誰でも結果が出せるスコアリングの設定・運用方法〜マーケティングオートメーションの活用方法

2015年08月20日

スコアリングはマーケティングオートメーションが持つ重要な機能の1つです。スコアリングをしっかり確実に運用してはじめて、マーケティングオートメーションの効果を期待できるようになります。

スコアリングは一見、マーケティングオートメーション専門のコンサルティングが必要なようにも感じます。しかし、あるやり方を身に付ければ、はじめてでもスコアリングの設定と運用ができるようになります。

マーケティングオートメーションの開発・提供を手がける弊社のスコアリングに関する知見とノウハウの一部をお届けしたいと思います。

みなさまの業務のご参考になれば幸いです。

1.スコアリングの概要

スコアリングとは、リード(見込み客)の購買に対する準備の度合いを知るための手法です。高いスコアを持つリードは、購買の意欲が高くあなたの営業機会につながるため、今すぐ営業活動を展開すべきです。

リードスコアリングは言い換えれば、自社の営業引き合いになる確率に応じて、自社の顧客管理DBにおける見込み客のリストをランキングするために使います。

リードスコアリングであなたのビジネス機会を最大にします。

2.リードスコアリング設定の流れ

弊社カイロスマーケティング株式会社が、マーケティングオートメーション「Kairos3」の開発、販売をする中で経験したリードスコアリングの流れを紹介します。

リードスコアリングの設定・運用は以下の3つのプロセスでまとめることができます。

リードスコアリング設定作業のまとめ

  1. まずは初期設定のままリードスコアリングをはじめる
  2. 設定の変更をする
  3. 調整(レビュー&チューニング)する

以下、スコアリングの設定作業の流れにしたがって説明していきます。

3.スコアリングをはじめてみる

スコアリングの設計の詳細を考える前に、まずはスコアリングを開始してしまいましょう。スコアリングのデフォルト値は、マーケティングオートメーションの初期値のままでかまいません。

スコアの調整は、スコアリングを開始してから徐々に行っていきます。スコアを調整することによって、スコアが顧客の購買意欲をより正確に示しているかを確認するためです。

マーケティングオートメーションの導入には、いくつかの初期設定が必要です。マーケティングオートメーション用のタグをあなたのWebサイトに設置したり、フォームを作成したり、メールでもSPFやDKIMの設定が必要です。なによりもマーケティングオートメーションの使い方と運用方法を覚える必要があります。

マーケティングオートメーションについて
マーケティングオートメーションは、機能だけでなく、操作のしやすさや運用のしやすさも選定のポイントです。操作しやすく運用が簡単なマーケティングオートメーションは、導入が容易なだけでなく、その効果もあらわれやすくなります。

4.あなたに合わせたスコアリングを設定する

スコアリングの次の作業は、あなたの製品を買う見込み客のカスタマージャーニーの設計です。

カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、見込み客が購買にいたるまでに取る一連の行動や感情・意思の移り変わりを指します。詳細は「すぐに理解できるカスタマージャーニーの解説」をごらんください。

カスタマージャーニーと、あなたのWebサイトのコンテンツやメールやセミナーの内容とリンクさせてスコアの加重を変更します。

この段階では、詳細なカスタマージャーを設計する必要はありません。まずは、以下の3つの段階に絞り込んで、それぞれのスコアを設定してみましょう。

スコアリングで最初に設計しておきたいカスタマージャーニー

  • 1.気づきのステージ
  • 2.検討のステージ
  • 3.意志決定のステージ
  • まずはこの3つのカスタマージャーニーの段階において、見込み客が興味のあるコンテンツを分類します。そしてそれぞれのコンテンツに対して、スコアリングを設定します。

    例えば、以下のようなスコアリングの設定を行います。

    段階 スコアリング
    1.気づき 情報提供・業界動向・各種データなど +1
    2.検討 製品情報・利用例・価格情報など +5
    3.意志決定 事例・実績、導入効果の紹介、FAQ、導入までの流れなど +10

    このスコアリングの設定で、数週間から1ヶ月程度、スコアを取得してみましょう。溜まったスコアリングのデータをみながら、設定したスコアリングのレビューをします。

    5.スコアリングの設定をレビューする

    続いて設定したスコアリングの結果をみてみましょう。これでどれくらいあなたのスコアリングの結果が、あなたの会社にとって有望な見込み客のリストを指しているでしょうか?

    5-1. スコアリングで着目するポイント

    スコアリングの目的は、売上につながる見込み客を抽出することです。したがって、あなたが設定したスコアリングをレビューする際には、売上につながった見込み客、営業引合になった見込み客に着目します。

    スコアリングのレビューで着目するポイント

  • 売上や営業引合につながった見込み客のリスト
  • 売上や営業引合につながった見込み客の行動
  • 言いかえれば、スコアリングの評価では、「抽出したホットリードのリストの正しさ」と「営業引合いや売上につながる購買行動」の二点を元にスコアリングの評価をします。

    5-2. スコアリングする期間を見極める

    スコアリングは、ある特定の期間における見込み客の行動履歴を評価します。そのため、スコアリングの調整では、「期間設定」と「各行動の評価(加点)」の2つのポイントで調整します。

    スコアリングの期間は、あなたの会社の営業スタイルと合わせましょう。

    比較的長く30〜180日程度でスコアリングの期間を設定する場合は、本当に購買のための準備が整い、購買の直前で見込み客があなたの会社に連絡してくる直前の見込み客を抽出し、営業活動を展開するアプローチを取る場合に有効です。

    比較的長いスコアリングの期間を設定する場合は、Webサイトのコンテンツが充実しており、カスタマージャーニーのあらゆる段階で有益な情報をたくさん用意する必要があります。これらのコンテンツのそれぞれに、細かいスコアを設定します。

    一方で、短いスコアリングの期間を設定する企業もあります。この手の企業では、スコアリングに動きがある見込み客を見つけて、メールや電話など、積極的に企業側から見込み客に営業活動を仕掛けるタイプの企業に向いています。

    短いスコアリングの期間を設定すれば、Webサイトに製品紹介程度のコンテンツが数ページ分しかなくても、スコアリングが有効に機能します。

    短いスコアリング期間の例
    弊社カイロスマーケティング株式会社が提供するマーケティングオートメーション「Kairos3」をお使いのお客さまの中には、スコアリングの計算期間を1日に設定するケースもあります。前日に大きな動きがあった見込み客を抽出して翌日にテレマや営業活動を展開するためです。

    5-3.スコアリング全体のレビュー

    全ての見込み客を、スコアの高さ順に抽出します。このリストをみながら、スコアリングの上位に属するリードは、実際に営業引合いや売上につながっているかどうかを見極めます。

    スコアリングの例

    スコアリングの評価は、まずこのスコアリングのリストからはじめましょう。スコアが高い見込み客が売上や営業引合いにつながっていれば、スコアをチューニングする必要はありません。

    次に、高いスコアリングの評価を得ている見込み客の行動を見ます。スコアリングが高いスコア順に見ていきましょう。

    売上や営業引合いにつながっていない見込み客でも、本来は営業活動すべき見込み客であることがあります。

    スコアリングで営業機会を見逃さないために
    このような機会損失を避けるために、マーケティングオートメーションの機能を活用しましょう。例えば、マーケティングオートメーション「Kairos3」の場合、ホットリード機能があります。ある一定以上のスコアリングのリストをホットリードとして通知して、機会損失を防ぎます。

    次に、個別の見込み客の行動をみていきます。

    5-4.売上や引き合いにつながる行動を探し出す

    スコアリングが高く、実際に売上や営業引合いにつながった見込み客を抽出し、その一連の行動を分析します。

    これらの見込み客に共通する行動が見つかれば、それはまさに購買行動プロセスにおける重要な行動と考えることができます。

    スコアリングの例

    スコアリングが高い見込み客に共通する行動を見つけたら、次にその行動をカスタマージャーニーに照らし合わせて、購買行動プロセスにおける重要性を検討します。

    例えば、スコアリングが高い見込み客の全てが、あなたの会社のトップページを見ていたとしましょう。しかしトップページには製品のリンクがあるだけで、特に具体的な製品情報はありません。

    一方で、ほぼ全てのスコアリングが高い見込み客が価格と導入事例を見ていたとしましょう。価格や導入事例のページは、カスタマージャーニーにおける「検討」や「意志決定」と深い関係があるため、これらの購買行動には着目すべきです。

    このような購買行動には、高いスコアリングを設定します。

    同時に、スコアリングが高い見込み客の購買行動にない行動には低いスコアを設定します。

    このようにスコアリングの調整をしていきます。

    5-5.営業担当者からのフィードバックを得る

    営業担当者は、お客さまのことをよく知っています。いくつかの主要な見込み客を抽出して、実際に営業引合いのクロージングに携わった営業担当者から、その見込み客について感じたことをフィードバックしてもらいましょう。

    営業担当者からのフィードバックは、スコアリングの改善だけでなく、Webサイトやマーケティング活動の改善にも利用できます。

    6.スコアリングを設定する際の注意点

    スコアリングには正解がありません。スコアリングは、あなたのWebサイトの構成や、メールや展示会、セミナー開催などのマーケティング活動とも深く関係があります。

    より精度が高いスコアリングを実現するためには、実際の売上や営業引合いにつながった良質な見込み客の行動からヒントを得てスコアリングするアプローチが最も有力です。

    6-1.最初からスコアリングの設定を複雑にしない

    まずはシンプルなスコアリングからはじめましょう。そして売上や営業引合いにつながった良質なリードの購買行動を分析します。

    そのためスコアリング最初の段階では、デフォルトのスコアリングの設定でもよいでしょう。最初は各見込み客の行動履歴を記録できれば十分です。行動履歴を分析することによって、スコアリングの設定をチューニングします。

    6-2.あなたの仮説を一度にたくさんスコアリングの設定に反映しない

    最初から、あなたの仮説をいくつもスコアリングの設定に反映すると、各仮説の検証が難しくなります。1回のスコアリングの設定チューニングには、1つの仮説だけを盛り込むようにしましょう。

    6-3.まずは見込み客の行動に着目する

    スコアリングは行動によるスコアリングと、役職や業種などの見込み客の属性によるスコアリングがあります。まずは見込み客の行動に着目しましょう。

    購買につながる行動を見出し、さらにそれでも不十分な場合は、役職や業種などの見込み客の属性によるスコアリングを導入しましょう。多くの場合は、行動によるスコアリングで十分な結果を得ることができるでしょう。

    6-4.営業に引き渡す見込み客のチェックを忘れない

    スコアリングをどんなにチューニングしても、完全なスコアリングはできません。必ずあなたの想定していない購買行動をみせる見込み客がいます。

    特定のページを何度も巡回する競合企業、あなたのWebサイトのデザインや構成が気に入っており、その詳細を研究する見込み客など、スコアリングが高くなるものの、営業活動でなかなかクロージングできない見込み客もいます。

    このような見込み客を見極めるためには、見込み客の行動をチェックするしかありません。営業担当者にこれらのリードを引き渡す前に、必ずチェックしましょう。

    営業は、少しでもノイズがある見込み客リストは、なかなか見向きしません。手間をかけてコンタクトしたものの、全く相手にされないと営業にもストレスがたまります。あなたの目視ひとつだけでこのような事態を避けれます。

    7.スコアリングのまとめ

    スコアリングは、まずはじめる。その後、チューニングするだけの簡単な作業です。

    スコアリングのチューニングでは、

  • スコアリングの期間をあなたの企業のアプローチにしたがって、長くしたり短くしたり調整する
  • 全体のリストをスコアが大きい順に並べて、スコアリングの精度を確認する
  • 高いスコアリングを示す見込み客の行動の共通点を探し、スコアのチューニングをする
  • をします。

    スコアリングはあなたが発信する情報量やコンテンツ、そしてあなたの会社の営業やマーケティング方法に大きく依存します。したがって、一般的なスコアリングのテンプレートは存在しません。

    少しずつスコアリングの設定を変更しながら、あなたにとって有効なスコアリングの設定をさがしていきましょう。

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