メールマーケティングとは?最新の動向から運用のコツまでを徹底解説

メールマーケティングの種類やメルマガとの違い、企業がメールマーケティングを手がける4つの理由と、メールマーケティング運用のコツや注意点をまとめました。
マーケティング活動としてメールマーケティングをする、もしくはこれから検討しているみなさまのためにポイントを絞ってまとめました。ご参考になれば幸いです。
この記事のもくじ
メールマーケティングとは?
メールマーケティングについて理解を深めましょう。まずは、メールマーケティングの基礎のおさらいをします。
メールマーケティングとは
メールマーケティングとは、メールを活用したマーケティング全般をさしています。
マーケティングの定義は、時代の流れとともに少しずつ変わっています。マーケティングの定義については「 16のマーケティングの定義を集めました」にまとめました。くわしく知りたい方はこちらの記事も合わせてごらんください。
メールマーケティングは、マーケティングの有名なフレームワークであるマーケティングミックス(4P)の中で、広告・宣伝(Promotion)で主に利用します。
マーケティングミックス(4P)とは、マーケティングの各要素を示す有名なフレームワークです。製品(Product)、価格(Pricing)、流通(Place)、広告・宣伝(Promotion)のそれぞれの頭文字をとり4Pとも言われています。くわしくは、「マーケティングミックス(4P)かしこく使う7つの秘訣」をごらんください。
メールマーケティングとメルマガの違い
メールマーケティングとメルマガの違いとは何でしょう。
メルマガは自社のお客さまリストの全てに定期的に配信するメールです。メルマガは、メールマーケティングの1つの手法です。メールマーケティングにはメルマガ以外の手法もあるため、メールマーケティングのメルマガ以外の手法と、メルマガの違いと理解しておくと良いでしょう。
メルマガは、不定期に配信する案内メールや、フォーム登録時に送信する自動返信メール、ある特定のWebページの閲覧やある購入履歴があるお客さまに送る購入を促すメールとは、確かに異なります。
メール配信ツールの発展に伴い、メルマガだけでなく、先ほどご説明差し上げた各種のメールも送ることができるようになりました。かつてはメールのマーケティングといえばメルマガでしたが、今ではそれ以外のメールマーケティングも実現可能になりました。
メールマーケティングが選ばれる理由
マーケティングの手法はたくさんあります。その中で、多くの企業がメールマーケティングを手がける理由、つまりメールマーケティングのメリットは、大きく分けて以下の4つに分類できます。
1.メールマーケティングは費用をおさえることができる
メールマーケティングは、他のダイレクトメールや広告と比べると、コンテンツ制作コスト、配信コストの面で、費用が比較的安くなります。
メールマーケティングで接触するお客さま数や配信頻度にもよりますが、ダイレクトメールなどの費用と比べると2桁くらい費用が変わるのではないでしょうか。
2.メールマーケティングはすぐに始めることができる
メールマーケティングは、メール配信ツールを使えば自社ですぐ実施できるメリットがあります。
HTMLメールで視覚効果を高めずに、ビジネスメールのようにテキスト中心のコンテンツであれば、外部業者に依頼することもなく、本当にすぐにメールマーケティングを始めることができます。
HTMLメールの概要やその運用方法についてくわしく知りたい方は「HTMLメールとは|メルマガ担当者が知っておきたい基本事項のまとめ」も合わせてごらんくださいませ。
通常、ダイレクトメールなどでは、その原稿を業者に依頼することがほとんどです。その調整に時間がかかるため、すぐに実施することはできません。
3.メールマーケティングは他のメディアと連携できる
メールマーケティングは、関連するWebページやSNSなどのリンクをメール本文内に掲載することで、他のメディアに受信者を誘導することができます。
メールの受信者はメール本文内のリンクをクリックするだけでWebページを閲覧することができるため、その情報に興味のある見込み客に対して、より多くの情報を簡単に提供できるメリットがあります。
ダイレクトメール、広告(紙媒体)・雑誌と比べると、その誘導率は格段に違います。
4.メール配信ツールを使って受信者の反応を確かめることができる
メール配信ツールを使えば、お手軽にメールを配信するだけでなく、メール開封率やメール本文内のリンクのクリックなどの受信者の反応を確かめることができます。
あなたのメールマーケティングの効果を確かめることができるだけでなく、今後のメールマーケティングの改善材料もみつかりますので、メールマーケティングにはメール配信ツールのご利用がおすすめです。
メールマーケティングの最近の動向
メールマーケティングを取り巻く市場が変化しています。スマートフォンやWebメール、ソーシャルメディアの発展や普及にともない、メールマーケティングそのものも少しずつ姿を変えてきました。
メールマーケティングの動向は「メールマーケティングの市場トレンド」で調査レポートの情報や今後についてまとめました。ご興味のある方はこちらも合わせてごらんください。
メール配信ツールのクラウド化や、機能改良にともない、メールマーケティングでできることが昔と比べて増えました。次の章では、最近のメールマーケティングの手法や種類について説明します。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングは、有名なメルマガ以外にも、届ける情報や発信する対象によって、いくつかの分類があります。ここでは代表的な6つのメールマーケティングについて、その概要を説明します。
1.メルマガ
メールマーケティングで古くから活用されている有名な手法はメルマガです。メルマガは配信を希望する見込み客に対して一斉に同じ内容のメールを送信します。
メルマガの基本事項は、「メルマガとは?今さら聞けないメルマガの基礎知識」にまとめました。興味のある方はこちらの記事が参考になります。
メルマガを配信するメリットは、
メルマガを配信するメリット
自社のブランド認知の向上や自社ブランドの確立 ブログのサマリーやセミナーの資料、プレスリリースなど、自社のコンテンツをメルマガに活用できる メルマガに活用するコンテンツの自由度が高い
が代表的です。
その一方でメルマガのデメリットもあります。主なメルマガのデメリットは、
メルマガのデメリット
コンテンツの自由度が高い反面、コンテンツの企画が複雑 メルマガ読者に取っていただきたい行動があいまいになりやすい
などがあります。
メルマガのコンテンツにいくつかのトピックを盛り込めば盛り込むほど、読者に期待する行動があいまいになりがちです。テーマの異なるセミナーの案内と、社長のあいさつ、新製品の紹介などを含んだメルマガでは、読者が自分の興味が無い部分は読み飛ばすだけでなく、メルマガの具体的なゴールを設定するのも困難になります。
2.案内・開催通知メール
案内や通知のメールマーケティングでは、セミナーの開催案内、展示会での展示内容の案内、新しいホワイトペーパーのダウンロード開始のお知らせなど、特定目的かつ不特定なタイミングで実行します。
案内・開催通知のマーケティングメールは、自社が主催する、もしくは自社が出展する展示会や業界セミナーに来場していただくことなど、「行動をうながす」ことが目的です。
案内・開催通知のメールマーケティングの代表的なメリットは、
案内・開催通知のメールマーケティングのメリット
目的の設定や具体的なゴールの設定が明確かつ簡単 メールコンテンツの企画が簡単ですぐに書ける 効果測定が簡単
です。案内・開催通知メールでは、目的が決まっているためゴールの設定とその効果測定がしっかりできます。
一方で、案内・開催通知のマーケティングにもデメリットがあります。
案内・開催通知のメールマーケティングのデメリット
目的と関係が無いコンテンツを付与しにくい。 他のメールを活用したマーケティングとの配信タイミングの調整が難しい
案内・開催通知を目的としたマーケティングでは、他のメールを活用したマーケティングで、メルマガやニュースレターなどの一斉配信するメールがある場合、配信時間の調整が必要です。
他の配信メールとの配信時間が近かったりする場合、受信者は同じ会社から複数のメールを受信するため、受信者の興味にそぐわない場合、オプトアウト(配信停止の処理)の確率が高くなります。
オプトアウトとは、本人の求めに応じてメルマガの退会(配信の停止)をすることがメールマーケティングの現場の用語です。ただし法律的には個人情報の第三者提供の場合にも触れています。くわしくは「メルマガ運用者が必ず知っておきたい法律など」をお読みいただけますと幸いです。
3.リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、見込み客の購買行動を促進するタイムリーかつ役に立つ情報を提供することで購買意欲を高め購買行動を促進する目的で送信するコミュニケーションをさします。
リードナーチャリングについては、「リードナーチャリングはじめてガイド」にてまとめております。是非こちらも合わせてごらんください。
リードナーチャリングは、営業引合いにつなげるより戦略的な一連のメール配信によるコミュニケーションをすることもあります。そのため、リードナーチャリングには一連のメールのシナリオ設計を必要とします。
リードナーチャリングのマーケティングメールのメリット
開封率が高いなど、メールへの反応が良い メール配信のターゲットが明確 見込み客の関心や購買行動に合わせて配信するコンテンツが限定されるため、コンテンツの企画をしやすい
その反面、リードナーチャリングのマーケティングメールでは、
リードナーチャリングのマーケティングメールのデメリット
購買行動に合わせた一連のメールを送信するため、全体の企画の難易度があがる 受信者がメールを転送が少なく、拡散は見込めない
というデメリットがあります。
4.広告配信メール
広告や宣伝を目的としたメールマーケティングでは、自社の見込み客にメール配信したり、外部のメール配信サービスで「号外」のような形でメール配信をします。
広告配信メールとして外部業者が持つメール配信リストへと、特定のメールが配信することもあります。当然広告メールですので、広告費用がかかります。
広告配信のメールマーケティングのメリット
メール配信のリーチが広く、ターゲティングが可能である 自社が保有していない見込み客へとリーチができる(新規の見込み客獲得が期待できる) ROIを算出しやすい
広告配信メールのデメリットは、
広告配信のメールマーケティングのメリット
コストが高い 広告メール配信業者によって、配信日時、文字数、リンクの設定などの制約がある
のデメリットもあります。
5.トランザクションメール(自動返信メール)
メルマガ登録や、各種フォーム登録後に自動的に送信されるメールがトランザクションメール(自動返信メール)です。
トランザクションメールは、マーケティングで活用するメールの中でも圧倒的にクリック率や開封率が高い特徴があります。トランザクションメールの反応の高さを活かして、SNSのシェアボタンを挿入するなどして、メールやコンテンツの拡散をねらってみましょう。
トランザクションメールは、最初に受け取ったメールや、提供するメルマガやホワイトペーパーの質が期待した通りでない場合、その後のメール配信に大きな影響を及ぼすおそれがあります。
フォームからメルマガやセミナー登録完了の通知メールなどのトランザクションメールでは、コンテンツは手を抜かずに、見込み客にとって関連ある役に立つ情報も盛り込むよう、注意しましょう。
6.まとめ(サマリー)メール・開催報告メール
特定のイベントや内容をまとめたメールは、メールマーケティングの一環として活用できます。
ブログの内容、展示会での展示内容、セミナーや講演、プレスリリースなど、さまざまな情報を短くまとめて、メールにて案内ができます。
まとめメールでは、コンテンツを再活用して、より多くの見込み客へと情報を展開できます。
メールマーケティングの注意点
メールマーケティングでは、いずれの種類のメールを送る場合でも、4つのポイントに注意しなくてはなりません。

メールマーケティングの注意点は、メルマガを例にとりながら「メルマガ担当者のためのメールマーケティングの4つの注意点」でまとめてあります。くわしくはこちらの記事をご覧いただけますと幸いです。
ワンランク上のメールマーケティングのために
メールマーケティングにも他のマーケティング活動と同じく、「コツ」が存在します。こうしたコツを知っておくと、反応の良いメールマーケティングが素早くできるようになります。

メルマガの反応率を高めるためには守っておきたい8つのコツがあります。くわしくは「高い反応が得られるメルマガの書き方〜初心者もできる8つのコツ」でまとめました。合わせてごらんくださいませ。
メールマーケティングに活用できるメール配信システム
メールマーケティングで利用できるツールは年々増えています。ここではメールマーケティングに利用できる代表的なツールをご紹介します。
自社のメール配信の仕組みを利用する
メールの配信数があまり多くなければ、業務に利用しているメールシステムを利用できます。メールソフトと顧客管理用のExcelを活用して、メールアドレスや宛名を差し込む活用も可能です。
メールマーケティングの配信リストが100くらいまでであれば検討しても良いかもしれません。
メール配信システムを利用する
メールマーケティングの配信先(見込み客数)が100以上になったら、メール配信システムの利用をお勧めします。
配信先のリストを管理したり、配信したメールの反応をチェックしたりできるなど、便利な機能があります。メルマガの歴史とともに発展してきたシステムでもあるため、ケータイやスマホを含めたメルマガ配信に最適です。
リードナーチャリングや、特定Webページの閲覧者へのフォローアップなどのメールマーケティングを手がけるなら次にご紹介するマーケティングオートメーションが便利です。
マーケティングオートメーションを利用する
マーケティングオートメーションは、ここで紹介したあらゆるメールマーケティングが可能です。
マーケティングオートメーションの特徴であるWeb訪問者の行動履歴を記録する機能を使うと、メールマーケティングで送ったメール本文のリンクをクリックした後のWebサイトの閲覧履歴を見ることで、メール受信者のニーズを推測することができます。
メール受信者のニーズを知ることで、メルマガで書くべきコンテンツがわかり、リードナーチャリングからの営業案件数を伸ばすことにつなげることができるため、売上アップを目的としたメールマーケティングに最適です。
マーケティングオートメーションについてもっと知りたい方のために無料セミナーをご用意しております。セミナーの日程や詳細は以下のURLからごらんいただけます。
https://www.kairosmarketing.net/seminar/marketing-automation
さいごに
メールマーケティングの基本事項とメールマーケティングの運用の注意点をまとめました。みなさまのお役に立てますと幸いです。
メールマーケティングのノウハウは、無料のノウハウ集(PDF)にまとめてございます。下記のバナーから無料でダウンロードが可能です。
(この記事は2015年11月17日に書かれたものを再編集しました)