パーチェスファネル(マーケティングファネル)の基礎|マーケティングや営業が必ず覚えておくビジネスの基本

2016年05月18日

パーチェスファネル(マーケティングファネル)はマーケティングにおいて欠かせないフレームワークの1つです。マーケティングでのリード獲得から、営業部門での案件のクロージングまでの見込み客の流れが、パーチェスファネル上でモデル化でき、必要なマーケティングのアクションを見出すことができます。

パーチェスファネルは、マーケティング活動のガイドラインとなり、どんな見込み客に対して実施すべきマーケティング施策を明らかにしてくれます。

パーチェスファネルをよく理解して、より多くの営業案件を見つけ出し、売上アップのためのマーケティング活動を展開していきましょう。

1.パーチェスファネルとは?

パーチェスファネルについておさらいしてみましょう。

1-1.パーチェスファネルの基本

マーケティングファネル

パーチェスファネルは、上図のような「ろうと」(英語で「ファネル」)の形でよく表現します。見込み客が購買にいたるまでの状態遷移を売り手側の視点で表現したモデルです。

パーチェスファネルはこのように上下方向に表現する場合もあれば、横向きに表現する場合もあります。いずれの場合でも、パーチェスファネルそのものの意味合いは変わりません。

1-2.パーチェスファネルの各段階について

パーチェスファネルをよりよく理解していただくために、パーチェスファネルの「ろうと」の口の部分から説明していきます。

パーチェスファネルの各位置は、見込み客の購買行動プロセスが大きく関係します。パーチェスファネルの理解には、あなたの事業における見込み客の購買行動プロセスを考えることから始まります。

BtoBマーケティングの購買行動プロセスについてBtoBマーケティングにおける購買行動プロセスは、「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項|カイロスのマーケティングブログ」でまとめました。合わせてごらんくださいませ。

パーチェスファネルの上部では、まだまだ見込み客のニーズやウォンツが明確になっておらず、営業案件からは少し遠い見込み客です。

パーチェスファネルの下にいくにつれて、見込み客の購買行動プロセスが進み、ニーズやウォンツが明確になります。

マーケティングや営業活動では、パーチェスファネルの下にいけばいくほど、見込み客のコンタクト情報やニーズ、要件、予算など詳細な情報を得るようにして、営業活動を有利に進めることができるようにします。

2.パーチェスファネルの使い方

パーチェスファネルとマーケティングの関係をもっとよく理解していたけるよう、マーケティング業務にハイライトして説明をします。

2-1.パーチェスファネルの上部〜見込み客を獲得する

パーチェスファネルの上部に位置する見込み客は、広告や検索エンジン経由でインターネット利用者があなたのWebサイトへと訪問します。

この時点での見込み客は、アクセス元のIPアドレスの情報とブラウザーのクッキー情報の取得しかできません。つまり、個として認識は可能ですが、この訪問者を特定することはできません。

パーチェスファネルのこの段階の見込み客が、あなたのWebページの内容に興味を持てば、次の購買行動プロセスをします。

マーケティング担当者のあなたは、この見込み客があなたの会社の製品やサービスに興味をもち、コンタクト情報を提供することを望んでいます。見込み客のコンタクト情報がわかれば、メールや電話であなたから接触することができ、マーケティング活動の幅が広がるからです。

そのために、メルマガ登録、資料請求、各種資料ダウンロード請求、セミナーの申込み、eBookのなどを通じて、コンタクト情報の取得をねらいます。

パーチェスファネルのこの段階のマーケティング活動は、リードジェネレーションと呼びます。

リードジェネレーションについて
リードジェネレーションとは、あなたの見込み客(リード)を獲得する・増やす(ジェネレーション)することです。詳しくは「やさしく説明するリードジェネレーション!マーケターなら知っておくべき見込み客獲得の基礎|カイロスのマーケティングブログ」でまとめました。

2-2.獲得した見込み客を評価する

パーチェスファネル上の次の段階では、獲得した見込み客とあなたの事業との適合度合いを確かめます。

適合度をみるためには、あらかじめ設定した理想の顧客の人物像があると便利です。マーケティングでは、理想の顧客の人物像はペルソナとして設定することがよくあります。

あらかじめ設定したペルソナに合致する見込み客は、MQL(Marketing Qualified Lead)となります。

ペルソナの作り方
ペルソナの概要とペルソナの作り方は「誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順|カイロスのマーケティングブログ」でまとめてあります。参考になれば幸いです。

パーチェスファネル上のMQLは、営業案件の候補として営業部門に引き渡します。営業部門で、営業活動を展開すべきリードであれば、パーチェスファネル上でSALとなります。

その後の営業活動を通じて契約にいたります。この一連の流れをモデル化したものがパーチェスファネルです。

3.パーチェスファネルでよく起きる問題と課題

パーチェスファネルを使ってマーケティングから営業活動までの流れをモデル化して運用を始めると、予期しなかった問題や課題に直面することがあります。

よくあるパーチェスファネルの運用における課題は、MQLとSAL(Sales Accepted Lead)のギャップです。

SAL(Sales Accepted Lead)
SALとは、MQLのうち営業部門が営業活動を展開するに値すると判断した見込み客をさします。

現状のマーケティング活動においても、展示会などで獲得した見込み客のリストの質について営業部門からクレームをうけることがあるでしょう。これは、パーチェスファネル上のMQLとSALの定義が大きくズレていることが主な原因です。

パーチェスファネルを運用した場合のこのよくある問題を解決するためには、営業部門とマーケティング部門で、MQLとSALの認識をできるだけ一致、つまり顧客像を明らかにすることにつきます。

4.パーチェスファネル上のMQLを定義する

パーチェスファネルでよくある問題は、MQLとSALのギャップです。この問題にうまく対処できれば、パーチェスファネルの運用を上手にできるようになります。

ここでは、パーチェスファネルのMQLをしっかり定義するために、少しずつ理解を深めていきます。

パーチェスファネルにおけるリードの質

MQL、言い換えれば獲得した見込み客の質は、2つの点で評価できます。

見込み客を評価する重要なポイント

  • あなたの会社からみて、該当リードは魅力的であるか?
  • 該当リードは、あなたの会社の製品やサービスに興味を持っているか?
  • パーチェスファネルのMQLを決めるにあたって、上記2つの評価のポイントをしっかり設定すれば、上図のような4つのカテゴリーに見込み客を分類することができます。

    4-1.見込み案件

    あなたの事業からみて、獲得した見込み客が事業のターゲット顧客になり、かつ見込み客側があなたの提供する製品やサービスに大きく関心を寄せている場合、「見込み案件」となります。今すぐ営業案件として、営業担当者がこの見込み客をフォローアップすべきです。

    見込み案件の見込み客には、製品やサービスの詳細資料を送る、営業デモのお知らせなどのマーケティング部門での活動を展開するなどのアクションが必要です。

    営業部門と協調しながら、「見込み案件」の見込み客にアプローチしましょう。

    見込み案件は、MQLの対象です。

    4-2.案件候補

    獲得した見込み客があなたの事業のターゲット顧客であるにもかかわらず、見込み客側があなたの製品やサービスに対して興味・関心がイマイチの場合、将来の営業活動の「案件候補」です。

    「案件候補」の見込み客は、情報収集のためにセミナーやメルマガの登録をしたり、展示会で立ち寄ったりします。見込み客の興味関心を高めるために、リードナーチャリングを実施しましょう。

    リードナーチャリングについて
    リードナーチャリングは、まだまだ営業案件にならない見込み客に接触しながら、ニーズやウォンツを徐々に高めるためのマーケティング施策です。リードナーチャリングについては「リードナーチャリングのやさしい解説|カイロスマーケティング株式会社」が参考になります。

    案件候補をMQLとして営業部門に引き渡すと、MQLとSALの不一致につながり、営業部門から獲得した見込み客の質についてクレームがはいる原因となります。

    4-3.選択と集中

    あなたの事業のターゲットターゲット層と獲得した見込み客が合致しないが、見込み客の興味関心が高い場合が「選択と集中」になります。例えば、中小企業向けのサービスであるにも関わらず大手企業が関心を示したり、製造業向けの製品に小売業が興味を示したりする場合があります。

    マーケティングや営業活動で、全ての可能性のある見込み客をフォローできれば良いが、担当者や予算などの社内リソースに制限がある場合には、ここに属する見込み客は、フォローやリードナーチャリングの対象とするか選択する必要があります。

    4-4.ミスマッチ

    あなたの事業のターゲット層でもなく、見込み客側もあなたの事業の製品やサービスに興味・関心も薄い場合は、思い切ってあなたのマーケティング活動から外してしまってもよいでしょう。

    5.パーチェスファネルから案件候補を刈り取る

    パーチェスファネルにおいてマーケティング側のMQLの定義がしっかりできたら次は多くのMQLを創出するためのマーケティング活動をしましょう。

    パーチェスファネルにおけるMQLの判定にはリードスコアリングが便利です。

    リードスコアリングについて
    リードスコアリングとは、見込み客を行動履歴などから判断して営業案件に近い順にランキングするための指標です。くわしくは「スコアリングを始める前にしっかり理解しておくべきスコアリングの基礎|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。

    例えば、ある見込み客が製品ページや事例から問合せページを過去3回アクセスしたなどの、リードの特定行動パターンに対して高いスコアを設定して、営業案件につながる良質なMQLを抽出できるようにしておきます。

    Kairos3

    6.パーチェスファネルを最適化する

    パーチェスファネルの定義がしっかりできたら、次にあなたのパーチェスファネルを最適化していきましょう。具体的には、以下の指標がパーチェスファネルを評価する上で便利です。

    パーチェスファネルを評価する主な指標

  • Webサイト流入に対するコンバージョン率
  • リードからMQLへのコンバージョン率
  • MQLに対するSALの割合
  • MQLに対するホットリード(案件)の割合
  • リードに対するホットリード(案件)の割合
  • それぞれの指標から、パーチェスファネル上のマーケティング活動を定期的にレビューします。ランディングページと、CTAの内容、フォームの項目数、リードナーチャリングでのメールの内容など、課題をより詳細に深堀し、分析しながら改善点を探し出していきましょう。

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