交渉力

    部品供給などのサプライヤーの力が強い場合、他社よりも高い価格の設定、提供するサービスの質の制限、業界内の企業にコストを転嫁するなどして、サプライヤーがさらなる価値を獲得しようとします。

    このようにサプライヤーが動けば、当然業界の潜在的な利益を圧迫します。

    サプライヤーが強くなるのは、例えば以下の場合です。

  • 売り先である業界よりも、サプライヤーの数が圧倒的に少ない
  • サプライヤーの売上が、その市場依存していない
  • サプライヤーを変更するコスト(スイッチングコスト)が異常に高い、もしくは代替サプライヤーがいない
  • サプライヤーが該当市場の参入を狙っている(利益率が高いことが判明すれば参入してくる)
  • 買い手の交渉力

    買い手は値下げや質の向上を迫ることがあります。

    この傾向が強くなればなるほど業界内の企業が競争し、業界全体の収益性を犠牲にし、買い手が多くの価値を獲得します。

    次のような買い手の状況により買い手のは交渉力が大きくなります。

  • 買い手の数が少ない。もしくは1社が大量購入する。
  • 製品が標準化されすぎ、差別化されていない。もしくは買い手の製品やサービスにほとんど影響しない
  • スイッチングコストが低い
  • 業界が利益で潤っている場合、顧客は製品を自ら内製する可能性がある。
  • 代替品の脅威

    代替品は、既存の業界製品とは全く違う形やアプローチで、業界製品やサービスと同じもしくは類似した機能を提供します。レコードとCD、フィルムカメラとデジタルカメラ、TVゲーム機とスマートフォンなど、数々の代替品があります。

    代替品の脅威が高まるのは、

  • 代替品の登場によって、既存製品よりもコストパフォーマンスの良い高いトレードオフが生まれる時
  • 代替品に乗り換えるスイッチングコストが低い
  • 既存企業同士の競争

    業界企業同士の競争による収益性は、企業間競争の激しさの度合いと、競争している対象に左右されます。

    競争が非常に激しい業界には、以下のような特徴があります。

  • ライバル数が多く、影響力がほぼ同等。類似サービスでスイッチングコストが低いと拍車がかかる。
  • 成長率が鈍く、シェア争いになっている
  • 他で使いまわせない専門的な資産や経営陣の思い入れなど、撤退障壁が高い
  • 互いが異なるアプローチで競争している
  • まとめ:ファイブフォース分析

    業界分析は、ファイブ・フォース分析のフレームワークと、よくあるケース(特徴)を覚えておけばそんなに難しくありません。

    業界分析は、業界の競争の構造と収益性の主な要因をきっちりと理解・把握することです。

    収益性は「今」の収益性をみるのではなく、3-5年を眺めるようにしましょう。

    ファイブ・フォース分析を使って、特定の瞬間の収益をみるのではなく、業界の「平均収益性」を導き出しましょう。

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