展示会後のフォローのやさしい手順〜今さら聞けない基本シリーズ

2018年04月25日

展示会の出展後に来訪者にフォローをすばやくする企業が増えています。中には、展示会の当日にフォローの連絡がくることがあります。

展示会出展の成功の成否は、展示会後のフォローをすばやくかつ適切にすることが左右する、と知っている企業が増えているため、このような傾向があります。

みなさまの展示会後のフォローアップについて、担当者が知っておきたい基本事項をまとめました。

展示会のフォローが必要な背景

展示会の出展は、BtoBマーケティングでは主流となる見込み客獲得のアプローチです。

みなさんも展示会に出展社としての立場も、来訪者としての立場も経験があることでしょう。みなさんが関わった展示会の開催報告を見たことがありますか?ここにはさまざまなヒントがあります。

展示会来場の目的は情報収集がほとんど

展示会の出展者の目的が営業案件につながる名刺の獲得であるにもかかわらず、多くの展示会来場者の目的は情報収集です。

上記の図は、複数の展示会の実施報告を当社で調べた結果です。多くの展示会で、おおよそこのような分布を示していました。

展示会には、情報収集を目的とした来訪者が大半を占めているのです。すぐに商談になりそうな展示会の来訪者は、10人に1人未満と考えてよいでしょう。

情報収集を目的とした展示会への来訪者は、自分の業務に役立つ情報を探している決裁権の無い現場の担当者が中心になります。これは日本固有の特徴とも言えるかもしれません。

情報収集を目的とした展示会の来訪者は、帰社後に同僚と展示会で得た情報を共有したり、上司に報告や購入の提言をしたりすることもあるでしょう。

だから展示会後のフォローが欠かせない

展示会後に展示会来訪者へのフォローアップが必要な理由は、おそらく気づいていただけたかと思います。

展示会の来訪者が展示会に足を運ぶ目的が「情報収集」であり、帰社後に何かが起こる可能性があるからこそ、将来の営業案件獲得に向けて、展示会後のフォローが欠かせないのです。

展示会で獲得できる名刺のほとんどは、「今すぐ」顧客ではなく、今後の見込み顧客リストとしてとらえた方が自然です。今後のマーケティング活動の中でリードナーチャリングをしながら徐々に見込み顧客の興味・関心を高め、営業案件につなげていきましょう。

リードナーチャリングについて
リードナーチャリングの概要とやり方は「リードナーチャリングとは?誰でも結果が出せるリードナーチャリングの基本手順」にまとめました。リードナーチャリングの概要からリードナーチャリングのやり方までをていねいに解説しています。みなさまのご参考になれば幸いです。

展示会後のフォローの基本事項

ここまでで、展示会出展後の「アフター展示会」におけるフォロー重要性をご理解いただけたと思います。具体的な展示会後のフォローの方法や注意点について説明していきます。

展示会後のフォローでは売り込みすぎない

展示会の出展費用を何とかして売上に変えたい。展示会出展を通じてより多くのお客さまを見つけたい。展示会出展の担当者なら、こんな気持ちを抱くことでしょう。

展示会のフォローで、この気持ちが強く出すぎてしまうと、逆効果になることがあるので注意しましょう。情報収集をメインの目的として展示会に足を運んだ方は、まだ購買行動の初期の段階にあるため、あなたからの展示会後のフォローで売り込みをされることをあまり好みません。

BtoBビジネスにおける購買行動プロセス
BtoBビジネスの購買行動は特徴的であるものの、ある程度モデル化できます。BtoBの購買行動プロセスの詳細とモデルの概要については、「5分で覚える購買行動プロセスの解説〜BtoB営業・マーケティング担当者なら必ず覚えるべき基本事項|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。

展示会のフォローをしたためにオプトアウトされてしまうと、せっかく費用をかけて獲得した名刺情報がほぼ無効状態になってしまいます。

オプトイン・オプトアウトについて
メールに関する担当者が知っておきたい法やルールについては、「メルマガ運用者が必ず知っておきたい法律など」でまとめました。オプトイン・オプトアウトについては展示会担当者も知っておくべき内容です。合わせてごらんくださいませ。

展示会来場者のほとんどの方は、購買に向けてのニーズがまだはっきりしていません。このような購買行動の初期の段階にある見込み客への接触は、営業担当者が売り込みをかけるよりも、あなたのWebサイトの情報やメールで情報を届ける方が適していると言えます。

あなたが展示会に足を運んで情報取集する立場ならよく理解できていると思いますが、展示会出展社として情報提供側の立場になるとなかなか実践できません。

展示会後すばやくフォローを

展示会出展社は数多くあります。展示会の来訪者の目的が情報収集であるため、数多くの展示会ブースに立ち寄って名刺交換などをしています。

もしあなたが展示会から1週間後にフォローの連絡を入れても先方はきっと忘れてしまっているでしょう。場合によっては、展示会後にすばやくフォローをした企業の製品を検討してしまっているかもしれません。

最近は名刺管理アプリと連携するメール配信機能を持つツールも数多く存在します。名刺管理アプリを使って、展示会会場で名刺をデジタル化してメール配信する準備を整える企業も多くなりました。

名刺管理アプリと連携するメール配信機能を持つサービス
名刺管理アプリを使うと展示会の会場で名刺の情報をデジタル化できます。デジタル化したデータをボタン1つで読み込んでメール配信ができる機能を持つクラウドサービスがあります。展示会からフォローまでスムーズにできるメリットがあります。
https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation/features/bizcard-app

展示会のフォローは営業の仕事?

展示会のフォローは営業の仕事。つまり展示会で獲得した名刺情報に対するフォローは営業部門の仕事である、ということです。確かにこのような役割分担はあります。

展示会の来場者でまだまだニーズが具体化していない名刺情報を営業部門に引き渡せは、営業価値の薄い情報として判断され、マーケティング予算の使い方を疑問視されかねません。

展示会で獲得した名刺を、新規営業案件として営業担当者がフォローすると、営業部門とマーケティング部門でお互いの信頼を損ねる結果になることがあります。注意しましょう。

展示会来訪のお礼を目的としたメールから始める

展示会後のフォローアップは、まずは展示会の来場のお礼のメールからはじめてみることをおすすめします。展示内容のまとめと来場のお礼の両方をかねることができます。

情報収集が目的である展示会の来訪者にとって、まとめメールは同僚や上司への報告の文書作成の手間が省けるため、とても便利です。また、社内の同僚に転送していただける可能性もあるため、展示会のフォローのやり方としてはうまいと言えます。

展示会後のフォローで他の企業と差別化するためには、お礼メールでも受け手にとって有益な情報を提供する必要があります。今回は展示しなかったが展示会場で質問が多かった関連製品の技術情報でも良いでしょう。

展示会後のフォローメールで、お礼だけのいわゆる挨拶メールや広告満載のメールは効果が薄いと言えます。お礼メールがきっかけで配信停止されたら、今後マーケティング活動において連絡することができなくなり、高いコストの展示会出展費用が無駄になってしまいます。

展示会のお礼メールの書き方
展示会のお礼メールの書き方でお困りの際には、当社ブログの「展示会お礼メールの書き方と活用法〜展示会の効果を最大にするために|カイロスのマーケティングブログ」が参考になります。合わせてごらんくださいませ。

展示会のフォローでどの程度の情報を届けるべきか?

展示会後のフォローは、最大でも3分以内に読めるようにメール本文を工夫しましょう。おおよそ3分というのは、長過ぎもせず情報不足にもならないちょうど良い分量と言えます。

日本人の読むスピードが1分間に400-600文字と言われているので、3分で読める分量はおよそ1,200-1,800文字相当となります。

展示会のフォローアップメールの内容は必ず読み手の視点から書きましょう。展示会出展社の立場だと、どうしても売り込み型のメールになりがちです。展示会の来場者のほとんどが情報収集を目的とし、今後の営業案件の候補であることを考慮すると、届ける情報を絞り込むことができるでしょう。

それでも展示会のフォローのメールのコンテンツをなかなか決められないのであれば、ペルソナを設定してみましょう。

ペルソナについて
ペルソナとは、あなたの製品やサービスの理想の顧客の人物像です。コンテンツマーケティングやリードナーチャリングなどのマーケティング活動でペルソナは必須と言えます。くわしくは「誰でもできるペルソナの作り方〜マーケティングの現場で活用できる良質なペルソナを作る手順|カイロスのマーケティングブログ」をごらんください。

展示会のフォローのメールに合わせてあなたのWebサイトにも情報を充実させましょう。展示会のフォローのメールを読んであなたの会社の製品やサービスに興味を持ち、ニーズが具体化するにしたがってホームページでの情報を検索するようになるかもしれません。

さらなるフォローの工夫をしよう

展示会出展後フォローメールを一度だけ送って、その後は何もしていないケースを見かけます。それ以外でも、

見込み顧客へのフォローはこれだけにとどまらないように

  • メルマガやDMで新製品の宣伝やセミナーの案内
  • 電話営業のリストとして活用
  • 暑中見舞いや年賀状の送付
  • だけにとどまっているケースもあります。

    一般的なマーケティング活動ではあるものの、リードナーチャリングの点で見れば、まだまだ改善の余地が大いにあると言えます。

    あなたのWebサイトの情報とメールを組み合わせて、見込み顧客の興味・関心を徐々に高める努力を定期的に実践できるようにしましょう。

    あなたの営業担当者がお客様のところに出向いたときに「いつもメールでの情報が業務に役に立っています」と言われることが理想です。営業担当者にとってもアポが取りやすいし、関連する案件には見積もり依頼がくる可能性が高くなるでしょう。

    マーケティングオートメーションを活用すると、メール開封後のWebアクセスまで記録できるようになります。誰がいつどのWebページを見たか把握できるようになると、それぞれの見込み客の具体的なニーズが推測できるようになるため、新規の営業案件には大きな成果が期待できます。

    さいごに

    展示会後のフォローの質しだいで、あなたの展示会の成果が決まってきます。展示会は出展までが重要ではありません。フォローから始まる展示会後が本当のマーケティングの始まりとも言えます。