メルマガの作り方〜メルマガ作成時に留意すべき8つの手順

ある日突然上司から「メルマガを書いてもらえない?」って頼まれるかもしれません。メルマガは費用面も運用面もお手軽に始めることができるからです。
広告や展示会出展などのマーケティング予算が十分にない状況にあっても、メルマガならマーケティング施策としてすぐに始めることができます。お客さまとコミュニケーションを取り、売上アップにつなげるための手段としてメルマガはとても都合の良いツールと言えます。
みなさんがすぐにメルマガを発行し始めることができるよう、メルマガの作り方と手順をまとめました。これからメルマガの運用を始めようとしている方も、現状メルマガを運用していて何か変えなければならないと思っている方にもお役に立てますと幸いです。
この記事のもくじ
1.作成するメルマガの目標を設定する
メルマガを上手に運用するためには、最初にメルマガの目標を設定しておくことをお勧めします。
メルマガはあくまでも目的を達成するための手段です。メルマガの目標を設定しておくことで、毎回メルマガを作る作業そのものが目的化しないようにしましょう。
あなたがメルマガを作る目的は?
メルマガを作成している多くの企業では、売上アップや、認知度の向上などのブランドの認知などを目的としている場合がほとんどです。
企業がメールマガジンを発行する主な目的は、「企業ブランドの認知」や売上アップによる「事業の拡大」です。くわしくは「高い効果につながるメールマガジン発行の目的の設定方法」でまとめました。合わせてごらんくださいませ。
目的がしっかりとしていないメルマガを作ることは、オススメできません。メルマガ発行者の都合により、一貫性のない情報を届けてしまうなど、メルマガを作る側もネタ探しなどの運用面を考えても、メルマガの発行が長続きしません。
ましてやメルマガ作成が目的化してしまうことにもつながります。これは本末転倒です。
まずはメルマガの目的をしっかりと設定するようにしましょう。
どんなメルマガを届けるかを決める
メルマガを作成するにあたって、読者に届けるべき情報について検討しましょう。
理解を深めるためにメルマガに特化せず、一般的なメールマーケティグの視点で考えてみます。
BtoBマーケティングで活用する代表的なメルマガは、以下の6種類に分類できます。
代表的なメルマガの種類
(一般的な)メルマガ 案内・開催通知メール リードナーチャリング 広告配信型メール トランザクションメール(自動返信メール) まとめ・開催報告メール
BtoBマーケティングでよく使うメールの種類についての詳細は「覚えておきたいメールを活用したマーケティングの基礎」でまとめてございます。ご参考になれば幸いです。
定期的に届けるメルマガでも、上記のコンテンツは参考になるでしょう。
メルマガのターゲットを設定する
メルマガを作成する中でセグメンテーションを検討し、どの読者層に送るかを考えるようにしましょう。誰に届けるメルマガを作るのかが明確になれば、コンテンツの企画の難易度はいくぶん下がるでしょう。
セグメンテーションとは、不特定多数の顧客を似通ったニーズや特徴を持った複数のグループに分類することです。ニーズにあったメルマガは開封率が高くなることが一般的です。
作成するメルマガの目標値を設定する
メルマガの作成にあたって、おおよそのメルマガの開封率やクリック率の目標値を定めておきます。あなたのメルマガの改善につながるからです。何事にも目標は大切です。
一般的なBtoBマーケティングにおいて、自社の見込み客全てに送るメルマガであれば、最初の目標値は開封率20%程度、クリック率は1.5%程度に設定しておきましょう。おおよその一般的な目標値です。

作成したメルマガを配信して、開封率やクリック率の結果をみながら目標値を修正していきましょう。
メルマガの平均的な開封率は、「【総集編】メルマガ開封率の平均とメルマガ開封率を最短で改善する方法」にまとめました。時間別や曜日別のメルマガ開封率の情報もございます。ご参考になれば幸いです。
2.メルマガのネタの作り方・活かし方
BtoBマーケティングのメルマガを書こうとすると、メルマガのネタ切れに悩まされることがあります。ここでは、少しでもメルマガのネタを作成するためのヒントをお伝えします。
メルマガのネタを集める
メルマガのネタを作り方では、常にお客さま、そして、自社の商材について着目することがポイントです。
メルマガ担当者なら十分に自社の商材の情報を持っているでしょう。もし情報が足らなければ、社内で聞いてみましょう。これは比較的簡単です。
メルマガ担当者としてお客さま、市場に関するアンテナを張っておくことも欠かせません。社外の情報を知っておくことがメルマガのネタの作り方のコツとも言えます。

メルマガのネタを作る時にこうした情報源にたよってもメルマガを作ることが難しい場合は、メルマガ以外に課題があることが考えられます。
例えば、取り扱う商材の利点が少なくなってきている、プロモーションが不十分でありメルマガで取り上げるための材料が枯渇してきている、などの理由があるかもしれません。
1つのメルマガで1つのテーマだけに絞り込む
メルマガのネタを見つけたら、メルマガを作り始めます。
メルマガを作りだして最後にメルマガの件名を決めます。メルマガの件名は読者の反応を左右する重要な要素であり、メルマガの内容をシンプルに表現しているべきです。
メルマガで複数のネタやテーマを取り扱うと、メルマガの件名を作ることが難しくなります。そのため、1通のメルマガではテーマを決めて、そのテーマについてじっくりとメルマガを作成しましょう。
メルマガの発行する頻度を考える
メルマガを毎日作成して毎日読者に届ける場合、毎日メルマガのネタを探し出す必要があります。これは現実的と言えるでしょうか?つまり、メルマガのネタが十分に見つかる程度のメルマガの発行頻度を決めます。
一方で、メルマガの目的を満たすメルマガの発行頻度である必要もあります。メルマガの目的とネタ探しの難易度の両方を見ながらメルマガの発行頻度を決めましょう。
メルマガの作成だけでなく、多くのマーケティング施策に当てはまりますが、始めることは簡単だけど継続することは簡単ではありません。慎重に検討しましょう。
3.メルマガ作成をテンプレート化する
メルマガ作成の効率をアップするために、メルマガを定型化、つまりテンプレート化を検討します。
メルマガのテンプレートをダウンロードする
メルマガで情報を効果的に伝えるためにHTMLメールを活用するケースもBtoBマーケティングで増えてきました。
HTMLメールは、メール本文をHTML言語で記述した形式のメールです。テキストメールでは実現が不可能な、フォントサイズ、レイアウト、配色、画像の本文への埋め込み、表の利用などができます。くわしくは「HTMLメールとは|メルマガ担当者が知っておきたい基本事項のまとめ」でまとめてございます。合わせてごらんくださいませ。
メルマガの作成では、まずはメルマガのテンプレートを活用することをおすすめします。メルマガ作成の作業効率がアップするだけでなく、メルマガの構成や必要な項目もメルマガのテンプレートに設定されているからです。
活用できそうなメルマガのHTMLテンプレートを「メルマガ担当者が知っておきたいHTMLメールの無料テンプレート7選」でまとめました。ご参考になれば幸いです。
自社のメルマガテンプレートを作ろう
メルマガの作成では、テンプレートを活用すると作業の効率が良くなります。先ほど紹介したダウンロード可能なHTMLメールのテンプレートを編集して、自社のメルマガ用のテンプレートを作成しておきましょう。
メルマガ配信ツールには、あらかじめメルマガのテンプレートを用意しているものがあります。こういうテンプレートも活用してみましょう。
以下はマーケティングオートメーション「Kairos3」で用意されたデザインテンプレートの例です。
4.メルマガの本文を作成する
ネタを集めてメルマガのテンプレートを作成したら、次はメルマガの本文を作成しましょう。
メルマガの本文の作成は、メルマガの書き方を参考にして一気に書きあげましょう。
メルマガの書き方や注意点は、「メールマガジンの書き方24の秘訣!読者をひきつけるメールマガジンになるために」が参考になります。合わせてごらんくださいませ。
5.メルマガにちょっとした工夫をする
メルマガを作成する際に、ちょっとしたことをするだけでお客さまの反応が変わることがあります。みなさんのメルマガ作成の参考になれば幸いです。
CTA(コール・トゥー・アクション)を設定する
メルマガもビジネスコミュニケーションの1つです。コミュニケーションで大事な要素に「相手の行動を促すこと」があります。あなたが作成するメルマガでも「相手の行動を促すこと」は大切です。
メルマガの「相手の行動を促すこと」は、「CTA(コール・トゥー・アクション)」と呼ばれることがあります。もしHTMLメールのメルマガを作成しているなら、バナーや画像を使って読者の行動をうまく促すことが効果的であることが知られています。
差し込み機能を活用する
メルマガは差し込み機能を使ってパーソナライズすると、読者の反応がよくなることが知られています。メルマガの作成・配信ができる、メール配信ツールの多くは「差し込み機能」を持っています。差し込み機能を使って、本文中に読者(宛先)の名前を挿入します。
BtoBマーケティングのフォーマルなメルマガでは、会社名とお客さま名を文頭に入れることもあります。
6.作成するメルマガの件名を決める
メルマガの件名は、メールを受け取ったメルマガ読者が開封するかどうかを判断する上で非常に重要な要素です。
メルマガを作っていると、ついつい締め切りに追われて書きあがったメルマガの件名を、手を抜いて考えてしまうこともあるかもしれません。せっかくの素晴らしメルマガの本文を作っても、メルマガの件名が読者の注意を惹かなければ、読者のみなさんに反応していただけません。
メルマガの件名の効果的な作り方は「開封してもらえるメールの件名の法則〜担当者が知っておきたい今すぐ使える3つの方法」にまとめました。合わせてごらんくださいませ。
7.各種のチェックをする
メルマガを作成したら、メルマガのチェックをしましょう。メルマガ作成において思わず忘れがちなポイントについて説明します。
マルチパートメールの設定をする
あなたのメルマガ読者の中には、HTMLメールを受信できない、もしくは拒否している方がいらっしゃいます。HTMLメールを送っても表示することができず、本文が真っ白なメルマガが届いてしまいます。
マルチパートメールを使うと、HTMLメールを表示できない環境にある読者にもテキストにて情報を届けることが可能になります。
マルチパートメールとは、1つのメール本文で「HTML形式」と「テキスト形式」の両方のメッセージを同時に送るメールのことです。くわしくは「マルチパートメールでHTMLメールの開封率をアップしよう」でまとめました。ご参考になれば幸いです。
配信解除のための手続きの通知
メルマガが一方的に送られてくるものの、その配信停止や配信解除の方法が全く見当たらないメルマガがあります。読者によく思われないだけでなく、スパムメール扱いされて開封率が低下してしまうかもしれません。
メルマガには配信停止や配信解除の方法を記載するようにしましょう。できればテンプレートに組み込んでしまうと良いでしょう。
文章やレイアウトのチェックをする
メルマガの作成が終わったら最後に、自分自身に作ったメルマガを送って、届いたメールをチェックしましょう。
最近ではスマートフォンでメールを読む人も増えています。チェックのためのメールは自分のパソコン用のメールアドレスだけでなく、スマートフォンでもレイアウトの崩れがないかチェックしましょう。
8.作成・配信したメルマガを分析する
メルマガを作成して、配信をしたら、配信結果を必ず分析しましょう。メルマガの開封率やクリックスルー率を中心として、読者の反応を確かめ、次のメルマガ作成の企画に活かしましょう。
メルマガの開封率の詳細と開封率を改善するための方法は「【総集編】メルマガ開封率の平均とメルマガ開封率を最短で改善する方法」でまとめました。みなさまのメルマガ運用の参考になれば幸いです。
メルマガ配信はPDCAのサイクルを繰り返すことによって、より良いメルマガを作っていきましょう。
さいごに
今回は、みなさんが反応の高いメルマガを運用できるよう、メルマガの作り方の全体の流れについて説明しました。本記事の本文内で紹介した各記事で具体的な方法を解説しております。
また、当社が提供する無料ガイドブック「メルマガ&メールマーケティングのやさしい手順書」では、約70ページでメルマガ運用のノウハウをご紹介しております。ご興味がある方はぜひダウンロードしてくださいませ。