アンカリング効果とは?現場での活用例で学ぼう

2015年11月05日

マーケティングではさまざまな心理効果が活用されています。

アンカリング効果は、心理学や行動経済学では有名な心理効果であり、マーケティングや営業の現場でよく使われています。

消費者が購買の意思決定する場合には、必ず何らかの評価基準があります。この評価基準は特定の情報や、不完全な情報から、目の前の商品の質や価値、価格などと比較しながら、商品のお買い得感を判断します。

アンカリング効果は、消費者の判断基準に影響を与える心理的な効果であり、購買行動に大きな影響をもたらします。マーケターなら、アンカリング効果は是非とも覚えていただきたい用語です。

1.アンカリング効果とは

まずはアンカリング効果について理解を深めましょう。

1-1.アンカリング効果の概要

アンカリング効果とは、最初もしくは同時に提示された特定の特徴や数値(価格)、情報が印象に強く残ってしまい、意思決定や判断に影響をおよぼす傾向のことです。

ヒトは、情報が十分にそろっていない場合に、特定の特徴や情報の断片を重視しすぎる傾向にあります。このヒトの心理の特徴をうまく活用しているのが、アンカリング効果です。

購買における意思決定の場面では、最初に価値判断のおおよその基準を設定して、その後の判断を調整します。

価値判断基準を設定するための情報が十分に無い状況では、最初に着目した情報や数値のために判断基準にバイアスがかる傾向にあります。

最初に提示した情報によって、のちの判断に大きな影響を及ぼします。アンカリング効果は、このようにヒトの心理効果を活用しています。

1-2.アンカリング効果の語源とは

アンカリング効果は、船の錨(アンカー)が語源であると言われています。まず錨を海底におろして、その範囲で動く船をなぞらえて、アンカリング効果と命名されたようです。

アンカリング効果において、購入者のバイアスの原因となる最初に着目した情報や数値が、船の錨を投下した地点をおそらく意味しているのでしょう。

2.マーケティングの現場におけるアンカリング効果の例

マーケティングや営業の現場において、アンカリング効果がよく活用されるシーンは価格表示です。

2-1.チラシやPOPにおけるアンカリング効果

例えば、こんなチラシや店頭での価格表示を見かけませんか?

アンカリング効果の例

元々の価格から十分な額の値引きが有り未あす。この価格表示では、値引き後の価格とは別に値引き前の価格が、アンカリング効果として影響します。

別の買い物の目的で店舗にきたものの、テレビコーナーの前でこのような表示を見た場合には、「あ、これは結構お買い得だな」とアンカリング効果が働くわけです。

購入者が事前に十分に市場価格について調べてある場合には、アンカリング効果の影響はあまりうけません。なぜならこのような価格表示のチラシを見る前に、事前情報として適正価格の情報を持っているからです。このようなお客さまにはアンカリング効果の認知バイアスが機能しません。

2-2.情報提供サイトのアンカリング効果

アンカリング効果を利用した同様の例として、インターネットで販売している情報教材がよく使っている「先着限定」というキャッチがあります。

期間や先着を限定して、値引き前の価格と同時に掲載することにより、アンカリング効果を誘発しやすいように仕向けています。

メーカー小売希望価格を同時に広告やPOP、Webサイトに掲載するのもアンカリング効果のひとつです。

アンカリング効果の価格への活用例は、

アンカリング効果を価格に利用する例:

  • 通常価格との比較
  • 他社価格との比較
  • メーカー小売希望価格との比較
  • があり、これらは店頭表示やネットショップなどでよく使うアンカリング効果の例です。

    3.アンカリング効果のやり過ぎに注意

    アンカリング効果を活用した価格表示は自由自在に使って良いわけではありませんので、注意が必要です。

    3-1.二重価格表示に注意

    先日も大手ネットショッピングモールに対して消費者庁から指導が入りました。ある野球チームの優勝セールで、通常価格の表示を通常に販売していた価格よりも不当に引き上げ、アンカリング効果を使って販売価格を安く見せていました。

    このようなアンカリング効果を使った価格表示は二重価格表示と呼ばれ、景品表示法に反しています。

    アンカリング効果を活用し、通常価格を高くみせかけて売る手法が合法であるためには、同じ店舗で少なくとも通常価格で販売した実績が一定期間必要となります。

    過去の販売価格(通常価格)との比較の場合には、セール開始時点から過去8週間のうち、4週間以上の販売実績が必要のようです。8週間に見たない場合には、販売期間の過半かつ二週間の販売実績が必要だそうです。

    アンカリング効果を狙って二重価格表示にならないために
    二重価格表示の詳細は、消費者庁のホームページでご確認ください。二重価格表示の基本的な考え方や、二重表示価格の具体例の情報があります。(リンク)消費者庁「二重価格表示」

    アンカリング効果を活用する場合には、二重表示とならないよう十分に注意しましょう。

    4.アンカリング効果のまとめ

    アンカリング効果は、心理効果の一種であり、最初に提示した価格や情報が消費者の購買判断の基準に大きな影響を及ぼす傾向をさします。

    アンカリング効果はマーケティングや営業現場でよく活用されていますが、特に価格表示の場合は二重価格にならないように十分注意しましょう。

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